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2005年04月29日
『稲生モノノケ大全 陽之巻』解説/先行公開! ただいま好評予約受付中(特典付き)の『稲生モノノケ大全 陽之巻』――とはいえ某所で「豪快な定価」などとも評されておりますとおり(笑)、書きおろし競作集にポンと5250円也を投ずることに躊躇いをおぼえる向きも少なくありますまい。
というわけで、どのような内容の作品がラインナップされているのか、編者による巻末解説から作品紹介部分を抜粋掲載することに致しました。御購入決定の参考にしていただければ幸いです。
いちおうネタばらしにはならないよう配慮したつもりではありますが、余計な先入観を抱かずに読みたいと思われる方は、ご覧にならないほうがよいかもしれません。
「解説」を参照される方は、下の「続きを読む」をクリック!
「旧耳袋 もう臭わない」京極夏彦
京極氏が怪談専門誌『幽』に連載している〈旧耳袋〉は、根岸鎮衛の随筆集『耳袋』(『耳嚢』とも表記される)所載の奇聞怪話を、『新耳袋』(木原浩勝・中山市朗共著の怪談実話シリーズ)調の現代的な叙述スタイルで再話するという、いかにも才気煥発な趣向の短篇連作集だ。お誂え向きなことに、原典の『耳袋』には「芸州引馬山妖怪の事」(本書「陰之巻」所収)と題する稲生物語の別伝が収められているではないか……かくして実現したのが本篇である。四百字詰め原稿用紙一枚にも満たない片々たる原典から、含蓄に富む奇妙な味の掌篇が紡ぎ出される妙技を堪能されたい。
「逆しま屋敷」菊地秀行
伝奇と怪異のノヴェリストとして長らく第一線で活躍してきた菊地氏が、二〇〇一年刊の『幽剣抄』を皮切りに、作者みずから「武士怪談」と呼ぶ時代物の短篇連作に新境地を拓いたことは、記憶に新しい。稲生屋敷の建築図面なる奇ッ怪なアイテムが登場する本篇もまた、その系列に連なる作品といえよう。菊地作品において一種のオブセッションと化した観もある「神隠し」のモチーフが、作中に妖しく見え隠れしている点にも注目されたい。
「異本」長島槇子
異空間のあやかしに満ちた時代物ホラーに続いては、さらに時代をさかのぼり、中世軍記物との大胆不敵なリミックスをお愉しみいただこう。勇壮典雅な『平家物語』の世界に、稲生のモノノケ軍団を闖入させるというわくわくするような綺想を繰りひろげるのは、本篇が作家デビューからわずか三作目となる新鋭・長島氏である。ホラー・ジャパネスクな長篇『旅芝居怪談双六』で、第三回ムー伝奇ノベル大賞優秀賞に輝いた期待の星による、骨太な野心作。二重構造の外枠部分にも、余情纏綿たる風情が漂う。
「文月問答」加門七海
稲生の物語にはさまざまな謎がある。平太郎の少年らしからぬ剛胆沈着な対応ぶりも、思えば不可解だし、対する魔王・山本五郎左衛門の言動にも、なにやら裏がありそうな……。「幼心にもあの酒呑童子にさらわれて宴席にはべりたいと、話を聞くたびにずっと思っていた」(『人丸調伏令』初版あとがき)というくらい、人間よりも鬼や精霊たちに肩入れしてやまない加門氏は、本篇においてモノノケ側の視点から、稲生物語の驚くべき真相に肉迫している。妖怪至上主義の大いなる先達・泉鏡花のそれを髣髴せしめる、言葉の綺羅を尽くしたモノノケ小説である。
「釣りぎつね」越水利江子
〈百怪寺・夜店シリーズ〉を御存知だろうか。商店街に程近い森の中に鎮座する百怪寺の参道には、怪しい夜店が軒を連ねる。そこへ出入りする少年が巻き込まれる不思議な事件の数々。子供たちに独占させておくには惜しい、ジャパネスクな陰影に富む妖怪童話シリーズなのだ。作者の越水氏は、今回の依頼に応えて、少年ならぬ「少女とモノノケたち」をめぐる懐かしの物語を寄稿してくださった。本篇もまた、「草迷宮」(「陰之巻」所収)や「天守物語」に顕著な、鏡花の妖怪至上主義の精神を受け継いだ作品といえそうである。
