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2005年01月26日
満席御礼 このブログでも再々告知いたしました高原英理氏とのゴシック・トークショー@ジュンク堂池袋店、めでたく満席となった模様です。御予約いただいた皆さま、ありがとうございます。間に合わなかった方、ごめんなさい。なんでもこの日は、午後3時から同じ会場で大森望さんたちのラノベ鼎談があるそうで、アヤしい人々が終日、ジュンク堂を占拠しそうな雲行きであります。
ところで当日、高原氏は『ダ・ヴィンチ』でのコスチュームと同じセンで登場されるそうなのですが、小生がどういう格好をするかは……まだ決めていません(笑)。う〜ん、ゴスねえ……ガイガン@GFWのコスプレでもしようかいな!?
↑肝心の映画では見かけ倒しでしたが……
投稿者 東 雅夫 : 2005年01月26日 22:11 | コメント (0)
アラビアン・ゴシック準備完了!これまた新年早々から校了まっただなかに突入していた『伝奇ノ匣8 ゴシック名訳集成 暴夜幻想譚』(←タイトル、微妙に変更になりました。あ、ついでに価格も。すいませんすいません/泣)ですが、このほど無事に準備完了となりました。
↑今回の表紙はこんな感じです!
ゲラを読み直していて、あらためて文豪メレディスのアラビアン伝奇ファンタジー『シャグパットの毛剃』の面白さに陶然となりました。強大な魔力を有する一本の髪の毛を剃り落とす大望を抱いた天才理髪師が、老婆に化身した魔法使いの美姫の助力を得て、波瀾万丈の冒険行を繰りひろげる……なんだかボーボボ+ハウルみたいな話に思われるかもしれませんが(笑)、これがどうして、オトナが読んでも滅法愉快で血湧き肉おどる一大伝奇絵巻となっており、孫悟空の如意棒もかくやとばかりな超絶の魔剣アクリス出現にいたるクライマックスまで一気呵成に突っ走る! あの夏目漱石と小泉八雲がそろって愛読してやまず、最大級の讃辞を捧げたというのも宜なるかな、であります。話中話として挿入される、傾城の美女にして蛇族の女王たるバナヴァーの物語の酷薄な妖しさもまた格別です。
この大傑作に加えて、稀覯本として知られる矢野目源一オリジナル訳『ヴァテック』、日本最初のアラビアン・ナイト翻訳書『開巻驚奇 暴夜物語』と日夏耿之介訳「黄銅の都城の譚」、古川日出男『アラビアの夜の種族』外伝等々が併録されているのですから、これはもう買うしかない! 大きな声ではいえませんが今回は刷り部数がいつもより少なめなので(だから価格が高いのよ……)、お早めの入手をオススメいたします。
bibid:02514053
投稿者 東 雅夫 : 2005年01月26日 19:16 | コメント (0)
怪談な新年会 もはや旧聞に属するが(またかよ)、新年早々、東京赤坂の某所で、怪談之怪四人衆による秘密会議&新年会が開催された。会議のテーマは『幽』および〈怪談双書〉の今後の展望と、いよいよ今年「第十夜」を迎える『新耳袋』のこれからについて。いろいろと有意義な議論とアイディアが飛び交う実り多い座談会になった。
『幽』の発刊その他で停滞中の〈怪談双書〉だが、今年はガンガンいく予定。追ってラインナップも公開できると思うので、御注目のほどを。
会談後、場所を和食系居酒屋に移し、『幽』制作スタッフと四人衆による新年会が和やかに開催された。超多忙のなか駆けつけてくださった本誌アート・ディレクターの祖父江慎さんに感謝。お疲れの御様子だったが、いきなり顔面変形の隠し芸が炸裂し、満場騒然(笑)。愉しませていただきました。
ちなみに『幽』2号の岡本綺堂特集で、絶妙なアイキャッチとなっていたコレ↓
↑蛙の中に「綺」の字が!
