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2004年10月30日

【締切迫る!】読者が選ぶ最恐怪談2004アンケート

 このほど、『幽』次号の特別企画「最恐怪談 of the year 2004」のために、読者アンケートを実施することになりました。
 皆さまの御応募、お待ちしております! また貴サイト、BBS等での宣伝告知も、よろしくお願いいたします。

【要件】2003年10月1日から2004年9月末日までに刊行された出版物(実話、小説、漫画など)に掲載されていた怪談の中で、貴方が最も怖いと感じた話を教えてください。出来ればコメントもお書き添えいただけると幸いです。
*単行本単位でなく、収録されている個別の話を具体的に挙げてください。
【記載例】木山夢市著『超こわい耳袋』第十巻(メディア書房)掲載の「そんな本はないだろう!?」
【コメント例】全体にハイレベルな実話集ですが、特にこの話の後半の展開には意表をつかれました。語り口の巧みさも魅力的です。
【送付先】FAX03−5469−4833 最恐怪談係
      メールakiki@mediafactory.co.jp 最恐怪談係
【締切】2004年10月31日

bibid:02445919

投稿者 東 雅夫 : 2004年10月30日 11:39 | コメント (0) | トラックバック (0)

幻視のリレーのために

 こちらも待ちに待たれた一巻でしょう。国書刊行会版『日影丈吉全集』も、早いもので今回配本された第八巻で、残すは別巻のみとなりました。特大巻となった本巻には、単行本未収録小説60余篇が収録されています。
 解説中で横山茂雄氏が指摘されるとおり、箸にも棒にもかからない通俗短篇と、高雅な幻想短篇を、まったく同時期に書き分けていたこの作家の特異性には唖然とさせられますな。個人的には、晩年の一作「山姫」に仰天。これはちょっと調べてみなければ……。
 なお、本巻の月報には、竹本健治さんと並んで小生も「墓碣市民や、秋の暮れ」と題する一文を寄稿しております。ちなみに、竹本さんの一文に見える以下のくだりには、一瞬、グッときてしまいました。

 それでも、仮に彼が『猫の泉』だけしか世に残さなかったとしても、僕のなかの日影丈吉という作家の価値は変わらなかっただろう。そのことは、同じ『暗黒のメルヘン』に収録された『ウコンレオラ』の山本修雄や、第一回幻想文学新人賞佳作となった『ざりがに』の後藤義久、また某同人誌に発表された『ニンナナンナ』の轟正都といった各氏に対する想いと同様である。(竹本健治「新たな幻視のリレーのために」)

 こういう読み手が、必ずどこかに居てくださると信じるからこそ、アンソロジストもエディターも、報われること少ないかもしれない仕事に、日々懲りずに邁進するのであります。なお、後藤義久「ざりがに」は、たまたま昨日言及した『幻視の文学1985』(とっくに絶版。復刊してもよいという奇特な版元ないかしらん)に収録されています。

isbn:4-336-04418-X
isbn:4-575-50847-0
isbn:4-309-40543-6

投稿者 東 雅夫 : 2004年10月30日 10:19 | コメント (0) | トラックバック (1)

アダムスからの贈り物

 ハロウィーンを目前に、怪奇ファン感涙の素晴らしい贈り物が到着しました。

addamsgoose.JPG

 すでにこのブログでも御紹介した、山口雅也編訳『チャールズ・アダムスのマザー・グース』です。
 エドワード・ゴーリーやティム・バートンにハマった人なら、怪奇とユーモアが混然一体となったアダムス・ワールドも、必ずやお気に召すことでしょう。いま改めて眺めると、ミッド・センチュリーな懐かしさすらこみあげてきて、しばし感無量でありました。

bk1チャールズ・アダムスのマザー・グース
チャールズ・アダムス著・山口雅也訳
国書刊行会 / ¥ 1,575 (¥ 1,500) / 200410下旬

isbn:4-309-26590-1
isbn:4-309-90291-X

投稿者 東 雅夫 : 2004年10月30日 09:49 | コメント (1) | トラックバック (0)

2004年10月28日

アンソロジー着々進行中!

 学研のKさんから届いた『伝奇ノ匣8 暴夜幻想譚 ゴシック名訳集成2』の初校ゲラを一瞥して愕然。本巻の目玉である『シャグパットの毛剃』(ジョージ・メレディス/皆川正禧訳)が、なんと550頁もあ〜るじゃないの。これだけで文庫一冊分じゃん(汗)。ほかにも矢野目源一「単独」訳版『ヴァテック』とか日夏耿之介訳「黄銅の都城の譚」(『一千一夜譚』より)とか、載せなければいけない作品は多いのに……というわけで、またもや800頁を超えそうです、申しわけない。『大菩薩峠』全一巻本を嗤ってる場合じゃないですなあ。
 一方、角川書店のTさんからは、百物語ホラー・アンソロジーの入稿準備完了の連絡が。こちらは予想していたよりも紙幅に余裕ができたので、断腸の思いで外してあった候補作数篇を嬉々として追加する。このあと版権許諾関係がクリアされたらラインナップを発表できると思いますので、お愉しみに。
 しかし……上記2冊は、ほぼ同時進行になりそうな雲行きであるな。企画のスタート時期は全然違ったんだが。『幽』第2号と『小説推理』の虚無特集も、ほぼ同時だし。おっと忘れちゃいけない、小生にとっては『幻視の文学1985』以来(古い!)のアンソロジーならぬ競作集編纂となる『稲生モノノケ大全 陽之巻』(原稿続々到着中!)もあったのだ。相変わらず相互に一見なんの脈絡もないところが、いいんだかどうなんだか……。

isbn:4-05-900297-6
isbn:4-8104-2696-3
isbn:4-04-359801-7
isbn:4-620-31649-0

投稿者 東 雅夫 : 2004年10月28日 18:28 | コメント (0) | トラックバック (0)

秘稿解禁

 『小説推理』12月号が発売になりました。今月の「幻想と怪奇」時評は、『ゴシック名訳集成』『ゴシックハート』の紹介と『暗黒館の殺人』『薔薇密室』賞揚という「ゴシック」三昧であります。それはさておき、同誌巻末の次号予告に告知が出ましたので、ここでも下記のとおり情報解禁させていただきます。御期待ください!

