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2006年08月31日

三鬼堂で成功祈願

 妖怪会議終了後、編集Rや化野氏ら妖怪な人たちと一緒に駅前のファミレスで、ひとしきり歓談。愉しうございました。今日中に東京へ戻るのは困難(であることを、その時点で知った呑気な私です)なので、広島で宿を探すことにする。

 さて、翌日。やはり、とっとと帰京しないと、筑○書房方面とか国△刊行会方面とか学□研究社方面とか、いろいろ不穏な雲行きゆえ(笑)、その日午後の新幹線で帰る手筈は整えたのだが、せっかく広島まで来たのだから……と、一計を案じて、急遽、弥山に登ることにする。
 なぜか?
 弥山山頂の三鬼堂で、『響鬼探究(仮)』の成功祈願をするために決まっておるではないか!(笑)
 ちなみに三鬼堂には、その名のとおり、響鬼、威吹鬼、轟鬼が鎮座しているのであーる。

misensankidoh.JPG

↑三鬼大権現が鎮座する社殿

 ……てなわけで、安芸の宮島に渡ったのもそこそこに、思いのほか本格的なロープウェイで一気に山頂近くへ到り、そこから登山道を経て、弥山山頂へ到着。日に焼けましたが、絶景でありました。
 しっかり成功を祈願して、ふたたびそそくさと下山、一路新幹線で東京に帰着したのであった。

 え〜、まさかとは思いますが、本気にされる方があるとまずいので、三鬼堂の正しい由来について、『宮島弥山史跡巡り』より「三鬼堂」の一節を、以下に引用しておきます。
 「正式な呼び名は三鬼大権現といい、正面に追張鬼神(大日如来の化身)、左に魔羅鬼神(虚空蔵菩薩の化身)、右に時眉鬼神(不動明王の化身)の三体が祀られた全国唯一の鬼神で、その霊徳は参拝して初めて感得することができる。
 他に太郎坊の大天狗や次郎坊の小天狗をはじめとする日本国中の天狗さんが集まり、偉大なる神通力で生きているもの全てを加護している。」
 ……ね、なんとなく「響鬼」の世界っぽいと思いませんか?

厳島信仰事典
厳島信仰事典
posted with 簡単リンクくん at 2006. 8.31
野坂 元良編
戎光祥出版 (2002.11)
通常2-3日以内に発送します。

投稿者 東 雅夫 : 2006年08月31日 16:46 | コメント (0) | トラックバック (0)

二年ぶりの三次

 京都イベント終了後、編集Rほか妖怪な人たちと共に京都駅へ直行、新幹線と芸備線を乗り継いで、夜9時前に三次に到着。間に合うようなら、比熊山夜間登山のイベントに参加したいと思っていたのだが、すでに受付が締め切られ出発した後とのことで残念であった。昨日今日とかなり疲弊してもいたので、夜歩きはあきらめ、もっぱらホテルで静養につとめる。
 翌朝、化野燐氏から「これから妖怪の有志で比熊山に登りますが……」とお誘いをいただいたのだが、昼間の比熊山には(笑)二度ほど登っていることもあり、しかもこの暑熱のさなか……謹んで辞退させていただいた。いったん駅前に戻って、喫茶店で鄙には稀な美味しい珈琲を飲みながらブログの更新作業などしていたら、別の妖怪の人たちと遭遇、一緒に会場の三次文化会館に向かう。その途次、沿道でも猫娘な人とか天狗や河童な人とか、怪しいコスプレの人たちを見かける。妖怪会議ならではの光景というべきか、怪談之怪ではシャレにならない気がするぞ。

higumayama06.JPG

↑会場前から眺めた比熊山

 会場は早くも凄い熱気である。万一、当日券が売り切れていたら、関係者を装って(笑)潜り込もうかと思っていたのだが、無事に購入できてやれやれ。早速、売店をチェックして『稲生物怪録』関連グッズなどを物色していると、『怪』のG編集長に「御苦労さまです」と声をかけられた。角川さん他の書籍ブースでは、なぜか今日はオフのはずの編集Rも販売に奮戦中(笑)。お疲れさん! かく申す小生も、今日は仕事ではなく一観客として来たので、楽屋におうかがいするのも遠慮し、会場二階の最上段に早くから腰を据えて、じっくり見物させていただいた。
 お目当ての新作神楽「比熊山」は、期待にたがわず、神楽好きには愉しめるものだった。鬼や狐の面・装束なども含めて、神楽の基本構成を、うまく『稲生物怪録』のストーリーに応用していた印象である。水木しげる御大を囲んでの妖怪会議は……ま、いつもの調子で進行し、ゆるゆると幸福感に包まれる。途中、大先生による鬼太郎ファミリー描画の実演もあり、特別ゲスト・辻村ジュサブローさんによる魅惑の人形ダンスともども、眼福であった。老人パワー畏るべし!

 思えば、この幻妖ブックブログがスタートしてから、この月末でちょうど二周年となります。最初の記事が「稲生物怪録展に行ってきました」だったのも、因縁めいておりますな。今後とも益々の御愛顧を賜りますよう、感謝とともにお願い申しあげます。

木槌の誘い
木槌の誘い
posted with 簡単リンクくん at 2006. 8.31
水木 しげる著
小学館 (2002.1)
通常2-3日以内に発送します。
稲生モノノケ大全 陰之巻
東 雅夫編
毎日新聞社 (2003.9)
通常24時間以内に発送します。

投稿者 東 雅夫 : 2006年08月31日 16:10 | コメント (0) | トラックバック (0)

『幽』怪談文学賞・長篇部門一次選考(ほぼ)終了

 昨日、編集部から連絡がありまして、一次選考の審査結果が、約1名を除き(笑)出そろった模様です。まだ詳細はお伝えできませんが、短篇賞のファイナリストが、長篇部門でも健闘しているみたいですな。
 小生は来週、メディアファクトリーに日参して(!?)、全応募作に目を通す予定です。
 そのうえで9月中旬に、編集スタッフによる二次選考会をおこない、最終候補作を決定します。

 ちなみに長篇部門応募者の最年少は21歳で、最高齢はなんと71歳! 総じてアッパー30の応募者が多いようです。
 通常の新人賞系文学賞では、招来性といった観点から、どうしても若い応募者有利の傾向が(特に近年は)ありますが、本賞に関しては、まったくそんなことはありません!(笑)
 短篇部門の全作品を通読した印象としましても、中高年の応募者の作品には、アイディアや技倆面はさておき、独特の味わいを感じさせるものが多かったように思います。
 こと怪談文芸という分野では、やはり人生の年輪みたいなものが、プラスに作用するのかも知れませんね。

投稿者 東 雅夫 : 2006年08月31日 11:05 | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年08月27日

盛会御礼

 第十四回「怪談之怪 with 幽」が昨日、盛況のうちに開催されました。
 暑熱のなか、御来場くださいました皆さまに、篤く御礼申しあげます。
 京の五大花街のひとつ宮川町の近くに生まれ育った森山東さん@スペシャルゲストが、この日のために蒐集された舞妓さん怪談の数々に凄艶の気満ちた第一部。
 DVD「猫三味線」も好調な紙芝居師・梅田佳声さんの公演「五十鈴姫」に、唐沢俊一さんの応援も加わって大いに湧いた第二部。

kyogokudaihon.JPG

↑京極さんが朗読に使用した特製台本と鈴。
編集R渾身の、無駄に凝った装丁である。

 新耳袋や福澤徹三、平山夢明のきわめつき怪談を、京極夏彦さんが迫真の熱演で朗読した第三部。
 そして現代日本が誇る怪談の三大鉄人――福澤徹三、平山夢明、木原浩勝(発話順)が、それぞれの秘策と得意技を繰りだして、怪異語りに火花を散らした圧巻の第四部。
 司会進行役として舞台に上がっていても、思わず仕事を忘れて惹きこまれてしまうような熱演怪演の連続でありました。
 御札形のパンフレットをはじめ、物販も好成績だった模様です。
 小生の編著も思いのほか捌けて嬉しいかぎり。前夜遅くまでかかって、特製フォトカードにサインした甲斐がありました。お買いあげ&お声がけくださいました皆さまに、あらためて御礼申しあげます。

お見世出し
お見世出し
posted with 簡単リンクくん at 2006. 8.27
森山 東〔著〕
角川書店 (2004.11)
通常2-3日以内に発送します。

投稿者 東 雅夫 : 2006年08月27日 11:06 | コメント (4) | トラックバック (0)

金井田英津子さんと対談

 実は先日、その金井田英津子さんとの対談を収録した。
 『ダ・ヴィンチ』次号の〈文豪怪談傑作選〉刊行記念企画である。

kanaidataidanp.JPG

↑首藤幹夫さん撮影による魅惑のツーショット(笑)。
背景の帽子の絵は、新作『厄除け詩集』から。

 実は金井田さんとは、今回が初対面。パロル舎から刊行されている一連の画本――萩原朔太郎『猫町』や漱石の『夢十夜』、百鬼園『冥途』は以前から愛蔵していたのだが、なかなかお目にかかるチャンスがなかったのである。
 今回のカバー装画家決定は、まさに阿吽の呼吸で、ちくま文庫の担当編集者Kさんと小生、それぞれが打ち合わせの席で、どちらからともなく金井田さんの絵を思い浮かべていたのだった(笑)。金井田さん御自身も、電話で依頼を受けて「文豪で、怪談で」と聞いた途端に「やります!」と即答されたとのこと。
 したがって対談は終始、なごやかに進行。大の綺堂好きとうかがい、「木曾の旅人」の話題などで盛りあがる。画本の次回作は、井伏鱒二『厄除け詩集』だそうで、その装画の一部を拝見させていただいた。眼福であった。

猫町
猫町
posted with 簡単リンクくん at 2006. 8.29

幻冬舎 (2006.8)
通常24時間以内に発送します。

↑金井田さんの絵と町田康氏の朗読による
新たな映像詩の世界! 入荷しました!

猫町
猫町
posted with 簡単リンクくん at 2006. 8. 9
萩原 朔太郎作 / 金井田 英津子画
パロル舎 (1997.11)
通常2-3日以内に発送します。
夢十夜
夢十夜
posted with 簡単リンクくん at 2006. 8. 9
夏目 漱石作 / 金井田 英津子画
パロル舎 (1999.3)
通常2-3日以内に発送します。
冥途
冥途
posted with 簡単リンクくん at 2006. 8. 9
内田 百間著 / 金井田 英津子画
パロル舎 (2002.3)
通常2-3日以内に発送します。

投稿者 東 雅夫 : 2006年08月27日 09:31 | コメント (2) | トラックバック (0)

2006年08月25日

『泉鏡花集 黒壁』、ラインナップ確定!