デザイナーの梅津佳子さんのオリジナルとはうかがっていたのだが、新年会の席上、詳しい制作秘話を知ってビックリ。なんとこれ、PCの画面上で造られたのではなく、梅津さん自身が手彫りされた芋版をスキャニングして出来たのだそうな(感動)。こうしたスタッフの職人芸(!?)によって『幽』は造られているのでありまする。
isbn:4-8401-0607-X
isbn:4-8401-0848-X
bibid:02493302
投稿者 東 雅夫 : 2005年01月26日 16:01 | コメント (0)
2005年01月22日
天の配剤か!? はたまた出版の神様の思し召しかは定かならねど、年明け早々から「今年の汝は自著・編著をつくれつくれ〜つくるのだあ〜」と耳もとで囁かれているような案配なのである。
『稲生モノノケ大全 陽之巻』『伝奇ノ匣8 暴夜幻想譚』など昨年から持ち越しとなった懸案の本に加えて、長らく水面下で進めてきた創元推理文庫版『怪奇小説傑作集・日本篇(仮)』全3巻(紀田順一郎先生と共編)と角川ホラー文庫版『百物語ホラー傑作選(仮)』がいよいよ具体的に動きだしたかと思えば、『ムー』で連載中の「日本伝説紀行」の単行本化第1弾『妖怪伝説秘宝(仮)』や『新訂 クトゥルー神話事典』のリニューアル改訂版、さらには同朋舎の『ホラージャパネスク叢書』などに発表した怪談文学紀行をまとめた単行本の企画まで、かなり「待ったなし」に近いスケジュールでオファーをいただき、どうやら今年は秋風が吹きはじめる頃まで嬉しい悲鳴を挙げ続けることになりそうである。
それぞれの企画の進行状況については、随時このブログでもリポートしていくので、何卒よろしく御注目を賜りたく。
bibid:02514053
↑まずはコレから。特典付きで予約受付中です!
投稿者 東 雅夫 : 2005年01月22日 23:18 | コメント (0)
ラヴクラフト全集7、入荷しました下記でお知らせしています創元推理文庫版『ラヴクラフト全集7』が入荷しましたので、よろしくお願いいたします。
投稿者 東 雅夫 : 2005年01月22日 21:39 | コメント (0)
2005年01月20日
ラヴクラフト全集、完結! 創元推理文庫版『ラヴクラフト全集』が、このほど刊行された第7巻をもって完結した。
『ラヴクラフト傑作集』全2巻のあとを引き継ぐ変則的な形で、大瀧啓裕氏の個人全訳による『ラヴクラフト全集』第3巻が発刊されたのが1984年。その後、89年刊の第6巻まではほぼ順調に刊行されたものの、以来十五年以上も続刊が途絶えていた。その間の事情については、本巻の「作品解題」で、大瀧氏が詳述されているので、ぜひ御一読いただきたいと思う。ちょうどその間に学研ホラーノベルズなどで当の大瀧氏と仕事を御一緒し、頑固一徹な翻訳姿勢と資料探求にそそぐ熱意のほどを存じあげている小生など、涙なくしては読めない一文であった。
本巻には「サルナスの滅亡」をはじめとするダンセイニ風掌篇や、ストレートなホラーの逸品として知られる「忌み嫌われる家」など既刊分に漏れた作品のほか、初期作品と断片、夢書簡が収められている。大瀧氏は青心社版〈クトゥルー〉シリーズなどで、全集1巻と2巻所収作品の翻訳もすでに手がけているので、本巻をもって、ラヴクラフトの小説作品については(これまた変則的な形ではあるが)個人全訳が果たされたことになる。衷心より訳者の労を多としたい。
御存知のとおり、ラヴクラフトが遺した作品群は、そこに通底する独自の世界観やキャラクター、トポグラフィーが〈クトゥルー神話大系〉の母胎となったことで、絶えざるクロス・レファレンスの対象とされて今日にいたっている(拙著『クトゥルー神話事典』が、小生の本としては異例のロングセラー化しているのも、それゆえだろう)。その意味で、ラヴクラフト作品に造詣深い訳者の手で、一貫した視点と語彙による個人全訳が達成されたことは、今後のラヴクラフト研究やクトゥルー神話創出に、はかりしれないメリットをもたらすことだろう。どうやら大瀧氏には「完全版」全集刊行の腹案もあるらしい。こちらも早期の実現を望みたいものである。
isbn:4-488-52303-X
isbn:4-915333-66-3
*bk1では上記のほか、創元推理文庫版『ラヴクラフト全集』と青心社版『クトゥルー』全点を24時間以内出荷扱いで常備しています。
投稿者 東 雅夫 : 2005年01月20日 10:32 | コメント (0)