◆特集〈幻想と怪奇〉への誘い9(『小説推理』2005年1月号)
秘稿解禁!――『虚無への供物』の原風景を探る

*アンチ・ミステリーの最高峰として、今なお熱烈な愛読者を有する中井英夫の傑作長篇『虚無への供物』には、知られざるプロトタイプが存在した。伝説の同性愛文芸誌『アドニス』に発表されたホモセクシュアル・ヴァージョンである。『虚無』刊行40周年を期して、その全貌を明らかにするとともに、戦後幻想文学史の秘園に迫る!

【作品復刻】中井英夫 アドニス版「虚無への供物」序章
【インタビュー】須永朝彦
【評論/エッセイ】斎藤慎爾/垂野創一郎/本多正一
【企画プロデュース】東雅夫
【掲載誌発売日】2004年11月27日

isbn:4-488-07011-6
isbn:4-10-642560-2

投稿者 東 雅夫 : 2004年10月28日 17:49 | コメント (6) | トラックバック (0)

嬉しい雑誌あれこれ

 硬派の批評誌を継続発行すること、それも一号必殺(!?)の特集主義で続けてゆくことの過酷さを身に沁みて知っているだけに、そうした路線で頑張っている雑誌が健在なのを見ると、他人事ながら嬉しくなります。
 マイペースでなにげに元気な『Yaso 夜想』の最新号は「Doll/人形」特集。あれれ、第一期で特集していなかったかいな……と思ったら、こういう形で採りあげたことはなかったんですね。いかにも夜想でやっていそうな特集だったので、ちょっと意外な感も。あ、もしかして『幻想文学』(第32号の「人形綺譚」)で先にやっちまったからか!?(笑)
 ちなみに『夜想』『幻想文学』亡きあとの孤塁を守り続けてきた『TH(トーキングヘッズ)叢書』の「ゴシック・テイスト」特集号が、このところの〈ゴシック〉昂揚を受けてか、このほど再版されました。『幻想文学』でも澁澤スペシャルとかラヴクラフトとか、たま〜に増刷したことがありましたが、こういうのも嬉しいものです。

isbn:4-9900868-8-0
isbn:4-88375-048-5
isbn:4-9900868-4-8
isbn:4-88375-034-5
↑いや別に他意はありません

投稿者 東 雅夫 : 2004年10月28日 05:23 | コメント (0) | トラックバック (0)

2004年10月27日

◆幻妖通信◆第14号配信しました

スタッフのタカザワです。大変お待たせしました! 毎月発行のメールマガジン「幻妖通信」(購読無料)の第14号が配信されました。

東雅夫によるコラム(今回のテーマは「〈片山広子集成〉発刊に思う」)、bk1からのインフォメーション、読者のみなさんからの書評など、盛りだくさんの内容でご好評をいただいています。

まだご登録いただいていないお客様はぜひご登録下さい

【幻妖通信】登録ページ

次号の配信は11月9日を予定しています。

投稿者 : 2004年10月27日 18:25 | コメント (0) | トラックバック (0)

アヤしい研究室訪問

 超大型台風接近もものかは、JRと市営地下鉄とタクシーを乗り継いで、横浜国大のキャンパスに向かう。日本文学研究のスタンスから、戦前における心霊学やオカルティズムの流行について先駆的な論考を発表してきた一柳廣孝先生にインタビューするのだ。もちろん『幽』の取材である。
 一柳さんには『幻想文学』にも何度か御寄稿いただいたことがあるけれど、面と向かってお会いするのは初めて。年齢も関心の方向も非常に近いので、以前から勝手に親近感を抱いていたのだが、研究室におじゃまして周囲を見まわした瞬間、やはり「同類」であることを確認、書架の手前を埋め尽くす妖怪グッズの山が動かぬ証拠だ!(笑)

ichiyanagi.JPG
↑『白樺』の並ぶ手前に妖しい人形やフィギュアが。見馴れた光景である

 ところで、室内には学生さんたちがたむろしていて、ちょうど授業が終わったところかと思ったら、さにあらず。なんと『幽』愛読者の皆さんだった。いきなり創刊号にサインを求められ、いたく感激する。台風のさなか、わざわざ残っていてくれたとは……最高だぜ横浜国大!
 取材そのものも、いたって和やかに、ときにスリリングに進行。根っからの怪談好きであることがヒシヒシと伝わってくる充実した内容となった。さるにても……つい先日、稲川淳二さんからナマで拝聴した「生き人形」話のサイド・ストーリーともいうべき逸話を、まったく偶然にも一柳さんの口からうかがうことになろうとは!(昂奮) 詳しくは『幽』次号をご覧いただきたいが、思わず冷や汗をかいたことよ。いやはや。

isbn:4-7872-7187-3
isbn:4-7872-3148-0
isbn:4-7872-9170-X

投稿者 東 雅夫 : 2004年10月27日 03:58 | コメント (0) | トラックバック (0)

2004年10月26日

いろいろ出てますね

isbn:4-334-03273-7
なにせ著者が著者なので(笑)ありきたりな教養新書本であるわけがない。奇人変人日本文学史といった趣も。

bk1月が昇るとき
グラディス・ミッチェル著・好野理恵訳
晶文社 / ¥ 2,520 (¥ 2,400) / 200409下旬

ミステリーにはあまり執着のない小生ですが、こういう世界にはとても惹かれるものが。

isbn:4-916199-64-2
タニス・リーの長篇エロチック・ファンタジーが意外な版元から意外な装幀で。今後も続くのかしらん。

isbn:4-8074-0408-3
これは大笑い。こんな文字組で通読する気には到底なれませんが、あの大長篇を無理矢理一巻本にするという馬鹿馬鹿しいアイディア、そそられますね。

isbn:4-8060-4087-8
 『カバンのなかの月夜』が印象的だった詩人/デザイナーのエッセイ拾遺集。渋い造本だ。しかし限定350部とわ……むむむ。

isbn:4-87257-480-X
 先ごろ急逝された中島らも氏が、死の直前まで収録を続けていた連続対談本。ユーモアと洞察に満ちた直言の数々。タカザワケンジさん撮影の写真もイイ感じです。

