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読者が選ぶ赤江瀑短篇ベスト・オヴ・ベスト
今年前半の仕事が片づいたと思ったら……息つく間もなく後半戦の仕込みに突入である。
まずは〈伝奇ノ匣〉に続く、学研M文庫の新シリーズ〈幻妖匣〉の打ち合わせのため、五反田へ。
遠い昔にも書いた気がするのだが(笑)、このシリーズ名は「げんようBOX」もしくは「あやかしのはこ」――どちらでも好みの呼び方でお呼びください(個人的には、なんとなく語呂がいいので「げんようぼっくす」と呼ぶことが多いっす)。
このシリーズは、過去の作家を対象とする〈伝奇ノ匣〉に対して、現役作家を対象に、怪奇幻想文学の観点から見たその全貌と精髄を、一巻本アンソロジーの形に集成しようとする試みであります。
もともとが今は亡き「ムー伝奇ノベル大賞」に連動して始まった企画なので、第1弾が赤江瀑氏、続いて皆川博子氏と同賞の選考委員の方々からスタートします(ただまあ、昨今の世知辛い出版状況からして、売れ行きが思わしくなければ即打ち切りとなる可能性もありますので、菊地秀行氏と夢枕獏氏には、遺憾ながらまだお願いの打診をしておりません……小生としては、是非やりたい、のですが。御支援のほど、何卒よろしく!)。
さて、〈幻妖匣〉では毎回、このブログを利用した読者参加企画を下記の要領にて実施することに致しました。
題して――「読者が選ぶ赤江瀑短篇ベスト・オヴ・ベスト」
・赤江瀑氏の膨大な短篇作品の中から、「この作品だけは絶対に外せない」もしくは「この作品をぜひ復刻再録してほしい」というリクエストを、このエントリーのコメント欄にお寄せください。
・書式は、最初に作品名、改行して簡単な(長大な、でも可)コメント、という形でお願いします。
・賞品発送の連絡時に必要なのでメールアドレスは必須。ただしブログ上にメールアドレスは一切公開しませんので、御安心ください。お名前はハンドルでもかまいません。
・お寄せいただいたリクエストの中から、特に多くの票を集めた作品、および編者(=ヒガシ)の印象に残ったコメントの作品を数篇、『幻妖匣』に収録させていただきます。
・御応募いただいた方の中から抽選で3名の方に、刊行時に著者サイン本をプレゼント致します。
全国津々浦々の赤江瀑ファンの皆さま、ふるって御応募くださいますよう、お願い申しあげます!
それとサイトやブログをお持ちの皆さま、当企画の告知に御協力を賜れましたら幸甚であります。
投稿者 東 雅夫 : 2006年06月11日 03:57
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コメント
質問です。
リクエストできるのは一人一篇のみですか?
締め切りはあるのでしょうか?
投稿者 後藤待子 : 2006年06月13日 00:15
後藤さま
お久しぶりです。日記ときどき拝見してます。
>リクエストできるのは一人一篇のみですか?
おお、そうか……公正さを欠くといけませんので、おひとりで応募できるのは、「マイベスト」1作品と「復刻希望(=ベストじゃないけどこれを入れてほしい!作品)」1作品の計2作品まで、とさせてください。
>締め切りはあるのでしょうか?