 先週来、なにやら売れ足に加速がついた感のある〈文豪怪談傑作選〉ですが、このほど4巻目の『泉鏡花集 黒壁』のラインナップが確定しましたので、お披露目いたします。

東雅夫編『文豪怪談傑作選 泉鏡花集 黒壁』

高桟敷
浅茅生
幻往来
紫障子
尼ケ紅

菊あわせ
霰ふる
甲乙

黒壁
遺稿
幼い頃の記憶

 さすがに鏡花作品は各篇のボリュウムが半端じゃないので、収録話数こそ少なめですが、読みごたえは保証します。というか、読みごたえがありすぎて、ここ数日、校正に難渋しておりました……。
 編纂にあたって特に留意したのは、次の点です。

 まず、ちくま文庫からは、すでに種村季弘御大による決定版選集『泉鏡花集成』が出ているため、今回は同集成に収録されていない作品の中からセレクトする。
 さらに。どうせならばと、他の文庫でも復刊されたことのないレア作品のみに限定する。収録作の総てが初文庫化作品となりました。
 前半は〈文豪怪談傑作選〉の名に恥じない、ストレートな怪談小説、鏡花流モダン・ホラーともいうべき作品群に主眼を置く。
 で、せっかくなので、三文字タイトルの作品で揃えてみる(笑)。
 後半は、鏡花にとっての怪談の原風景を垣間見させる、ある共通したモチーフに基づく作品でまとめる。そのモチーフとは何かは、もちろん読んでのお愉しみだ!

 ……ザッとまあ、こんな縛りを勝手に設けて、セレクションをしてみました。それでも十二分に迫力のあるラインナップが組めるのですから、つくずく鏡花とは真の天才であったと更めて実感させられました。
 そろそろ金井田さんのカバー装画も上がってくるはずですので、こちらもお愉しみに。

泉鏡花集成 5
泉 鏡花著 / 種村 季弘編
筑摩書房 (1996.2)
通常2-3日以内に発送します。

↑『泉鏡花集』が待ちきれない方は、まずはコレ。「春昼」
「草迷宮」「沼夫人」など鏡花幻想文学の粋を結集した一巻だ。

投稿者 東 雅夫 : 2006年08月25日 19:04 | コメント (0) | トラックバック (0)

平山夢明の世界フェア開催中

 上の欄にリンクがありますが、このほど待望の第一短篇集『独白するユニバーサル横メルカトル』が、鳴り物入りで刊行された平山夢明さんのミニ特集が、ビーケーワンで始まっております。
 平山さんというと、今はどうしても、いわゆる「実話怪談」の名手というイメージが圧倒的ではありますが、『SINKER』の昔このかた、ひとくせもふたくせもある小説の書き手として、知る人ぞ知る存在でありました。特に小生は『メルキオールの惨劇』に執着があります。
 また、『秘神界 現代編』所収の短篇「或る彼岸の接近」も、実話怪談テイストと巧緻な小説技巧が相俟った、とんでもない傑作だったと記憶します。
 怪談作家としての平山夢明しか御存知ない向きは、ぜひこの機会に、端倪すべからざる小説家・平山夢明の世界にも触れてみていただきたいと思います。

独白するユニバーサル横メルカトル
平山 夢明著
光文社 (2006.8)
通常24時間以内に発送します。
メルキオールの惨劇
平山 夢明著
角川春樹事務所 (2000.11)
通常1-3週間以内に発送します。
秘神界 現代編
朝松 健編
東京創元社 (2002.9)
通常2-3日以内に発送します。

投稿者 東 雅夫 : 2006年08月25日 18:27 | コメント (0) | トラックバック (0)

ビーケーワン定例会議

 毎月一度、茗荷谷にあるビーケーワンで開催されている幻妖ブックブログの定例連絡会議に出席。
 もっとも、会議といっても出席者はビーケーワンの辻さんと、社外スタッフであるタカザワくんと小生の3名だけなのだが(笑)。ちなみに幻妖ブログの更新も怪談大賞運営も総て、基本的には、このトリオで切りまわしているのである。
 会議の模様は、いつものようにメルマガ『幻妖通信』(未読の方はぜひ、左欄から購読申し込みを!)で、タカザワ編集長がリポートしてくれるはずだが、今回は通常の議題以外に、怪談大賞単行本化計画について、P社との折衝の内容をあらためて説明し、快諾を得た。
 加門七海さんと福澤徹三さんには、すでにメールで報告をし、これまた御快諾いただいているので、これでP社との提携については、正式に関係者全員の合意が得られたことになる。
 早速、P社のSさんに結果を報告。小生もちょっとだけお手伝いして企画書を作成し、近くP社の企画会議に提出される予定である。

 首尾よく、正式に刊行が決定された暁には、こちらでも速報いたしますので、しばしお待ちを。

投稿者 東 雅夫 : 2006年08月25日 18:12 | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年08月24日

冥王星、降格……。

 いつものように「日々のあぶく」@藤原編集室さんをチェックしていて、次の一節に思わず爆笑。

「今度の降格で 『クトゥルー神話事典・第三版』 にまた改訂/加筆箇所が増えてしまいましたね、東さん。」

 いやあ、御指名もさることながら、その直前に某匿名編集長@学研M文庫から、『クトゥルー神話事典 第三版』の初校チェックが、ようううううううやく終了した旨のメールが届いていたのだった(笑)。
 なんでここまで遅延したのかというと、某氏がダゴン秘密教団に襲撃され階段から転落したとかなんとか諸々の事情があるようなのだが、元をただせば小生が早く原稿を上げないのが悪かったのであって、何も申しあげられる立場にはありません。しくしくしく。
 冥王星の件も含めまして、突貫工事で著者校正を終え、秋には発売できるよう頑張りますです、ハイ(とはいえ明日から京都入りゆえ、ゲラを受け取るのは来週だよ、某さん……)。

ネクロノミコン
ドナルド・タイスン著 / 大滝 啓裕訳
学研 (2006.1)
通常2-3日以内に発送します。

投稿者 東 雅夫 : 2006年08月24日 13:25 | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年08月22日

柳柊二の怪奇画を堪能

 物産展から数日後、これまたこのブログでも御紹介した「柳柊二 妖怪画展」に出かける。なにしろこちらは会期がたった3日間なので、四の五の云ってる余裕はないのだ。
 新高円寺の駅から地上に出て、ギャラリーを探してイイ感じにゆるい商店街を歩いていたら、背後から「ヒガシさーん」と声をかけられた。天野さんだった(笑)。

yanagisten.JPG

 階段を上がり、こぢんまりした展示スペースに足を踏み入れると、おりしも今回の企画をプロデュースされたSFアート研究家の大橋博之さんが、来場者に、展示作品以外の原画を披露しているところ。いきなりリアル・モード「桃太郎」の迫力ある絵柄(ほとんど桃太郎=凶暴な美少年による鬼=オヤジ狩り状態である)に惹き寄せられてしまった。天野さんも「巧いなあ〜」と感心しきり。
 ……ハッと気がつけば、周囲には、どこかで見たような顔ぶれが(笑)。
 少年時代、強烈に印象づけられた「吸血鬼ドラキュラ」の図解グラビア(実家の書庫を探せば、たぶんどこかに掲載誌が残っているはずなのだが)をはじめ、「雪女」「耳なし芳一」「酒呑童子」など、どちらかというと妖怪よりもホラー/怪談系の展示作品が多い。香山滋の秘境小説を題材にした連作なども、これまた少年時代、熱心に眺めたもので懐かしいこと限りなし。
 大橋さんのお話によれば、画集発刊の計画なども進んでいるとのこと。そのうち『幽』などでもコラボレート企画をやりたいと思っている。

 柳作品の一部は大橋氏の下記サイトで観ることができます。
 http://www.garamon.jp.org/news/0001.html

投稿者 東 雅夫 : 2006年08月22日 23:34 | コメント (0) | トラックバック (0)

お化け物産展

 今年の夏は例年にも増して何かと忙しなく、なかなか足を運ぶことのできなかった天野行雄さん@日本物怪観光の「第四回お化け物産展」に、ようやく行ってきました。
 今年の目玉は、なんといってもコレでしょう!

amanokudan.JPG

撮影/日本物怪観光

 そうです、郷土玩具風の件(クダン)ちゃん! なんとこれ、御神籤になってまして、一見すると鼻のように見える顔面の丸い穴から、「吉」か「凶」の御神籤が飛び出す仕掛け。件という妖獣の特性を踏まえた、ナイス・アイディアなギミックではないですか。
 おりよく店内にいらした天野さんと、ひとしきり世間話を。このブログを見て来場された方もいらしたようで、小生からも御礼申しあげます。
 なお、物産展はすでに終了しておりますが、売り場を縮小して、一部の商品は継続販売されるそうです。件も入手可能のようですので、気になる向きはぜひ、谷中の「古今東西雑貨店 イリアス」(電話03-3827-2722/http://www.big-o.co.jp/irias/)へお運びください。天野作品以外にも、お化け系グッズがお好きな方には嬉しい商品が並んでいるお店です。

件獣
件獣
posted with 簡単リンクくん at 2006. 8.22
化野 燐著
講談社 (2006.3)
通常2-3日以内に発送します。

↑物怪観光謹製の件カードがゲットできる上に
化野燐の妖怪小説も読めてしまうお得な一冊!