投稿者 東 雅夫 : 2004年10月26日 15:53 | コメント (0) | トラックバック (1)

洋菓子のように

 「日本伝説紀行」の鬼女紅葉取材に際して大変お世話になった、信州上田在住の作家・片桐京介さんから、本名で書かれた私家版の新著『レモン色の雨傘』(オフィスP&P発行/購読問い合わせは khirano@po2.ueda.ne.jp)を御恵贈いただいた。清楚な白地のカバーに、表は黄色い雨傘、裏には子供靴のイラストをあしらった可愛らしい本である。帯には「家族の情景を淡淡と描いたエッセイ集」とある。
 う、むむむ、ホラー評論家としても『幽』編集長としても、いささか対応に窮する類の本ではないか……とは思ったものの、ともかくも目を通そうと頁を繰りはじめたら、どうにも止められなくなり、目前の締切を放ったらかして、ひといきに読了してしまった。
 「物語」は、新婚まもない片桐夫妻が、横浜から都内のアパートへ引っ越す場面から始まる。時に1958年、春――奇しくも小生の誕生年月と同じ時期である。端正な筆致で描きだされる昭和三十年代の東京、貧しいけれど溌剌としていた高度経済成長以前の光景には、小生自身おぼろげな既視感があり、タイムスリップ・グリコなノリで(笑)興趣深く読み進めることができた。

lemon.JPG

 しかしながら、それにもまして魅了されたのは、抑制のきいた、それでいて隈々に豊潤な「物語」をはらんだ、その文体の煌めきである。たとえば――。

 葉桜のころ、私たちは初めて都電で新宿へ出かけた。
 新宿御苑の前を通り、一〇分ほどで着いた。運賃も十五円という安さだった。
 伊勢丹のベビー用品売り場で産着や肌着などを見た。四谷に越して家賃五千円がういたとはいえベビー用品はかなり高価で、生まれるまでに必要なものがすべて揃えられるかどうか、いささか心もとなかった。
 その日は下見のつもりだったのだが、色とりどりの小さな靴に私たちは思わず引き込まれ、気がつくとどれにしようかと選んでいた。柊が刺繍されているクリーム色の靴を、妻は洋菓子のように手にのせた。
 「これ、どうかしら」
 街にジングルベルが聞こえるころ誕生する子にふさわしい靴のように思われた。

 まだ都電が新宿を走っていた時代、大衆消費社会の輝けるシンボルだったデパートの一隅、新たな命の誕生を心待ちにする若夫婦――それらセピア色にくすんだ過去の点景が、「洋菓子のように手にのせた」という卓抜な一句を得て、たちまち柔らかい暖色に染めあげられ、瑞々しい耀きを放ちはじめる不思議さよ!
 かつて三島由紀夫が『小説とは何か』の中で、柳田國男の『遠野物語』を称揚して指摘した「炭取りの廻転」のそれにきわめて近似した感興が、ここにはある……突拍子もなく、そんなことを思って、少し昂奮した。
 幻想でも怪奇でもないけれど、ここには、それこそ洋菓子を取り分けるときのような細心さで撰び取られた言葉のみが生みだしうる歓ばしき小世界が、けざやかに息づいているのである。

isbn:4-575-23474-5

投稿者 東 雅夫 : 2004年10月26日 02:34 | コメント (0) | トラックバック (0)

2004年10月23日

加門七海@ダ・ヴィンチ編集部

 坂めぐりを終えたあと、渋谷のダ・ヴィンチ/幽編集部に戻り、加門七海さんにインタビュー取材。テーマはズバリ、このブログでも何度か紹介している『江戸明治東京重ね地図』を使い倒して綺堂の東京を探る! なのだ、ぜいぜいぜい。
 さすが、地図にはちょっとうるさい加門さん(『東京魔方陣』をお読みの方なら、お分かりですね)、同地図ソフトの旧バージョンである『江戸東京重ね地図』をいち早く購入、利用していらしたそうな。そちらと較べても、格段に使い勝手が良くなっているとか。
 サテ、いかなるセピア色の光景があぶりだされましたか、『幽』次号をお愉しみに。
 ところで。ダ・ヴィンチ編集部には、かねてより「出る」という噂がある。せっかく加門さんにお越しいただいたのだから、と、編集長命令で無理矢理、出没地点とおぼしき一隅へ拉致、じゃなかった御案内してみた。その驚くべき顛末は……もしかすると『幽』次号以降に載る、かも、知れません。
 なお、『江戸明治東京重ね地図』の詳細・御購入は→ こちらへ!

isbn:4-309-47336-9
isbn:4-309-47337-7
isbn:4-06-212071-2

投稿者 東 雅夫 : 2004年10月23日 05:10 | コメント (0) | トラックバック (0)

綺堂/怪談/坂めぐり

 『幽』次号の岡本綺堂特集に掲載する探訪記「綺堂/怪談/坂めぐり」の取材で、写真家のMOTOKOさんや編集スタッフとともに都内各所をまわる。
 出発点は、小石川の切支丹坂。御存知、『青蛙堂鬼談』連作で、怪談会が催される「青蛙堂」があったとされる場所である。

kirishitan.JPG
↑丸ノ内線の隧道から切支丹坂を望む

 そのあと、綺堂が生涯の大半を過ごした麹町元園町や、関東大震災で焼け出されてのち仮寓した麻布十番の暗闇坂と狸坂、幼少期の一時期を過ごした飯田橋の二合半坂、生誕の地である高輪北町の桂坂……等々へ。
 綺堂が切支丹坂を青蛙堂の所在地に擬したのは、この坂が近世以来、「幽霊坂」の別称で知られる都内有数の怪奇スポットであったからだろうが、みずからの居住地も、妙に怪しい坂と関わりの深い土地柄が多いのは、思えば奇妙なことである。というか、今回の取材を準備していて、ハタとその事実に気がついたのだが。
 所縁の坂にたたずみ、地霊たちの囁きに耳かたむけていると……幾度かゾクリとさせられる瞬間があった。首尾よく「怪異のトポス」を探り当てられましたら、おなぐさみ〜。

isbn:4-05-900120-1
isbn:4-309-40698-X
isbn:4-89444-260-4

投稿者 東 雅夫 : 2004年10月23日 04:22 | コメント (0) | トラックバック (0)