あーそうか(笑)。いちおう6月末日まで、でお願いします。
投稿者 ヒガシ : 2006年06月13日 01:23
「禽獣の門」
この奇想の妖しさ、美しさ、恐怖と官能は赤江瀑でしょう。ありえない話なのに場面がありありと浮かぶ。映像で観たい。日本画を描いてほしい。
「禁花」
芸の道に憑かれ、挫折する。題名が好き。
投稿者 同志トナカイ : 2006年06月23日 15:15
初めまして。企画を知り、長考していましたが期日が迫って参りましたので、取り急ぎ投稿させて頂きます。
ベスト作:「阿修羅花伝」
最初に触れた赤江作品なので、やはり印象が強いです。無心に刳る面から滲む、若い凛々しい面打ちの貌という情景がとても美しいと思いました。能楽師は己の個性を面によって剥奪されるからこそ彼の面を峻拒する。それでも青年は尚真っ直ぐに面に向かい、己の貌を面の裏であるかの如く切り刻む…ぞっとするくらい陰惨なのに、そのせめぎ合うバランスに魅せられました。
復刻希望作:「アポロン達の午餐」
赤江氏の作品に登場する青年たちは、美しくはあるけれど、皮一枚剥いだ時の醜さを滲ませた美丈夫たちであるように常々思います。安寧から破調へ、綻びを得た若い肉体は果実のそれと同じく急速に熟れ、発酵し、終焉への連鎖反応的な暴発を誘発する。
推理小説的な展開もあり、文庫化されないのが不満でしたので推挙させて頂きました。
東様、「長文可」ということで長々と書いてしまい申し訳ありません。刊行、楽しみにしております。
投稿者 琥穹 : 2006年06月26日 03:09
無理です。それはあまりに無理というものです。
数々の珠玉から、たった二つを選び出せとは、早や数週間、寝ても覚めても嘆息ばかりのこの苦行。通勤電車の軋みさえ、おどろの拍子で眠らせぬ、休ませぬ。どれを掬い上げても熱狂的なファンの皆様から怨嗟の野次が飛びそうな剣呑な気配。おお怖や、あな恐ろしや、されど沈黙は更なる無礼。受けましょう、応えましょう。埋み火などにさせ置くものか、さあさあ、皆様、弓手に薬煉をひいてのお待ちかね。
個人的御贔屓一番:『寝室のアダム』
いとしいひとへ、の一言が、時間を越えて男たちを狂わせる。見たや、愛でたや、頬擦りしたや。されど至宝はどこにある...失われ、堕とされ、彫り刻まれながら、奇跡のように燐光を放つ怪しの寝椅子。粒糖に群がる鋼の群れが、一目見たやの熱情に、引き換えでいただくのは貴方の身体。その撓る魂を、包む着衣を、そっくり脱ぎ捨てていただきましょう。いっしんの情熱は男たちのもの。決して卑俗な女どもには分からない。欲と金銭の突っ張りに、やがて至宝が崩壊と喪失の昏き予感。ああ浅ましや、恨めしや。
個人的復刻希望一番:『京の毒・陶の変』
狂気を誘う、の繋がりで、あまり再録されてなけれども、京の都と情炎と、そして麗しの肉体で対になりました。やはり欠落の至宝(この場合は素材、でありますが)を求めて、誇り高い若き陶工が、熱の視線で、幻都と奔放な歓戯に耽る巧者を幽鬼となって追い回す。ええ口惜しや、憎らしや、己の手では生まれぬものを、どうしてあの痴れ物だけに与したものか。老獪な幻都の闇に惑わされ、やがて破滅の柝が入る。
長文失礼いたしました。
投稿者 十遠子 : 2006年06月27日 01:10
私は弱輩者ですので未読作品のほうが多く、ベストを選ぶことはできそうにありません。そこで、幻想文学第57号の短編作品リストからまだ読む機会に恵まれていない、熱烈に惹かれるタイトルを二つ選んで投稿させていただきます。
「逢魔が時の犀」 赤江作品からは異様な熱風とその圧力を感じることが多いのですが、タイトルだけで熱射病になってしまいそうです。必死で飲んだ水も水のまま熱を持っていそう。
「悪魔好き」 悪魔に惚れているのは一体どんな登場人物なのでしょうか。是非読みたいです。
そして、第二弾は皆川博子氏なのですね!私が幻想文学という雑誌と、そう呼ばれる小説を知ったのはM文庫の「巫子」がきっかけでした。幻妖匣シリーズ、言いようもなく楽しみです。
投稿者 A : 2006年06月28日 02:18
初めまして。私も未読作品が多いので、ベストを選ぶには気が引ける部分もあるのですが、好きな作品も多く、こんな機会は滅多にないと思うので投票させていただきます。