妖怪文芸 巻之3
東 雅夫編
小学館 (2005.11)
通常24時間以内に発送します。

↑天野さんの絵と文による、
「妖怪郷土玩具絵巻」を収録

投稿者 東 雅夫 : 2006年08月22日 20:19 | コメント (5) | トラックバック (0)

怪しい坂で怪しい写真

 先に記した『読売新聞』の「私のいる風景」取材記事が、8月19日付夕刊紙面に掲載されました。
 終日動き回っている日だったので、コンビニで購入しようと思ったら、意外に夕刊を扱っていない店が多いのにビックリ。確かに夕刊を外で買う人は少ないのかも知れませんな。三軒目でようやく探し当て、紙面を開いてまたビックリ。こ、こんな大きな記事だったのね……(汗)。

yomiurifukei.JPG

 切支丹坂と向かい合う庚申坂(夏目漱石の心霊小説『琴のそら音』に出てくる怪しい坂である)で撮られた小生の写真はお恥ずかしい限りですが(カメラマン氏の腕は確かでしたが)、佐藤憲一記者執筆の取材記事は、細部にまで目配りが行き届き、話者の意向を十二分に察して、なおかつ余情を感じさせる、素晴らしいものです。似たような作業をすることの多い小生など、神棚に上げて毎日拝まねばと思うくらい感服いたしました。
 実は前日、御丁寧にFAXでゲラをお送りくださったのですが、たまたま小生が取材で家を空けていて、事前に内容を確認することができなかったのですな。まあ、佐藤記者なら心配はなかろうと、電話で「チェック不要です」とお返事したのですが、果たして、細かい固有名詞や事実関係にいたるまで、まったく訂正の必要がありませんでした。インタビュー取材をされたことのある方ならお分かりでしょうが、これは容易な業ではないのでありますよ。佐藤さん、ありがとうございました。

投稿者 東 雅夫 : 2006年08月22日 19:53 | コメント (0) | トラックバック (0)

怪談妖怪漬けの週末

 いよいよ今週末は、土曜日に京都で「怪談之怪 with 幽」が、日曜日に広島県三次で「世界妖怪会議」が、連続開催されます。
 両方に出演される京極夏彦さんはもちろん、小生も『幽』のスタッフとともに幽イベント終了後、三次に乗りこみます。初披露されるという新作妖怪神楽も愉しみですが、前夜(土曜夜)予定されている比熊山夜間登山のイベントも『稲生モノノケ大全』の編者としては気になるところ……うーん、間に合うかなー(笑)。

 京都イベント、まだ若干、残席があるようなので、お近くの方は是非お運びください。
 今年は編集部のロータくんの尽力で、出演者関連書籍の物販が充実する模様。
 小生が各社で刊行した編著も、いろいろ扱ってもらえるそうなので、購入特典のサイン入りフォトカード(絵柄は各種予定、屋久島での特写とか!?)を、せっせと準備中であります。よろしくな〆

第十六回 怪談之怪 with 幽

【日時】8月26日(土)11:30 開場/12:00 開演
【場所】京都テルサ テルサホール
【出演】梅田佳声/唐沢俊一/森山東/平山夢明/福澤徹三/山田誠二/京極夏彦/木原浩勝/東雅夫
【チケット】チケットぴあ、ローソンほかで発売中
【問い合せ先】テレビ大阪事業局 電話06-6947-1912
【ホームページ】http://www.tv-osaka.co.jp/event/kaidan2006/

稲生モノノケ大全 陰之巻
東 雅夫編
毎日新聞社 (2003.9)
通常24時間以内に発送します。
稲生モノノケ大全 陽之巻
東 雅夫編
毎日新聞社 (2005.5)
通常24時間以内に発送します。

投稿者 東 雅夫 : 2006年08月22日 13:56 | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年08月18日

ビーケーワン怪談大賞単行本化に向けて

 このブログで単行本化の可能性に言及したところ、いち早く手を挙げてくださったP社編集部のSさんとお会いして、基本的な検討事項のすりあわせをおこなう。
 参考資料として、『文豪怪談傑作選』の既刊分と『ホラー・ジャパネスク読本』と『怪談の学校』を持参したのだが、『文豪怪談傑作選』はすでに購入・読了されたとのことで、恐縮するやら嬉しいやら(笑)。
 幸いなことに、こちらの想定する青写真とも、さほど大きな認識の隔たりはなかったので、思いのほか短時間に、一応のコンセンサスを得ることができた(ホッ)。

 とりあえず、小生の側は、すでに共編者になることを御快諾いただいている加門さん福澤さん、およびビーケーワンの関係各位に打ち合わせの結果報告と相談をおこない、Sさんの側は、その結果をうけて部内会議で打診をする……という段取りとなった。
 もちろん正式決定までには、まだ若干の紆余曲折が予想されるけれども、上々の手応えを感じている次第。
 版元さんともほとんど初仕事に近く、しかも企画自体が前代未聞というべき試みゆえ、拙速に陥らぬよう着実に進めていきたいと思っている。

川端康成集
川端康成集
posted with 簡単リンクくん at 2006. 8.18
川端 康成著 / 東 雅夫編
筑摩書房 (2006.7)
通常24時間以内に発送します。
ホラー・ジャパネスク読本
東 雅夫編 / 岩井 志麻子著 / 加門 七海著 / 京極 夏彦著 / 津原 泰水著 / 奉 徹三著 / 三津田 信三著 / 宮部 みゆき著
双葉社 (2006.3)
通常24時間以内に発送します。
怪談の学校
怪談の学校
posted with 簡単リンクくん at 2006. 8.19
怪談之怪著
メディアファクトリーダ・ヴィンチ編集部 (2006.2)
通常24時間以内に発送します。

投稿者 東 雅夫 : 2006年08月18日 23:48 | コメント (0) | トラックバック (0)

怪談大賞選考会リポート公開

 先刻、第四回ビーケーワン怪談大賞の選考会リポートが、正式に公開されました。
 首を長くして待っていた皆さま、お待ちどおさまでした!
 どうか、じっくりと熟読いただけましたら、幸いです。応募者の皆さんの今後の文筆活動に、われわれ審査員の所感が少しでも役に立ち、また来夏、さらに充実した応募作に恵まれることを、審査員一同、心から切望しております。

 なお、先に募集を始めました「私のベスト3」にも、ふるって御投稿ください。
 いろいろな怪談観、文学観、趣味嗜好の持ち主によるセレクションを拝読するのは、応募者にとって大いなる励ましとなり、われわれ審査員にとって大いなる歓びとなります。
 単行本化が実現した暁には、ある程度まとまった数の作品を収録することになるはずです。
 その際、審査員3名が提示した候補作・準候補作リストが一応の目安とはなりますが、最終的には、収録可能な作品数が確定できた段階で、共編者3名による最終選別作業をおこなうつもりでおります。

 その際、「私のベスト3」の投稿内容が何らかの影響をもたらすことは、十分予想されるところではないかと思います。
 ただし。「私のベスト3」は人気投票ではありません。その結果を数値に還元して、単純に上位作品を収録するようなことは、まったく考えておりません。
 逆に、たった一人にしか選ばれなかった作品でも、その選択理由や感想に、われわれ審査員の心に響くものがあれば、あらためてその作品を読み直し、収録を検討することもやぶさかではありません。

 文芸作品の価値は、数値に還元できるものではない、というのが、『幻想文学』創刊以来の小生のささやかな信念であります。
 怪談文芸の未来に関心を抱く皆さまの御参加・御協力を切望する次第です。

投稿者 東 雅夫 : 2006年08月18日 02:40 | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年08月16日

怪談文芸から羽ばたく両雄

 『小説推理』の〈幻想と怪奇〉時評を執筆。今月の話題は、なんといっても、コレに尽きるでしょう(笑)。

yumedokucvr.JPG

 そう、ついについに、多くのホラー・ファンが待ちわびていた平山夢明の第一短篇集が刊行されることとなったのです。題して『独白するユニバーサル横メルカトル』。これはシャレになりません。巧緻なる鬼畜美を堪能させてくれる一冊(ビーケーワンでも入荷次第、御案内します)。
 その平山氏が解説を寄稿している福澤徹三『廃屋の幽霊』文庫版も、注目の新刊。最新短篇集『ピースサイン』と合わせ技で、採りあげてみました。カバー裏紹介文によれば「これぞホラー・ジャパネスク! これぞ怪談文芸の神髄!」だそうな(小生が書いたんじゃないですからね!)。

廃屋の幽霊
廃屋の幽霊
posted with 簡単リンクくん at 2006. 8.15
福澤 徹三著
双葉社 (2006.8)
通常24時間以内に発送します。

 平山氏の解説にいわく――「こうした剛腕作家が実話怪談という異端の地から誕生してくれたということは同志として、非常に心強く、また彼の力を目の当たりにするにつけ、私なぞは心底、羨ましく思っている」。
 怪談文芸元年の今年、平山夢明・福澤徹三という、いずれ劣らぬ「異端の剛腕作家」の両雄が、いよいよ本領全開の時を迎えるというのも、やはり何かの因縁、いや天の配剤でありましょうか!?

ピースサイン
ピースサイン
posted with 簡単リンクくん at 2006. 8.15
福澤 徹三著
双葉社 (2006.7)
通常24時間以内に発送します。

投稿者 東 雅夫 : 2006年08月16日 03:07 | コメント (0) | トラックバック (0)

きみは伝説の『魔女』を観たか?

 怪奇幻想映画にも大変に造詣深い紀田順一郎先生から御教示をいただいて知ったのだが、ベンヤミン・クリステンセン監督の伝説のカルト・ムービー『魔女』(1921)が、先月末に紀伊国屋書店の〈クリティカル・エディション〉からDVDで発売されていた(製品番号はKKDS-316)。これは事件である。

haxancvr.JPG

↑32頁にわたる詳細な解説書付き!

 「カメラ・ネガから作られたポジ・プリントに基づく、最新の修復版」との触れ込みだが、なるほど無声映画時代の作品とは思えないほど鮮明な画像で、柳下美恵による古楽風ピアノ伴奏(当然、日本版オリジナル)の魅力と相まって、104分の長丁場をまったく飽くことなく堪能することができた。もとより映像そのものの迫力は云うまでもないのだが。
 紀田先生いわく「この映画を見ずして、ホラー映画、怪奇幻想ものを語るなかれというほどの、きわめつきのもの」であるこの映画は、中世ヨーロッパで猖獗を極めた魔女狩りの妖異と悲惨さ、その背景をなす悪魔崇拝の実態、さらには「現代における魔女」たるヒステリー症患者の問題までを、絵解き風解説に実写を交える独特の手法で描き、1920年代の北欧で轟々たる反響を巻き起こす一方、他の地域では、悪魔に弄ばれる裸女や、魔女が怪物を出産するシーンなど、過激な幻想描写の数々が災いして、長らく上映禁止の措置がとられたという曰わくつきの作品なのである。

haxanstl.JPG

↑クリステンセン扮する悪魔。イイ感じだ!