ケルト幻想といえばダンセイニ研究同人誌『PEGANA LOST』第10号が刊行された。ダンセイニ自伝『陽光の煌めきと影』の抄訳連載(稲垣博訳)の第2回をはじめ、神谷遼一と小野塚力の論考、うしとら編「シーム挿絵目録」と解説などが掲載されている。ダンセイニ自伝は、松村みね子の身辺雑記とはまた違った意味で、世俗と夢想の両極を往来するダイナミズムにあふれており、たいそう興味深いものだ。
なお、うしとら氏の解説中、『幻想文学』誌掲載の図版表記について言及があるが、このときは単純に、手元にあったシーム画集『Master of Fantasy』の表記に準拠したのだったと記憶する。
同誌の購入申し込み、問い合わせは下記へ。
【連絡先】
pegana@mb.infoweb.ne.jp 西方猫耳教会代表 未谷おと
【在庫】「PEGANALOST」9号/10号/ダンセイニ短篇集『戦争の物語』
【価格】上記の3点とも1冊1000円
【送料】冊数にかかわらず290円
【支払方法】郵便振替/着払/銀行振込/郵便定額小為替
isbn:4-309-46242-1
isbn:4-309-46247-2
投稿者 東 雅夫 : 2005年01月20日 00:17 | コメント (4)
2005年01月19日
今月の〈幻想と怪奇〉時評 2005年最初の締切原稿は『小説推理』連載の〈幻想と怪奇〉時評だった。ちなみに『虚無への供物』特集掲載の同誌1月号は、めでたく完売となりました。追加入荷の予定は、さすがにありません、すいません。ただ、今回の反響に気を良くした担当編集者から、ちょっと嬉しい企画の打診が来ておりますので、しばし気長にお待ちいただければと思います。
さて、今月の時評は、ほとんどの紙面をついやして『燈火節』のことを書いた。年始休みのひととき、ぬくぬくと毛布にくるまって徒然なるまま頁を繰るのにふさわしい本だろうと思っていたら、まさにそのとおりで微笑がこみあげてきた。単行本未収録エッセイや小説、童話、初期文集など未読の文章を中心に読んだのだが、予想以上にオカルトというか巫女体質の人だったんだなあ……とか、いろいろ再認識させられるところがあった。詳しくは『小説推理』をご覧いただきたいと思うが、そこで触れなかったことをひとつ。
次に掲げるのは、著者がはじめて初期の美文調を脱して書いたという「十一年」の一節である。
此子の三つの時、家は牛込に越した。矢来の奥で大きな門の、下駄どろぼうに遇ひさうな寒い玄関で、ちつとも奥行のない官吏風の家であつた。(略)二階の椽からは遠く目白の岡を見晴らして、北風は強かつた。律師のいます御寺の鐘が夕の六時を知らせると、関口の雑木林に白いもやが下りて、広い広い早稲田田圃から暮れ初める。場末の町の騒がしい物音と灯の影と闇から漏れる時分迄、母さんは新ちやんと二階に立つては詠めて居た。
わが子(新ちゃん)の成長ぶりを素描した、なんということもないエッセイのなんということもない一節なのだが、往時の牛込〜関口界隈が、あたかもダンセイニ描くアイルランドの野辺さながらに思いなされて、しばし嘆息。こういう奥ゆかしい文章の書き手が、現代の文壇では絶滅危惧種に指定されそうであることもまた、嘆息せざるをえないのだが。なんにせよ、こうした文章で綴られる身辺雑記の端々から、未曾有の幻想文学黄金時代であった大正年間の文化的バックグラウンドが垣間見られて、真に興趣尽きないひとときを過ごすことができた。かくも素晴らしい一巻を世に出した関係者諸氏に感謝を捧げたい。
なお、ほかに時評で採りあげたのは、ケルト幻想つながり(!?)で、世界幻想文学大賞短篇部門受賞作『フェアリー・フェラーの神技』。狂気の妖精画家リチャード・ダッドに思い入れのある向きは必読の「遠くへ行きすぎた男」テーマの佳品である。
isbn:4-901477-13-7
↑800頁のボリュームを感じさせない瀟洒な造本も◎
isbn:4-89449-031-5
↑品切中のようですね。入荷したらお知らせします。
投稿者 東 雅夫 : 2005年01月19日 15:39 | コメント (4)
2005年01月16日
謹製小冊子@ゴシックトーク 今月29日に池袋のジュンク堂書店で開催される、高原英理氏と小生のトーク・セッションで、来場の皆さまに配布する予定の小生謹製小冊子、どういう内容なのか、とっとと教えるようにと脅迫する人がいるので、とっとと考えました。
これ↓です。
幻と化して久しい幻想文学研究同人誌『金羊毛』(季刊『幻想文学』の前身)創刊号のダイジェスト版ミニ・ブック(A6判16頁予定/限定50部)であります。ささやかなものですが、おおよそどんな内容の雑誌だったのか分かるような構成にしたいと思っていますので、よろしく御参集のほどを!
