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2006年09月23日
『幽』怪談文学賞・長編部門最終候補発表!先にお知らせしました『幽』怪談文学賞・長編部門のファイナリストが、下記サイトにて発表になりました。
http://web-davinci.jp/contents/news/index.php#0120
画面左に並んでいるバナーの中の「幽怪談文学賞」をクリックすると見られます(分かりにくくて申しわけありません……週明けには改善されてるかと)。
正調百物語小説あり、ホラー味の濃い現代怪談あり、虚実のあわいに遊ぶ異色作あり、伝奇と怪異の融合あり、鏡花はだしの寺町人情怪談あり……見事なくらいタイプを異にする候補作が揃いました。
この中から、怪談文芸の新たな地平を切りひらく受賞作が誕生するのか否か、11月中旬の本選が待ち遠しい限りです。
メディアファクトリーダ・ヴィンチ編集部 (2006.2)
通常2-3日以内に発送します。
↑怪談とは何か? 怪談文芸の神髄とは?
悩める読者は必読必携の一冊である!
投稿者 東 雅夫 : 2006年09月23日 10:54 | コメント (0) | トラックバック (0)
2006年09月21日
鬼が笑ふ話『幽』長編部門の選考会終了後、雑談がそのまま編集会議に移行する形で、今年暮れから来年前半にかけての『幽』関連イベントと出版企画の計画策定を進める。やはり吸血キッシーが復帰すると話が早いぜ(感涙)。まだ詳しいことは申しあげられないのだが、創刊から4年目を迎える来年は、いよいよ本格的に物凄いことになる模様。素材はありがたいことに山盛りなれど、人手が足りるのだろうか編集部……。
その合間に、学研エソテリカ編集部のHさんから久しぶりにお電話をいただく。メインの用向きは云わずと知れた『クトゥルー神話事典・第三版』のゲラ催促だったが、それとは別に、クトゥルー関連で、こちらも今冬から年明けにかけて物凄いことになる模様。うう〜む、その手があったか!(謎)
MFから帰りがけに、K社のI氏と待ち合わせて軽く打ち合わせ。まだ詳しいことは以下同文なのだが、こちらは物書きモードの怪談文芸関連で、来年前半に嬉しい企画が実現できるかも。本望至極なれど、今からしっかり準備をしておかないとなー。物書きモードでは、今年に入って間歇的にモゾモゾやっているC社の企画も、そろそろ本腰を入れていかないと……。
錦糸町に戻ってリビン地下のドトールでひと憩みしながらメール・チェックに勤しんでいたら、ポプラ社の斉藤さんから下記エントリーの件で連絡が。ついでとばかり、本日の『幽』出版会議の結果を踏まえて、怪談文学賞と怪談大賞の連携プレー計画について軽く打診する。あちらはあちらで、いろいろと勘案して動いてくださっているようで感謝感激である。
とりあえず、怪談大賞入選者の皆さんは、いつ到来するか予断を許さなくなってきた「次」のチャンスに備えて、仕込みやトレーニングに精励していただきたい、とだけ。こうなったら、鬼に笑われてもよいではないの!(笑)
投稿者 東 雅夫 : 2006年09月21日 13:17 | コメント (0) | トラックバック (0)
てのひら怪談(仮) ポプラ社の斉藤さんから「ブログ、ブログー!」とツッコミが(笑)。何かと思えば、小生うっかりして、『てのひら怪談』というビーケーワン怪談大賞単行本の仮称を、前置きなしに使っていたのですな。わははははは(汗)。幽の長編部門が一段落ついて、気が抜けていた模様です。
この「てのひら怪談」、打ち合わせのときに斉藤さんの口からふいと飛び出したアイディアなのですが、語呂がよいので、何となく関係者間で仮の通称として流通しているのです。
ただし、書名として正式決定されたわけでは全くなく、他にも『800字の怪談』など幾つか候補が取り沙汰されております。
偶発的ながら、お披露目してしまったことでもあり、この際、御意見・御感想など頂戴できましたら、幸いであります。
投稿者 東 雅夫 : 2006年09月21日 02:32 | コメント (4) | トラックバック (0)
2006年09月20日
ある宣言 『幽』長篇賞の選考作業がひとまず終了し、ようううやく今夏の怪談系お仕事に区切りがついた。
ちくま文庫版〈文豪怪談傑作選〉も、昨日、担当のKさんから「『泉鏡花集 黒壁』、なんとか校了しました〜」という息も絶え絶えな(笑)御連絡をいただいたし(Kさん、お疲れさまでした!)。
というわけで、ここに謹んで宣言させていただきます。
この秋から2007年新春にかけては――
「クトゥルー」「響鬼」「赤江瀑」
以上、懸案の三大テーマに、脇目もふらず邁進する覚悟であります!(誰に云ってるんだ……)
……などと言いつつ、選考会終了後、デスメタルSくん@幽&ダ・ヴィンチから、「恒川光太郎さんの新作インタビュー、ヒガシさんにお願いできませんか?」と、編集部に届いたばかりの長篇『雷の季節の終わりに』ゲラをヒラヒラさせながら誘われると、あーやるやるやる! と飛びついてしまう自分が恨めしい(笑)。
そういえば『幽』次号もそろそろスタンバイしないと間に合わないし、もちろん『てのひら怪談』の準備もあるし……などと考えていくと、シーズンオフも怪談から解放されることはなさそうである。いや、本望ではありますけど。
投稿者 東 雅夫 : 2006年09月20日 17:36 | コメント (1) | トラックバック (0)
『幽』怪談文学賞・長編部門/最終候補決定 本日午後1時より、渋谷のメディアファクトリー編集部で、『幽』怪談文学賞・長編部門の二次(社内)選考会が開かれ、真剣な討議の結果、最終候補作品5篇を選出しました。
候補作の内訳は数日中に、WEBダ・ヴィンチにて発表します。
5篇は多いのではないか、さらに絞りこむべきでは……という意見もあったのですが、第1回ということもあり、本賞が孕む多様な可能性を選考委員諸氏に提示させていただくべき、という見地から、あえてこの本数を本選に上げることに致しました。
虚実なかばするような異色作あり、正攻法の百物語小説あり、たいそうバラエティに富む候補作が揃いました。応募総数を聞いたときには、正直いってクオリティにやや不安を覚えたのですが、その後、総ての応募作を通読し、これならば、とホッと胸を撫で下ろした次第です。
11月中旬に予定されている最終選考会で、どのような判断が下されるのか、当事者のひとりではありますが(笑)愉しみでなりません。
投稿者 東 雅夫 : 2006年09月20日 17:15 | コメント (0) | トラックバック (0)
2006年09月19日
ビーケーワン怪談大賞/入選者インタビュー10入選者インタビューの掉尾を飾ることになったのは、ユニークな怪談詩「カオリちゃん」で愉しませてもらいました賞(東雅夫選)を受賞した惰門出さんです。86年生まれというのは、入選者中で(たぶん)最年少、小生にとっては完全に息子の世代ですねえ、いやはや(笑)。
【入選者インタビュー/惰門出さんの巻】
【Q1】いつ、どこで、お生まれですか? 性別は? 現在お住まいの都道府県は?
昭和61年(1986)大阪生まれの男児です。
【Q2】現在、どのようなお仕事(学生の場合は専攻等)をなさっていますか。
学生です。機械システム工学を専攻しています。
【Q3】ハンドル(筆名)の由来は? 単行本化の際には別の筆名を予定されていますか?
もともとのニックネームに無理やり漢字を当てました。
【Q4】怪談大賞公募のことは、何で知りましたか?
友人のブログからです。
【Q5】御応募の動機は?
実は定期試験の合間の息抜きにと、軽い気持ちで応募させていただきました。ですので動機等は……(汗)。
【Q6】創作を始められて何年ほどになりますか?
時々日記に書き連ねる駄文を創作とするならば、半年でしょうか。
第三者に伝わり辛い『詩』みたいな文章を感じるままに並べているため、本人ですらその日何があったのかを解読出来ない……そんなページもあります。
【Q7】過去に受賞、入選、活字化された作品などはありますか?
ありません。
【Q9】プロ作家志向ですか?