「SRP」小林泰三
妖怪小説に続いては、なんと怪獣小説の登場である。いや、これぞ究極のモノノケ小説というべきか!? 巨大ヒーローと異生物の闘いをリアルに描いた『ΑΩ』の作者らしい破天荒なSF的アイディアのつるべうち。とりわけ「カプセル妖怪」のくだりには、諸手を挙げて快哉を叫んだ。破天荒でありながら、きちんと原典の設定を踏まえているところが嬉しいではないか。「陰之巻」を既読の方は御承知のように、おもに講談やフォークロアの世界で、平太郎少年は妖怪退治の豪傑・武太夫へ変身を遂げ、豪放磊落にして能天気な大活躍を繰りひろげていたのだから。
「砂浜怪談」牧野修
これはまたなんとも意表を突いた、異色の稲生後日譚といえよう。作者ならではの倦怠感漂うオフビートな語り口が醸しだす、現世と地続きな異界の感触、ほろにがい抒情と落魄のエロティシズム。ちなみに編者が現地探訪のおりに地元の方からうかがったところによると、怪異の舞台となった麦倉屋敷周辺では、事件の後、畑の作物が実を結ばないなどと噂されたものだという(拙著『妖怪伝説奇聞』第一章参照)。伝承に隠された暗黒面――稲生屋敷の怪異の激越さを窺わせる異聞である。本篇には、そうした怪異譚としての稲生事件の無気味さを逆照射するような趣もある。
「逢魔の夏」福澤徹三
先述のように、モノノケ軍団の襲来は比熊山中でおこなわれた百物語に起因するらしい。「怪を語れば怪到る」とも言われるように、そもそも百物語には怪異召喚の儀式としての側面があり、その観点に立てば、稲生怪談とは、百話満了によって召喚された怪異現象が異様に長期化した状態とも考えられるのである(詳しくは拙著『百物語の百怪』第十六話参照)。鮮烈なデビュー作『幻日』(文庫化に際して『再生ボタン』と改題)このかた、怪談小説の新たな可能性を追求してやまない福澤氏が、稲生伝説の百物語的側面と実話怪談としての特質に照準をさだめ、その現代的再生に挑戦したのは当然のなりゆきだろう。虚実のあわいに真正の怪異を召喚せんとする気魄に満ちた力作である。
「夢三十夜」津原泰水
亡き種村季弘氏が「思春期の分裂病的幻覚をくぐり抜けるイニシエーションの物語」(岩波文庫版『草迷宮』解説)と喝破したように、平太郎に執念くつきまとうモノノケたちには、思春期特有の身体的変調を反映したセクシュアルかつオニリックな特質が顕わである。巖谷小波の「平太郎化物日記」や稲垣足穂の「懐しの七月」(ともに「陰之巻」所収)は、そうした側面に鋭く反応して生まれた名作であった。その幽艶な系譜に、あの『ペニス』や『少年トレチア』の作者による新作が加えられたことを嬉しく思う。ちなみに本篇は『蘆屋家の崩壊』以来、作者が折にふれ書き継いでいる〈猿渡物〉の最新作でもある。
「平気の平太郎 魔王の館」寮美千子
日本児童文学の開祖・小波の「平太郎化物日記」に匹敵するような、明朗闊達で奔放自在なモノノケ童話の書き手として、私が真っ先に思い浮かべたのが寮氏であった。『おおおとこエルンスト』や『きつねこぶた』をはじめとする氏の幼年童話に接した際の新鮮な驚き――あたかも敏捷で気まぐれな小動物の身ごなしを連想させるような、全篇にみなぎる幸福な疾走感は今に忘れがたいものがある。そんな作者の手で生み出された平成の平太郎少年、どうしてなかなかアッパレな「ますらお」ぶりではあるまいか。
「菩提町日記」佐藤弓生