2004年10月22日

中井英夫といえば

 『虚無への供物』刊行40周年の今年、著者と物語にゆかりの深い12月10日にすべりこみセーフとなる11月27日発売の『小説推理』誌で、「中井英夫/虚無への供物スペシャル」が実現することになりました。
 今回の特集の眼目は、これまで表立って取り沙汰されることのなかった『虚無』誕生の原風景に迫ること――と申せば、一部で「もしや、あれか!?」と色めきたつ向きもあることでしょう(笑)。近日中に詳細をお知らせできると思いますので、刮目してお待ちあれ!

isbn:4-06-273995-X
isbn:4-06-273996-8
isbn:4-488-07011-6
isbn:4-309-01665-0

投稿者 東 雅夫 : 2004年10月22日 10:28 | コメント (2) | トラックバック (0)

2004年10月21日

野川と「はけ」の道

 鈴木理生邸の最寄り駅は、JR中央線の武蔵小金井だった。この駅には忘れがたい想い出がある。中井英夫さんが晩年の一時期、自称「都落ち」の住まいとされたのが、やはりこの駅から最寄りの小金井市前原町だったのだ。南口を出て商店街を抜けると、武蔵野平野を見はるかす陸橋の上に出る。そこから長いだらだら坂をくだり、野川のほとりにたどりつく手前を左折……と、ここで何故か決まって中井邸を探しあぐね、閑静な住宅地をひとしきり右往左往したものだ。
 鈴木邸を辞して、駅前の喫茶店に飛びこみ、急ぎの原稿を書きあげ送信したら、すでに日暮れ近い時刻だった。しばし躊躇したものの、懐かしさに駆られて野川を目指した。

nogawa.JPG
↑野川夕景

 薄をはじめとする秋の野草が繁茂する夕映えの野川は、やはり素晴らしかった。緑濃い川沿いの道を、うきうきしながら散策したあと、川から離れて「はけの小道」をたどる。
 そう、この地は、大岡昇平『武蔵野夫人』の舞台でもあるのだ。前に「幻想作家のいる風景」の項で俎上にのぼせたとき、「はけってナニよ?」と何人かの方から不審がられたので、以下に『武蔵野夫人』の第一章「『はけ』の人々」から引用しておこう。

 樹の多いこの斜面でも一際高く聳える欅や樫の大木は古代武蔵原生林の名残りであるが、「はけ」の長作の家もそういう欅の一本を持っていて、遠くからでもすぐわかる。斜面の裾を縫う道からその欅の横を石段で上る小さな高みが、一帯より少し出張っているところから、「はけ」とは「鼻」の訛だとか、「端」の意味だとかいう人もあるが、どうやら「はけ」はすなわち、「峡(はけ)」にほかならず、長作の家よりはむしろ、その西から道に流れ出る水を溯って斜面深く喰い込んだ、一つの窪地を指すものらしい。

hakeroad.JPG
↑右手足もとを小川が流れる「はけ」の道

 ちなみに今日一般には、古風な姦通小説、といった程度に受けとめられているらしい『武蔵野夫人』だが、その底流には一種の幽霊屋敷小説めいた無気味な側面が見え隠れしていることを指摘しておきたい。
 暮れなずむムジナ坂を登りつめて振りかえれば、地平の彼方に、黒々とした富士山のシルエットが、ぎょっとするほど大きく望見された。

bk1武蔵野夫人 改版
大岡昇平著
新潮社 / ¥ 420 (¥ 400) / 1999.06


bk1野川
古井 由吉著
講談社 / ¥ 2,310 (¥ 2,200) / 2004.05

投稿者 東 雅夫 : 2004年10月21日 06:30 | コメント (0) | トラックバック (1)

ちょっと野暮ですが

 最前の記事中の引用文、どこが面白いのかピンとこない……という若い衆がいるようなので(汗)、野暮を承知で付言します。
 「観音様の北側にお参りに行く」ってぇのは、要するに「吉原通い」のことでありんすな。しかし「お参り」とはねぇ、云いえて妙とはこのことだ。

isbn:4-05-401843-2
isbn:4-10-106906-9

投稿者 東 雅夫 : 2004年10月21日 05:38 | コメント (0) | トラックバック (0)

2004年10月20日

江戸/東京怪談文化の深層へ!

 「都市史研究家」という肩書きで、下記に掲げたようなユニークな著作を世に問うてこられた鈴木理生さんのお宅にうかがい、お話をうかがった。『幽』次号の岡本綺堂特集の一環である。
 地形の変遷史、水運・市場の発展史といった独創的な観点と実証的手法をもって、江戸/東京の原風景を浮かび上がらせた『江戸はこうして造られた』、怪談実話ファン必読必携の『江戸の町は骨だらけ』、河川をめぐるトリビア百科といった趣もある『川を知る事典』等々、小生はかねてより鈴木氏の著作を愛読してきた。『幽』の起ちあげに際しても、まずは仁義を切っておきたかった方のひとりが、同氏だったのである。氏の著作の魅力のひとつに、実証的論述の合間合間に、いかにも江戸っ子らしい洒脱な脱線話が挿入される点がある。一例として、『川を知る事典』あとがきから引く。
 「記憶の限りでは、我が家では浅草の観音様に行くときは、麹町から電車で両国まで行って、そこから『一銭蒸気』に乗るのが例だった。その理由を祖母に尋ねると、『祖父(じい)さんは若い時から、観音様の北側にお参りに行くには何時も船だった』と苦々しげに言った。祖父さんは船の上でそっぽを向いていたが、その顔が忘れられない。もちろん半世紀以上も昔の、東京大空襲以前の話である」
 ちなみに右の「祖父さん」は綺堂と同世代でいらしたそうで、しかも今回オファーをさしあげて知ったのだが、なんと鈴木氏は、綺堂と同じ麹町元園町に生まれ育った由。綺堂本人はもとより、泉鏡花・すず夫妻の姿なども、「近所のおじさん、おばさん」として間近に目撃されることがあったとか。地元の方ならではの臨場感ある回顧談をうかがうことができて昂奮する。
 さらに! 綺堂関連ばかりではなく、怪談方面でも思いがけない収穫が多々、非常に実り多い取材となった。どうか御期待ください!