いいえ、一応技術者志望です。
【Q10】怪談大賞は上限800字の掌篇賞ですが、御自身では長篇・短篇・掌篇どの分野が向いていると思われますか?
掌篇です。
【Q12】愛読書や好みの作家・作品は?
東野圭吾さんの『鳥人計画』です。予備校の講義そっちのけで読み耽った思い出深い一冊です。
【Q13】怪談専門誌『幽』を御存知ですか? 購読されたことは?
知りませんでした。ですがこの機会に一度読んでみたいと考えています。
投稿者 東 雅夫 : 2006年09月19日 12:03
2006年09月16日
平山夢明さんにインタビュー 『ダ・ヴィンチ』次号の企画で、第一短篇集『独白するユニバーサル横メルカトル』が反響を呼んでいる平山夢明さんにインタビュー取材を。編集担当のデスメタルSくん、めでたく産休から復帰した吸血キッシー(頼もしいぞ!)、そして光文社の担当者S氏も同席して、メディアファクトリーの一室でお話をうかがった。
まずは「平山さんにとって、御自身の仕事の中での小説の位置付けとは?」という問いかけに対して、自分はずっと小説家だと思ってきたし今も思っている、という主旨のお返事が返ってきて、『SINKER』以来の平山読者としては、いたく感動する。
それからはもう……語る語る語る〜。平山節炸裂の1時間余となった。しかし、この文字数では到底全部は収まらないよなー、もったいなー(笑)。どこを活かして、どこを省くか、頭を悩ませることになりそうである。
光文社 (2006.8)
通常24時間以内に発送します。
↑ビーケーワンで開催中の平山夢明フェアも
要チェックだ(上段のリンクからゴー!)
ちなみに最近は忙しいもので、インタビューテープの素おこしは編集部にお願いすることが多いのだけれど、いずれにせよ小生の場合、素おこしの原稿に、もう一度テープを再生しながら細かい補正を加え、ナマで話されたとおりの語り口調を可能なかぎり文字で再現したうえで、ざっくり省略したり、順番を入れ替えたり、重複表現をカットしたり、語尾を整えたり……といった加工を施すようにしている。どうせ削っていくのだから最初から要所のみ起こせば、とも思うのだが、それだとイマイチ臨場感に欠ける気がするのであるよ。そうやって自分なりに練りあげたインタビュー原稿を、もちろん必ずインタビューイに確認していただき、必要なら加筆補正を施していただいて、談話記事が出来上がるわけだ。その意味でインタビューというのは、語り手と聞き手による一種の合作もしくはライヴ・セッションのようなものだと、小生は思っている。拙著『ホラーを書く!』や編著『文藝百物語』なども、そうしたポリシーのもとで生みだされたものである。
場合によっては、一問一答形式ではなく、完全な独白体にアレンジすることもあるのだけれど、この作業はやっていてなかなかに愉しい。ちなみに、今までで最も徹底的に独白体を練りあげたのは、『幻想文学』第48号掲載の「手記」という見るからに怪しげな(笑)記事であった。これは霜島ケイさんに「小説」として御寄稿いただいた「家―魔象―」という作品――後に「三角屋敷」の通称で広く知られることになる例の「実話」の初出原典である――を補足する意味合いで、霜島さんの友人として、この出来事に関与した「Sさん」こと加門七海さんにお話をうかがったものであった。
とはいえ、「家―魔象―」はあくまでも小説として寄稿されたものなので、こちらも小説的アレンジを施すべきであろうと判断し、談話者の実名は出さず、冒頭に小生の署名入りで、次のような架空の付記を掲げた。怪奇小説における古典的な手法に倣ったわけである。
今号の締切が間近に迫った某日、一通の封書が編集部に届いた。ワープロで打ち出された書面にも、封筒にも、差出人の名前や住所は記されていなかった。
この手記の筆者が「家」に登場するSさんと同一人物か否か、現時点で確認は取れていない。
以下に掲げるのは、その抜粋である。(雅)
先般、某コンビニ実話雑誌に載った三角屋敷関連のルポ記事で、この付記が「実際にあった出来事」として紹介されているのを読んだときには、思わず呵々大笑したものである。
小学館 (2002.7)
通常2-3日以内に発送します。
角川書店 (2001.9)
通常24時間以内に発送します。
投稿者 東 雅夫 : 2006年09月16日 18:22 | コメント (0) | トラックバック (0)
2006年09月15日
中井英夫をめぐる対談 岡山から帰京して間髪を入れず(笑)千駄ヶ谷の河出書房新社に駆けつける。
〈道の手帖〉というシリーズで発刊予定の中井英夫特集のため、元東京創元社社長でミステリーの名編集者&研究家として知られる戸川安宣さんとの対談を収録したのだった。今回の企画者である本多正一さんの司会のもと二時間ほど、故人との想い出あれこれ、編集者/研究家としての目から見た中井文学の真価等についてお話しさせていただいた。
収録前の雑談中、当然のごとく、先ごろ逝去された宇山秀雄さんの追懐に。
宇山さんが〈ミステリーランド〉の続刊企画として、赤江瀑さんや皆川博子さんに書き下ろしを依頼することを切望していらしたという秘話を本多さんからうかがい、しばし悄然。
小生が評論家として、宇山さんと唯一、御一緒させていただいた仕事が、講談社ノベルス版の赤江瀑傑作選『虚空のランチ』の解説執筆だったのである。
たまたま自由が丘駅前の古書店で書架を物色中、携帯に寄稿依頼のお電話をいただいた。赤江作品の素晴らしさを、ぜひ新本格/京極世代の若い人たちにも知ってほしい。そのために敢えて弁当匣スタイルのノベルス本で、短篇傑作選を刊行することにした……独特の性急な、弾むような口調が、今も耳に残っている。
またそれだけに、学研で目下、小生が進めている〈幻妖匣〉の第一弾『赤江瀑名作選(仮)』が、当初の予定から大幅に遅れてしまい、とうとう宇山さんにお目にかけることが出来なかったのが悔やまれてならない。稀代の名伯楽の衣鉢を継ぐには、あまりにも非力非才な小生ではあるけれど、せめてその大きなお仕事の一端――幸福なる少数者のための文学を、その真価を、一人でも多くの新たなる読者へ伝えようと尽力された志の一斑なりとも受け継いでいけたならと、今は心に期するのみ。
河出書房新社 (2004.9)
通常2-3日以内に発送します。
アトリエOCTA (2000.2)
通常2-3日以内に発送します。
投稿者 東 雅夫 : 2006年09月15日 15:58 | コメント (0) | トラックバック (0)
2006年09月14日
ポプラ社打ち合わせビーケーワン怪談大賞の単行本刊行決定をうけて、このほど最初の正式打ち合わせを行ないました。
*来年2月頃の刊行を目指す。
*収録作品数は全100篇を予定。
*収録対象は、第4回の入選作および選外優秀作を中心に、第1回から第3回までの注目作品も適宜加える。
以上の基本方針のもと、今月末までに全収録作品を確定すべく、まずは編者3名によるセレクト作業を進めてゆくことになりました。選考会に際して提出された候補リストをもとに、もう一度、単行本収録を念頭に置いて、それぞれに再考してみたいと思っています。
投稿者 東 雅夫 : 2006年09月14日 18:20 | コメント (2) | トラックバック (0)
締切設定!投稿募集を続けておりますビーケーワン怪談大賞「わたしのベスト3」ですが、このほど単行本化が正式決定したのを機に、かねて予告しておりましたとおり、募集締切日を設定することにいたします。
締切期限/9月25日(月)午後11時59分までの受信分
公募の詳細につきましては、上段の常設記事を御参照ください。メールアドレスを記入せずに投稿される方が目立ちますが、記念品送付など連絡時に必要となりますので、必ず明記してください(メアドは公開されませんので御安心ください)。
