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2005年07月23日
モノノケ大合戦も準備完了青焼きのチェックも滞りなく済んで、あとは月初の見本出来(店頭発売は8月5日〜8日頃の予定)を待つばかりとなった『妖怪文藝 巻之壱 モノノケ大合戦』。
で、これ↑は何かと云いますと、同書に投げ込みで添付される特製栞の校正紙なのでした。通常は、小学館文庫共通の栞になるところ、今回は3巻連続刊行ということで、特別に〈妖怪文藝〉オリジナルの栞が作成されることになったのでした。よっ、小学館さん、太っ腹だね!(笑)
A面(右側)は天野行雄さん@日本物怪観光えがく傘化け。切り抜いて組み立てると、ひょうきんな妖怪紙人形が出来上がります!
そしてB面(左側)は、寄稿者のおひとりでもある京極夏彦さん揮毫による特集題字のミニチュア色紙。落款の朱を再現するために、わざわざ2色刷りにしたという凝りようなのです。
なお、この栞は初回配本分限定ですので、くれぐれもお買い求めはお早めに!
投稿者 東 雅夫 : 2005年07月23日 14:58 | コメント (0)
鴎外「百物語」異聞 『日本怪奇小説傑作集』の共編者である紀田順一郎先生の新著『カネが邪魔でしょうがない 明治大正・成金列伝』が新潮選書から刊行されました。「ホリエモンなんて、ちいさい、ちいさい。」という帯の惹句からして秀逸の一語(笑)。
ときにユーモアを交えた親しみやすい語り口の背後に、恐るべき博識と洞察がひそめられた凄味のある本です。
とりわけ怪奇幻想文学系読者必読なのが、第一章の「明治紀文 鹿島清兵衛の大波乱人生」。『闇夜に怪を語れば』所収の森銑三「森鴎外の『百物語』」を既読の向きは御承知のように、鹿島清兵衛と愛妾の元芸妓ぽん太は、鴎外「百物語」に登場する飾磨屋と太郎のモデルなのでした。
本書中にももちろん百物語の際のエピソードは言及されていますが、それにもまして興味津々なのが、栄耀栄華と落魄、いずれの局面にも度外れていた清兵衛の奇矯な生涯、そして彼に操を立て通した名妓ぽん太のあわれ深い一生の諸相です。斎藤茂吉が思わぬところで顔を出すのも一興哉。
このほか、銀座の一画に建造された広壮な店舗の二階に妻妾二十余名を同居させ、五十人を超える子を成した天狗煙草の創業者・岩谷松平の章なども、明治実業界の愛すべき妖怪物語として強烈な印象を与えます。
ちなみに松平の膨大な孫のひとり岩谷満が創設した岩谷書店が、探偵小説誌「宝石」の発刊などを通じて、戦後ミステリーや怪奇幻想小説のメッカとなり、山田風太郎や香山滋を輩出し、さらには乱歩の「怪談入門」連載や「別冊宝石 世界怪談傑作集」等により、戦後における怪奇小説の普及に大きく寄与したことは御存知の方も多いでしょう。
そのルーツが、明治の傑物のハーレムに発していたとは、思えば愉快ではありませんか!?