 魔女の空中飛翔やサバトの光景など、CG全盛の現代から見れば、素朴極まりない特撮なのだが、それが決して安っぽく見えないのは、巧みで格調高い演出(それこそゴヤやボスの幻想絵画さながら!)と、俳優たちの迫真の演技の賜物だろう。クリステンセンみずから扮する悪魔の怪演ぶりも、一見の価値がある。
 怪奇映画ファンのみならず、オカルト好き、ホラー好きなら、絶対に観ておいて損のない作品だと断言できる。ぜひ机辺に備えられんことを。

投稿者 東 雅夫 : 2006年08月16日 02:45 | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年08月14日

日々のあぶく

 藤原義也さんが、本日の「日々のあぶく」で『森鴎外集』を御紹介くださいました。ありがとうございます。
 http://www.green.dti.ne.jp/ed-fuji/today.html

 その中の一節――「今度の選集には他に 「金毘羅」 「百物語」 「蛇」 など鴎外怪異譚の代表作も収められているが、これらの短篇は 「怪談」 というよりもむしろ 「モダン・ホラー」 (S・キング以後のではなく、ハートリー、ハーヴィーあたりの) を想起させる」という御指摘は、まさに小生も感じていたことにて、思わず快哉を叫びました。
 実際、『諸国物語』にしても、ほとんど〈異色作家短篇集〉のノリですからね。
 あるいは、亡き都筑道夫さんが称揚していたスタインベックの「蛇」と、鴎外の「蛇」を読み比べてみる……なんてのも一興かと。
 ま、『幽』編集長的には「モダン・ホラー」とは「現代怪談」のことと見つけたり、とでも、忘れずに言い添えておいたほうがいいのでしょうが(笑)。

森鴎外集
森鴎外集
posted with 簡単リンクくん at 2006. 8.14
森 鴎外著 / 東 雅夫編
筑摩書房 (2006.8)
通常24時間以内に発送します。

投稿者 東 雅夫 : 2006年08月14日 22:32 | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年08月13日

『読売新聞』の「ポケットに1冊」

 先ほど――大きな声では申せませんが(笑)――尼、じゃなかった某アマゾンのランキングで『川端康成集 片腕』が、いきなり355位に急上昇しているのを発見。次の『森鴎外集』が発売になったというのに、一体なにごとが起きたのかと思ったら、『読売新聞』8月13日付朝刊文化面「ポケットに1冊」に、採りあげられていたのでした。
 「この短編を、これまで何度、人に薦めたかわからない」と始まり、「なに一つ難しい言葉はない。一つの観念もない。具体があるだけだが、妖艶、甘美にして、こわい」と勘所を示唆して、「妖気漂う川端の美しい短編は、夏に似合う」と締める。凡手の技ではありませんな。「飼」さん、見事な紹介文をありがとうございました。
 ちなみに本日の読書面は、「読書委員が選ぶ夏の一冊」ということで、仏文学の野崎歓氏が『夜市』を絶讃していたり、川村二郎氏がシャーリイ・ジャクスンの『くじ』新版を採りあげていたり。中里和人の怪しげな写真集『東亰』も買わねば。

川端康成集
川端康成集
posted with 簡単リンクくん at 2006. 8.13
川端 康成著 / 東 雅夫編
筑摩書房 (2006.7)
通常24時間以内に発送します。
夜市
夜市
posted with 簡単リンクくん at 2006. 8.13
恒川 光太郎著
角川書店 (2005.10)
通常24時間以内に発送します。
くじ
くじ
posted with 簡単リンクくん at 2006. 8.13
シャーリイ・ジャクスン著 / 深町 真理子訳
早川書房 (2006.1)
通常24時間以内に発送します。
東京
東京
posted with 簡単リンクくん at 2006. 8.13
中里和人
水土木 (N/A)
通常24時間以内に発送します。

投稿者 東 雅夫 : 2006年08月13日 15:59 | コメント (0) | トラックバック (0)

怪談大賞/夏の課題図書(笑)

 怪談大賞の選考会リポートに加筆訂正を施して、タカザワさんに返送。今回は応募作の充実ぶりに比例して、リポートも原稿用紙換算で60枚近いボリュームとなりました。惜しくも選外になった作品の数々についても、できるかぎりコメントしていますので、御期待ください。
 ただし、ビーケーワンのスタッフがお盆休みに入っているため、怪談大賞の選考会リポート公開は、早くても17日以降になります。御了承くださいませ。

 ……というわけで、この期間を利用して、怪談大賞参加者に是非とも読んでおいていただきたい基本中の基本図書を紹介しておきたいと思います。
 怪談大賞関連スレッドでのやりとりなどを拝見していると、小生みたいな古参の怪談好きなら誰でも読んでいて当たり前に思える基本図書を、未読というよりはむしろ眼中にない、つまり端から「怪談」関連本だとは認識していない向きがあるようなのですね。たとえば柳田國男の『遠野物語』を「民俗学の本だから」といって見向きもしないというのは、大変にもったいないことですし、そうなると松谷みよ子さんの金字塔〈現代民話考〉も、怪談関連本と認めない向きがいるのだろうか……などと暗澹たる気持ちになりました。
 とはいえ歎いていても仕方がないので、ここは地道に啓蒙につとめていこうと思います。まずは、とりわけ怪談大賞参加者にとって参考になると思われる、下記の5冊を推奨しておきます。

【遠野物語】柳田國男
 『遠野物語』だけなら角川文庫などでも読めるが、どうせならば、同書と並んで必読の『山の人生』や『史料としての伝説』などが併録された、ちくま文庫版全集第四巻をお勧めしたいと思う。たとえば、かつて三島由紀夫が絶讃した『遠野物語』第二二話の幽霊譚(総文字数約450字)や、平山夢明的恐怖譚のルーツともいえそうな『山の人生』第一章「山に埋もれたる人生ある事」冒頭の一節(総字数約750字)を、騙されたと思って御一読いただきたい、特にビーケーワン怪談大賞参加者に推奨する理由がお分かりいただけるかと思う。また、『遠野物語』が明治後期の文壇における怪談文芸興隆の機運の真っ只中から誕生した書物であることについては拙著『百物語の百怪』を、古雅の極みというべき達意の文体で超自然の怪異にリアリティを付与せしめる『遠野物語』の文学性をめぐっては三島由紀夫『小説とは何か』を、それぞれ御参照いただきたいのだが、どちらも目下、流布本がないのが残念無念。できれば図書館でなりとも御一読のほどを。

柳田国男全集 4
柳田 国男著
筑摩書房 (1989.10)
通常2-3日以内に発送します。

【東京日記】内田百間
 残念ながら800字以内には惜しくも収まらず、おおむね1500字〜2000字見当の作品ばかりだが、百鬼園先生の掌篇集『東京日記』も、怪談大賞参加者に大いなる刺激と啓発をもたらす書物だと思われる。再読三読、磨き抜かれた言葉によって、鬼気と妖気を喚起する術を学んでいただきたい。本来の意味での「引き算の怪談」とは、こういう作品を謂うのではあるまいか。ただし、安易な模倣は禁物。自分なりの応用を心がけてほしいと思う。これまた単品なら岩波文庫などでも読めるが、「サラサーテの盤」「とおぼえ」ほか怪談短篇の名品多数が併録された、ちくま文庫版集成の入手を推奨したい。

内田百間集成 4
内田 百間著
筑摩書房 (2003.1)
通常2-3日以内に発送します。


【夢十夜】夏目漱石
 日本を代表する文豪漱石も、『夢十夜』と『永日小品』という二冊の作品集で、清新な感覚の掌篇怪談を数多く手がけている。日本的な因縁譚を夢魔の感触とともに濃縮したかのごとき『夢十夜』の第三夜、日常の点景にするりと忍び込む超自然の不気味さに満ちた『永日小品』の「蛇」など、これまた怪談文芸に志すものが、少なくとも一度は熟読玩味しておくべき里程標的名作である。

漱石文学作品集 4
夏目 漱石作
岩波書店 (1990.11)
通常24時間以内に発送します。

【掌の小説】川端康成
 日本初のノーベル文学賞作家となった川端康成が、生涯にわたり怪談に憑かれ、それを作品でも実践した人であったことは、先ごろ刊行した下記拙編著の解説にかなり詳しく記したので、ぜひそちらを御高覧いただきたい。怪談実話ファンへのサービスとして、若き日の川端が今東光和尚の実家で聞かされたという怪談話も全文収録しておいた(笑)。怪談大賞参加者は、まずは「処女作の祟り」「女」「心中」「龍宮の乙姫」「霊柩車」「屋上の金魚」「不死」「白馬」等々という〈掌の小説〉の名品群に注目を。第四回に寄せられた応募作の数々を拝読して、何故、小生が単行本化に着手したかの一端が、御了解いただけるのではないかと思う。他の〈掌の小説〉も読んでみたい向きには、新潮文庫版『掌の小説』が入手可能である。

川端康成集
川端康成集
posted with 簡単リンクくん at 2006. 8.11
川端 康成著 / 東 雅夫編
筑摩書房 (2006.7)
通常24時間以内に発送します。

【ホラー・ジャパネスク読本】東雅夫編著
 最後に、怪談文芸入門者にも参考になると思われるガイドブックを一冊。本書には、怪談大賞の選者である加門七海さんと福澤徹三さん、それぞれと小生とのかなり突っ込んだ対談に加えて、『幽』怪談文学賞の選考委員である京極夏彦さん、岩井志麻子さんとの対談も収録されており、両賞審査員の手の内を知るには最適なのだ!(笑)巻末に収めた拙文「ホラー・ジャパネスクの時代」は、短いものではあるが、近現代日本の怪談文芸の流れを概観しており、怪談の歴史をひととおり把握するのに役立つのではないかと思う。温故知新の精神で、怪談の歴史に新たな1ページを加えるのは、今これをお読みの貴方かも知れませんぞ。

ホラー・ジャパネスク読本
東 雅夫編 / 岩井 志麻子著 / 加門 七海著 / 京極 夏彦著 / 津原 泰水著 / 福澤 徹三著 / 三津田 信三著 / 宮部 みゆき著
双葉社 (2006.3)
通常24時間以内に発送します。

投稿者 東 雅夫 : 2006年08月13日 00:03 | コメント (2) | トラックバック (0)

2006年08月12日

『幽』怪談文学賞・長篇部門締切

 10日午後11時59分をもって、『幽』怪談文学賞・長篇部門の応募を締め切らせていただきました。
 多数の御応募……と云いたいところなのですが、なんと応募総数は23篇でした。わ、はははははは。
 やはり怪談で長篇というのは、至難の業なのかも知れませんね。歴史的に見ても、日本の怪談文学史は、最近まで圧倒的に短篇優位だったのですから。

 しかし、そんな困難に果敢に挑んで長篇を完成させたのが、どのような方たちで、どのような作品が寄せられたのか、今から応募作を拝読するのが愉しみでなりません。
 え? これなら全部に目を通すのが楽勝だ、とか内心、思ってるだろう!? とととと、とんでもありませんとも(笑)。

 何はともあれ、応募者の皆さま、お疲れさまでした。
 そして、この倍率なら、もうひと頑張りして応募しとくんだった、と悔やんでいる皆さま、来年こそ是非、チャレンジを!