すでに御投稿いただいた皆さまのベスト3、小生のみならず、加門さん福澤さんも大変に興味深くご覧になっているようです。人気投票を意図したものではありませんので、数値に還元してどうこうするつもりは全くないのですが、個性的な着眼や御見解は、単行本にも何らかの形で反映させてみたいな、と個人的には考えております。
ふるって御参加くださいますよう、お願い申しあげます。
投稿者 東 雅夫 : 2006年09月14日 00:43 | コメント (0) | トラックバック (0)
2006年09月13日
黒髪打ち上げ 『黒髪に恨みは深く』の打ち上げ出席のため、都営浅草線で浅草雷門に向かっていたら、途中の駅で、どこかで見たことのあるような、異彩を放つ一団が同じ車両に乗りこんできた。
角川ホラー文庫編集長のSさんと、『闇夜に怪を語れば』他でお世話になっている担当ツ嬢、それに『黒髪』のデザインを御担当いただいた角川書店装幀室のOさんであった。
まったくの偶然。待ち合わせようとしても、こうは巧くいかないよねえ……などと話しながら、会場のスキヤキ専門店に到着。そこへ大型スーツケースを引っ提げて飛びこんできたのは『黒髪』の担当編集E嬢(笑)。夏休みで香港に行っていたとかで、成田から直行だったそうな、ごくろうさまです。お土産さんきゅ。
Oさんとは初対面だったのだが、誰もが思わず手で払うと評判の(笑)『黒髪』の卓抜なる髪の毛の意匠について、いろいろお話をうかがえたのは幸いだった。あれは実際の毛髪をスキャニングか何かして使っているのかと漠然と想像していたのだが、そうではなくて、Oさんが手書き(といっても画面上で)されたものだそうな。毛髪らしさを感じさせると同時に、デザインとしても美しい、絶妙のセンスにあらためて脱帽である。お世話になりました。
なお、S編集長のお話によると、『夜市』の恒川光太郎、『チューイングボーン』の大山尚利という両ホラ大受賞作家の新作が、いよいよスタンバイ間近とか。どちらも凄く良い出来らしいので愉しみである。
散会後、神谷バーに寄って電気ブランをひっかけて、ひさびさカラオケへ突入。実戦初導入の「抱いてセニョリータ」に手応えを感じられたのは収穫だったが、相川七瀬とか、けっこう途中を忘れている曲があることに衝撃を受ける。齢はとりたくないものだ……。
角川書店 (2006.7)
通常24時間以内に発送します。
さて、そんな(どんな?)角川ホラーチームが手がけたホラー文庫最新刊が、絶讃発売中であります。
まずはツ嬢担当の『オトシモノ』――怪談文芸の雄・福澤徹三が、初めて手がけた映画ノベライゼーションである(9月30日より全国ロードショー)。当初、いつもの作者らしからぬ会話中心で改行の多い文体(しかも初の女子高生視点!)に面喰らったものの、読み進めるうちに全く気にならなくなった。やはり文章力の基礎がしっかりしている書き手は違いますな。長篇というよりも、ボリュウムある短篇を堪能したような読後感を得た。ホラー映画に関心のない向きにもオススメ。
続いてはE嬢担当の行川渉『コワイ女』――こちらはオムニバス形式によるホラー映画のノベライゼーションで、「カタカタ」「鋼―はがね―」「うけつぐもの」の三篇から成る。タイトルのとおり、『吉屋信子集 生霊』の解説でちょいと触れた「女怪幻想」の典型にして現代版ともいうべきストレートなホラー小説集である。ちなみに「カタカタ」の映画版は、雨宮〈牙狼〉慶太監督作品なので、これは大いに気になるところ。試写会の御案内もいただいたので、観にいこうかと思っている次第。
投稿者 東 雅夫 : 2006年09月13日 12:39 | コメント (0) | トラックバック (0)
2006年09月12日
ビーケーワン怪談大賞/入選者インタビュー9入選者インタビュー9人目は、「吉田爺」で佳作入選のFlackさんです。無事に連絡が取れて良かった(笑)。選考会リポートでもお伝えしたように「吉田爺」は、選者3名が揃って高く評価した作品でしたが、これが初の創作とは驚かされますね。
【入選者インタビュー/Flackさんの巻】
【Q1】いつ、どこで、お生まれですか? 性別は? 現在お住まいの都道府県は?
1980年生。島根県の生まれで、現在も島根在住。男性です。
【Q2】現在、どのようなお仕事(学生の場合は専攻等)をなさっていますか。
少し前まで営業マンをしておりましたが、恥ずかしながら先日、失職しちゃいました。
【Q3】ハンドル(筆名)の由来は? 単行本化の際には別の筆名を予定されていますか?
昔からネット上で使い続けている名前です。特に他の筆名は考えていません。
【Q4】怪談大賞公募のことは、何で知りましたか?
某ブログに紹介されていたのを見て。
【Q5】御応募の動機は?
800字くらいなら、自分にも書けるかなと思って。
【Q6】創作を始められて何年ほどになりますか?
今回が初めてです。
【Q7】過去に受賞、入選、活字化された作品などはありますか?
ありません。
【Q8】どういうジャンルや傾向の作品を書いていきたいと思いますか?
伝奇系の話が好きなので、いつか書いてみたいと思ってます。
【Q9】プロ作家志向ですか?
畏れ多くて、とてもとても……。
【Q10】怪談大賞は上限800字の掌篇賞ですが、御自身では長篇・短篇・掌篇どの分野が向いていると思われますか?
掌編までが、自分の書ける分量の限界だと思います。
【Q11】御趣味は?
読書・インターネット・田舎探訪。
【Q12】愛読書や好みの作家・作品は?
夢枕獏・中島らもなど。あとは、歴史・民俗学・オカルトに関する専門書をよく読みます。
【Q13】怪談専門誌『幽』を御存知ですか? 購読されたことは?
すいません、今回の企画で初めて知りました。
投稿者 東 雅夫 : 2006年09月12日 09:20
2006年09月11日
『響鬼探究(仮)』公募企画のおしらせ 公募は終了しました。
響鬼愛あふれる多数の御応募をいただき、本当にありがとうございました。
衷心より御礼申しあげます。
加門七海
東 雅夫
投稿者 東 雅夫 : 2006年09月11日 20:18 | コメント (6) | トラックバック (0)
ビーケーワン怪談大賞/入選者インタビュー8入選者インタビュー8番目に登場するのは、「矢」で優秀賞受賞のユメさんです。田辺さんと同じく「幻想文学」創刊と前後する時期(推定)に誕生されたとおぼしき、小生にとっては娘のような(笑)世代が、こうして次々に作家として呱々の声をあげようとしているのは本当に頼もしいかぎりであり、わくわくしますねえ(しみじみ)。
【入選者インタビュー/ユメさんの巻】
【Q1】いつ(出生年)、どこで(出身地)、お生まれですか? 性別は? 現在お住まいの都道府県は?
一九八X年生まれ。女性です。
【Q3】ハンドル(筆名)の由来は? 単行本化の際には別の筆名を予定されていますか?
作品を送る段になってパパッと決めてしまったので、特に由来はありません。
別の筆名については考えていません。
【Q4】怪談大賞公募のことは、何で知りましたか?
東さんのブログです。
【Q5】御応募の動機は?
800字という気軽さと、プロの作家さんに見てもらえるということが魅力的だったからです。
【Q6】創作を始められて何年ほどになりますか?
小学校の低学年から「お話」を書くのが好きでした。
本気でとりかかるようになったのは、一年くらい前からです。
【Q7】過去に受賞、入選、活字化された作品などはありますか?
あります。
【Q8】どういうジャンルや傾向の作品を書いていきたいと思いますか?
幻想文学。童話。ジャンル分けが出来ないような物。
【Q9】プロ作家志向ですか?
はい。
【Q10】怪談大賞は上限800字の掌篇賞ですが、御自身では長篇・短篇・掌篇どの分野が向いていると思われますか?
自分自身ではよく判りません。
【Q11】御趣味は?
絵を描くこと。DVD鑑賞。
【Q12】愛読書や好みの作家・作品は?
愛読書は宮沢賢治『銀河鉄道の夜』。
好きな作家は芥川龍之介さんです。
【Q13】怪談専門誌『幽』を御存知ですか? 購読されたことは?