bk1江戸の町は骨だらけ
鈴木 理生著
筑摩書房 / ¥ 1,260 (¥ 1,200) / 2004.08.09

isbn:4-480-08539-4
isbn:4-385-36028-6
isbn:4-534-03656-6
isbn:4-7601-2352-0

投稿者 東 雅夫 : 2004年10月20日 06:39 | コメント (0) | トラックバック (1)

2004年10月19日

『薔薇密室』に驚嘆

 『小説推理』の〈幻想と怪奇〉時評を書く。今回のメニューは、『ゴシック名訳集成2』の前フリ(笑)と『ゴシックハート』『暗黒館の殺人』『薔薇密室』という布陣。何を意図したか、一目瞭然ですね!?
 さるにても『薔薇密室』! とりわけ廃墟めく僧院の内庭で、薔薇と瀕死の美丈夫を接合育成するという蠱惑的なゴシック幻想に逢着する第一部第一章のただならぬ濃密さ、雄勁にして耽美を極める筆勢には、ただただ圧倒された。
 おまけに、この『薔薇密室』というタイトルには、ちょいとした曰く因縁が秘められているのである(熱心な皆川ファンなら、すぐにピンときそうだが……詳しくは今月発売の『小説推理』を参照されたし)。
 狂言綺語の本道を過激に邁進する作者の幻想作家魂に、いくたびも脱帽である。

bk1薔薇密室
皆川博子著
講談社 / ¥ 2,520 (¥ 2,400) / 2004.09.21

isbn:4-06-212519-6
isbn:4-06-182388-4
isbn:4-06-182389-2

投稿者 東 雅夫 : 2004年10月19日 09:50 | コメント (0) | トラックバック (0)

2004年10月16日

稲川怪談を堪能

 新宿南口の某ホテル会場で収録された加門七海十番勝負、じゃなかった(笑)連載インタビュー企画@『幽』に立ち会う。今回のゲストは御存知、稲川淳二氏である。初対面の御挨拶をしたときの柔和な瞳の輝きが、とても印象的であった。
 いざ収録が始まると……さすがに「語る怪談」の第一人者、聴き手をとらえて離さない緩急自在な語り口に、一同、圧倒されっぱなし。とりわけナマで聴く「生き人形」話の迫力たるや! 途中、氏の怪談人生を決定づけた沈痛な出来事に話がおよぶと、スタッフの中には涙ぐむ者も。詳しくは『幽』次号を待て!
 収録後、加門さん、キッシーと別件の打ち合わせをおこなったのだが、その席上、加門さんが「じつは、生き人形の話のときね……」。むむむ、色々あったようなんですが、小生はまったく気づかず(笑/怖)。

isbn:4-8124-1645-0
isbn:4-8458-2760-3
isbn:4-04-930043-5

投稿者 東 雅夫 : 2004年10月16日 21:08 | コメント (0) | トラックバック (3)

夢占!?

 『蒐集家』所収の「海を集める」でプロ・デビューを果たした松本楽志くんのウェブ日記10月14日の項に、こんな記載が!

>意味もなく、東雅夫氏に叱られる夢を見てめざめる。夢の中の僕は一体、何をしたんだろう……。

 ふっふっふ、勘の良い奴よのぉ〜(笑)。じつはちょうどその直前くらいに、あることが、ようやっと最終決定されたのであった。正式発表は、もうしばらく先になりそうなんだが。
 あ、でも別に「叱る」つもりはないですから。せいぜい「叱咤激励」程度かしらん(謎)。

isbn:4-620-31649-0
isbn:4-334-73739-0

投稿者 東 雅夫 : 2004年10月16日 09:23 | コメント (0) | トラックバック (0)

2004年10月15日

堀切直人の回顧録

 今をさること四半世紀近く前、『日本夢文学志』『迷子論』などの鮮鋭な著作で、一部の幻想文学少年たちを熱狂させた堀切直人氏の回顧録『本との出会い、人との遭遇』が届きました。
 シブサワ/タネムラから浅羽通明や倉阪鬼一郎といった幻文キャラ(!?)にいたるまで、編集文筆活動を通じて接した多彩な顔ぶれへの言及が。小生の名前も、ちょろりと登場いたします。
 個人的には、北宋社時代に氏が手がけた〈イメージの文学誌〉シリーズ編纂にまつわる裏話が興味深かったり。小生もアンソロジストとして大きな感化をうけた名シリーズでありましたな。

isbn:4-8421-0044-3
isbn:4-9901703-2-6

投稿者 東 雅夫 : 2004年10月15日 23:37 | コメント (0) | トラックバック (0)

【緊急告知】本棚探偵サイン会

 うっかりしておりましたが、明日16日(土)午後3時より、ジュンク堂池袋店(電話03-5956-6111/電話での整理券予約も可)にて、喜国雅彦『本棚探偵の回想』のサイン会が開催されます。
 なんと来場者には、サインだけでなく、著者手作りの特製小冊子がプレゼントされるとか! これは行くしかないでしょう。
 すでにbk1にてお買い求めの向きも多いとは思いますが(感謝)、ええ〜い乗りかかった舟だ、この際、永久保存用にもう一冊!(笑)なお重複購入者は、こっそり「幻妖ブログで見ました。bk1でも買ってます」と申告すれば、本体のみならずオマケの蔵書票にもサインしてもらえる……かも知れません!?

isbn:4-575-29735-6
isbn:4-575-29281-8

投稿者 東 雅夫 : 2004年10月15日 15:30 | コメント (0) | トラックバック (0)

2004年10月14日

ゴーゴー三峯神社!

