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2007年02月28日
【またまた速報】日経夕刊に紹介記事本日(2月28日)付『日本経済新聞』夕刊の読書面掲載「目利きが選ぶ今週の3冊」で、ファンタジー評論家の小谷真理さんが、『てのひら怪談』をチョイスしてくださいました(深謝)。
「現実にはさみこまれたちょっとした小咄が、いかに人生に潤いを与えているかが、よくわかる」とのこと。至言ですなあ。
投稿者 東 雅夫 : 2007年02月28日 17:51 | コメント (0) | トラックバック (0)
てのひら通信(02/27) 『幽』第7号の編集会議やら、いよいよ明日に迫ったホラー大賞予備選考会の用意やら、夕刻いきなり飛びこんできた『スパ』の朗報やらに取り紛れて遅くなってしまいましたが、ポプラビーチの「週刊てのひら怪談」が更新されております。
今回は、酒月茗さんの「ボトボト」と樋口摩琴さんの「生兵法」です。
両篇の連携は……ウルトラQ風に呼ぶならば「あけてくれ!」つながりとでも申しましょうか(笑)。どちらも抑制の利いた筆致で、ナマの怪異の手触りを惻々と体感せしめる秀作であると思います。
ちなみにプロフィールにも記されておりますが、酒月さんが御自分のブログ「へもへも日記」で一ヶ月間にわたり連日(!)更新してこられた「てのひら祭」〜『てのひら怪談』全作品レビューが、このほど完遂されました。 http://d.hatena.ne.jp/mayflw/
特に全作品レビューは、同書のサブテキストとしても面白く読めることでしょう。心から「お疲れさん!」の賞辞を贈りたいと思います。
次回は、不狼児さんの「うぐいす餡パン」と、神森繁さんの「鬼の捨て子」をおおくりする予定です。キキョ キキョ チチィ チチィ。
投稿者 東 雅夫 : 2007年02月28日 00:42 | コメント (0) | トラックバック (0)
2007年02月27日
【速報】スパにてのひら!ただいま発売中の『週刊スパ』3月6日号の書評ページ(112P)で、『てのひら怪談』が大きく採りあげられています(評者は卯月鮎さん)。
↑見出しは「『四谷怪談』とも『リング』とも違う、
“あたらしい怪談”の傑作選」だ!
本当に至れり尽くせりというか、痒いところに手がとどく(笑)、お見事なレビューで感激しました。
まずは速報まで!
投稿者 東 雅夫 : 2007年02月27日 19:43 | コメント (0) | トラックバック (0)
てのひら栞西荻ブックマークの打ち合わせの際に、斉藤さんから思いがけないものを手渡されました。
てのひら作家の岩里藁人さんお手製の「てのひら怪談」栞です。
わざわざ制作して、ポプラ社宛てにお送りくださったとのこと。小生の分まで同封してくださり、恐縮です。
よく見ると分かるのですが、彩色のみならず、掌上に描かれているイラストも、それぞれ工夫が凝らされているのですね。
御自身のほかに新熊昇さんと池田和尋さんの栞があるのは、もともと知人同士で、誘い合わせて応募されたからだそうな(!)。それぞれの収録作にちなんだイラストになっていますな。
岩里さん、どうもありがとうございました。
投稿者 東 雅夫 : 2007年02月27日 11:42 | コメント (0) | トラックバック (0)
2007年02月26日
新帯です。先週、先触れしました、ちょいと嬉しいモノが届きました。
『てのひら怪談』重版記念(!?)の新しい帯です。
帯への転載使用を御快諾いただいた京極夏彦さんと大沢オフィスさんに御礼申しあげます。
そして超多忙にもかかわらず、ちょちょいのちょいと素敵なデザインに仕上げてくださった大久保伸子さんにも感謝であります。
この帯は重版分はもちろん、再出荷される初版本にも掛け替えて使用されるとのこと。書店で見かけたら記念に一冊ゲットだな(笑)。
ポプラ社 (2007.2)
通常24時間以内に発送します。
投稿者 東 雅夫 : 2007年02月26日 15:48 | コメント (1) | トラックバック (0)
てのひら通信(02/25) 斉藤さん@ポプラ社と西荻窪のブックカフェ「ハートランド」に伺い、店主の斉木さん、小野塚力さん@「某」と、西荻ブックマークで開催を企画している「てのひら怪談」関連イベントの初打ち合わせ。
後から北尾トロさんも、お忙しいなか駆けつけてくださった。トロさん、斉木さん、力さんは西荻ブックマークのスタッフである(西荻ブックマークについての詳細は、http://neko2.net/nbm を参照)。
ちょっとした連絡の行き違いで、すでに企画が進行中であるかのようなプレスリリースが流れてしまったのだが(汗)、実際には今日から正式に企画始動となった(関係者への連絡等、総てはこれからなのだ)。開催時期、会場の規模、企画内容などが追って確定したら、詳しい告知をおこないたいと思っているので、今しばらくお待ちください。
「街角に怪談を!」を合言葉に、西荻のスタッフの皆さんと協力して、ワキワキ〜なイベントにしたいと思っているので、乞う御期待。
投稿者 東 雅夫 : 2007年02月26日 01:46 | コメント (0) | トラックバック (0)
2007年02月25日
コスプレとかミスチャンとか黒本始動とか 午前中から夜まで、断続的に打ち合わせ三連チャンでやや疲弊気味……。
まずはビーケーワンの定例会議におもむいたところ、なんだか見覚えのある方が、鬼太郎のコスプレ姿で会議室に座っていらしたので呆然とする(笑)。
↑鬼太郎のコスプレをして質問に答える田辺青蛙さん。
手前は大人気やのまん製の目玉親父立体パズルだ。
まもなく発行される『ようかいどうかわらばん』の連載「青蛙の妖怪談話」に小生のインタビュー記事が掲載されるのに合わせて、インタビュアーを務めた田辺青蛙さんをお招きして創作や妖怪方面のお話をうかがい、現在展開中のやのまん妖怪本先行予約(イチオシ棚を参照)&てのひら販促に弾みをつけようという、辻さん@ビーケーワンの電撃作戦であった。追って紹介記事がアップされると思うので、お愉しみに。
辻さんによると、今後も機会があれば、『てのひら怪談』作家の皆さんに御登場いただき、本の販促にひと役かってもらいたいそうな。これはナイス・アイディアではないか!