投稿者 東 雅夫 : 2005年07月23日 12:12 | コメント (0)
2005年07月21日
入荷しました! 創元推理文庫版『日本怪奇小説傑作集1』が、bk1に入荷しました。
しばしば怪奇小説好きの口の端にのぼるような定番作品の多くが、所収本が知らぬ間に品切・絶版になっていて、いざ新刊で入手しようとしたり、人に勧めたりしたくても思うにまかせない……以前、西武のコミュニティ・カレッジでホラー講座を開いていたとき、再三にわたり痛感したことであり、今回のアンソロジーを企画した主要な動機のひとつでもありました。
ただ、せっかく入手しやすい文庫本で上梓されても、昨今の厳しい出版状況下では、売れ行きが思わしくなければ、ロングセラー化など夢のまた夢。怪奇党読者人口拡大という大計(笑)の一環としましても、ふるって御購入を賜れましたら、幸甚至極に存じまする(平伏)。
東京創元社 (2005.7)
通常24時間以内に発送します。
投稿者 東 雅夫 : 2005年07月21日 09:44 | コメント (0)
角川ホラー文庫といえば やはり9月発売のホラー文庫で、日本作家による吸血鬼ホラー傑作選が出ます(もともとこっちの企画が先行していたところに、急遽、映画タイアップ物が飛び込んできたわけですな)。
先の『闇夜に怪を語れば――百物語ホラー傑作選』が、幸いにも好結果を残せたので(御購入くださった皆様に深謝!)、続刊のオファーをいただけた次第であります。ありがたいことです。
遠い昔の『血と薔薇のエクスタシー』、いつしか店頭から消えてしまった『屍鬼の血族』に続いて、今回はホラー文庫のトーンに合わせた再編を施したいと考えております。担当ツ嬢は、早速角川さんの資料室から、伝説の「野性時代」吸血鬼特集号を探し出してきてくれました(感謝)。詳細については、追ってまた。
ところで……9月には『日本怪奇小説傑作集2』@創元推理文庫と『妖怪文藝 巻之弐 響き交わす鬼』@小学館文庫も出るんだよな、たぶん(笑)。これ即ち、月刊どころか週刊東雅夫状態と化す、わけだが……ま、なんとかなるさー、来月のことを考えると鬼が笑うって云うしぃー(云いません)。
角川書店 (2005.3)
通常2??3日以内に発送します。
桜桃書房 (1999.4)
この本は現在お取り扱いできません。
投稿者 東 雅夫 : 2005年07月21日 02:27 | コメント (0) | トラックバック (0)
2005年07月20日
げげっ!? 朝っぱらから(世間では立派に昼過ぎだが)宅配便が。寝惚け眼で出てみたら、使用済み封筒の包み……森林資源保護にことのほか熱心な国書刊行会からの荷物とひと目で知れた。
いや〜な予感がして包みを開けば、現れ出たのは『日影丈吉全集』全巻購読者プレゼントの特製CD「日影丈吉、幻想ミステリーを語る」ではないか!
収録内容チェックのチェの字もないまま、いきなり完成品を送りつけてきますか、ふつう……。しかも収録時間を見たら、ももも、もしかして完全収録かよ!?
おおいに冷や汗をかきながら、1時間を超えるCDを聴いてみる。とりあえず、差し障りのありそうな発言は、双方ともになかったので、ホッと胸を撫でおろす。
なにせ今から20年以上前に収録されたものなので、細かい内容などすっかり失念していたのだが、日影さんは終始、悠揚迫らぬ、昔の東京人らしい味のある語り口で、童話の投稿や俳句の話、ラヴクラフトからフランスの幻想作家たち、ドイツ・ロマン派、そして江戸川乱歩や横溝正史のこと、徳田秋声や志賀直哉の影響(!)、意外な筆名の由来、等々、実に多岐にわたる話題について、ときにユーモアを交えながら、青二才の訥々たる質問に、律儀にお応えくださっている。
耳かたむけるうち、町田駅前の喫茶室、陽光あふれる昼下がりの情景がありありと想い出されてきて、しばし瞑目。
↑bk1では全巻24時間出荷で取り扱い中です!