あなたの中のゴシックハート
〜『ゴシックハート』(講談社)刊行記念トークセッション〜
高原英理×東雅夫
日時:2005年1月29日(土)18:00〜
場所:ジュンク堂書店池袋本店4Fカフェ
入場料:1000円(ドリンク付き)
予約/問合せ:03−5956−6111 同店1Fサービスカウンターまで
isbn:4-06-212519-6
bibid:02514053
投稿者 東 雅夫 : 2005年01月16日 15:52 | コメント (0)
2005年01月15日
Oh! 水木しげる展 こちらもなかなか足を運べないでいた(自宅から至近距離なのに……)「Oh! 水木しげる展」、ハッと気がつけば最終日ではないか。おりしも妖怪な若人(一部除く)たちが大挙来場するというのに便乗して、ようやく観覧することができた。
しかし……この壮絶なフェイクの嵐(笑)。来場中の善男善女のうち相当数が「本物」の展示だと誤解して帰宅するのではあるまいか。かくも無意味な営為に過大な手間ヒマ情熱をかたむけたと聞く関係各位に、心からなる拍手をおくりたい。とりわけ「大海獣」のナマ写真にはグッときましたぞ。
isbn:4-04-883909-8
isbn:4-336-04018-4
↑妖怪小説アンソロジーの決定版だ!
↑会場で売っていた「クリオネ親父」と海洋堂製「ナイト・アクア・ミュージアム」版クリオネを競演させてみました
投稿者 東 雅夫 : 2005年01月15日 16:51 | コメント (0)
銀色の流星なかなか映画館に足を運べないでいた『ULTRAMAN』を、ようやく観ることができた。封切初日に総てをなげうち(笑)日劇東宝へ駆けつけた『ゴジラ・ファイナル・ウォーズ』のときとはえらい違いだが、正直いってその程度の期待値だったということ。だがしかし、これは従来の映画版ウルトラマン作品群とは一線を画す、なかなかの意欲作だった。人間大からルシファー大まで段階を経て巨大化するリアル・ベムラー風敵怪獣とウルトラマンが、10メートル・サイズで肉弾戦を繰りひろげるシーンなど、東宝フランケン映画の再来(原点回帰!?)を思わせるではないか。B'zの松本孝弘による音楽も、予想したよりもイイ感じであった。
isbn:4-7542-5486-4
面白かったのは、重要な舞台のひとつに、小中千昭の『稀人』で魔界と化していた新宿の地下施設が登場し、ゴシックなムードを盛り上げていたこと。小中兄弟のあいだでは「地底」がマイ・ブームなのだろうか!?
isbn:4-04-376801-X
isbn:4-89691-680-8
isbn:4-89691-784-7
投稿者 東 雅夫 : 2005年01月15日 16:07 | コメント (0)
2005年01月13日
注目の予約特典は!? あまりにも無謀な試みと一部で噂される「月刊東雅夫」計画(笑)第1弾となります『伝奇ノ匣8 暴夜幻想譚 ゴシック名訳集成2』の予約受付が、下記のとおり開始されました!