・マイベスト作品:「絃歌恐れ野」
登場人物の言い争いがエスカレートしていくにつれ、「もうそこで止めてくれ」と思いながらも、先を読まずにはいられませんでした。果たして、言い争いをした当人達も、本当に心の中であそこまで考えていたのでしょうか。それが瞬間的に爆発したのでしょうか。寧ろ私には、「エスカレートしていく」という現象自体が、二人にあそこまで行き着かせてしまったように思えてなりませんでした。
・復刊希望作品:「桔梗色の火のけむり」
どこかが深く印象に残っている、というわけではないのですが、読了後しばらくラストの光景が頭から離れませんでした。もしかしたら自分の記憶の中に似たような景色があったのかとも思いますが、何となく、この作品に描かれた世界というのは、誰しもが何らかの形で接してきた世界――現実に、あるいは本の中で、絵の中で――を、さらりと切り取っているようにも思えました。
以上です。作品の魅力を伝えようと努力しましたが、これが限界です。「幻妖匣」シリーズ、楽しみにしています。
投稿者 ようっぴ : 2006年06月29日 00:48
全短編集を枕頭に積み上げて苦悶する数週間でした。どこを斬っても同じ血が流れ出るような文章の洪水に、思考は停止状態。辛うじて残る理性で記しています。明日も仕事と言うのに今頃コメント書いてる自分があほらしいやら情けないやら。ご笑納ください。
* マイベスト作品:「花曝れ首」
これだけは譲れません。この傑作を読んだが故に、あだし野まで足を運んで竹細工屋の軒の紅葉を探した人は、私だけではあるまいね。化野念仏寺はもはや信者の巡礼地です。おちとみやす、の一言に背を押され、甘美な地獄に落ちたものは数知れず、そのすべての亡骸は石の仏さんが抱いて弔うてくれますえ。
* 復刊希望:「奏でる艀」
復刊希望と言うからには、アンソロ入りも文庫オチもしなかった作品を選ぶべきかと考えました。人間の根源に帰るような、ノスタルジックで哀切極まりない佳作。読後、年を経るごとに涙の量が多くなる赤江作品もいいじゃありませんか。青春の肉体も眩しいもんですが、みないつかはこの船に乗るんですわ。
投稿者 Warihiko : 2006年06月29日 03:57
いつもブログを読ませていただいております。おかげさまで、夫婦で「響鬼(29話まで)」にはまっております。
さて、赤江作品といえば、「春喪祭」がマイベストです。雑誌「太陽」の大和古寺特集号の、入江泰吉の詩的な仏像写真の後に、何の前触れもなくこの作品が掲載されておりました。一読三嘆、当時中学生であった私にすれば、鼻血も出ようかという大衝撃でした。王朝文学以来、男女の出会いの場であった長谷寺で、この世ならざるものと出会うという、その奇想、その結構の巧妙さ。中学生ながらその小説としての完成度の高さに感じ入り、後年、幾冊かの文庫本を買い求めたのを覚えております。思えば、私の幻想文学事始めはこの作品だったかもしれません。
長谷寺には何度も訪れておりますが、その度に回廊に立ち止まり、牡丹の花の向こうに何かを見ようとしている自分自身に気づかされます。
採録希望作品は、「象の夜」です。都筑道夫にも同趣向の話があったと思うのですが(「雪崩連太郎」?)、幻想文学の範疇からはズレているのかもしれませんが、あの奇妙さをもう一度味わってみたいです。その反面、未見の短編をたくさん読んでみたいという気持ちも強くあります。ここはひとつ、文庫サイズの限界に挑んでいただきたいですね。
投稿者 見仏人 : 2006年06月29日 20:58
マイベスト:「恋怨に候て」
南北のセリフや所作がとにかくかっこよく描かれています。粋とはどんなものなのか、理解しきれていない小娘な私ですが、思わず「粋だなぁ」とつぶやいてしまいます。その一方で、蜘蛛嫌いの妻にちまちま蜘蛛を放ち続ける南北というのも描かれています。正に陰険。
妻に蜘蛛を放つという行動は直接描かれている訳ではありません。語り手が示す様々な事象からそう読み取れるだけです。直接描かれていない分、そこに籠められた怨み、やるせなさといった人間臭い感情が、においたつように感じられます。