投稿者 東 雅夫 : 2005年07月20日 21:09 | コメント (0)
2005年07月19日
乱歩地獄 今秋封切り予定のオムニバス映画「乱歩地獄」(企画制作=ミコット・エンド・バサラ/プロデューサー=宮崎大/監督=竹内スグル、実相寺昭雄、佐藤寿保、カネコアツシ)の試写会へ。浅野忠信、松田龍平、成宮寛貴というイケメン三人男が主演する……と聞いて、まあ〜そういう(どういう?)ノリの映画なんだろな〜と予想しながら出かけたのですが、と〜んでもない。アヴァンギャルド全盛期の実験映画を彷彿させるような、過激な映像、演出、構成のつるべ打ちに茫然と致しました。なにしろ原作が――「火星の運河」「鏡地獄」「芋虫」「蟲」という、これまであまり映画化に恵まれなかった(当然だけどな)乱歩幻想譚の極めつき揃いゆえ、当然といえば当然なんですが。三人衆や異色の監督陣のファンのみならず、そっち系のお好きな方も必見です。
上映終了後、角川書店のSさん、Eさん、Tさんと打ち合わせ。そう、なんで試写会に出かけたのかといえば、映画公開に合わせて刊行される乱歩文庫の編纂解説を依頼されたからなのでした。
とはいえ、すでに角川ホラー文庫には、乱歩の怪奇幻想作品はあらかた収められていて、わずかに「火星の運河」が残るばかり……これでどうやって一冊を編むのか!? ま、そこはアンソロジストの腕の見せ所ということで(笑)。ちょいと画期的な乱歩アンソロジーが実現できそうです。詳細発表は今しばらくお待ちあれ。
角川書店 (1997.12)
通常2??3日以内に発送します。
角川書店 (2003.12)
通常2??3日以内に発送します。
↑担当編集者のEさんはスヌーピーやアランジアロンゾの本も担当されているそうな。
小生がトカゲくんのファンと知って、早速本書を御恵与くださいました。感謝!
投稿者 東 雅夫 : 2005年07月19日 19:24 | コメント (0)
今月の〈幻想と怪奇〉時評 いや別に狙ってるわけじゃなくて(笑)、たまたまそういう巡り合わせになっただけなのよ(何のことやら分からない向きはスルーしてください)。
〈幻想と怪奇〉時評@小説推理を書く。今月のベスト・ブックは先頃めでたく完結した『日影丈吉全集』の別巻、それに飯野文彦『怪奇無尽講』、福澤徹三『亡者の家』、さらには同誌先月号に掲載された浅田次郎の「赤い絆」(連作〈幻談抄〉の一篇。この短篇連作はお勧めですぞ!)が、んもう〜ツボ突つかれまくりだったので、先月採りあげた『花まんま』と絡めて大幅に紙幅を費やすという掟破りをやっております。
掟破りといえば、小生が時評中で自分の編著に言及することを疑問視される向きが一部にあるようなのですが、これは小生なりの考えがあって続けていることですので、不快に感じられる方には「すいません」としか申しあげようがありません。
もとより小生とて、自分が関与した本は一切、書評や時評で採りあげないというポリシーを堅持されている書評家・評論家の方が多々いらっしゃることは存じておりますし、そうした節度ある姿勢に敬意を表すること、やぶさかではありません。
しかしながら、学研ホラーノベルズやHORRORWAVEといった書き下ろし作品を含む叢書の企画編纂に携わったり、アンソロジストとして多くの編著を送り出す側に立ったりするようになって以来、たんに自分が関与したからというだけの理由で、それらの刊本が、極めて限られた数しか常設されていない怪奇幻想文学系の新刊時評から一方的にオミットされてしまうことは、それはそれで理不尽な話であるし、著者や著作権継承者、版元の方々に対しても申しわけがないと痛感するようになりました。
それゆえ小生は、自分が関与した本が、時評中で採りあげるに価すると確信が得られた場合は、あくまで「紹介」という形で(というか、それ以外にはありえないわけですが……自画自賛しても空しいだけよ)言及するという自分なりの方針を定めております。
また小生が推薦文や解説を寄稿した本については、むしろ積極的に、声を大にして自ら旗振り役を務めて参りました。本気で推奨に値すると思うからこそ、寄稿をお引き受けするわけですし、そうして刊行された作品を、最も知って欲しい、読んで欲しいと願う(=その本のメイン・ターゲットである)読者の皆様が目にする場所(=小生が担当する時評欄やコラム)で紹介させていただくのは、むしろ当然のことではないかと考えるからです。
幸い「SFマガジン」でも「小説推理」でも、担当編集者の寛大なる御理解を得て、小生はこうしたポリシーを貫いて参りましたし、今後も我が道を往く所存であります。ちょうど良い機会でしたので(これから編著刊行が連続するし……)、一言させていただきました。読者の皆様にも御理解を賜れれば、幸甚に存じます。
投稿者 東 雅夫 : 2005年07月19日 18:26 | コメント (0) | トラックバック (0)
2005年07月17日
bk1で太鼓祭り あ、間違えた、怪談祭り開催中!