bk1予約特典としまして、今回収録を予定して準備を進めていながら、紙幅の都合で涙を呑んだ井上勤訳『全世界一大奇書』(泉鏡花も愛読していたアラビアンナイトの明治期邦訳本)のハイライト・シーンを(ちょっとだけで恐縮ですが)テクスト・ファイルでプレゼントいたします。
↑草双紙さながらの『全世界一大奇書』版面
この巻がそれなりのセールスを上げられれば、今後の企画の自由度・過激度がぐぐーんとアップいたしますので、なにとぞ、何卒よろしくお願いいたします。
投稿者 東 雅夫 : 2005年01月13日 16:10 | コメント (0)
『暴夜幻想譚』の予約受付を開始しました!こんにちは。管理人・砂見です。
すでに当ブログでも何度か紹介されてます、ゴシック名訳集成の第2弾、『暴夜幻想譚』の予約受付をbk1で開始しました! 今回もメール特典の検討をしてますので、bk1でご予約いただけますよう、よろしくお願いいたします。
bibid:02514053
投稿者 : 2005年01月13日 09:42 | コメント (0)
2005年01月07日
ダ・ヴィンチ最新号入荷中モダン・ゴシック小特集をふくむ『ダ・ヴィンチ』2月号が入荷しております。表紙は山田優だ!(だからどうした!?)
bibid:02513648
今月29日(土)に、池袋ジュンク堂で開催される、小生と高原英理氏のトーク・セッションのテキストとしても必読、かも。
あなたの中のゴシックハート
〜『ゴシックハート』(講談社)刊行記念トークセッション〜
高原英理×東雅夫
日時:2005年1月29日(土)18:00〜
場所:ジュンク堂書店池袋本店4Fカフェ
入場料:1000円(ドリンク付き)
予約/問合せ:03−5956−6111 同店1Fサービスカウンターまで
*御来場の方に、小生謹製小冊子のプレゼントを予定しております。
isbn:4-06-212519-6
isbn:4-05-900297-6
投稿者 東 雅夫 : 2005年01月07日 12:07 | コメント (1)
2005年01月06日
触手も蠢く新刊近刊2点いきなりお屠蘇気分を吹き飛ばすようなタイトルですが、まあどちら様もそろそろ仕事始めってことで。
isbn:4-309-90595-1
降って湧いたような(!?)創元推理文庫版『ラヴクラフト全集』第7巻発売のタイミングに合わせたわけでもないのでしょうが、『エイリアン』モンスターの生みの親ギーガーの傑作画集『ネクロノミコン』が、リバイバル刊行されることになりました(全2巻でパート2は3月発売予定)。ちなみにギーガーといえば、忘れてならないのが、今は亡き(同名の雑誌はあるが全くの別物ですな)美術雑誌『みづゑ』1970年8月号の「現代のグロテスク」特集。堂々1ページ全面を使って掲げられた「H・R・ギガー(表記ママ)『クチュルス』(これも表記ママ)1967」という見慣れぬ画家の奇怪な画面とタイトルに「ここここ、これはもしやクト……」と胸ときめかせたファースト・コンタクトの瞬間を懐かしく思い出します。
↑この頃の『みづゑ』はシュルレアリスムやウィーン幻想派など幻想美術にしばしば誌面を割き、良き案内役となってくれたものだ。
ちなみに同特集には故・種村季弘氏と画家の池田龍雄氏が文章を寄せており、ギーガーの出現が決して突然変異ではなく、西欧幻想絵画の一帰結でもあったことを教えてくれます。種村氏の文中の一節――「この涜神、神に唾を吐きかける絵画の黒ミサは、ありようは悪魔信仰と同じく、もうひとつの神への誓約にほかなるまい」(種村季弘「脱美化への衝動」より)は、特にギーガーを指しての評言ではありませんが、その本質をいち早く、鮮やかに射抜いた言葉であると申せましょう。
bibid:02511371
↑来週中に入荷します!