投稿者 東 雅夫 : 2006年08月12日 01:55 | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年08月11日

日曜6時半はトコトンハテナ!

 テレビ東京系列で日曜日の午後6時30分から放送されている、教養バラエティ番組「トコトンハテナ」。今週末8月13日放映分のテーマは「幽霊って、いるの?」でありまして、恥ずかしながら小生も出演します。
 当世幽霊事情を知るうえでも、なかなか有意義な番組ではないかと思いますので、お時間のある向きは、お盆な気分で御高覧のほどを。どろどろどろん。

「トコトンハテナ」公式ホームページ
http://www.tv-tokyo.co.jp/tokoton/

幽霊の本
幽霊の本
posted with 簡単リンクくん at 2006. 8.11

学研 (1999.8)
通常2-3日以内に発送します。

投稿者 東 雅夫 : 2006年08月11日 14:53 | コメント (1)

今度は『週刊大衆』だ!

 『CREA』から一転(笑)、今度は『週刊大衆』の8月21−28日号に『川端康成集 片腕』の書評が掲載されました。レビュアーは、皆さま御存知の日下三蔵さんです。ちくま文庫のアンソロジー編纂では先輩格の日下さんから「注目すべき新シリーズ」「好企画」と評していただけるとホッとしますな。

kawabatataisyu.JPG

↑上段で紹介されてる『熟臀母交換』も
実は気になるというのはナイショだ。

 ノーベル文学賞作家が怪談を手がける意外性について――
 「そんな人が怪談を書いているのかと驚く人もあるかもしれないが、実は学生時代に発表した処女作『ちよ』から、一貫して心霊をテーマにした小説を書きつづけている。
 また『掌の小説』と称して原稿用紙数枚から十数枚の、今日でいうショート・ショートを数多く手がけているが、その中にも怪談と呼べるものが数多く含まれていた。
 本書でも『心中』『霊柩車』『顕微鏡怪談』『不死』といった名品が採られている」
 ……と抜かりなく指摘されていますが、これらの掌篇は、ビーケーワン怪談大賞の参加者の皆さまも必読ですぞ(笑)。

川端康成集
川端康成集
posted with 簡単リンクくん at 2006. 8.11
川端 康成著 / 東 雅夫編
筑摩書房 (2006.7)
通常24時間以内に発送します。
怪奇探偵小説傑作選 4
日下 三蔵編
筑摩書房 (2001.5)
通常2-3日以内に発送します。

↑こちらも怪談大賞参加者に
是非読んでいただきたい一冊

投稿者 東 雅夫 : 2006年08月11日 03:11 | コメント (0) | トラックバック (0)

『森鴎外集 鼠坂』入荷してます!

 ハッと気がつけば、『文豪怪談傑作選 森鴎外集 鼠坂』が発売になっていました(笑)。ビーケーワンでも24時間以内出荷でお求めになれます。
 内容については、すでにこのブログで何度か触れておりますので繰りかえしませんが、名作「百物語」をめぐる珍しい関連資料なども併録しておりますので、是非よろしくお願いいたします。

 ちなみに「鼠坂」というのは、作品の冒頭で「小日向から音羽へ降りる鼠坂と云う坂がある」と記されているように、文京区の小日向台から音羽一丁目方向へ降る急峻な坂道で、今も実在します(ネットで検索すると写真も出てきますね)。
 実は昨日の読売新聞の取材で、同行したカメラマンの方が、前日にその鼠坂で撮影をされたという話をうかがいました。そちらは別に怪談の取材ではなくて、都内のお勧めデートスポット(笑)みたいな記事らしいのですが、偶然の符合に驚かされた次第。
 ちょうど持参していた『鴎外集』を示すと、とても興味を惹かれた御様子で、「ついでだから、そちらでも撮りましょうか!」と張り切ってくださったのですが、あいにくの空模様と時間の都合で、残念ながらそちらまで回る余裕がありませんでした。
 小生、鼠坂はずいぶんと昔に通った記憶があるのですが、近々あらためて再訪してみたいと思っています。皆さまも『鴎外集』を手に、ぜひ!

森鴎外集
森鴎外集
posted with 簡単リンクくん at 2006. 8.11
森 鴎外著 / 東 雅夫編
筑摩書房 (2006.8)
通常24時間以内に発送します。

投稿者 東 雅夫 : 2006年08月11日 02:01 | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年08月10日

ビーケーワン怪談大賞、結果発表

 怪談大賞ブログにて、日付が変わって早々に選考結果が発表されました(辻さん、深夜勤務ごくろーさまでした!)。
 詳しくは、追って発表されます選考会リポートに譲りますが、今回は本当に僅差の、難しい序列づけ作業となりました。それだけ格段に、全体の応募水準もレベルアップしているということです。これは選者3人が共通して実感したことでした。

 入選された皆さんには、心から祝福の言葉をおくりたいと思います。
 とはいえ、入選作と選外にとどまった作品のあいだに、それほど大きな隔たりがあったわけではありません。本当に紙一重のところで当落が決した印象があります。そのあたりをフォローする意味で、選者それぞれが事前にリストアップした各20篇前後の候補作を、選考会リポートと併せて掲載する予定です。

 個人的な印象としては、原稿用紙2枚という極端な制約の中で、むしろそれをバネにして、怪談の既成概念を打ち破ろうとする意欲を感じさせる清新な書き手が輩出してきたことに、大きな手応えを感じております。

 たとえば夏目漱石の『夢十夜』、内田百の『冥途』、川端康成の『掌の小説』、あるいは日本民俗学の黎明を告げた柳田國男の『遠野物語』といった日本怪談文学史に燦然と輝く名著を味読するときに感じるのと一脈相通ずるような感興と指向性を、今回の応募作は小生に与えてくれたのだと申しあげても、決して過言ではありません。
 これは真に驚くべきことです。

 また、まさにそれこそが、あえて単行本化に乗りだした理由でもあります。「怪談」を核にした新たな文芸ムーヴメントが、こうしてネットから誕生し、着実に広まりを見せていることを、より多くの読者に知ってほしいと切望しているからです。

 いま怪談文芸の世界は、大きな変革の時を迎えています。怪談ブームを牽引してきた〈新耳袋〉や〈「超」恐い話〉といったシリーズがひとつの画期を迎え、新たな怪談文芸の担い手が待望されているのです。ビーケーワン怪談大賞の試みが、おりしも明日、長篇部門の締切を迎える『幽』怪談文学賞とともに、新たな時代を切り拓くための起爆剤となることを、小生は確信しております。
 どうか今後とも倍旧の御支援を賜りますよう、よろしくお願い申しあげます。

投稿者 東 雅夫 : 2006年08月10日 23:12 | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年08月09日

私のいる風景

 台風接近中の不穏な空模様のもと、文京区小日向の切支丹坂へ向かう。
 読売新聞で隔週土曜日に連載されている「私のいる風景」という記事の取材である。
 自分の仕事の原点となった風景を訪ねて、写真を撮られて、インタビュー取材を受ける……という企画らしい。担当の方が、『幽』創刊のときにも秀抜な記事を書いてくださった佐藤憲一記者だったので、なんの心配もなくお引き受けしたのだが、心配なのはこの空模様よ。
 怪談人生の原風景ということで、しばし熟考の後、思いついたのが小日向界隈だった。大学卒業後、青銅社という小さな文芸出版社に就職し、はじめて横須賀の実家を出て独り暮らしを始めた際に居を定めたのが、小日向台にあった「れんげ荘」というアパートだったのである。もちろん『幻想文学』を創刊したのも、ここでのこと。
 もっとも、岡本綺堂の『青蛙堂鬼談』や夏目漱石の『琴のそら音』の舞台として知られる、都内有数の歴史的心霊スポット「切支丹坂」に程近い場所であることは、引っ越してずいぶん経ってから気がついたのだから、呑気なものである。
 待ち合わせ時間に合わせたかのように、篠つく雨。しばし茗荷谷駅上のファミレスで様子を見た後、雨脚が弱まったところで現地に向かった、つもりだったのだが、うっかり曲がる道を間違えて、水道側へ降りてしまったのは、どういうことだ? 化かされた!?
 崖沿いにぐるりと回り込んで、切支丹坂に到着する頃には、おあつらえ向きに雨が上がっていたので結果オーライということで(笑)。晴れ男の面目躍如というべきか。ここに来るのは『幽』2号の綺堂特集以来であるな。坂の途中と、ちょいと不気味な坂下のトンネル内、トンネルの向こうに位置する急峻な庚申坂の三箇所で、無事に撮影を終える。
 駅前に戻って、ふたたびファミレスでインタビューにお答えする。ここぞとばかり、『幽』怪談文学賞やビーケーワン怪談大賞についてしゃべりまくったのは申すまでもあるまい(笑)。8月19日(土)の紙面に掲載される予定。

影を踏まれた女
岡本 綺堂著
光文社 (2006.5)
通常24時間以内に発送します。
倫敦塔・幻影(まぼろし)の盾
夏目 漱石作
岩波書店 (1990.4)
通常2-3日以内に発送します。
タモリのTOKYO坂道美学入門
タモリ著
講談社 (2004.10)
通常24時間以内に発送します。

投稿者 東 雅夫 : 2006年08月09日 18:54 | コメント (0) | トラックバック (0)

辻さん

 都営地下鉄で移動の途中、ふと車内広告を見あげたところ、思いがけない名前が目に飛びこんできた。
 池田晶子さんの最新刊『人生のほんとう』の広告に、「オンライン書店ビーケーワン 辻和人」の推薦文が掲げられているではないか!
 何を隠そう辻さんこそは、幻妖ブックブログの担当者にして、ビーケーワン怪談大賞の開催を最初に提案され、継続開催に尽力されてきた陰の功労者なのだ。そして、ここだけの話だが、書肆山田から詩集を刊行している詩人でもある(笑)。
 冷静に考えれば、近年は書店員さんが書籍の帯文や宣伝文を寄稿するのが一種の流行にもなっているわけで、なんら不思議なことではないのだけれど、不意打ちだったので、なんとも嬉しい驚きを味わったのだった。

 ……と書いてるところへ、幻妖ブログ三人組のもうひとり、タカザワケンジさんから、怪談大賞選考会のまとめ原稿が到着。超特急でのテープ起こし&まとめ作業、本当にお疲れさまでした。ん? 出来れば明日までに目を通して戻せ、とな! むむむむむ…………。