気温高騰とともにいよいよヒートアップしてきた「第3回ビーケーワン怪談大賞ブログ」(ロムばかりでなく、ふるって御投稿もお待ちしております! 選者の加門七海さん、福澤徹三さんも、毎日愉しみに同ブログをチェックされているそうです、いやマジで)に加えて、「怪談で涼もう」特集も始まりました。買い漏らし、読み逃がしはないか、この機会に要チェックだ!
てなわけで、こちらも負けじと連動企画を。『花まんま』直木賞記念、泣ける怪談、ジェントル・ゴースト・ストーリー本のミニ特集を、どうぞ〜。
↑なかでも「トカビの夜」は、かつての怪獣博士&怪奇少年は号泣必至!
↑『花まんま』が大阪なら、こちらは東京浅草が舞台の人情懐旧怪談。
東京創元社 (2005.7)
通常24時間以内に発送します。
↑室生犀星「後の日の童子」は、国産ジェントル・ゴースト・ストーリーの大古典なのだ。
第1巻収録作品中でも小生イチオシの絶品であります。
研究社 (1916.10)
この本は現在お取り扱いできません。
↑「後の日の童子」と双璧を成す傑作。データをご覧になればお分かりのとおり当然絶版ですが、こんな大昔の本がヒットするってのも面白いじゃないですか。なお「平田喜一」は英文学者・平田禿木のことで、十年後に改訂新版が上梓された際には禿木名義に変更されています。小生が所持するのは改訂本のほうですが、原著の挿絵がカラーで収められた、とても趣のある英和対訳本です。「彼等」には南條竹則さんの訳(『怪談の悦び』所収)もありますが、こちらも品切の模様。
東京創元社 (1985.5)
通常2??3日以内に発送します。
↑晩年の平井呈一翁が心血をそそいだ名アンソロジーより。ジェントル・ゴースト・ストーリーとしてはボーエン「色絵の皿」、キラ・クーチ「一対の手」あたりが断然ツボ!
投稿者 東 雅夫 : 2005年07月17日 22:49 | コメント (1)
2005年07月15日
祝、直木賞! 朱川湊人さんの『花まんま』が、第133回直木賞を受賞しました。
すでにこのブログにも記したとおり(予言的中!?)、怪異を描いて喜怒哀楽に満ちた人生の妙味を感得せしめる素晴らしい短篇集である同書が直木賞に輝いたというのは、先年の『後巷説百物語』に続いて、怪談やホラーのファンにとって大いに歓迎すべきことだと思います。
ちなみにネット・ニュース(毎日新聞社)によれば、選考委員の北方謙三氏は同書を「現代の怪談を、非常に新しい説話として立ち上げている」と評価されていた由。直木賞の選評に「怪談」という言葉が登場するというのも、怪談文芸興隆の機運を象徴しているように思われます。
そういえば、日本ホラー小説大賞の受賞作家が直木賞を受賞するのも、朱川氏が初の快挙となりますね。おめでとうございます!
投稿者 東 雅夫 : 2005年07月15日 14:59 | コメント (0)
見本到着! 『日本怪奇小説傑作集1』の見本が到着しました。来週末までには店頭に並ぶことと思います。
創元推理文庫の伝統である肌色の本体表紙に刻された「日本怪奇小説傑作集」の文字を眺め、紀田順一郎先生の手になる格調高い内容紹介文を眺め、いやあ〜ホントに実現しちまったよ……と感慨もひとしおでありました。
500ページ弱のボリュームはなかなかのものですが、それでも〈伝奇ノ匣〉のように持ち運びに不向きというほどでもなく(笑)、絶妙なバランスに収まったように思います。
いや本当に、これ一冊を携えて、どこぞの鄙びた避暑地にでもおもむけば、最高に贅沢な怪奇幻想読書三昧な夏休みが過ごせるのではないでしょうか。
この夏、小生は身動きとれそうもありませんが、チャンスのある方はぜひ、お試しあれ!