 ……てなわけで、目前に迫った修羅場を乗り切るパワー充填のため、毎年恒例の秩父・三峯神社参拝へ。ウチの母方は代々熱心な三峯講の信者なのだが、先達の先生(小生の名付け親でもある)が亡くなられてからは、個人での参拝を営々と続けているのであった。さすがに八十を越えた年寄りを独りでやるわけにはいかないので、近年は小生が同伴している。
 昔は西武秩父の駅からバスとロープウェイを乗り継いでようやく到着したものだが、日曜祭日限定の直通バスが運行するようになって、ずいぶん便利になった。もっともエッジの電波は山麓にすら届いていないので、更新が滞り失礼しました。

mitsumine.JPG
↑霧にけむる随身門

 台風一過のはずなのに、山上は濃霧につつまれていた。三峯の神使はお犬様(狼)なので、神域には、独特の優美なフォルムをした狛犬ならぬ神狼像が点在している(ウットリ)。折しも大がかりな改修工事の竣工目前で、カラフルな本殿や重厚な随身門が驚くほど鮮やかな色合いに化粧直しされていたのに感動する。
 神社に隣接する宿泊施設で一泊し、新しい漆の匂いたつ本殿で早朝の御祈祷に参列。宮司さんたちによる祝詞は、いつもながら迫力満点。リズミカルで一種呪術的な音律は、ちょっと他の神社では耳にすることができないものだ。

rainbow.JPG
↑バルゴンでも潜んでいそうな虹である

 部屋に戻って窓外に目をやれば、いつのまにか朝霧は晴れわたり、中空に美事な虹が! 魂を賦活させられたような心地で、帰途についた。

isbn:4-944004-88-5
isbn:4-87891-048-8
isbn:4-480-03820-5

投稿者 東 雅夫 : 2004年10月14日 08:44 | コメント (0) | トラックバック (0)

制作快調! 『幽』02

 すでに『ダ・ヴィンチ』11月号の「幽/怪談之怪」コーナーで速報しておりますが、『幽』第2号の陣容がほぼ固まりましたので御報告します。
 
【第1特集】岡本綺堂――青蛙堂の幻影を求めて
【第2特集】登場作家競作!『幽』発刊イベント誌上ライヴ
【特別企画】最恐怪談2004アンケート結果発表
【作家探訪】高橋克彦
【加門七海対談】稲川淳二
【作家幽談】有栖川有栖/恩田陸/松浦寿輝
 
*このほか注目の新企画、新登場作家も多々、スタンバイ中!

 ちなみにダ・ヴィンチ今号の「幽/怪談之怪」では、松浦寿輝氏インタビューの予告篇を掲載。最新刊『半島』をめぐり、興味深いお話が展開されていますので、松浦ファンの方は要チェックだ!

isbn:4-16-323110-2
bibid:02445919

投稿者 東 雅夫 : 2004年10月14日 06:53 | コメント (0) | トラックバック (2)

2004年10月11日

週刊読書人

 『週刊読書人』10月15日号が届きました。念のために申し添えておきますと、『読書人』は雑誌ではなく、書評専門の週刊新聞です。週刊文春やアサヒ芸能と同じ売場を探しても見つかりません(笑)。いつぞや梅田の紀伊國屋で「読書人くださーい」と訊いたら「置いてませーん」と云われて、思わず耳を疑ったことがありましたが(bk1でも扱ってないから他店様のこたぁ云えないが)、最近では業界関係者や、それこそコアな読書人の間でしか読まれなくなっている傾きがあるようなのは残念なことです(ちなみに『読書人』は『ユリイカ』とともに、『幻想文学』がたま〜に有料広告を出していた稀有なる媒体でもありました)。
 ただ、それだけに、よけいな気を遣わず好き放題なことが書けるので、書評媒体としては悪くないんですけどね。今回も津原泰水『綺譚集』について、短い枚数とはいえ思うさま書かせていただきました。
 そういえば『綺譚集』、増刷かかったそうで、なによりかと。こういう本がちゃんと売れてくれるのは心強いかぎりです。そのくせ、せっかく文庫化された長篇代表作『ペニス』の売れ行きはイマイチらしく、担当編集者が慨嘆しておりましたが。『綺譚集』に触発された方ならば『ペニス』は絶対にハマるはずなので、未読な向きは『ペニス』も買うよーに! あ、ついでに『綺譚集』の中でもひときわ異彩を放つ「赤仮面傳」が包含される中篇「音の連続と無窮変奏」が書き下ろし収載されている『伝奇ノ匣4 村山槐多耽美怪奇全集』もね(笑)。

isbn:4-08-774703-4
isbn:4-575-50923-X
isbn:4-05-900201-1

投稿者 東 雅夫 : 2004年10月11日 12:55 | コメント (0) | トラックバック (0)

2004年10月10日

『怪』最新号も入荷

 やや出遅れましたが、『怪』17号が入荷しました。
 表紙デザインも一新された今号は話題満載。巻頭いきなりの件(くだん)ナマ写真攻勢にガツーンとやられます。発見者の木原氏@新耳袋の快心の笑み、それを取り巻く小松和彦氏や京極夏彦氏の嬉々とした表情も印象的というか微笑ましいですねえ(嗚呼しかし小生は、いつになったらこれの現物と対面できるのだろう……ロフトの「妖・怪・談」、うっかり土曜開催と勘違いして別の取材を入れてしまったのだった、残念)。
 話題騒然の映画『妖怪大戦争』も、いよいよその全容が明らかに。むむむ、これって「稲生」さん家のお話だったのね(笑)。よっしゃー!(←なんなんだ)
 大塚英志氏が連載記事でしきりに煽っているようですが(笑)、『幽』と『怪』とは別に仲がわるいわけではありませんので御安心ください。まあ誌名とか寄稿者とか似通っているので誤解される面もあるかとは思いますが、雑誌としての性格も相当に異質だし。ま、『夜想』と『幻想文学』みたいなもんで(!?)共存共栄が可能だろうと思っています。どちらも御贔屓に!

bibid:02486305

投稿者 東 雅夫 : 2004年10月10日 08:12 | コメント (0) | トラックバック (0)

2004年10月09日

『江戸明治東京重ね地図』入荷しました!