はい。購読したこともあります。
学研 (2002.7)
通常2-3日以内に発送します。
投稿者 東 雅夫 : 2006年09月11日 14:21
物怪観光、西荻を席巻!?小生も響鬼その他でお世話になっている天野行雄さん@日本物怪観光のトークショー「日本物怪観光の妖怪図鑑」が、来たる9月17日(日)に西荻窪のスタジオMAREで開催されるのに先立って、昨日の日曜から西荻ブックマーク加盟店で、天野さん特製の新作オリジナル妖怪栞が無料配布される特別イベントが始まっています。
↑お化け栞の実物とイベント用のマップ。
要するに7軒の加盟店をハシゴすると、7種類のお化け栞(毛羽毛現、骨女など石燕しばりだとか)がコンプできて、さらにタイトル栞まで手に入るという妖怪好きで本好きな方には堪らない催しなのですね。
詳しいシステムや注意事項、講演会の詳細については、下記サイトを参照。
西荻ブックマーク http://neko2.net/nbm
数に限りがあるそうなので、気になる方は早めに西荻窪に駆けつけよう!
投稿者 東 雅夫 : 2006年09月11日 13:48 | コメント (0) | トラックバック (0)
ビーケーワン怪談大賞/入選者インタビュー7入選者インタビュー第7弾は、「猫である」で佳作に、「マンゴープリン・オルタナティヴ」で愉しませてもらいました賞(加門七海選)に、ダブル入選された不狼児さんです。澁澤、三島はともかく、山崎俊夫と李賀が並ぶあたりに強烈な個性が窺える気がして嬉しくなりました。応募の動機にもすごく共感(笑)。
【入選者インタビュー/不狼児さんの巻】
【Q3】ハンドル(筆名)の由来は? 単行本化の際には別の筆名を予定されて
いますか?
没にした作品の登場人物から頂いた。書くための呪文のような名前なので、このままでお願いします。
【Q4】怪談大賞公募のことは、何で知りましたか?
たぶん幻妖ブックブログで。今年は応募したいと考えていた。
【Q5】御応募の動機は?
幽怪談文学大賞短編部門で落ちて長編を書くモチベーションもあがらないので(一次通過を知らなかった)、ビーケーワン大賞を獲ってポイントで「山崎俊夫作品集 補巻2 夜の髪」(税込価格7875円)を買おうと思ったから。
【Q6】創作を始められて何年ほどになりますか?
二年前に名前を変えてから急に書けるようになった。それ以前のことは忘れたいです。
【Q7】過去に受賞、入選、活字化された作品などはありますか?
なし。
【Q8】どういうジャンルや傾向の作品を書いていきたいと思いますか?
書く時はあまり意識しません。できてみないとわからない状態。
【Q9】プロ作家志向ですか?
なれるものなら。死ぬ前に一度ぐらいは作家の振りがしてみたい。
【Q10】怪談大賞は上限800字の掌篇賞ですが、御自身では長篇・短篇・掌篇どの分野が向いていると思われますか?
超短編など、ごく短いもの。
【Q11】御趣味は?
画集や写真集を見ること。
【Q12】愛読書や好みの作家・作品は?
澁澤龍彦、三島由紀夫、山崎俊夫『美童』『神経花瓶』、李賀。怪談方面では南條竹則編訳『怪談の悦び』など。
平凡社 (1998.12)
通常1-3週間以内に発送します。
投稿者 東 雅夫 : 2006年09月11日 09:45
2006年09月10日
緊急報告! 倉敷でも響鬼 昨夜の神楽取材は、それはもう興奮ものでありました。追って詳しく書きます。
その取材中にも、パソメルには響鬼の投稿が次々と寄せられていたようで、皆さまありがとうございます。応募締切まで、あと1日余となりましたが、まだまだ間に合いますとも(笑)。11日(月曜日)の午後11時59分まで有効です〆
ところで。一夜明けて目下、倉敷市内を散策中なのですが、急な雷雨に追われて飛びこんだ阿智神社近くのアーケードの一隅に……かなり濃いコレクターショップを発見。ドキドキしながら店内に入れば、響鬼グッズの山ではないか!(笑)
特にグッズ蒐集に関しては出遅れていたカモ鬼は、HG版の裁鬼フィギュアほかをゲットできて狂喜乱舞しておりましたな。小生もうっかり買い漏らしていたあれこれを発見してホクホクであります。
投稿者 東 雅夫 : 2006年09月10日 13:28 | コメント (0) | トラックバック (0)
2006年09月09日
嗚呼、恐竜博 なかなか幕張まで足を延ばすチャンスがないまま、うかうかと9月に入ってしまった。この週末は岡山取材……ってことは、今しかないじゃん!
てなわけで、今年も行ってきましたよ恐竜博。
↑会場を睥睨する翼竜編隊にうっとり。
恐竜ブーム再燃のさなかだけに、平日とはいえ会場は熱気につつまれ……と思ったら、そうでもなかった。これはマア、小生の好みと関心ゆえなのかも知れないが、例年に較べ、これぞ、という目玉に欠けたせいかしらん。
お目当ての物販コーナーも、それほど目新しいグッズはなかったし……と云いながらも、なんだかんだで小物中心、翼竜物メインに50数点を物色したワタシです(笑)。今年は珍しくピンバッジ系に収穫が多かった気が。いや、年に一度だし。お祭だし。どんどこ。
↑嗚呼、今年も散財しちゃったよ……
と、反省中のモリーくん@手踊り
インターコミュニケーションズ (1998.2)
通常24時間以内に発送します。
投稿者 東 雅夫 : 2006年09月09日 06:03 | コメント (0) | トラックバック (0)
ビーケーワン怪談大賞/入選者インタビュー6入選者インタビュー第6弾は、「軍馬の帰還」で今年度の大賞を受賞された銀峰さんです。ちょっと意表を突かれた向きもあるかも!? 小生としては、好みの作家に中島敦、山尾悠子、飛浩隆の名が並ぶあたり、ハタと膝を打ちましたが。
【入選者インタビュー/銀峰さんの巻】
【Q1】いつ(出生年)、どこで(出身地)、お生まれですか? 性別は? 現在お住まいの都道府県は?
岩手県出身、神奈川県在住。
【Q3】ハンドル(筆名)の由来は? 単行本化の際には別の筆名を予定されていますか?
ハンドルは中国茶の銘柄から。発音はぎんぽう。別の筆名にするかは検討中。
【Q7】過去に受賞、入選、活字化された作品などはありますか?
はい。
十八禁ゲームの二次創作コンテスト入賞。ゲームとはほぼ無関係な、科挙受験生と魔物の少女の悲恋もの、ややエロ。
【Q9】プロ作家志向ですか?
はい。長編を書いたことがないので難しいでしょうが。
【Q12】愛読書や好みの作家・作品は?
中島敦、山尾悠子、飛浩隆、牧野修、田中啓文。ジェームズ・ティプトリージュニア、テッド・チャン。
書は金農が面白いと思う。
【Q13】怪談専門誌『幽』を御存知ですか? 購読されたことは?
はい。
投稿者 東 雅夫 : 2006年09月09日 05:41
2006年09月08日
ヒビたん日記〜迫る締切! いやもうハッと気がつけば9月。あれれ……と思う間に、9・11がすぐそこに!
そう、長らく公募を続けてきました「私の心に響いた響鬼」の投稿〆切が、いよいよ来る9月11日の月曜日に迫ってまいりました。
その後も『響鬼』への熱き思いが綴られた御投稿が順調に寄せられておりますが、まだ書きあぐんでいらっしゃる方、あるいは投稿しようか勘案中の方は、この週末、存分に「響鬼漬け」となっていただきたいと思います(笑)。
かく申すヒガ&カモ鬼コンビも、この週末は岡山へ、鬼をテーマにした神楽大会の取材へおもむきます。
先日の世界妖怪会議で奉納された新作神楽「比熊山」をご覧になった方は、あるいはお気づきになったかとも思いますが、もともと神楽というものは「並び立つ鬼」の原型(もちろん「人」と「鬼」は主客転倒しておりますが)みたいな構図を、独特なリズムの音楽と舞踊とで表現することにより、「神」へと捧げられた芸能でありました。
その神髄を「響鬼」の視点から探究してこようと思っています。
皆さまも「響鬼漬け」の週末を、ぜひ! 愉しいものですよ。
投稿者 東 雅夫 : 2006年09月08日 06:36 | コメント (0) | トラックバック (0)
ビーケーワン怪談大賞/入選者インタビュー5入選者インタビューも中盤の第5回。今回は「ガス室」で佳作入選のクジラマクさんが登場。鯨幕をカタカナ書きして筆名にするセンス、ただものではありませんね(笑)。
【入選者インタビュー/クジラマクさんの巻】
【Q1】いつ、どこで、お生まれですか? 性別は? 現在お住まいの都道府県は?