↑トドロキが祝賀の音撃を!
投稿者 東 雅夫 : 2005年07月15日 14:31 | コメント (0)
2005年07月14日
◆幻妖通信◆第19号配信しましたスタッフのタカザワです。
幻妖通信第19号が配信されましたのでご報告します。
前号の配信から大幅に遅れて申し訳ありませんでした。
東さんのコラムが今号から「新連載」となり、あらためて再出発しました。
まだ登録されていない方はぜひご登録くださいませ。
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投稿者 : 2005年07月14日 20:51 | コメント (0)
通販生活 もひとつ、小ネタを。
先日送られてきた通販生活のカタログ(『ピカイチ事典 2006年版』)を、トイレでぱらぱら眺めていたと思いねえ(カタログとかハイパーホビーとかはトイレに常備してるのよ)。
「ブックスタンドのピカイチ」として推奨されているサピエンスという商品、なるほどいわゆる「積ん読本」の一時収納にはいいかも……などと商品写真を眺めていて驚いた。ん、このどこかで見た背表紙は……『百物語の百怪』じゃないか! 下の方には『ホラー・ジャパネスクを語る』まであるぞ!!
いったい全体、どういう経緯で、このような(その他の書目も海外文学中心にかなりマニアックなのだ)選書になったのか、烈しく真相を知りたいワタクシです。
双葉社 (2003.6)
この本は現在お取り扱いできません。
↑気がつけばどちらも在庫払底。幸い『ホラー・ジャパネスクを語る』は来年あたり、文庫にしていただけそうなのですが、『百物語の百怪』は現在フリーです、委細面談(笑)。
投稿者 東 雅夫 : 2005年07月14日 09:31 | コメント (1)
謎の物体、あらわる!? 携帯でこっそり撮った写真なので、見づらくて恐縮です。
いよいよ青焼き目前まで漕ぎつけた『妖怪文藝 巻之壱 モノノケ大合戦』の校正チェックのため、小学館の文庫・文芸編集部におじゃましたら、装画をお願いしている天野行雄さんから荷物が到着。箱の中から出現したコイツを、愛おしさのあまり、思わず抱きしめてしまいました(笑)。
実はこれ、全3巻を御購入いただいた方を対象に実施される特別懸賞の一等賞品となる、日本物怪観光特製の海坊主フィギュアなのです! 全高25センチ近い海坊主くん、脚部は車輪になっていて、手にした豪華客船(!?)と真っ赤な舌をゆ〜らゆら揺らしながら前進します。
応募の詳細は、本書の帯に記載されますので、発売の暁には是非ぜひチェックしてみてくださいな。
投稿者 東 雅夫 : 2005年07月14日 08:59 | コメント (0) | トラックバック (0)
2005年07月12日
日影丈吉全集、完結 ハッと気がつけば、すでに発売から時間が経ってしまいましたが、国書刊行会版『日影丈吉全集』全8巻+別巻が、先ごろ無事に完結しました。最終回配本となった別巻の分厚いこと! 『稲生モノノケ大全』と一緒に並べると、大相撲夏場所ってな感じで暑苦しいことこのうえなし!? ま、それだけ資料的に大充実しているわけで、非小説の主要著作である『ミステリー食事学』『荘子の知恵』などに加えて、大量の単行本未収録エッセイ、初期作品や未発表原稿、さらには詳細な年譜と索引までを網羅。博識の人として知られた日影丈吉の内なる迷宮探索に必携の第一級資料集と申せましょう。全巻にわたり委細を極めた解説を執筆された横山茂雄氏、資料の博捜に活躍された日下三蔵氏の両編者と、刊行なかばにして惜しくも逝去された監修者の種村季弘氏の労を、心からねぎらいたいと思います。