人生のほんとう
池田 晶子著
トランスビュー (2006.6)
通常24時間以内に発送します。
息の真似事
息の真似事
posted with 簡単リンクくん at 2006. 8. 9
辻 和人著
書肆山田 (2005.8)
通常1-3週間以内に発送します。

投稿者 東 雅夫 : 2006年08月09日 17:30 | コメント (0) | トラックバック (0)

『平井功譯詩集』発刊

 以前このブログでも紹介したことのある、垂野創一郎さんのプライベートプレス「エディション・プヒプヒ」から、このほど「某マイナス一号」として『平井功譯詩集』が発刊された。

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 正岡容を兄にもち、日夏耿之介一門から愛された夭折の天才詩人・平井功の生涯と作品については、巻頭に収められた小野塚力氏のエッセイ「平井功の横顔」に詳しい。
 本書には、平井功遺稿詩集『爐辺子残稾』所収の訳詩(パウンド、ハアデイ、ブリッヂス、ポオほかの十篇)を原文と対照させて復刻収録し、巻末にはエッセイ「グロリエ倶楽部のこと」が併録されている。「平井功の訳詩は、細やかな原詩の鑑賞と日本語への移植の巧みさにおいて、師日夏耿之介をも凌ぐものがあるように感じます」(「附記」より)とのこと。
 例によってセンスの良い瀟洒な造本で、細かい目配りが利いている。限られた条件下で、これだけ出来れば立派なものである。はからずも『金羊毛』の頃を思い出してしまったよ(笑)。

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 自前で「本」や「雑誌」をつくろうとする人々にとって、ここ四半世紀ほどの技術革新には目覚ましいものがあったと、しみじみ思う。そのわりに幻想文学プロパーで、こうした試みに乗りだす若い人たちが少ないことを、かねがね寂しく感じていたところでもあり、垂野さんや「某」の面々には大いに期待したい。
 本書は限定200部とのことだが、200だろうと20000だろうと、国会図書館に納入されるのは1冊のみ(笑)。こうして形となって世に出ることの意義は、計り知れないものがある。こうなったら、長らく陽の目を見ないアレとかコレとか、臆せずどんどん活字にしちまってくださいな!
 なお、本書の入手方法については、下記サイトを参照されたい。
 http://d.hatena.ne.jp/puhipuhi/

投稿者 東 雅夫 : 2006年08月09日 04:14 | コメント (1) | トラックバック (0)

ヒビたん日記〜「だからー!」と突っ込むヒガ鬼

 HGガシャ版斬鬼さんフィギュアのポイントは、ここでしょ、ここ!

zankifgr.JPG

 手前の烈斬にまで、なんと専用台座が用意されていることに、私ゃ、大感激しましたよ。やるなあ〜、バンダイ!
 カモ鬼の御指摘どおり、斬鬼本体に較べて音撃弦が大きすぎるのも、こういうパースでの撮影には効果的なわけよ。あ、それからダブリとは何事か! あれ一個を出すために、どれだけのトンボや蜂が溜まったことか(涙)。
 …………え〜、大変に個人的な話題で失礼をいたしました。ミクシィをご覧になれる方は、カモ鬼のページを御参照くださいませ。

 それはさておき、小生があれこれ忙殺されていたあいだも、カモ鬼は余念なく、響鬼の聖地・柴又界隈探訪に精出していた模様。

shibamata.JPG

↑柴又探訪中のカモ鬼。
どこだか分かりますね?

 この成果が、どのような形で、現在鋭意執筆中の「響鬼」論考に反映されてゆくのか、大いに愉しみでありまする。お疲れさん〆

輝
posted with 簡単リンクくん at 2006. 8. 9
石森プロ監修 / 東映監修 / 川上 裕生写真 / おの しんいち写真 / 久保田 将之写真 / 高松 英昭写真
小学館 (2006.8)
通常24時間以内に発送します。

↑24時間以内出荷になりました!

投稿者 東 雅夫 : 2006年08月09日 02:42 | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年08月08日

【重要】コメント投稿の不具合について

 「ビーケーワン怪談大賞/わたしのベスト3」に早くも御投稿が続いておりまして、ありがとうございます。
 投稿がうまくいかないという御指摘を複数いただき調査したところ、コメント投稿画面で「確認」を押してから「投稿」すると、かなりの確率で「エラー」表示が出ることが分かりました。今のところ不具合の原因は不明です……申しわけございません。
 当面の対応策としては、事前に「確認」をしないで最初から「投稿」ボタンを押していただきますと、すんなり投稿できるようです。
 お手数をかけますが、よろしくお願いいたします。

投稿者 東 雅夫 : 2006年08月08日 11:59 | コメント (0) | トラックバック (0)

扶桑社ホラーの夏が来た!

 あの『ザ・キープ』が『城塞』の邦題で1984年に初邦訳されて以来、実に20年余……クトゥルーの邪神さながら今なお無限増殖を続けるF・ポール・ウィルスンの〈アドヴァーサリ・サイクル〉最新作『始末屋ジャック 深淵からの脅威』が、扶桑社文庫から刊行されました。

jackcvr.JPG

↑カバーデザインもなんだかカッコいいぞ!

 小生ひっさびさに、埃をかぶっていた「ホラー評論家」の看板を引っ張り出しまして(笑)、解説を書かせていただきました。往年の諸星文体を少しだけ意識したはずが、なぜかブログ文体まがいになってしまったのは気のせいでしょうか、すみませんすみません。
 そんなわけで解説はちょっとアレですが、中身のほうはもう最高です。数ある〈始末屋ジャック〉連作の中でも一、二を争う充実ぶりといっても過言ではないと思います、とりわけホラー的に、ね。
 舞台はマイアミの荒涼たる湿地帯。巨大鰐や双頭の大亀を意のままに操る妖女(おおパルプ・ホラー!)が率いる一団を相手に、ジャックと父親が胸のすく大活劇を演じます。つまり、今までの連作では、ジャックにとって堅気の世界との「しがらみ」にすぎなかった父親の存在が、本書ではアッと驚く展開を見せるわけで、終盤では思わず感無量、目頭が熱くなりました。
 そしてもうひとつ、本書ではいよいよ「奴」が本格復活の狼煙をあげます。奴とは誰か……〈アドヴァーサリ・サイクル〉の愛読者なら、察しがつきますよね!?

始末屋ジャック深淵からの脅威 上
F.ポール・ウィルスン著 / 大滝 啓裕訳
扶桑社 (2006.7)
通常24時間以内に発送します。
始末屋ジャック深淵からの脅威 下
F.ポール・ウィルスン著 / 大滝 啓裕訳
扶桑社 (2006.7)
通常24時間以内に発送します。

 扶桑社文庫からは、もう一冊。ジェフ・ロヴィンの長篇ホラー小説『狼男の逆襲』が、あの友成純一の手で邦訳刊行されています。
 ん、ジェフ・ロヴィンだって? ……と、すぐにこれ↓を思い出される方は、かなりのホラー通でしょう。

怪物の事典
怪物の事典
posted with 簡単リンクくん at 2006. 8. 8
ジェフ・ロヴィン著 / 鶴田 文訳
青土社 (1999.1)
通常1-3週間以内に発送します。

 そう、本書は、ホラー映画やモンスターに関するオタク的造詣にかけては屈指の作家が、ドラキュラ、フランケンシュタインの怪物、狼男というユニバーサル・ホラーの三大モンスターを現代に復活させ、三つ巴の壮絶なバトルを展開させる試みに挑戦した「ユニバーサル公認の正統なる後日譚」なのですな。これが面白くなかろうはずはありません。随処に原典へのオマージュをちりばめつつ、ダークヒーロー物としても秀抜なアクション・シーンも盛り沢山。寝苦しい夜の憂さ晴らしには絶好ですな。
 ちなみに担当編集者のYさん@響鬼好きは、これまた小生が解説を執筆した『わたしを愛した狼』の担当者でもありまして、翻訳ホラー出版苦境のさなか、人狼ホラーを立て続けに手がけるという快挙(怪挙?)を達成されたことになります。だからどうだということはありませんが(笑)思わず応援したくなりますよね。次はミイラ男ホラーとか半魚人ホラーの連続刊行をヨロシク!

狼男の逆襲
狼男の逆襲
posted with 簡単リンクくん at 2006. 8. 8
ジェフ・ロヴィン著 / 友成 純一訳
扶桑社 (2006.6)
通常24時間以内に発送します。
わたしを愛した狼 上
ケリー・アームストロング著 / 山口 緑訳
扶桑社 (2006.4)
通常2-3日以内に発送します。
わたしを愛した狼 下
ケリー・アームストロング著 / 山口 緑訳
扶桑社 (2006.4)
通常2-3日以内に発送します。

投稿者 東 雅夫 : 2006年08月08日 02:53 | コメント (0) | トラックバック (0)

早速、引き合いが!

 ビーケーワン怪談大賞の単行本化計画について、話を聞いてくれそうな意中の出版社に相談しようと思っていた矢先、このブログをご覧くださっているある編集者の方から、機先を制するかのように、お声がけいただきました。大変ありがたいことです。
 会社名をいえば、ほとんどの方が御存知の出版社ですが、一瞬「えっ!?」と意外の感に打たれたのは、いわゆる怪談とか怪奇幻想系――早い話が、小生がよく仕事をさせていただいている系統の版元ではなかったためです。しかし、よ〜く考えてみると、関係がなくもないどころか、むしろ……今はまだ曖昧迂遠なことしか申しあげられず恐縮ですが、ともかくも一度、詳しい御相談をさせていただこうと思っております。なんにせよ、幸先の良いことですし、怪談文芸昂揚の機運を実感しますね。

投稿者 東 雅夫 : 2006年08月08日 00:43 | コメント (0) | トラックバック (0)

今度は『CREA』の猫特集号!