1975年、坂口安吾が晩年を過ごした地で生まれました。
【Q2】現在、どのようなお仕事(学生の場合は専攻等)をなさっていますか。
三十路過ぎのフリーターです。
【Q3】ハンドル(筆名)の由来は? 単行本化の際には別の筆名を予定されていますか?
筆名は、葬式に用いる白と黒の幕のことである、鯨幕からとりました。名前はこのままでいいです。
【Q4】怪談大賞公募のことは、何で知りましたか?
このブログからだと思います。
【Q5】御応募の動機は?
ポコッとアイデアが浮かんだので。
【Q6】創作を始められて何年ほどになりますか?
二年くらいまえからホラーの短編を何本か書いて応募しています。
【Q7】過去に受賞、入選、活字化された作品などはありますか?
ビーケーワン怪談大賞以外はありません。
【Q8】どういうジャンルや傾向の作品を書いていきたいと思いますか?
恐怖を孕んだものを書いていきたいです。
【Q9】プロ作家志向ですか?
いつかは! 夢は大きく持ちます。
【Q10】怪談大賞は上限800字の掌篇賞ですが、御自身では長篇・短篇・掌篇どの分野が
正直わかりません。いままでは短いものしか書いたことがなかったので、長いものも書いてみたいです。
【Q11】御趣味は?
読書以外は特にありません。怪談本は丑三つ時に読むように心がけています。
【Q12】愛読書や好みの作家・作品は?
朝松健さんの「黒衣伝説」は唯一再読した作品です。
【Q13】怪談専門誌『幽』を御存知ですか? 購読されたことは?
すべて持っています。
投稿者 東 雅夫 : 2006年09月08日 06:11
2006年09月07日
嬉しい速報! 先ほど、ポプラ社第三編集部の斉藤尚美さんから連絡がありまして、ビーケーワン怪談大賞の単行本企画が、来年はじめ頃に刊行の予定で正式決定された旨の御報告をいただきました。
これから早速、具体的な内容を固めていきたいと思っております。
こんなにスムーズに企画が実現したのも、ここをご覧くださっている皆さまの熱い御支援の賜物です。刊行へ向けて、益々の御声援をよろしくお願い申しあげます。
取り急ぎまして〆
投稿者 東 雅夫 : 2006年09月07日 14:42 | コメント (0) | トラックバック (0)
ビーケーワン怪談大賞/入選者インタビュー4入選者インタビュー第4弾は、「光の穴」で佳作入選の夜猿さんです。硬派の幻想文学好きな書店員さんとは、頼もしい限りですな。カフカの掌篇などは、怪談大賞応募者の参考になると思います。
【入選者インタビュー/夜猿さんの巻】
【Q1】いつ、どこで、お生まれですか? 性別は? 現在お住まいの都道府県は?
1964年、神奈川県生まれ、東京在住です。男性。
【Q2】現在、どのようなお仕事(学生の場合は専攻等)をなさっていますか。
書店に勤めています。
【Q3】ハンドル(筆名)の由来は? 単行本化の際には別の筆名を予定されていますか?
何となくです。夜の出来事をテーマにした作品だったから「夜」のつく名前でいこうと。ハンドルネームは、このままでよいです。
【Q4】怪談大賞公募のことは、何で知りましたか?
幻妖ブックブログを見て。
【Q5】御応募の動機は?
幻想文学は好きなほうだし、短いものなら自分でも書けそうかな、と思いました。
【Q6】創作を始められて何年ほどになりますか?
学生時代に遊びでちょこっと書いた他は、今回が初めてです。
【Q7】過去に受賞、入選、活字化された作品などはありますか?
ないです。
【Q8】どういうジャンルや傾向の作品を書いていきたいと思いますか?
これから考えます。
【Q9】プロ作家志向ですか?
いいえ。
【Q10】怪談大賞は上限800字の掌篇賞ですが、御自身では長篇・短篇・掌篇どの分野が向いていると思われますか?
掌編。短かければ短いだけよいです。
【Q11】御趣味は?
音楽を聞くこと。クラシックとジャズをよく聞きます。
【Q12】愛読書や好みの作家・作品は?
ゴーゴリ、ホフマン、カフカなど、リアリズムと非リアリズムが入り混じった感じの作品が好きです。日本人作家では、別役実さんの戯曲と童話が大好きですね。
【Q13】怪談専門誌『幽』を御存知ですか? 購読されたことは?
創刊号からの愛読者です。猫を飼っているので、第5号の特集は嬉しかったです。
筑摩書房 (2006.4)
通常2-3日以内に発送します。
投稿者 東 雅夫 : 2006年09月07日 10:46
吉屋信子集、そしてダ・ヴィンチも発売! おかげさまで絶好調の〈文豪怪談傑作選〉シリーズ第3弾『吉屋信子集 生霊』が入荷しました。よろしくお願いいたします。
さらに。同叢書のカバー装画を御担当いただいている版画家の金井田英津子さんと小生の対談が掲載された『ダ・ヴィンチ』10月号も入荷しております。ちくま書房さんに無理をお願いして、超特急で4巻目『泉鏡花集』のカバーを間に合わせていただきカラーで掲載できたのですが、こうして4冊の表紙を並べてみると、また一段と美麗ですなあ…………(あ、すいません、浸ってしまいました)。
なお、今月号には、もうひとつ注目の記事があります。先月急逝された宇山秀雄(日出臣)さんの追悼特別企画です。綾辻行人さん、有栖川有栖さんはじめ、新本格系のミステリ作家諸氏が総登場で追悼文を寄せている様は壮観の一語。一編集者の死去に際して、こうした特集企画が組まれるのも、きわめて異例のことです。故人の遺徳を偲びつつ、合掌。
メディアファクトリー (200609上旬)
通常24時間以内に発送します。
投稿者 東 雅夫 : 2006年09月07日 05:41 | コメント (1) | トラックバック (0)
2006年09月06日
ビーケーワン怪談大賞/入選者インタビュー3入選者インタビュー第3弾は、「薫糖」で佳作入選の田辺さんです。しかし……1982年といえば『幻想文学』創刊の年ではないですか! いろいろ感慨深いものがありますな。
【入選者インタビュー/田辺さんの巻】
【Q1】いつ、どこで、お生まれですか? 性別は? 現在お住まいの都道府県は?
1982年、大阪府住吉区生まれ。女性。京都府京田辺市在住。
【Q2】現在、どのようなお仕事(学生の場合は専攻等)をなさっていますか。
会社員。
【Q3】ハンドル(筆名)の由来は? 単行本化の際には別の筆名を予定されていますか?
現在住んでいる場所の地名から取りました。他の筆名は現在考え中です(青蛙[せいあ]という名前で広報誌に連載を持っているのですが、それと同じ筆名を使おうかどうか検討中)。
【Q4】怪談大賞公募のことは、何で知りましたか?
東雅夫のブログから。
【Q5】御応募の動機は?
過去に知人が応募していたので。
【Q6】創作を始められて何年ほどになりますか?
4、5ヶ月。
【Q7】過去に受賞、入選、活字化された作品などはありますか?
ありません。
【Q8】どういうジャンルや傾向の作品を書いていきたいと思いますか?
色々な分野にチャレンジしてみたいと思っています。
【Q9】プロ作家志向ですか?
まだ、考えていません。
【Q10】怪談大賞は上限800字の掌篇賞ですが、御自身では長篇・短篇・掌篇どの分野が向いていると思われますか?
長編は書いたことがありません。800字は書きやすい丁度良い長さだと思います。
【Q11】御趣味は?
伝説地巡り、甘いものを食べること、それとコスプレ。
【Q12】愛読書や好みの作家・作品は?