 いやぁ、なんでも云ってみるもんだ(笑)。
 先に「こだわりの地図ソフト」で紹介した『江戸明治東京重ね地図』が、bk1でも買えるようになりました。詳細・御購入は→ こちら
 その後、自分のノートパソコンで愛用しているのですが、大きなソフトのわりに使用感も機敏だし、使い勝手はすこぶる良いです。
 特に近代文学研究/愛好者にとって嬉しいのは、明治の市電、路面電車の停留所名が網羅されていること。鏡花の「黒髪」や「酸漿」、百鬼園先生の「東京日記」、あるいは永井荷風の「日和下駄」……戦前の東京人にとって、現在の地下鉄やバス以上に親しい「足」となっていた路面電車の導線を、江戸や現代のそれと対比しつつ眺めていると、思わぬ発見があるものです。
isbn:4-00-092580-6
isbn:4-00-092573-3
isbn:4-480-03764-0
isbn:4-336-04017-6
isbn:4-06-197685-0
isbn:4-408-59232-3

投稿者 東 雅夫 : 2004年10月09日 10:08

2004年10月08日

【緊急告知】読者が選ぶ最恐怪談2004アンケート

 このほど、『幽』次号の特別企画「最恐怪談 of the year 2004」のために、読者アンケートを実施することになりました。
 皆さまの御応募、お待ちしております! また貴サイト、BBS等での宣伝告知も、よろしくお願いいたします。

【要件】2003年10月1日から2004年9月末日までに刊行された出版物(実話、小説、漫画など)に掲載されていた怪談の中で、貴方が最も怖いと感じた話を教えてください。出来ればコメントもお書き添えいただけると幸いです。
*単行本単位でなく、収録されている個別の話を具体的に挙げてください。
【回答例】木山夢市著『超こわい耳袋』第十巻(メディア書房)掲載の「そんな本はないだろう!?」
【コメント例】全体にハイレベルな実話集ですが、特にこの話の後半の展開には意表をつかれました。語り口の巧みさも魅力的です。
【送付先】FAX03−5469−4833 最恐怪談係
      メールakiki@mediafactory.co.jp 最恐怪談係
【締切】2004年10月31日

bibid:02445919

投稿者 東 雅夫 : 2004年10月08日 09:06 | コメント (0) | トラックバック (2)

英語雑誌で日本ホラー特集

 竹書房発行の英語学習(?)雑誌『inEnglish』第2号が届きました。

inEnglish.JPG

 怪談やホラーとは一見なんの関係もなさそうですが、今号では「世界を席巻する日本の文化 ジャパニーズ・ホラー」という特集が組まれておりまして、稲川淳二氏、高橋洋氏とともに小生もインタビューされております。ただし、記事の本文は英語です。

 The turning point for Japanese horror is believed to have been the early 90s.Novels such as Masako Bando's “Shikoku”or Setsuko Shinoda's “Shincho”(Ibis) published in 1993 ――novels of a genre with uniquely Japanese characteristics rooted in age-old ghost stories and sorcery ―― were released in rapid succession. Higashi drew the public's attention to this type of novel by labeling it“horror Japanesque”.

 ……てな具合。外国の人に「ホラー・ジャパネスク」について質問されても、今後は万全だな(笑)。小生の写真、怪しげなトンネルみたいな場所に立ちつくして写ってますが、ここは浜町にある隅田川沿いの地下道路なんですね。そのあと隅田川テラスでも撮影したんですが、近くの交番のおまわりさんに睨まれたりして大変というか愉快な撮影でした。ちなみにカメラマンの片桐さんは、以前『ノンセクシュアル』のときにお世話になった中川カンゴローさんのお弟子さん筋だそうで、思わぬ御縁に驚いたり。
isbn:4-04-193202-5
isbn:4-08-748531-5

bk1ノンセクシュアル
森奈津子著
角川春樹事務所 / ¥ 756 (¥ 720) / 2001.02


isbn:4-575-23469-9

投稿者 東 雅夫 : 2004年10月08日 07:43 | コメント (0) | トラックバック (0)

2004年10月06日

シンクロニシティ!?

 ささいなことなんですけどね。先ほど乗ったタクシーの車中で、『幽』次号の某企画に関する順列組み合わせ(!?)を、あーでもないこーでもないと勘案していた、と思いねぇ。ふと、運転手さんのネーム・プレートに目がいった。そこにはな、なんと――「唐澤○明」の文字が! まるで唐沢俊一さんと福澤徹三さんと平山夢明さんを足して三で割ったような御芳名ではないか!
 あたかも唐沢ハットをかぶって福澤ファッションに身を包んだ平山氏を目の当たりにするかのような……悪夢のごとき幻影が眼前をよぎったのであった(おお、いま書いていて気がついたのだが、これは某企画のメタファーかもしれないゾ)。
 ……などと馬鹿なことを云っておりますが、皆さま、御多用のこととは存じますが『幽』次号の原稿、くれぐれもよろしくお願いいたします。
 あ、それから上記の話題とはまったく関係ありませんが「締切」つながりで(笑)、もしやお忘れかも知れませんが(誰に云ってるんだ?)『稲生モノノケ大全 陽之巻』。いよいよ取り立てに本腰を入れますので、今ここを読んでギクリとされた諸賢は、お覚悟を!
 以上、業務連絡失礼しました〜。

bk1怪奇トリビア 奇妙な怪談傑作集
唐沢 俊一
竹書房 / ¥ 580 (¥ 552) / 2004.09.29


isbn:4-344-00653-4
isbn:4-8124-1735-X

投稿者 東 雅夫 : 2004年10月06日 13:52 | コメント (2) | トラックバック (0)

新雑誌『アリエス』

 講談社から今月下旬に創刊される新雑誌『アリエス』に関するbk1特集記事を眺めていて、思わず大苦笑。

>■江戸からTOKYOまで東京の歩き方――『江戸明治東京重ね地図』による落語
>「黄金餅」の旅

 『幽』の企画と思いっきりカブってるじゃん! 誰しも似たようなことを考えるのねえ……まあ、こちらは落語じゃなくて怪談だし、強力助っ人も要請中なので、いいんですけど。
 それはそうと、この『アリエス』、版元といいコンセプトといい、『ファウスト』の人文・教養版ということで、よろしいか!? 編集長氏のプロフィールを見ていたら、な〜んか気になる固有名詞にぶつかったんですけど(笑)。
 冗談はさておき、「編集長の顔が見えてもいいじゃないか」というエディトリアル・スピリット満々の積極姿勢や、「特集主義と語りおろし中心の編集」というコンセプトには、共感するところ大なので、陰ながら声援をおくりたいと思う。

isbn:4-06-179441-8

投稿者 東 雅夫 : 2004年10月06日 06:40 | コメント (1) | トラックバック (0)