根暗野火魂=ネクラノビコンと訓むそうな。いちおう『ネクロノミコン』が登場する作品もありますが、これはクトゥルー神話小説ならぬ美少年凌辱幻想譚の短篇集。発表誌がすべて『JUNE』と云えば、ああなるほど……と了解される向きもあるかと。凝りに凝った文体で淫靡な妄想を紡ぐ手つきには共感を覚えるものの、嗜好対象としての「同性」や「子供」には一向に共感を覚えない性癖の小生としては、著者の熱烈なサポーター(!?)であるらしい野阿梓氏の解説文から、「ここまでホメますか……」と絶句するくらいアッパレな賞辞を引用するにとどめたいと思います。
「私の一押しは「地獄の玩具」と「悪魔の玩具箱」の二つ。人間の想像力はかぎりなく自由であることで幻想小説に新しい地平を開示して、ひたすら美事に昏い。過ぎ去りし世紀と昭和の御代にあって、これほどの破壊力と美しさを兼ね備えたダークファンタジーというと、ほかには(やはり最近まで幻の作品あつかいであった)畏友・友成純一氏の「獣儀式」しか、私は知らない。ここには紛れもなく、現実世界には存在しえないことを幻作する想像の魔力が在る。」(野阿梓『根暗野火魂』解説より)
投稿者 東 雅夫 : 2005年01月06日 18:12 | コメント (0)
2005年01月04日
冬の京都のハロウィン? 新春にふさわしい一冊を御紹介しよう。真矢都『京のオバケ』――タイトルからは京都の妖怪伝説を扱った本のように早合点されるかもしれないが、本書は副題を「四季の暮しとまじないの文化」といって、千年の古都に今も息づく招福と魔除けの習俗を親しみやすい語り口で紹介した本なのである。したがって、ここで云う「オバケ」とは、旧暦の年越し=節分の夜、仮装した人々が町に繰りだす風習を指す。昨年度の日本ホラー小説大賞短編賞を受賞した森山東『お見世出し』の併録作「お化け」が、まさにこの行事をメイン・モチーフにしていたことを思い出されるホラー・ファンも少なくあるまい。「節分の夜、この町に何かが起きる……」という教養新書本らしからぬ『京のオバケ』の帯文は、なんとなく森山作品を意識しているように感じられるのだが、これって考えすぎ!?(笑)
著者は中世文学、特に御伽草子を専門とする京都在住の国文学者だが(『日本古典偽書叢刊3』でホキ内伝を担当していたのも、この人でしたか)、出身は東京の三鷹で、大学卒業後、京都に移住したのだという。学内、学外での文化活動を通じて知り合った京の人々から、地元特有の習俗をリサーチしてゆく過程が、本書ではルポルタージュ風の手法で活写されている。いわば「外来者」の視点からのルポである点が、本書の特質といえよう。四季おりおりの厄除け儀式を、味覚や聴覚にこだわって紹介した第一部にも、生活人としての感覚が躍如としており、いわゆる学者さんの啓蒙本とは一線を画している。先だって、恠異学会の西山克先生に案内していただいた今宮神社の名物「あぶり餅」のくだりなど、とても懐かしく読むことができた。年始のおでかけや、冬の京都行きには必携の快著だと思う。
isbn:4-16-660418-X
bibid:02488257
投稿者 東 雅夫 : 2005年01月04日 17:07 | コメント (2) | トラックバック (0)
2005年01月02日
蔵書ノート、発見 正月恒例、横須賀の実家に戻って書庫と自室の整理をしていたら、古い蔵書ノートが出てきた。A6判の小さな大学ノートに、通しナンバーと書名・著者名・版元名を記しただけの簡単なものだが、途中から購入した日付が記入されるようになる。それによると、どうやら1974年の6月ごろに記録を始めたらしい。5月31日に『幻想と怪奇』第9号〈暗黒の聖域〉(395/以下カッコ内は通しナンバー)、6月2日にシュトローブル『刺絡・死の舞踏』(396)とウォール『悪魔学入門』(397)、そして6月20日に東京創元社版『世界恐怖小説全集』全12巻(401〜412)! これはもちろん新刊ではなく、神保町の古書店で購入したものである。
74年というと16歳、高校2年くらいだが、この頃から神保町を徘徊しはじめた記憶がある。これ即ち身近に接する書物の世界が格段に広がったということであり、おそらくその過程で「蔵書」という自覚も生まれ、ノートに記録するようになったのだろう。