池波正太郎、荻原規子、関戸克己、東亮太、水野良。
【Q13】怪談専門誌『幽』を御存知ですか? 購読されたことは?
知っています、毎号購読しています。
角川書店 (2006.5)
通常2-3日以内に発送します。
投稿者 東 雅夫 : 2006年09月06日 10:14
ヒビたん日記〜始まる取材 いよいよ『響鬼探究(仮)』の取材が本格スタート。『響鬼』の世界と様々な形で接点を有する各界のエキスパートの皆さんに、ひが&かもコンビが直撃取材を試みようというアクティヴな(?)企画であります。
初取材のお相手は、『響き交わす鬼』の装画を御担当いただいた、妖怪造形家の天野行雄さん@日本物怪観光。三鷹駅前でカモ鬼と待ち合わせて、クルマで御自宅の近くへ。閑静な住宅街の一隅、隣地に謎の雑木林が繁茂する(笑)マンションの一室で、お話をうかがいました。
いろいろと興味深い話題が出たのですが、最も感銘を受けたのは、「響鬼」前半に特徴的な、登場人物が善人ばかりという穏やかで和やかな世界観について、「現実はそんな甘いもんじゃない」という批判があるようだけれど、そうした和やかな人間関係を維持していくことのほうが現実には難しいし、日々のたゆまぬ相互努力(=鍛えてます!)が必要なのだと思う……という主旨の御指摘でした。
アーティストとしての造形活動の一方で、ハンディキャップをもつ子供たちの施設で教育活動にも携わっていらっしゃる天野さんの言葉だけに、重みがあります。
↑物怪観光仕様のDAおよび音撃鼓&音撃棒収納ケース。
DA本体以外は総て手作りというこだわりの逸品だ。
後半は、お仕事場に入れていただき、こだわりの品々をじっくりと拝見。
造形大の先輩にあたるカモ鬼、大興奮の巻となりました(笑)。
投稿者 東 雅夫 : 2006年09月06日 10:02 | コメント (0) | トラックバック (0)
2006年09月05日
ビーケーワン怪談大賞/入選者インタビュー2おふたりめは、「ムグッチョ、ムグッチョ お前の頭に火がついた むぐれ〜ば 直る」で優秀賞を受賞された、よっちゃん氏です。氏はビーケーワンのレビュアーとしても活躍されています。
【入選者インタビュー/よっちゃんさんの巻】
【Q1】いつ、どこで、お生まれですか? 性別は? 現在お住まいの都道府県は?
昭和19年、茨城県生まれ。現在、埼玉県に在住。
【Q2】現在、どのようなお仕事(学生の場合は専攻等)をなさっていますか。
年金生活者。
【Q3】ハンドル(筆名)の由来は? 単行本化の際には別の筆名を予定されていますか?
子供の頃からの愛称。単行本化など考えたことはないが、その場合は別のペンネームを用意するでしょう。
【Q4】怪談大賞公募のことは、何で知りましたか?
ビーケーワンのホームページ。
【Q5】御応募の動機は?
第1回から応募している。単なる好奇心から。
【Q6】創作を始められて何年ほどになりますか?
創作活動はしたことがない。
【Q7】過去に受賞、入選、活字化された作品などはありますか?
子供の頃の作文では東京都のそういうイベントなどいくつかあったような気がする。なお、この賞の第1回では優秀賞をいただいている。
ビーケーワンの『熱い書評から親しむ感動の名著』に書評が掲載されている。
【Q8】どういうジャンルや傾向の作品を書いていきたいと思いますか?
あまり考えたことはない。
【Q9】プロ作家志向ですか?
考えていない。
【Q10】怪談大賞は上限800字の掌篇賞ですが、御自身では長篇・短篇・掌篇どの分野が向いていると思われますか?
短編かもしれない。
【Q11】御趣味は?
読書が一番。
【Q12】愛読書や好みの作家・作品は?
特にない。ただノンフィクション、評論、随筆などは読まないでもっぱらフィクション。
投稿者 東 雅夫 : 2006年09月05日 22:48
ビーケーワン怪談大賞/入選者インタビュー1 単行本化へ向けての準備作業の一環として、第4回に入選された方へのメール・インタビューを実施しました。あくまでも御本人の裁量で、回答可能な範囲で答えていただいております。
早くも回答が到着し始めておりますので、順次、掲載していきたいと思います。第1弾は「祖父のカセットテープ」で「愉しませてもらいました賞(福澤徹三選)」を受賞された黒史郎さんからの回答です。
【入選者インタビュー/黒史郎さんの巻】
【Q1】いつ、どこで、お生まれですか? 性別は? 現在お住まいの都道府県は?
●1974年、神奈川県の横浜で生まれました。現在も横浜市に住んでいる横浜好きな男です。
【Q2】現在、どのようなお仕事(学生の場合は専攻等)をなさっていますか。
●漫画の企画設定、原案をこそこそ書いています。
【Q3】ハンドル(筆名)の由来は? 単行本化の際には別の筆名を予定されていますか?
●以前書いていた『黒語事典』という作品のタイトルの一部から取りました。あとは黒猫が大好きだからです。大好きです。名前はこのままでいきたいと思います。
【Q4】怪談大賞公募のことは、何で知りましたか?
●いつの間にか知っていました。きっと知人から聞いたのだと思います。
【Q5】御応募の動機は?
●急に変な話を考えたので、急に書きたくなりました。
【Q6】創作を始められて何年ほどになりますか?
●小さい頃から気持ち悪い絵ばかり描いていましたが、五年程前から気持ち悪い話を書き始めました。
【Q7】過去に受賞、入選、活字化された作品などはありますか?
●小説ではありませんが、某誌のK大賞で努力賞をいただきました。活字化なら、漫画の設定が少しだけです。
【Q8】どういうジャンルや傾向の作品を書いていきたいと思いますか?
●ホラーです。
【Q9】プロ作家志向ですか?
●目指しています。
【Q10】怪談大賞は上限800字の掌篇賞ですが、御自身では長篇・短篇・掌篇どの分野が向いていると思われますか?
●ジャンルによってだと思いますが、短編は書いていて楽しいので自分に向いているのではないかと思います。
【Q11】御趣味は?
●三つあります。妖怪や怪談や神話や民話の本を古本屋で探すことです。それから小説を書くことです。最後の一つはデータベースに色々と入力していく事です。
【Q12】愛読書や好みの作家・作品は?
●愛読書は柳田国男『総合日本民俗語彙』全五巻です。話のネタになりそうな民俗用語の宝庫だと思います。好みの作家はラヴクラフトさん。作品は「エーリッヒ・ツァンの音楽」です。
【Q13】怪談専門誌『幽』を御存知ですか? 購読されたことは?
●はい、知っています。とても豪華な内容だと思います。イベントで販売されているのを購入させていただいています。
東京創元社 (1984)
通常2-3日以内に発送します。
↑「エーリッヒ・ツァンの音楽」を収録。
投稿者 東 雅夫 : 2006年09月05日 14:37
2006年09月03日
澁澤龍彦/書物の宇宙誌 ひさびさに、板橋の国書刊行会へ。もちろん「ヒビたん」の打ち合わせ……ではなく、礒崎純一編集長との対談収録のためである。
テーマは、ズバリ「澁澤さんちの書棚」。そう、ほぼ毎週末、雨の日も風の日も北鎌倉の澁澤邸に通い続けて遂に成った、礒崎編集長入魂の編集による蔵書目録『書物の宇宙誌――そ』が、いよいよ10月に発売されるのを受けて、その「解説」部分にあたるパートを、どういうわけか小生との対談によってまとめようという不可解な(笑)オファーをいただいたのだった。
生前のみならず没後にいたるまで、多大な御高配を賜っている澁澤さんの本とあらば、いかなる仕事でも歓んでお引き受けするのはやぶさかではないのだが、いったい何を話せばよいのか……首をひねりながら応接室らしき部屋(実は荷物置き場だったとか)に通され、爽健美茶とサラダせんぺいで2時間ほど、蔵書目録編纂の裏話、苦労話を拝聴し、ささやかな感想を遠慮がちに申しあげてきた次第である。
↑鈴木秀ヲ氏撮影による書架写真より、函の背に主な収録作品名が記された鴎外全集。
「鼠坂」「正体」(!)「百物語」など、どこかで見た名前が並ぶ。
それでは同書の概要を下記に記しておこう。ビーケーワンでは、オリジナル特典付き予約を計画しているので、乞う御期待!