2004年10月05日

小笠原賢二氏逝去

 文芸評論家の小笠原賢二さんが、4日、肺癌のため逝去されました。享年58。
 「週刊読書人」記者として、数多くの作家・詩人たちを探訪した記録である『黒衣の文学誌』(雁書館)と『異界の祝祭劇』(沖積舎)の二部作には、埴谷雄高、中井英夫、澁澤龍彦、椿実、塚本邦雄、入澤康夫、森茉莉ほか同時代の幻視者たちの貴重な肉声が収められていました。
 ジャーナリスト/批評家として、幻想文学というジャンルに早くから理解と共感を寄せられた先達の早すぎる死に、謹んで哀悼の意を表します。

bk1時代を超える意志
小笠原 賢二
作品社 / ¥ 2,625 (¥ 2,500) / 2001.10


bk1極北の詩精神
小笠原 賢二
作品社 / ¥ 2,415 (¥ 2,300) / 2001.10

投稿者 東 雅夫 : 2004年10月05日 11:14 | コメント (0) | トラックバック (0)

2004年10月04日

怪談系新着本から

isbn:4-480-85777-X
 他界の消息をめぐるさまざまな報告をあつめた現代民話集。体裁も内容も、前に同じ版元から出た『あの世からのことづて』の続篇といった趣があります。

bk1怪奇トリビア 奇妙な怪談傑作集
唐沢 俊一
竹書房 / ¥ 580 (¥ 552) / 2004.09.29

 これは超オススメ! タイトルだけではトリビア本と間違われそうですが(いや律儀にトリビアも挿入されてるんだけど/笑)、その実態は、編者の個性と着眼が遺憾なく発揮された、面白過激なセレクションのB級ホラー・アンソロジーなのですな。「物を喰べるお尻」とか「からみつく蛸娘」とか、収録作のタイトルを一瞥するだけでワクワクしてくるではないですか! あの呉秀三(『ドグラマグラ幻戯』参照)が登場する自作短篇も収録。
bk1禍禍(まがまが)
加藤 一
二見書房 / ¥ 578 (¥ 550) / 2004年9月下旬

 平山夢明氏と共に〈「超」怖い話〉シリーズを手がけている著者による「プチ怪談」実話集。その名のとおり短い話ばかりが、これでもかとばかり詰め込まれています。

投稿者 東 雅夫 : 2004年10月04日 18:19 | コメント (1) | トラックバック (0)

2004年10月03日

こだわりの地図ソフト

 『江戸明治東京重ね地図』(発売元は丸善)というパソコン・ソフトを御存知だろうか? 安政三年(1856)と明治四十年(1907)の古地図を、現代の東京市街図に重ね合わせて、縦横に検索・表示することができる画期的な地図ソフトである。
 書店でデモンストレーションされているのを偶然見かけて興味津々、これは『幽』次号の特集に活用できるのではないかと思い立ち、ソフトの企画発行元であるエーピーピーカンパニーに連絡をとったところ、協力の御快諾をいただけた。
 かくして、同社のTさんHさんを編集部にお迎えして、実地に使用方法をレクチャーしていただくことに。江戸→明治→東京とパネルをスライドさせるにつれ、地勢が溶暗し変転してゆく様に、おもわずスタッフから感嘆の声が(笑)。しかも任意の地点をマーキング設定しておくことができるので、紙の地図のようにいちいち照合させなくても、周辺の歴史的変遷が手にとるように分かるのも便利このうえない。

etmmap.jpg
↑愛機R3で茗荷谷付近を表示中だが見えませんよね……

 検索項目も詳細かつ多彩で、なんと文春文庫版『鬼平犯科帳』に登場する事件・人物関連のポイントまで網羅されている(しかも文庫の参照頁まで明記!)という凝りよう。歴史散歩が趣味の方には必携ですぞ。
 え、それでこのソフトを、どんな特集企画に使うのかって? それはま〜だ〜ヒミツです(笑)。
isbn:4-16-714253-8
bibid:00675939
isbn:4-582-82872-8

投稿者 東 雅夫 : 2004年10月03日 03:46 | コメント (1) | トラックバック (0)

2004年10月02日

生人形を観る

 せっかく大阪に来たのだからと、前から気になっていた「生人形と松本喜三郎」展(於大阪歴史博物館)を観に行った。

livedoll.jpg

 生(いき)人形とは、幕末から明治にかけて江戸や大阪の盛り場で興行された見世物の一種。現代の特殊メイクも顔負けの超絶技巧によって仕上げられた、まさに生けるがごとき人形(ひとがた)によって、霊験記などの名場面が再現されていたという。高橋克彦氏の〈ドールズ〉シリーズに登場する泉目吉のかつての生業といえば、ああ、あれのことか……と想い出される向きもあるだろう。
isbn:4-04-170424-3
↑解説の拙文中で生人形にも触れてます

 今回の展覧会は、天才生人形師と謳われた松本喜三郎と、そのライバルと目された安本亀八の作品を中心に、この忘れられて久しい近世民間アートの精華に初めて本格的なスポットを当てる試みだという。
 喜三郎一代の傑作といわれる「谷汲観音像」(写真の看板上部参照)の、聖性と妖艶さを兼ね備えた圧倒的造形に、鏡花作品に登場する媛神の面影を連想したり、猿や蟹といった小品の精緻な愛らしさに、平成の食玩フィギュアにいたる伝統を再認識したりと、収穫の多い展示であった。
 もう一点、特筆すべきなのが、図録の出来映え。かゆいところに手がとどく図版類の見せ方といい、熱気あふれる論考類(特に南嶌宏「スミソニアンの生人形」は、喜三郎の遺作発見にまつわる数奇な経緯をハイテンションで綴って感動的だ)といい、作り手の気迫が伝わってきて嬉しくなってしまった(bk1でも売りたいな〜。ダメ!? >SくんFくん)。
isbn:4-582-92123-X
↑生人形に関する解説もある基本図書

投稿者 東 雅夫 : 2004年10月02日 00:29 | コメント (0) | トラックバック (0)