なお、全巻購入者には特典として、日影翁の肉声を収めた特製CD「日影丈吉、幻想ミステリーを語る」が付きますが、実はこれ、「幻想文学」9号でのインタビューが音源、ということは必然的に、インタビュアーである小生の肉声も収録されている……正直いって非常に忸怩たるものがあります。小生の肉声自体が入ることは別にかまわないというか光栄このうえない話なんですが、こういう非公開を前提としたインタビューの過程が、このような予期せぬ形で白日のもとに曝されることには、非常に抵抗があるわけです。取材に際して、インタビュアーは、あの手この手でインタビューイの話を引き出そうと努めます。その際、同じような話題を敢えて蒸しかえしてみたり、すでにリサーチ済みのことも、ときには知らないフリをして詳細を訊きだそうとしてみたり、マアいろんなことを試みる。その一部始終を、このような形でオープンにされてしまうのは、とても気恥ずかしいことであり、さらにいえば手の内を曝されてしまうことでもあるわけですな。
また、インタビューイである作家の側についても、その場では記憶違い、事実誤認があったり、本来はオフレコにしてほしいけれど話の流れで触れざるをえない微妙な話題があったりするわけで、そうした点については後日、原稿にまとめる際にチェックをするという前提で、お話しいただいているわけです。
そのあたり、かねてより尊敬おくあたわざる国書刊行会編集部のことですから、事前に入念な折衝とチェックを重ね、問題点はクリアされていることとは思いますが、少なくとも小生のところへは、なかば事後承諾に近い形で音源使用の連絡があっただけで、現在にいたるまで収録内容確認の依頼もないというのは、いささか不安ではあります。たんに作業が遅れてるだけだと信じていますが……。
ただまあ、読者の皆様の側からすれば、今回の特典は、そういう非公開の場に臨席するかのごとき得がたい機会なわけで、サア、これを読んで関心をそそられた向きは、すみやかに、粛々と、全巻(もしくは未購入の巻)購入のボタンを押しましょう!(笑)
↑bk1では全巻24時間出荷で取り扱い中です!
投稿者 東 雅夫 : 2005年07月12日 07:36 | コメント (0) | トラックバック (0)
2005年07月10日
速報/『モノノケ大合戦』の表紙デザイン、完成!ハッと気がつけば、こちらも発売日(8月8日頃の予定)まで一ヶ月となった『妖怪文藝 巻之壱 モノノケ大合戦』(小学館文庫・税込価格650円←安い!)の表紙カバーが完成しました。
どうです、この、往年の少年漫画誌グラビアやプラモデルのボックスアートを髣髴させる昭和レトロなテイスト! 妖怪をコンセプトにした異色のアートユニット〈日本物怪観光〉を主宰する天野行雄さん渾身の力作であります。いかにもモノノケっぽい躍動感にあふれた「モノノケ大合戦」の特集題字は、収録作家のおひとりである京極夏彦さんの手になるもの。
編集部から送られてきた画像ファイルを開いた途端、思わず「うおーッ!」と叫んでしまいましたとも。
日本物怪観光のホームページ「Woo」は、こちら。
素晴らしく充実したサイトで、飽かず見入ってしまいます。
http://www.mononokekanko.com/
投稿者 東 雅夫 : 2005年07月10日 04:12 | コメント (1)
ダ・ヴィンチで怪談特集 「幽」と並行して制作が進んでいた「ダ・ヴィンチ」8月号が発売されました。恒例の怪談・ホラー系特集、今年は『新耳袋』の全十夜完結を記念した「恐怖な読書」。木原&中山両氏の対談はお約束として(小生も祝辞を寄せております)、松谷みよ子&高津美保子という「日本民話の会」コンビの対談が興味深いですな(小生なぜかブックガイドの海外編をやらされとります……)。
「怪談之怪」コーナーでは「幽」最新号と大阪でのイベントを猛プッシュ(小生、「『幽』第三号の読みどころはここだ!」を寄稿しております…………ぜいぜい)。
でもって極めつきは、「ミステリー・ダ・ヴィンチ」コーナーの『日本怪奇小説傑作集』刊行記念特集。共編者である紀田順一郎先生と小生の対談が、堂々4ページにわたり掲載されております。おかげで、かなり詳細にわたる話題が展開されておりますので、関心をお持ちの向きは是非御高覧のほどを!