今回の競作集には、小説や戯曲ばかりでなく、詩歌や漫画作品も積極的に収載したいと思っていた。幾人かの方からは内諾もいただいていたのだが、あいにくな偶然が重なって掲載に至らなかったのは残念というほかない。そんななか、幼少年期特有の夢想と慄きにあふれた佐藤氏の短歌連作を頂戴することができたのは幸いであった。誰の心の中にも眠っているだろう「懐しの七月」の切れぎれな記憶を、そっと揺り動かすような歌の数々。ちなみに堺市菩提町とは実在の地名であり、作者自身が幼い日々を過ごした土地であるという。
「クリスタリジーレナー」秋里光彦
本篇もまた、まぎれもないタルホの裔――「懐しの七月」の末尾に「一体、愛の経験は、あとではそれがなくては堪えられなくなるという欠点を持っている」という名文句を記した少年愛の美学者の申し子といってよいだろう。とはいえ、異形の生命がさきわう幻想の別乾坤への熾烈な憧れは、作者にとって生来のものとおぼしく、第一回幻想文学新人賞を受賞したデビュー作「少女のための鏖殺作法」(『幻視の文学一九八五』所収)に、早くもその原型が認められることを付言しておきたい。
「魔王――遠い日の童話劇風に」皆川博子
本篇の原稿が編集部に到着したのは、締切の数日前だった。当然のことながら一番乗りである。わくわくしながら紙葉を繰るうち、武家屋敷変じて西欧中世の城塞と化す綺想に茫然、巧緻をきわめた文藻に陶然……この原稿を頂戴できただけでも本書を企画した甲斐があったと、しばし感じ入った。副題にある「遠い日の童話劇」とは、メーテルリンクや小川未明ら十九世紀末の象徴派とその継承者が耽溺した薄明の世界でもあろうか。やはり、その流れを汲む国枝史郎の夢幻劇集『レモンの花の咲く丘へ』を、かつて私が復刊(『伝奇ノ匣1 国枝史郎ベスト・セレクション』所収)した際、皆川氏は励ましの言葉をお寄せくださり、それに付言して「機会があれば、こんな作品を思うさま書いてみたいものです」と漏らされたことがある。その盟約(?)がこうして成就されたことを、読者とともに歓びたい。
以上の書きおろし作品に加えて、本書には一般公募で寄せられた「モノノケ文学賞」の入選作品五篇を掲載した。その内訳は次のとおりである。
◆最優秀賞
「音迷宮」石神茉莉
◆優秀賞
「生者・死者・物怪」松本楽志
「妖鼓変」戸隠珠子
「七月の客人」サカジリミズホ
◆特別奨励賞
「三次もののけ殺人事件」ひらさとひよこ
『陰之巻』の帯裏とインターネットの編者関連サイトでひっそりと告知しただけの、いたって慎ましい公募であったため、応募作は少数にとどまったが、その水準の高さには目を瞠らされるものがあった。異形のミューズたる魔王とモノノケ軍団の霊力いまだ衰えず……といったところか。
最優秀賞に推した「音迷宮」は、すでにプロ作家としてのキャリアもある書き手の作品だけに、文章・構成・着想いずれも洗練されて安定感があり、他の入選作に比して一日の長が認められた。透明な哀感漂う抒情味と上品な諧謔味との絶妙なコントラストが、いかにも好もしい。しかしながら、なにより感心させられたのは、視覚優先な稲生のモノノケたちを、あえて聴覚の側から描こうとした独創である。
優秀賞に選んだ三篇のうち、「七月の客人」については説明が必要だろう。応募時点での原稿は、戯曲ならぬ小説仕立てで極端に改行の少ない異様な体裁であった。一見して、「四百字詰め原稿用紙換算で五十枚以内」という応募規定に合わせるため、長大な元原稿、それもおそらくは戯曲作品を無理矢理圧縮したものと察せられた。作者に問い合わせたところ、「御明察です」との返信。そこで戯曲版を一読、勘案の結果、そちらを丸ごと収録することに決した。講談本から「平太郎化物日記」へいたる幻想冒険活劇としてのモノノケ物語の美質が、より溌剌と継承され息づいているように感じたがゆえの特例措置である(応募原稿自体が優秀賞のレベルに達していたことを付言しておく)。
残る優秀賞二篇は、どちらも醇乎たる幻想文学を志向したとおぼしい、硬質な手ざわりの意欲作であった。