 下の記事を書き終えた矢先、『猫路地』の担当編集者氏から狙いすましたかのようにFAXが!(笑)

creaneko.JPG

 今度は、女性誌『CREA』9月号「まるごと一冊 猫だらけ!」の書評ページで、「猫特集にちなんで」ということで、瀧井朝世さんが『猫路地』を大きく取り上げてくださっています。
 「猫は、異世界に通じている動物である、と思わずにはいられないこれらの短編。決して得体の知れない、恐ろしい存在として描いているのではなく、人間の知らないところで彼らが〃猫々しく〃生きている世界があるのだな、と思わせるにとどめているところに、作者たちの、この小さな動物への愛情を感じさせる。と同時に、溺愛する愛玩動物として必要以上に愛らしく描かず、ベタつき感なく読めるところも好ましい」
 なるほど自称「猫バカ」ならではの着眼による、まことに端的な評言であると感服しました。
 しかし『川端康成集』といい『猫路地』といい、従来とは異なる層の読み手から、こうしてリアクションをいただくのは、とても嬉しいし勉強になりますね。

投稿者 東 雅夫 : 2006年08月08日 00:06 | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年08月07日

『スミセイ ベストブック』9月号

 なんだか雑誌の話題ばかり続きますが(汗)、住友生命が発行している本の情報誌(というものが出ていたのですねー、知りませんでした)『スミセイ ベストブック』9月号で、小生編の『猫路地』が3ページにわたり紹介されております。

sumisei.JPG

 小生も「編者からのメッセージ」というのを寄稿しました。
 住友生命さんと御縁がないと手に入れにくい雑誌だと思うので、下記に再録しておきます。

 過去の名作を蒐めたアンソロジーとは違って、書き下ろしの競作集はナマモノであり、賭け事に近い側面がある。これぞ、と思う意中の書き手たちに依頼したからといって、期待どおりの作品が寄せられるかは時の運、またそれだけに、こちらの予想を凌駕する出来映えの作品が届けられたときの興奮と感動は、一度味をしめると忘れがたいものがある。その点でも賭け事に似ているかも知れない。今回の戦果は……もちろん上々である。どの一編からも、書き手の「猫愛」がヒシヒシと伝わってくるかのようで、日だまりの猫みたいな気分で、編纂作業を終えることができたのだった。

 『猫路地』はおかげさまで好調でして、増刷まであと少しというところまで来ている模様です。
 『幽』の猫特集や佳声師匠の『猫三味線』で猫の怪に目覚めた(!?)向きは是非。『響き交わす鬼』でも競演していただいた恐怖の三角●敷コンビ――加門七海さんの「猫火花」、霜島ケイさんの「猫波」の両感涙作をはじめ、良作ぞろいです。

猫路地
猫路地
posted with 簡単リンクくん at 2006. 8. 7
東 雅夫編 / 加門 七海〔ほか著〕
日本出版社 (2006.5)
通常24時間以内に発送します。

投稿者 東 雅夫 : 2006年08月07日 14:08 | コメント (0) | トラックバック (0)

『ダ・ヴィンチ』9月号

 出ました。
 注目の『幽』怪談文学賞短編部門・最終候補作品の発表は、WEBダ・ヴィンチにも載ってるから、買わなくてもいいやー、とか思ってる、そこのアナタ! ちょっと待ったぁ(笑)。
 今号のメイン特集は「天才・祖父江慎――嫌われブックデザイナーの一生」。『幽』のアートディレクターとしても毎号、才腕をふるっていただいている祖父江さんの魅力あふれるデザインワークの世界を、全方位で取り上げていて必読なのです。小生のほか、新耳コンビや丹治くん、綾辻行人さんや恩田陸さんなど、『幽』関係者も「ひと言いいたい!」コーナーに登板しています。
 恩田さんといえば、『新耳袋コレクション』に関するインタビューも掲載。取材とまとめは小生がやらせていただきました。
 ほかに有栖川さんと綾辻さん登場の『月館の殺人』完結大特集や、意外なコーナーに平山夢明さんが顔を出していたりとか、怪談関係者は必読必携の盛夏号なのです。よろしくな〆

ダ・ヴィンチ 2006年9月号

メディアファクトリー (200608上旬)
通常24時間以内に発送します。

投稿者 東 雅夫 : 2006年08月07日 12:26 | コメント (0) | トラックバック (0)

「怪談大賞/わたしのベスト3」さらに補足(笑)

 いろいろな御指摘や御質問をありがとうございます。いくつか気になった点について、お返事させていただきます。これで今回の公募の趣旨については、おおむね御了解いただけるのではないかと思うのですが。

・開催期間中に怪談大賞ブログでコメントやトラバを募集しないのか?

 致しません。今後もする予定はありません。理由はいたって単純で、ビーケーワン怪談大賞は、加門七海さんと福澤徹三さんという、心から怪談を愛し、日々怪談と接し、怪談を作品化して世に問うてきた両先達が、応募作の中から「これぞ」と信ずる作品を選び出すことを主旨として開催している賞だからです。選考そのものに読者が参加するタイプのイベントではないからです。
 ……というか、小生が今回、思い立ってお願いしているのは、全応募作の中から「わたしのベスト3」を選んでください、という主旨なのでありまして、これを開催期間中にリアルタイムで実施することは、もとより不可能なのですよね。

・全応募作の中からたった3篇を選ばせるのは酷ではないか?

 酷ですとも!(笑)そのことは、私たちも選考会でたっぷりと味わいました、特に今回は。ですが、無理矢理にでも「これぞ!」と思う作品を絞りこみ選び出すという作業は、苛酷ではあるけれど、このうえなく愉しい行為でもあると思うのです。その過程でいろいろと気がつくことも多いはずです、自分自身の文学的な嗜好とか、怪談における好みの傾向とか、突き詰めて比較検討しなければ見えてこなかった作品の一面であるとか……。今回の公募は、そういう愉しさを、われわれ選者と共有していただきたいという思いにも発しております。その苦心の選択の結果を拝読することは、私たちにとっても、そして応募者にとっても、このうえない歓びとなるはずです。

・ハードルが高くてコメントが集まらないのではないか?

 それはまあ、覚悟のうえです。そもそも、量より質、というのが、『幻想文学』創刊以来の小生の基本姿勢ですから。いや、もちろん多いに越したことはないのですけれどね、それはあくまで後からついてくるべきもので(笑)。それに、この幻妖ブックブログを、平素から愉しんでご覧いただき、御利用いただいている皆さまにとって、今回の公募は、これまでの公募企画(ヒビたんとか赤江瀑とか)と較べても、そんなに高いハードルではなかろうと、小生は思っています。時間はたっぷりあります。極端に申せば、この先、単行本化が首尾良く決まったとして、その発売日まで公募を続けたって差し支えないようなものなのですから。好きなことは、じっくりゆっくり時間をかけて、愉しもうではありませんか!

投稿者 東 雅夫 : 2006年08月07日 08:48 | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年08月06日

「怪談大賞/わたしのベスト3」補足

 早速、反響をいただいてるようで、ありがとうございます。
 幾つか気になる点を補足しておきます。

・あらためて全部を読もうという方々がいらっしゃるようで、とても感激しております。その際、ひとつ御注意いただきたいことが。怪談大賞ブログは容量の関係で、古い投稿はメイン画面に反映されていません。下記のurlが最初の投稿(るしさんの「伊豆・熱川」)となりますので、そこからたどってご覧いただけますと幸いです。
http://blog.bk1.co.jp/kaidan/archives/001385.html

・〆切は……特に必然性はないので言明しなかったのですが(いいかげんでスイマセン)、投稿の具合を見ながら判断したいと思います。急に締め切ることはしませんので、御安心ください。締め切る一週間前ぐらいに事前に告知しますね。ブログの良いところはフレキシブルな対応が可能なところですので、その時々の状況に応じて、善処してまいります。

・え〜さしあたり今はこちらの企画よりも、いよいよ〆切が目前に迫った「幽」怪談文学賞の長篇部門を最優先してください(笑)、応募予定者の皆さま! 最後の追い込み、がんばって!

・投稿結果については……いろいろな方の評価や感想をうかがってみたいという純然たる好奇心に発するものなので、それを集計して何かに利用したりとか反映させたりとか、現段階で具体的に予定しているわけではありません。ただ、今後の賞の動向に、そうしたリアクションが有形無形で影響を与えてゆくことは間違いありませんし、応募者の方々にとっても、皆さまの率直な感想は、大きな励ましとなるのではないかと思います。よろしく御協力をお願いいたします。

・単行本化については……現時点で何も具体的に決まっているわけではありませんので、総ては引受先の出版社が決まってから、担当編集者と相談して進めてゆくことになると思います。進展具合については随時、このブログにて御報告いたします。

投稿者 東 雅夫 : 2006年08月06日 21:20 | コメント (0) | トラックバック (0)

【訃報】宇山日出臣氏、急逝

 講談社の文芸編集者として、数多くの人気作家を世に出された宇山日出臣(本名は秀雄)さんが、今月3日、肝硬変のため亡くなられたという悲報が届きました。享年62。
 通夜は8月10日午後6時から7時まで、告別式は8月11日午前10時から11時まで、共に、かわさき北部斎苑(電話044−822−3171/川崎市高津区下作延1872)で執りおこなわれます。喪主は慶子夫人とのことです。

 宇山さんなかりせば、『虚無への供物』が今日これほどのポピュラリティを獲得することも、新本格ミステリのムーヴメントが隆盛をみることも、あるいはなかったかも知れない……それほどに大きな御仕事を成し遂げられた、稀代の名伯楽でした。
 謹んで御冥福をお祈り申しあげます。

虚無への供物 上
中井 英夫〔著〕
講談社 (2004.4)
通常2-3日以内に発送します。
十角館の殺人
十角館の殺人
posted with 簡単リンクくん at 2006. 8. 6
綾辻 行人〔著〕
講談社 (1991.9)
通常2-3日以内に発送します。
楽園の鳥
楽園の鳥
posted with 簡単リンクくん at 2006. 8. 6
寮 美千子著
講談社 (2004.10)
通常2-3日以内に発送します。

投稿者 東 雅夫 : 2006年08月06日 03:25 | コメント (2) | トラックバック (0)

ビーケーワン怪談大賞選考会

 本日午後三時より、新宿歌舞伎町某所にて(笑)第4回ビーケーワン怪談大賞の選考会が開催されました。
 250篇近い空前の応募数となったことを受けて、長時間にわたり白熱した審査がおこなわれた結果、大賞1篇、優秀作2篇、佳作5篇、愉しませてもらいました賞3篇が決定されました。
 審査結果と選考会の模様は、ビーケーワン本サイトにて10日に発表の予定です。

 いやー、今回は本当に内容充実、実力伯仲の応募作が多く、審査の難航が予想されたため、事前に各選考委員から20篇前後に絞っていただいた候補作リストを提出していただいたのですが……特に加門さんと福澤さんのチョイスに重複が少なく(笑)、一時はどうなることかと思いましたが、結果的には非常に妥当なところに落ち着いたのではないかと思っております。

 小生としては、この内容なら単行本化も可能ではないかと個人的に思っていたのですが、討議終了後、出席者の皆さんに御意向をうかがったところ、揃って快諾をいただきました。まだ詳細は未定ですが、これから単行本化に向けて動き出そうと思っております。

 あらためまして、全応募者の皆さまに御礼申しあげますとともに、今後とも倍旧の御支援を賜りますよう、お願い申しあげます。

投稿者 東 雅夫 : 2006年08月06日 00:13 | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年08月05日

『森鴎外集 鼠坂』見本到着!