↑紀田先生の表情が素敵ですね。
メディアファクトリー (200507上旬)
通常24時間以内に発送します。
投稿者 東 雅夫 : 2005年07月10日 03:49 | コメント (0)
2005年07月09日
怪談大賞ブログ、やってます いよいよ蒸し暑い季節を迎えて、怪談気分も盛り上がる今日このごろ。
……というわけで、このほどbk1では、第3回bk1怪談大賞の募集に合わせて、「怪談大賞ブログ」を開設いたしました。
http://blog.bk1.co.jp/kaidan/
応募作品が随時、掲載されてまいりますので、怪談好きな方は是非、チェックしてみてくださいませ。
あ、もちろん作品の御投稿も、是非是非よろしく!
投稿者 東 雅夫 : 2005年07月09日 20:49 | コメント (0) | トラックバック (0)
2005年07月02日
モノノケ大合戦小学館文庫版『妖怪文藝 巻之壱 モノノケ大合戦』の収録作品ラインナップが、このほど最終確定いたしましたので、謹んでお披露目いたします。
『妖怪文藝 巻之壱 モノノケ大合戦』
東雅夫・編
【対談】
京極夏彦&東雅夫「書物の海から妖怪世界へ」
【特集/モノノケ大合戦】
南條範夫「月は沈みぬ」
村上元三「河童将軍」
藤原審爾「妖恋魔譚」
石川淳「狐の生肝」
稲垣足穂「荒譚」
【文藝妖怪名鑑】
入澤康夫「牛を殺すこと」
土屋北彦「川姫」
龍膽寺旻「小豆洗い」→著作権継承者捜索中
谷崎潤一郎「覚海上人天狗になる事」
水木しげる「ぬらりひょん」
小田仁二郎「からかさ神」
別役実「すなかけばば」
石川鴻斎「轆轤首」(小倉斉訳)
今江祥智「雪女」
野上豊一郎編「猩猩」
京極夏彦「豆腐小僧」
東雅夫「編者解説」
投稿者 東 雅夫 : 2005年07月02日 07:12 | コメント (0)
妖怪大戦争 妖怪&怪談愛好者――あるいは『怪』と『幽』の定期購読者というべきか(笑)――にとってはこの夏、SWや宇宙戦争以上に気になる映画『妖怪大戦争』の完成披露試写に行ってきました。
知り合いがぞろぞろエキストラに参加したりしていて、いろいろ漏れ聞いてはいましたが、なるほどこれは妖怪マニアのツボと泣き所を突つきまくりの映画ですな。荒俣宏さんの『帝都物語』でオカルト・ジャパネスクの世界へ導かれた世代にとっても、感慨ひとしおな映画かと。
なんたってプロデュースチーム「怪」のデビュー作ですから、見慣れた方々が随処にゲスト出演していて気が抜けません。なかでも驚嘆したのが女教師役の宮部みゆきさん。むむむ、歌唱力のみならず演技力もプロ級だったとわ!
公開前なので立ち入った言及は控えますが、作品の根底に「クダン」関連ネタがひそめられている点、そしてなにより、妖怪たちの扱いに大いなる愛情が感じられた点は特筆に価すると思います。ヨモツモノ工場の怪獣スペクタクルなノリにも興奮させられたし。それから……川姫の太腿とアギの○○○○も、云うまでもなく必見だ!(笑)
角川書店 (2005.6)
通常24時間以内に発送します。
投稿者 東 雅夫 : 2005年07月02日 06:56 | コメント (0)



