生者とモノノケとの葛藤の合間に、微妙な形で死者が介在する原典の一特色を目ざとく捉え、独自の詩的幻想へと膨らませた「生者・死者・物怪」。
伸縮・変形・増殖する身体的妖異という稲生のモノノケの特質に根ざした猟奇耽美なストーリーの随所に、古典芸能への偏愛ぶりをにじませた「妖鼓変」。
ともに、時として描写や結構にバランスを失する傾きがあるのは惜しいが、それもまたオリジナルな文体を求めての試行錯誤なのであろう。眼高手低を懼れず、これからも書き続けていただきたい才能である。
特別奨励賞として掲載した「三次もののけ殺人事件」の作者は、地元で営林関係の仕事に携わっていらした方だという。比熊山も職場のひとつだったらしい。御当地ならではの知見が盛り込まれた趣向の数々がなんとも娯しく、小説の出来としては未だしの感はあるものの、あえて採録した次第である。稲生の物語が今日まで命脈を保ってきたのも、伝承を尊びモノノケを愛する三次の人々の草の根パワーあればこそ。その一端をうかがわせるような作品ともいえよう。
次に、本書の巻頭と巻末に収録した再録作品について記す。
「絵本 ぼくはへいたろう」宇野亜喜良
繊麗耽美な画風で知られる宇野氏は、これまでに二度、稲生の物語を題材にした絵本を公刊している。一九九四年八月に福音館書店の「こどものとも」四六一号として上梓された『ぼくはへいたろう』(小沢正・文)と、二〇〇二年八月にビリケン出版から発行された絵本『ぼくはへいたろう』(小沢正・文)である。両書は、基本的な構成や絵柄、本文には変化がないものの、細部の描写にはかなりの改変が認められる。
実は今回、本書に収載した「絵本 ぼくはへいたろう」は、右のいずれとも異なる幻のバージョンなのだ。ビリケン版の刊行に際して宇野氏は、平太郎の容貌を凛々しい前髪立の美少年に描き直した新バージョンを描きおろしたのだが、版元からの要請で、より初刊時に近い現行の絵柄に再度の描き直しをおこなった。そのため「美少年バージョン」は、お蔵入りを余儀なくされることとなったのである。初めて完全な形で紙上に再現される亞喜良版モノノケ絵巻を、存分に御堪能いただきたい。
なお、打ち合わせにうかがって初めて知ったのだが、驚くなかれ宇野氏は、これら三バージョンとは別に、ペン画による第四のバージョンをも描きおろされていたのだった! 本書のカバー絵と、収録作各篇のタイトル部分に使用させていただいたカットの数々は、この連作からの断片である。
「風流化物屋敷」山本周五郎
原稿の打ち合わせかたがた、加門七海氏と雑談していたところ――
「あ、そうそうヒガシさん、山本周五郎もイノモケ話を書いてたの、知ってるでしょ?」
「………………」(それなら「陰之巻」に入れとるわい!)
言われた瞬間、老朽化した脳髄の底から、本篇のおぼろげな記憶が浮上してきたのだから、情けないことこのうえない。ともかくも、御教示を賜った加門氏にあらためて御礼を申しあげる次第。
本篇の初出は「講談雑誌」一九四七年十月号、後に短篇集『人情裏長屋』に収録された。講談・語り物を髣髴させる名調子で流れるように綴られた、愛すべきモノノケ人情話。陰陽二巻にわたる『稲生モノノケ大全』を気持ちよく締めくくるにふさわしい快作ではあるまいか。
プロ作家による競作集と一般公募の入選作品をカップリング刊行するというアイディアは、今を去ること二十年前に企画編纂した『幻視の文学一九八五』(幻想文学出版局)を踏襲したものである。通常の商業ベースではなかなか世に出にくい怪奇幻想文芸の受け皿として、今後も機会があれば、こうした試みを手がけていきたいと思っている。
投稿者 東 雅夫 : 2005年04月29日 15:58 | コメント (0)
2005年04月24日
見本完成&発売日変更待ちに待った『妖怪伝説奇聞』の見本が完成しました!