ノートは全部で7冊、1981年の2月4日まで続いている。最終項は、ナンバー3992、角川書店版『日本の民話2 自然の精霊』だった。小生はこの年の春に大学を卒業し、実家を出て東京・小日向でアパート暮らしを始めた。翌82年4月には『幻想文学』創刊である。それやこれやで暢気に記帳してるどころではなくなったのだろう。
さすがに高校時代は月に一、二度しか神保町に遠征できなかったので、まとめ買いが目立つ。お茶の水駅を勇躍飛びだし、今はパセラ(カラオケ店)に変わった三省堂アネックスに飛び込む瞬間から、気合いの入り方が違っていた。たとえば75年11月24日には、ゴーチエ『ミイラ物語 世界幻想文学大系7』(596)、牧神社版『ノディエ選集1 パン屑の仙女』(597)、シュウオッブ『黄金仮面の王』(598)、深沢七郎『無妙記』(599)、種村季弘『怪物の解剖学』(600)、谷川健一『魔の系譜』(601)、ブラックウッド Ancient Sorceries and Other Stories(602)、ラヴクラフト The Tomb(603)、ラヴクラフト&ダーレス The Shuttered Room(604)、ブラッドベリ The Halloween Tree(605)、『幻影城』75年8月号〈特集 怪奇ロマン〉(606)を購入している。当時どんなことを考えながら本を漁っていたのかが何となく窺えて面白かった。
大学に入ってから購入冊数がエスカレートしているのは、アルバイトでカネまわりが良くなったことと、通学の行き帰りにこまめに古書店まわりをするようになったのが原因だろう。79年4月2日には、フィオナ・マクラウド The Mountain Lovers(2423)、ダンセイニ The Book of Wonder(2424)、マッケン Hieroglyphics(2425)、オニオンズ Widdershins(2426)、Selected Essays of De Quincey(2427)が並ぶ。神保町の某洋古書店の雑本棚に、これらの本がまとめて無造作に詰め込まれているのを発見したときには、思わず心臓が止まりそうになったものだ。たしか1冊500〜1000円くらいだったと思う。
で、その後の蔵書数? そ、そんな怖ろしいこと、新年早々考えたくもないわい!
isbn:4-06-158661-0
isbn:4-309-62001-9
isbn:4-7949-1245-5
投稿者 東 雅夫 : 2005年01月02日 17:38 | コメント (1)
2005年01月01日
ファンタジーはいかが!? あけましておめでとうございます。
新年第1弾なので、なんとなく華やいだ雰囲気のネタから(べつにお屠蘇で酔っぱらってるわけぢゃありません)。
小学館の少女漫画誌『月刊フラワーズ』2月号の見本が届きました。今号はファンタジー特集ということで、波津彬子、近藤ようこ、西炯子、神坂智子、有留杏一ほかの豪華執筆陣による別冊附録『flowers 幻燈館』が付いています。ファンタジー小品の競作集として、なかなかの出来映えかと。
で、小生は何をしているのかというと、本誌巻頭の「ファンタジーガイド&プレゼント」という頁の選書と解説を担当しておるわけです。さすがは小学館さんだけあって、読者プレゼントが豪華。「冒険が好きなあなたに」はPS2やデジカメ、「イギリスが好きなあなたに」はウェッジウッドのペアカップ&ソーサーやバーバリーのボストンバッグ……等々。山尾悠子の『ラピスラズリ』の懸賞品がラピスラズリのペンダント&リングなんて、気が利いてるじゃあないですか。もっとも、個人的にいちばん感動したのはコレ↓なんですが。
惜しくも応募して外れた際は、bk1で揃えましょう!
bibid:00153192
isbn:4-309-62191-0
isbn:4-00-310273-8
isbn:4-05-900120-1
bibid:01606792
isbn:4-15-020308-3
isbn:4-336-04522-4
isbn:4-15-040114-4
投稿者 東 雅夫 : 2005年01月01日 21:39 | コメント (0) | トラックバック (0)


ラヴクラフト全集 7 