 とかなんとか云ってるところへ、早くも第二弾『文豪怪談傑作選 森鴎外集 鼠坂』が到着。

ougaimihon.JPG

 やはり、この表紙装画(金井田英津子さん描く)は映えますねえ。画題としても、怪異のトポスたる「坂」と、そこに張り出した「木の枝」、白く眩い「蔵壁」等々、日本的怪談のひとつの原風景たりえているような心地がいたします。
 例によってカバー裏の紹介文を引用しておきます。

日本近代文学興隆期の巨人・森鴎外は、同時代のヨーロッパで書かれた怪異奇想小説の逸品を、誰よりも早く、達意の訳文でわが国の読者に紹介するとともに、みずからも好んで怪談奇談の筆を執った。死霊の復讐、旧家に蟠る怨念、分身譚、神仏の祟りなど多彩な創作怪談と翻訳怪奇小説を集大成した本書は、文豪鴎外による「独り百物語」もしくは鴎外版『世界怪談名作集』ともいうべき試みである。

 え〜さすがに「世界」は誇大広告かなー、せめて「東西怪談名作集」にしとけば良かったかなー、と今になって思ったり(笑)。
 10日前後の発売となります。是非ぜひ、よろしくお願いいたします!

投稿者 東 雅夫 : 2006年08月05日 14:39 | コメント (0) | トラックバック (0)

サンデー毎日

 いま発売中の『サンデー毎日』8月13日号の「サンデーらいぶらりい/読書の部屋」コーナーで、作家の角田光代さんが『文豪怪談傑作選 川端康成集 片腕』を採りあげてくださいましたよー、と筑摩書房のKさんから連絡が。これまた、ありがたいことです。
 「何がこわいって、文章がこわい。文章の端正さがこわい。書き出しの一文で、こんなに読み手を震えさせる作家はまれだと思う」という文中の御指摘、なるほどと思いました。
 ちなみに、同じ欄で採りあげられている他の2冊は、高野秀行『アジア新聞屋台村』、三浦しをん『三四郎はそれから門を出た』でして、なかなか不思議な並びだと思った次第。さすがにちくま文庫というべきか、今まで小生が手がけてきた一連の文庫アンソロジーとは、やや異なる読者層にもアピールしている模様で、今後の展開が興味深いところです。まあ、この企画自体、ちょっとそういう方向を目指している部分があるんですけどね。

川端康成集
川端康成集
posted with 簡単リンクくん at 2006. 8. 3
川端 康成著 / 東 雅夫編
筑摩書房 (2006.7)
通常24時間以内に発送します。
この本が、世界に存在することに
角田 光代著
メディアファクトリー (2005.5)
通常24時間以内に発送します。
三四郎はそれから門を出た
三浦 しをん著
ポプラ社 (2006.7)
通常24時間以内に発送します。

投稿者 東 雅夫 : 2006年08月05日 12:49 | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年08月01日

ウルフェス、そして円谷一

 ひっさびさーーーーに、差し迫った〆切も打ち合わせもない平日が到来。ささやかな夏休み気分で、よろよろと池袋サンシャインシティで始まったウルフェス会場へ。いえね、幕張の恐竜博まで出向く気力と体力がなかったのよ……。

ulfes1.JPG

↑とりあえずサドラの会場限定ソフビ
「ベローズピンチ」バージョンは押さえてみた。

 今年の展示はレトロ・モード全開で、どう見ても、ちびっ子ではなく大きなお友達向けとしか(笑)。「ウルトラQ」準備稿表紙のらぶりいなデザイン・センスとか、ラルゲユウスの撮影用脚部とか、しげしげと堪能。

ulfes2.JPG

↑これがラルゲユウスの脚だ!(感動)

 帰宅したら双葉社さんから、白石雅彦『円谷一 ウルトラQとテレビ映画の時代』が届いていた。ナイス・タイミングである。
 「序」の中から、注目すべき箇所を引用しておこう。

 なにも『ウルトラQ』という番組は、怪獣のごとく突然変異的にテレビに出現したわけではない。そこに至るまでのテレビドラマの歴史があればこそ生まれ出たのであり、それを無視して『ウルトラQ』を語るわけにはいかないはずなのである。しかし残念ながら既存の書で、『ウルトラQ』をテレビドラマ史と密接に関連づけ、検証したものは見当たらない。

 思わず大きく頷いてしまった。特撮番組そのもののデータとかディティールには鬼のように詳しいが、そこから先、特撮作品を取り巻く「外側の世界」には知識も関心も乏しい……要するに「木を見て森を見ず」というのは、オタク世代に共通の弱点ではなかろうか。

 ウルトラマンは21世紀を迎えた今も制作され続けているが、円谷一の名を知る人は少ない。だが一という人物なくしては、71年のあの時期、ウルトラマンの復活はなかったであろうし、その後の円谷プロの歴史も変わっていっただろう。氏と共に初期ウルトラシリーズの生みの親のひとりであり、名コンビといわれた相棒の脚本家・金城哲夫については、すでに何冊かの研究書もあり、その悲劇的な死も相乗効果となって、一部のファンによって今や神棚に祀り上げられた感がある。しかし一にはそれがない。おそらく本書がその最初のアプローチということになる。

 本書は、生前の円谷一(つぶらや・はじめ)を知る関係者への丹念な取材と、さまざまな資料の博捜を積み重ねて成ったルポルタージュである。70年代ウルトラ・シリーズへのオマージュに満ちた『ウルトラマンメビウス』が放映中の現在、その礎を築いた男の知られざる生涯と、ウルトラ・シリーズ誕生の歴史的背景に、貴重な探究作業を試みた本書が、一人でも多くの若い特撮ファンに読まれることを期待したい。

円谷一
円谷一
posted with 簡単リンクくん at 2006. 8. 1
白石 雅彦著
双葉社 (2006.7)
通常2-3日以内に発送します。

投稿者 東 雅夫 : 2006年08月01日 16:57 | コメント (1) | トラックバック (0)

柳柊二 妖怪画展

 小生ぐらいの世代にとって、往年のマガジンやサンデーに掲載された巻頭グラビア特集は、怪談や妖怪やホラーやSF世界への直通片道タイムトンネルだったわけだが、それらのなかでも異彩を放っていた挿絵画家の一人に、柳柊二がいる。怪奇幻想文学ファンには、創元推理文庫版〈コナン〉シリーズの装画などでもおなじみだろう。
 『SFマガジン』の連載コラム「SF挿絵画家の系譜」で、大橋博之氏が先月と今月の2回にわたり柳柊二を取りあげ、柳夫人への丹念な取材にもとづいて、知られざる伝記的事実を明らかにされているのを興味深く読んだのだが、これと連動するようにして、近く原画展が開催されるとのお知らせをいただいた。

yanaghigly.JPG

柳柊二 妖怪画展
会期■2006年8月18日(金)〜20日(日)
時間■18日(金)12時〜19時
    19日(土)11時〜19時
    20日(日)11時〜17時
入場料■無料
販売■今回、展示する作品の中から10点をセレクトして複製原画を作成して販売します。
会場■studio-ZONE gallery
    東京都杉並区梅里2-11-14 伊勢屋ビル2F(地下鉄・新高円寺駅より徒歩5分)
    電話03-3318-4277
    http://www.studio-zone.jp/

 会期がわずか3日間と短いため、妖怪な人や怪談な人たちは、くれぐれもお見のがしなきよう。
 詳しくは大橋氏の下記サイトをチェックだ!
 http://www.garamon.jp.org/news/0001.html

投稿者 東 雅夫 : 2006年08月01日 02:54 | コメント (0) | トラックバック (0)

そして、これから……

 地獄を見ていただくのが、選考委員をお願いしている加門七海さんと福澤徹三さんのお二人ということに(笑)。あ、俺もか……。

 え〜、通常、文学賞の選考というのは、事前に何段階かの社内選考があって、選考委員のもとに届けられるのは最終的に選り抜かれた作品のみ、せいぜい5篇から10篇程度というのが相場でしょう。
 ところが本賞の場合、選考委員のお二人は総ての応募作に目を通してくださったうえで、選考会議に臨まれているわけです。
 しかも、恐るべきことに本賞では、応募作が総てブログ上に公開されております。
 完全に硝子張りの状態で選考に当たらねばならないわけでして、そのプレッシャーたるや、相当なものがあろうかと忖度します(小生も当事者の一人なのでよく分かります)。
 怪談に寄せる愛と情熱(笑)がなければ、本来お引き受けいただけるはずのない仕事ではないかと思っております(選考謝礼も、出版社が開催する賞に較べたら、申しわけないような額ですし……)。

 で、何が云いたいのかと申しますと、そんなお二人に多少なりとも意気に感ずるところがございましたら、ぜひビーケーワンで両選考委員の著書を御購入いただきたい、ということであります。そして懐具合に余裕のある向きは、それ以外の怪談関連本もビーケーワンでお買いあげいただけると、もっともっと嬉しいかな、と(上段リンク↑の「怪談を書く!」「日本の怪」コーナーとか参照)。
 この賞を、これからも継続発展させ、さらに色々な試みへと繋げてゆくためにも、皆さまのお力添えを賜りますよう、伏してお願い申しあげます。

ピースサイン
ピースサイン
posted with 簡単リンクくん at 2006. 8. 1
福澤 徹三著
双葉社 (2006.7)
通常24時間以内に発送します。
怪を訊く日々
怪を訊く日々
posted with 簡単リンクくん at 2006. 8. 1
福澤 徹三〔著〕
幻冬舎 (2005.10)
通常2-3日以内に発送します。
オワスレモノ
オワスレモノ
posted with 簡単リンクくん at 2006. 8. 1
加門 七海著
光文社 (2006.3)
通常24時間以内に発送します。
怪談徒然草
怪談徒然草
posted with 簡単リンクくん at 2006. 8. 1
加門 七海〔著〕
角川書店 (2006.3)
通常24時間以内に発送します。

投稿者 東 雅夫 : 2006年08月01日 02:24 | コメント (0) | トラックバック (0)