自分で編集制作実務も請け負っておいてナンですが、思っていた以上に綺麗な仕上がりで、茫然としました。自分の本じゃないみたいだぞ(笑)。
カバーから本文レイアウトまで、トータル・ブックデザインをお願いした中村友和さんには、ただただ感謝の一語であります。
それは良かったのですが……ここへ来て一部ちょっとした不具合が見つかったために、その修正を行わねばならず、結果的に発売日が、先にお伝えしていた26日から連休明けの10日頃にズレこむことになってしまいました。あーなんでこんなときにゴールデン・ウィークなんぞあるんじゃあああ! ぜいぜいぜい。
お待たせしてしまい大変に恐縮ですが、美麗で愉しい本をお手元に届けることができると思いますので、今しばらく、お待ちくださいませ(平伏)。
投稿者 東 雅夫 : 2005年04月24日 02:36 | コメント (0)
2005年04月23日
今度は切手だ 伊藤若冲の絵が、ペットボトルに続いて、今度は「切手趣味週間」の記念切手になりました。
「大鶏雌雄図」の一部が、地色の金色も鮮やかに浮かびあがるさまは、なかなか素敵です。
isbn:4-09-607007-6
isbn:4-86100-165-X
そういえば以前、八雲の切手を紹介したとき、「ヒガシさん……切手、蒐めてるんですか?」と、なんとなく退き気味に(なぜだ!?)聞かれたことがあったのですが、今は特に蒐集はしておりません。あ、恐竜切手は例外だけど(笑)。
いちばん熱中していたのは小学校高学年の頃ですね。「見返り美人」や「月に雁」に憧れたものです……。
isbn:4-89806-000-5
↑これはオススメ。ずっと眺めていても見飽きないぞ
投稿者 東 雅夫 : 2005年04月23日 14:28 | コメント (0)
2005年04月22日
日本怪奇小説傑作集 『ダ・ヴィンチ』7月発売号で予定されている、創元推理文庫版『日本怪奇小説傑作集』特集のため、共編者である紀田順一郎先生と対談する。
紀田先生が故・中島河太郎氏と編まれた『現代怪奇小説集』は、平井呈一ほか編訳『怪奇小説傑作集』や澁澤龍彦編『暗黒のメルヘン』と並んで、少年時代の小生にとって怪奇幻想文学入門の教科書だったわけで、なんだか中学時代の恩師の前で恐懼しているような心境で、我ながら何をしゃべったか記憶も定かではない緊張ぶり。対談原稿をまとめてくださるのが千街晶之氏なのは幸いであった。
ところで、なぜ「7月発売」などという先の号の企画を、いま収録しているのか?
実は、第1巻が5月配本の予定で進んでいた同書が、版元の都合で7月配本ということに急遽、変更になったのである。このため当初は5月発売号で予定していた「ミステリー・ダ・ヴィンチ」の特集も急遽スライド、とはいえすでにセッティングを終えていた対談に関しては、予定どおり収録することになったわけなのだ。
……と、ここまで書いて気がついたのだが、これまで『怪奇小説傑作集・日本篇』と仮称していたこのアンソロジー、最終的に『日本怪奇小説傑作集』というタイトルに決定されました。告知のタイミングを逃していて失礼しました。あらためて下記に概要を記しておきます。
紀田順一郎・東雅夫編『日本怪奇小説傑作集』全3巻
(創元推理文庫より2005年7月より隔月配本予定/カバーデザイン=間村俊一)
*小泉八雲、泉鏡花、夏目漱石から澁澤龍彦、皆川博子、高橋克彦まで――近現代の怪談・ホラー史を彩った定番中の定番作品全50篇を厳選、発表年順に収録することにより、日本怪奇小説の変遷と多様な魅力を、読みすすめるにつれ自然に体感できる構成とした。
*本文テクストは新漢字・新仮名を採用したが、文字遣いに関しては、あえて発表当時の形を復元し(「その」→「其の」、「じっと」→「凝乎」)、そのぶんルビを多用している。これにより、作者が意図したとおりの用字用語と発表当時の雰囲気を、現代の読者にも親しみやすい形で味わっていただけるものと信ずる。
*各巻の巻頭に、日本怪奇小説の特色を分かりやすく説いた紀田順一郎による序文を、巻末には、時代的変遷をたどる東雅夫による解説を付した。
isbn:4-488-50101-X
isbn:4-651-62011-6
isbn:4-309-40543-6
投稿者 東 雅夫 : 2005年04月22日 16:17 | コメント (0)
〈幻想と怪奇〉時評今月の〈幻想と怪奇〉時評@小説推理は、恩田陸『ユージニア』とレオ・ペルッツ『最後の審判の巨匠』という新旧「壊れてるミステリ」の比較考察(!?)に加えて、森銑三『新編 物いう小箱』というラインナップとなりました。連休前には書店に出回るはずですので、御一読いただければ幸いなり。
isbn:4-04-873573-X
isbn:4-7949-2745-2
投稿者 東 雅夫 : 2005年04月22日 03:28 | コメント (0)
モノノケ特典決定いよいよ予約開始されました『稲生モノノケ大全 陽之巻』ですが、bk1の予約特典は下記のように決まりました。
特製メルマガ「稲生モノノケ雑誌」プレゼント
寄稿作家有志によるアンケート企画や「モノノケ文学賞」入選者の受賞の言葉、その他サプライズ企画が飛び出す可能性も!? 御期待ください!