『書物の宇宙誌――澁澤龍彦蔵書目録』
没後20年、不世出の文学者澁澤龍彦がミクロコスモスとして遺した蔵書一万五千冊の全データと、多数の所載写真が織りなす驚異の蔵書目録。ドラコニア創造の秘密が、すべてここにある!
*巻頭カラー口絵
*蔵書目録
*創作ノート影印
*特別対談 松山俊太郎+巖谷國士「澁澤龍彦と書物」
*特別インタビュー 澁澤龍子「澁澤龍彦の本」
*著者別索引
*解説対談 東雅夫+礒崎純一
*装幀 柳川貴代/写真 鈴木秀ヲ
*B5判/上製函入/約500頁/予価9500円
投稿者 東 雅夫 : 2006年09月03日 14:24 | コメント (0) | トラックバック (0)
2006年09月02日
佐野史郎+植田正治による幻影の小宇宙 巨石に魅せられたデザイナーや心霊スポットに憑かれた写真家もいれば、幻影めく写真世界を彷徨する俳優もいる……。
写真がらみの話題をもうひとつ。こちらは本ではなくてDVD――東映と幻冬舎が手を組んでスタートした新たな映像コンテンツ「画ニメ」(目下ビーケーワンでも特集中。上段のリンクからゴーだ! 他にも金井田さん+町田康の『猫町』や、『リング』のビデオ映像クリエイターによる『現代畸聞録 怪異物語』など、要チェック作品多数)の一巻である。
怪談から怪獣まで往くところ可ならざるはない怪優・佐野史郎が、鳥取出身の写真家・植田正治の世界を、「静止画を使った映像作品」として再構成した『つゆのひとしずく――植田正治の写真世界を彷徨う』は、晩夏の黄昏時、ふと思い立って、ふだんは足を向けたことのない路地裏をそぞろ歩くときに感ずるような秘密めくときめきを、観るものの胸奥に喚起せしめる、味わい深い小傑作となった。
有名な〈砂丘〉シリーズをはじめとする植田の写真世界と、佐野みずから山高帽に黒スーツ姿で出演した実写部分が巧妙に綯い交ぜられ、そこに小泉八雲作品からの朗読と、加藤和彦作曲によるノスタルジックな音楽が、ひそやかに重ね合わされてゆく。
↑下のテーマと微妙に絡む、こんな植田本も出ています。
(ビーケーワンでは扱いなしでスイマセン)
添付のブックレットに掲げられた佐野史郎「時空を超えた物語世界(サーガ)」から、たいそう印象的な一節を引用しておこう。
今回のテーマのひとつに“ありもしない街”があります。スタニスワフ・レムに『完全な真空』というありもしない本の架空の書評集がありますが、私は幻獣とか妖怪とか目に見えないありもしないものが“ある”というのが大好きです。妖怪といえば水木しげるさんも植田正治さんと同じ境港出身という偶然もあります。これも土地の磁場のなせる必然なのかもしれませんが……。
現在の境港といえば北朝鮮からの覚醒剤密輸の拠点だとか、拉致問題などで話題にのぼることが多いですが、実際、植田正治の砂丘の写真の多くは、鳥取砂丘ではなく境港の弓ヶ浜で撮られており、ここは地元の人の間では昔から「ひとりで遊びに行ってはいけない」と言われている「神隠し」の場所なのです。
どうです、気になるでしょ?
気になって堪らない方は、ともかくも『つゆのひとしずく』を御一見あれ!
求竜堂 (2006.1)
通常2-3日以内に発送します。
岩波書店 (2004.12)
通常2-3日以内に発送します。
投稿者 東 雅夫 : 2006年09月02日 08:59 | コメント (0) | トラックバック (0)
幽霊写真家マースデン復刊 巨石に魅せられたデザイナーもいれば、心霊スポットに憑かれた写真家もいる。
もっとも、心霊スポットといっても、英国の写真家サイモン・マースデンが追い続けているのは、そんじょそこらの倒産したホテルや廃病院などといったチープな物件ではない。過去何世紀にもわたり、さまざまな歴史的事件の舞台となり、名うてのゴースト・ハンターたちの活躍の場ともなってきた、ヨーロッパ各地の古城や貴顕の邸宅、僧院なのである。
独特の膚触りを感じさせるモノクロームの画面と探訪記の数々は、読者を居ながらにして、『オトラント城綺譚』や『ドラキュラ』や『フランケンシュタイン』の世界へと拉し去ることだろう。
↑『悪霊館』より米国ならぬ英国のダンウィッチ。
「死者と生者とが公然と共存するユニークな町」だそうな。
小生にマースデンのことを御教示くださったのは、ラヴクラフトやクトゥルー神話作品の翻訳でおなじみの大瀧啓裕さんであったが、その後も、特に名を秘す某女性作家が「窓の中にヘンなものがチラチラ見える写真があんのよね……」と云いながらプレゼント(?)してくれたカレンダーの写真も、マースデンの作品だったりした。
彼の写真集は日本でも、『幽霊城』『悪霊館』の2冊が、90年代なかばにトレヴィルから出版されたが、同社の倒産によって長らく入手困難となっていた。
このほど新生エディシオン・トレヴィルから、右の2冊が相次ぎ復刊されたのは欣快に堪えない。心ある怪談ファンは、是が非でも両書を机辺にそなえ、怪異とともに人生を過ごすことに静かな歓びを見いだしていたとおぼしい、彼の国の世態風俗に思いをいたすべし。
うーん、しかしこうした素晴らしい写真集を立て続けに眺めていると、怪談の本場・大英帝国への憧れが募りますなあ。「南○竹則先生&『幽』編集長と行く英国怪談の旅八日間」でも企画してくれる酔狂な旅行社はないものか(笑)。
エディシオン・トレヴィル (2006.8)
通常24時間以内に発送します。
エディシオン・トレヴィル (2005.12)
通常2-3日以内に発送します。
投稿者 東 雅夫 : 2006年09月02日 07:37 | コメント (0) | トラックバック (0)
元ネタ 〈文豪怪談傑作選〉の装幀面の話題が続いたドサクサまぎれに告白しておきますが、今回のサブタイトルは「片腕」「鼠坂」「生霊」「黒壁」と、二文字タイトルの収録作で統一しております。まあ、たんなる編者のこだわりといえばそれまでなのですが、実はこれにはインスパイアされた元ネタがございます。
コレです。↓
御存知の方はよーく御存知なバンダイさんちのガシャポンに付いてるブックレットですが、アマゾンなら「野生」、カミキリキッドなら「天牛」といった具合に墨書される漢字バックが前々から気に入っていたもので、鴎外なら「鼠坂」、鏡花なら「黒壁」てな感じで、この機会に応用してみた次第です。それだけですハイ。
投稿者 東 雅夫 : 2006年09月02日 05:41 | コメント (0) | トラックバック (0)
石に魅せられて幸いにも予想を上まわる反響をいただき、セールス面も好調の〈文豪怪談傑作選〉ですが、直接間接に耳に入る感想として、パッケージングの秀逸さを指摘される声が多いのは嬉しいことです。毎回、達意の装画を描き下ろしてくださる金井田英津子さんの貢献多大なことは申すまでもありませんが、もうお一方、ブックデザイナー・山田英春さんによる洗煉された配色と文字遣いのカバーデザインが、金井田さんの装画を一段と引き立たせていることも見のがすわけにはまいりません。特に明朝体フリークである小生なんぞ、ツボを突つかれまくりであります(笑)。英津子&英春コンビ(?)による装幀を提案された担当編集者の喜入冬子さんに感謝感謝。
さて先日、その山田英春さんから、今年6月に上梓されたばかりの御著書『巨石 イギリス・アイルランドの古代を歩く』を頂戴しました。大判で288ページ、全頁フルカラー写真入りの迫力は大変なもので、著者みずから英国とアイルランド各地を巡り歩いて撮影したという巨石写真のクオリティにも陶然とさせられました。撮影者の石に対する愛着と思い入れが、どの画面からもひしひしと伝わってくるのですな。
しかしながら、この本の魅力は、そうしたヴィジュアル面だけにとどまりません。それぞれの石にまつわる伝承や考古学的な解説、さらには探訪の際の印象的なエピソードなどが、これまた著者自身の筆で活きいきと綴られており、まこと興趣尽きないものがあります。
たとえば「月の降りる台座」――南方定位置に上部の平たい横石を置く特徴的なストーンサークルが、古代人の月信仰の遺跡であることを解説するくだりなど、さまざまな妖しく美しい夢想へと読む者を駆り立てずにはおきません。
↑「台座」に降りる満月の想像図。サークル内で火を焚き、石を暖めることで、
岩の上にさしかかった月がかげろうのように揺れ動く=踊るように作られたもの
だと考える人もいる。(『巨石』P154より引用)
これは一気読みしてしまうのはもったいないと、就寝前に一項目ずつ味読している次第。今でこそ、ホラー・ジャパネスクとか怪談文芸とか響鬼の人と思われているようですが(笑)、小生の怪奇幻想文学原体験には、英国ゴシック系文学およびアイルランド、スコットランドを中心とするいわゆるケルト系幻想文学との出逢いが大きな比重を占めていました。そんな初心を思い起こさせ、彼の地への憧憬を再燃させてくれる一巻。同好の皆さまにはぜひ、入手をお勧めしたいと思います。
投稿者 東 雅夫 : 2006年09月02日 05:24 | コメント (0) | トラックバック (0)
2006年09月01日
鏡花もいいけど信子もね! 鏡花集の装画に見入っていたら、ピンポーンとドアベルの音が。タイムリーにも『吉屋信子集 生霊』の見本が到着したのでありました。
なんだかここのところ慌ただしくて、すっかり意識の外だったのですが、考えてみれば、まだ発売前だったのよね、吉屋信子集……(笑)。
なんとも涼しげな装いで、これから深まりゆく秋の読書に最適な一巻といえるのではないでしょうか。通勤や行楽のお伴に、ぜひ!