すごい作品です。
復刻希望:「幻鯨」
まず鯨漁の荒々しい描写。そして烈火のごとき経五郎の怒り。血が騒ぎます。
どんな作品が選ばれるのか楽しみです。未読の作品がたくさんあるので、新しい出会いにも期待です。刊行を心待ちにしております。
投稿者 目 : 2006年06月30日 21:00
もう締め切ってしまったかもしれませんが、一応投稿させていただきます。
「獣林寺妖変」
「万葉の甕」
歌舞伎の魔に魅入られた者たちの角逐と連帯。
印象に残ったものを選んでみたら、意外にも似通ったテーマの作品になってしまいました。
投稿者 あらじん : 2006年07月01日 19:12
いつもブログを楽しみにさせていただいてます。
乏しい赤江体験の中から選ばせていただきますと・・・。
マイベスト作品「海贄考」
マイベストを選べと聞いて一瞬で頭に浮かびました。
叙情的な本編に次いで、後書きで明かされるこの恐怖。
初読以来未だに私の中の恐怖小説ベストに入ってます。
復刻希望「罪喰い」
架空の習俗とはいえ、その一族に生まれた悲しみがひしひしと伝わってくるよう。
特に習俗を描いたシーンは忘れられない印象を与えられました。
それでは新シリーズ期待して待ってます。
投稿者 はな : 2006年07月02日 05:19
ベストとはいかないのですが、まだ名前が挙がって無くてちょっと寂しいので『花夜叉殺し』と『雪華葬刺し』を。
とにかく題名が、赤江作品らしいというか、ある意味赤江氏だからこそ許されると言うか、そんな印象です。
投稿者 つばき : 2006年07月02日 21:27
マイベスト作品「殺し蜜狂い蜜」
さんざん迷った末、結局初期作品に落ち着いてしまいました。親愛の情だけでは語れぬ親友同士。競争意識だけではわりきれないライバル関係。ついには狂おしい癒着にまで発展する愛憎。男同士のこんな微妙な関係を描けるのは赤江瀑ならではと思われます。蜜という蠱惑的な物質が恐ろしい出来事に絡んでいるのも魅力。
復刻希望作品「悪い鏡」
赤江作品の中ではまちがいなく小品に入ると思うのですが、印象に残る作品です。夢を見させる者は醒めていなければならない、でも常に醒めていることは人を追い詰める、というところでしょうか。
投稿者 後藤待子 : 2006年07月02日 23:13
*マイベスト作品『海贄考』
最後の「あとがき」まで読み終えたとき、戦慄しました。この種の恐怖を味わったのは本作品が初めてだったかもしれません。以来、何度読み返してもぞッと鳥肌が立ちます。
*復刻希望作品『八雲が殺した』
『雀色どきの蛇』と迷いましたが、復刻希望作ということで初出年月の古い『八雲が殺した』を選びました。ラストの締めくくりがもたらす予感が、なんだか恐ろしいです。
今日このリクエスト投票があることに気づき、急いで投票させていただきました。よろしくお願いします。
投稿者 ごんてぃー : 2006年07月02日 23:36
たびたびすいません。
私のコメントがどなたか別の方のと入れ替わってるみたいなんですが・・・。
アラジンさんの投稿が私の投稿した内容に。
投稿者 はな : 2006年07月04日 06:20
はな様
先日は御投稿ありがとうございました。
御指摘の件ですが、このブログのコメント欄は、最初に投稿された本文が表示され、次に横線が入って、投稿者名、という順番に掲示されております。
紛らわしいですが、仕様なもので変更できないんですね。前にも似たような問い合わせをいただきました。御心配かけてすみませんが、御確認くださいませ。
投稿者 ヒガシ : 2006年07月04日 06:29
マイベスト「平家の桜」
わたしの密かな欲望を写し取ったかのような作品で、大変な衝撃を受けました。桜の山に埋もれて消えてゆきたかった、すべてを擲って。その後、”平家の桜”と名高い京都の平野神社にも参り、赤江作品に首まで浸かりました。この一作品ゆえに、わたしは赤江瀑を愛し続けることを誓ったのです。
復刻希望「海峡」
小説ではありませんね・・・。サブタイトルだけで涙が出そうになるくらいうつくしい本だと思います。
投稿者 るる : 2006年07月06日 16:35