なお、あらためまして『陽之巻』の陣容を掲げておきます。
稲生モノノケ大全 陽之巻 内容一覧
【巻頭カラーグラビア32頁】
宇野亜喜良 「絵本 ぼくはへいたろう」幻のバージョン
【モノノケ小説競作集】
京極夏彦 「旧耳袋 もう臭わない」
菊地秀行 「逆しま屋敷」
長島槇子 「異本」
加門七海 「文月問答」
越水利江子 「釣りぎつね」
小林泰三 「SRP」
牧野 修 「砂浜怪談」
福澤徹三 「逢魔の夏」
津原泰水 「夢三十夜」
寮美千子 「平気の平太郎 魔王の館」
佐藤弓生 「菩提町日記」
秋里光彦 「クリスタリジーレナー」
皆川博子 「魔王――遠い日の童話劇風に」
【モノノケ文学賞/入選作発表】
◆最優秀賞
石神茉莉 「音迷宮」
◆優秀賞
松本楽志 「生者・死者・物怪」
戸隠珠子 「妖鼓変」
サカジリミズホ 「七月の客人」
◆特別奨励賞
ひらさとひよこ 「三次もののけ殺人事件」
【巻末特別収録】
山本周五郎 「風流化物屋敷」
東 雅夫 「解説」
稲生モノノケ大全 陽之巻
東雅夫編
200505下旬
毎日新聞社
投稿者 東 雅夫 : 2005年04月22日 02:41 | コメント (0)
2005年04月21日
『稲生モノノケ大全 陽之巻』の予約受付を開始しました!いつも幻妖ブックブログをご利用いただき、誠にありがとうございます。
本日、ビーケーワンにて当ブログでもご紹介されております『稲生モノノケ大全 陽之巻』の予約受付を開始しましたので、ご報告させていただきます。詳細は検討中ですが、特典もつきますので、この機会にご予約をお願いいたします。
稲生モノノケ大全 陽之巻
東雅夫編
200505下旬
毎日新聞社
投稿者 : 2005年04月21日 11:50 | コメント (0)
2005年04月20日
当選者発表! 過日は、拙著『妖怪伝説奇聞』のタイトル決定アンケートに、多数のコメントをお寄せくださいまして、誠にありがとうございました。
おかげさまで、このほど無事に総ての編集作業を完了しました。
というわけで早速、『ムー』編集部へ押しかけ、担当の獅子堂(仮名)にプレゼンター役をお願いして、厳正なる抽選作業をおこないました。
いや、たんに付箋の裏に応募者のお名前を書いて、カバーミニチュアに貼り付け(写真参照)、ババ抜き方式で選んでもらっただけですが(笑)。
↑幸運の女神!? 獅子堂(仮)
その結果、注目の当選者は――
banさま
na-gaさま
以上のお二人に決定しました! おめでとうございます〜。
お二人には追って確認のメールをさしあげたうえ、小生のサイン入り(必要ならば)謹呈本をお送りいたします。
はずれた皆さま、残念でした。また機会を見て、似たようなイベント(?)を催したいと思っておりますので、どうか今後ともよろしくお願いいたします。
投稿者 東 雅夫 : 2005年04月20日 15:20 | コメント (1)
2005年04月13日
いのもけ装幀画像 5月末刊行をめざして、猛然と制作進行中の『稲生モノノケ大全 陽之巻』。
ここ数日、解説執筆のために、あらためて全篇を読み返していたのですが、本当に隅から隅まで自信をもって読者の皆さまに提示できる競作集が出来た、との確信を深めました。
まあ、競作集の編者が手前味噌に「傑作ぞろい!」と褒めそやしても、読む側はシラけるだけですから、多くは語りませんが(笑)。
妹尾浩也さんデザインのカバーと帯(ともに表1部分)が届きましたので、いちはやくお目にかけます。
いかがでしょう。「陰之巻」とは好対照なモダァンで妖しい雰囲気に仕上がっているのではないでしょうか。
bk1ではまもなく特典つき予約の扱いを始めたいと思っておりますので、御期待くださいませ。
isbn:4-620-31649-0
isbn:4-04-883841-5
isbn:4-939029-21-2
投稿者 東 雅夫 : 2005年04月13日 15:17 | コメント (0)