ちなみに、本書に収めた作品の多くには、作者自身が身を以て体験した戦時中から敗戦直後の記憶が、なまなましく反映されています。東京大空襲の恐怖、疎開先での窮乏生活、買い出しの苦労、焼け出されの悲哀、異国に散った英霊への鎮魂の思い……本書は、稀有なる怪談小説集であると同時に、卓越した「銃後の文学」でもあるのです。
終戦後60年目の今年、本書所収の作品群が久しき閑却期間を経て、ふたたび陽の目を見たというのも、何かの巡り合わせ、因縁かも知れません。
もしも身近に、当時を知る世代の方がいらしたら、ぜひ本書を勧めてみてください。小生もうちの両親に、読ませてみたいと思っています。9月10日頃発売予定。
投稿者 東 雅夫 : 2006年09月01日 17:54 | コメント (0) | トラックバック (0)
『泉鏡花集 黒壁』は、こんな顔!昨日ようやく解説を書きあげた『文豪怪談傑作選 泉鏡花集 黒壁』のカバー装画が送られてきましたので、お目にかけます。
金井田英津子/装画
山田英春/デザイン
いかがです? なんとも鮮やかに、鏡花の怪異世界が視覚化されているではありませんか!
よく見ると、角燈の模様が、巣を張った蜘蛛と、そこに誘い寄せられる火蛾なのですよね。表題作「黒壁」のみならず、本巻収録作の多くに共通した鏡花特有の「女怪幻想」を暗示させる、卓れた意匠であると、ほとほと感じ入った次第です。
例によって、カバー裏の紹介文を以下に掲げておきます。
明治大正昭和の三代にわたり妖艶怪美の世界をひたむきに追求した泉鏡花は、文芸としての怪談を極めた巨匠と呼ぶにふさわしかろう。三百篇を超える作品群には、いまだ知られざる逸品も少なくない。それら文庫未収録小説の中から、とりわけ恐怖と戦慄と憧憬に満ちた怪異譚を選りすぐって成ったのが本書である。闇に明滅する螢火を思わせる「女怪幻想」の数々は、読者を妖しき異界へと誘うであろう。
投稿者 東 雅夫 : 2006年09月01日 14:29 | コメント (1) | トラックバック (0)
ヒビたん日記〜変わる夢 このところイベントやら怪談関連賞やら鏡花の本文校訂やらで、ちょっとだけ御無沙汰していた「ヒビたん」ですが、実はその間にも着々と進展していたのでした。
まずは、依頼原稿の第1弾が、早くも到着。いやあ〜まだ全部の寄稿依頼も完了していないというのに(汗)。本当にありがたいことです。
御寄稿を賜ったのは、翻訳家、仏文学者で明治大学教授の高遠弘美さんです。
ロミ『突飛なるものの歴史』やカリエール『珍説愚説辞典』をはじめとする難物を、正確かつ流麗で奥行きのある日本語に翻訳される一方、ボルヘスから京極夏彦まで幅広い文芸作品を独自の視点から論じられるなど、その博識と炯眼には定評があります。『幻想文学』でも、いろいろとお世話になりました。
小津映画の大ファンで、古典芸能にも造詣が深いというあたりを糸口に、なかばダメモトで『響鬼』DVDの第一巻をお送りして、「もしも何かしらお心に響くものがありましたら、御寄稿を勘案いただけないでしょうか」と打診したところ……こちらが呆然とするほど、ものの見事に『響鬼』にハマってくださいまして(笑)、DVD8巻までを一気火勢にご覧になったうえで、寄稿を御快諾いただきました。
そして、このほど頂戴しました御論考「変はる夢」も、『響鬼』への愛にあふれると同時に、練達の「見巧者」ぶりが随処に光る素晴らしいものでした。
まだ半年近くも公開できないのがもどかしい限りゆえ、その一節を、ほんのちょっとだけですが、お目にかけましょう。
ここでいささか長い註をはさむ。仮面ライダーが「手」の物語でもあることは、じつは明日夢を通じて最初から巧妙に伏線が張られている。一つは「一の巻」冒頭。目覚しを止める明日夢の手と、自転車を漕ぎ出す前に、一瞬ベルを鳴らす手。二つ目は「二の巻」で、斜面を転がり落ちる響鬼と明日夢が崖から落ちさうになつたときで、カメラは何度も二人の手を画面の中心に据ゑて映し出す。先にあがつた明日夢が響鬼の手を握つて助けようといふこのショットは感動的だ。それはこの先、何度も示されるやうな、明日夢と響鬼のさまざまな「行動」の一致がここで予告されてゐるからである。屋久島に向かふ船の中で、響鬼は小さな男の子を救ふ。その助け方が、このときの明日夢の手の動きとみごとに重ねられてゐることを見逃してはならないだらう。唐突な譬喩かもしれないが、それはプルースト『失われた時を求めて』第一巻第二部「スワンの恋」で、スワンと話者がたくみに重ねられているのと似ている。炯眼な批評家クロード・エドモンド・マニーのプルースト論中の言葉を借りれば、明日夢は響鬼の「転写刷り《コントレプルーヴ》」として、副主人公の役割を担つてゆくのだ。
かうして「足」と「手」の物語でもあることを最初に示されたこのシリーズの「四の巻」で、彼らのリーダー、勢知郎が手足を動かして「駆ける」のは、物語としてはごく自然のなりゆきだつたと云つていい。仮面ライダーの物語はなにより走ること、駆けることで成り立つてゐるのだから(再び註として云へば、駄洒落好きな身としてはさういふとき、思はず内心で叫んでしまふ。Come on! Rider!と)。
なんだか凄いことになってまいりました(わくわく)。
国書刊行会 (2003.9)
通常2-3日以内に発送します。
白水社 (2006.2)
通常24時間以内に発送します。
投稿者 東 雅夫 : 2006年09月01日 14:06 | コメント (1) | トラックバック (0)









