2005年04月11日
サクラサク 『冥途』の原風景を求めて、早春の岡山路を旅してきた。
『幽』03号で予定している内田百特集の取材である。
↑百の父・久吉(『冥途』の「お父様」だ)が末期の日々をすごした岡山郊外の仏心寺の庭
岡山入りしたのが桜の開花宣言の翌日とあって、後楽園を手始めに行く先々で、爛漫と咲き競うかのような春の花木に遭遇。「これじゃ取材に来たのか花見に来たのか分からないねえ……」などと夢見心地で語らいつつ、百鬼園先生ゆかりの地を経巡ってきた。
途中、筆名の由来となった百間川の土手では、日没直前になって、花曇りの西空に夕陽が顔を覗かせ、まさに冥途めく玄妙な光景を目撃するという僥倖にも浴した。
今回は写真の仏心寺をはじめ、牛窓、瑜伽、下津井など、従来の百特集などでは、あまり取り上げられたことのない地域にも足を延ばせたので、『幽』ならではの切り口による探訪特集をおおくりできることと思う。
さて、「サクラサク」といえば、本ブログの母胎というべきオンライン書店bk1のシステム・リニューアルが、このほど無事に実現された。
他のネット書店を凌駕する豊富なコンテンツと機動力を持ちながら、お世辞にも使い勝手が良いとはいえないシステムのせいで他店に後れを取ってきただけに、今後の反転攻勢に大いに期待したいと思う。
このブログからのデータ・リンク等も格段にスムーズになっているので、倍旧の御愛顧のほど、よろしくお願い申しあげます。
isbn:4-89419-250-0
isbn:4-480-03763-2
isbn:4-480-03900-7
投稿者 東 雅夫 : 2005年04月11日 22:03 | コメント (0)
2005年04月07日
校了しました! 『妖怪伝説奇聞』がようやく校了しました。
思いのほかカラーページに直しが多く入ってしまった関係で、発売が一週間延びて4月26日に変更になりました。よりクオリティの高い仕上がりを求めての措置ゆえ、御海容のほど、お願い申しあげます。
今回は発売に先駆けて、カラーページをはじめとする紙面のサンプルをお目にかけます。
↑まずは本文レイアウトから。本文の上(頁により下や真ん中に変わります)に、毎ページ図版が入ります。
↑第1グラビア「妖怪秘宝」から。カバーデザインにも登場している香川根香寺の牛鬼図そのほか。校正紙のため訂正の文字が入っててスイマセン。
↑第2グラビア「妖怪奇祭」より。宇和島牛鬼まつりの熱狂を、迫力ある写真の数々でお伝えしている頁です。
↑第3グラビア「妖怪魔道」から。岡山県玉野市のナメラスジ(怪獣の通る道)の光景です。
↑巻末復刻『鍋島猫騒動』より。明治期に板行された草双紙本を丸ごと復刻収録しました! 猫好き必見!?
いかがでしょうか。眺めても愉しい本に仕上がったのではないかと思っているのですが……。ふるって御予約(特典付き!)くださいませ。
投稿者 東 雅夫 : 2005年04月07日 00:48 | コメント (2)
2005年04月02日
カバーデザイン確定しました『妖怪伝説奇聞』のカバー・帯デザインが確定しましたので、早速、お目にかけます。
ちなみに、帯裏の惹句は下記のとおり――。
「ムー」好評連載中の「日本伝説紀行」を豪華単行本化!
魔王の木槌、河童の妙薬、鬼の歯と角、
牛鬼の首から、怪獣の通り道、禁断の森、児啼爺の棲息地にいたるまで、
日本各地にひとしれず伝えられる奇想天外な妖怪伝承と
その実在を証明するかのごとき
驚天動地の秘宝を探訪。
カラーグラビア40頁を含む図版資料300点を収録!
御予約、お待ちしております。
↑本体価格2500円、発売日は4月19日に変更になりました投稿者 東 雅夫 : 2005年04月02日 04:47 | コメント (0)


奇想の図譜 
さくら日本切手カタログ 2006年版
新編物いう小箱
妖怪伝説奇聞