続いては、ミステリチャンネルのHさんと、いよいよ来月上旬に迫った「ムー不思議リポート/東雅夫の妖怪探訪記」取材の打ち合わせをおこなう。
第一弾は「件(クダン)」、第二弾は「鬼の骨」に決まり、東京、岡山、徳島を股にかけた列島縦断テレビ取材が敢行される予定である。
どちらも、すでに「日本伝説紀行」で訪ねたことのある場所だが、可能ならそのときに果たせなかった追加取材も盛り込みたいと思っているので、こちらもお愉しみに!
最後は暮れなずむお屋敷街を地図片手の編集Rとともに彷徨うことしばし、〈幽ブックス〉第一弾『夜は一緒に散歩しよ』の装幀をお願いすることになった大物デザイナー氏の事務所を無事探し当て、初回打ち合わせをおこなう。こちらの詳細は、追ってまた。
投稿者 東 雅夫 : 2007年02月25日 03:16 | コメント (0) | トラックバック (0)
2007年02月23日
『幻想と怪奇の時代』予約開始 来月、京都の松籟社から上梓される、紀田順一郎先生の回想記+評論集『幻想と怪奇の時代』の先行予約が、ビーケーワンで始まっております。
まことに畏れ多きことながら、小生、同書に推薦文を寄稿するという大役を仰せつかり、ひと足はやくゲラ刷りを拝読させていただきました。
内容は二部構成で、怪奇の師・平井呈一翁との交流をはじめ、夭逝した盟友・大伴昌司、後継者たる荒俣宏ら、戦後日本の幻想文学シーン草創期を彩る人々が織りなす伝説の日々の回想を、「亡き友が背中を押してくれたのだろう」(あとがき)というほど一瀉千里に書き下ろした第一部「幻想書林に分け入って」、雑誌『宝石』に掲載された最初期の「恐怖小説講義」(「世界怪奇文学年表」を併録)に始まり、ゴシック・ロマンスや英国怪奇小説、さらには「日本怪奇小説の流れ」まで、この分野に関する主要な論考を集成した第二部「幻想と怪奇の時代」より成っています。
とりわけ第一部の回想記は、随処に上品なユーモアを交えて鋭い人間観察眼がうかがわれる精彩に富んだ内容であり、この分野に関心を抱く者ならば必読といってよい、貴重な証言にあふれていると申せましょう。
怪奇幻想文学出版の困難さを日々実感している小生など、涙なくしては読めない箇所も多々あったのですが、最後の最後に来て、下記の一節に出会して茫然自失しました。
「九〇年代以降の幻想怪奇小説の活性化に、大きな役割を果たしているのが東雅夫(一九五八〜)である。七歳のころ大伴昌司監修『世界怪物怪獣大全集』をボロボロになるまで愛読し、十歳のころ一人で書店に行って岩波文庫版のカフカ『変身』を購入し、店員から変な顔をされたといったエピソードは、栴檀は双葉よりも芳しのたとえ通り、この分野の研究紹介者としての類縁性を感じさせる」云々――。
光栄至極というべきか以て瞑すべしというべきか……なにぶんにも校正ゲラであり、責了時には割愛される可能性も少なくなかろうと(笑)、ここにこっそり引用させていただく次第。紀田先生には及びもつかない年月とはいえ、長らくこの分野に関わってきて、こんなに感激したことはありません。
それはさておき、「なべて物事のエートスは、創成期にこそ宿る」という文中の至言のとおり、怪奇幻想文学に夢を託した人々の「火の玉のようになっていた青春」時代の熱気がページを繰るごとに甦るこの回想記が、ひとりでも多くの若い読者によって精読され、幻想文学の明日を培う糧となってゆくことを願ってやみません。
投稿者 東 雅夫 : 2007年02月23日 07:01 | コメント (1) | トラックバック (0)
2007年02月22日
続報 前の記事をアップ後、外出から帰って郵便受けを覗いたら、奥歯さんの親御さんから『河北新報』の現物が、小生のもとにも届いておりました! 重ねがさね、ありがとうございます。
というわけで、皆さまにもお裾分けをば。
そして斉藤さんからは、さらにちょいと嬉しいお知らせが届いたのですが、こちらは週明けにならないと最終確定ができないようなので、今しばらくお待ちあれ。
投稿者 東 雅夫 : 2007年02月22日 16:59 | コメント (1) | トラックバック (0)
【またも速報】共同通信の記事、配信始まる。 今日もまた斉藤さんから興奮した様子の電話が。
先日、取材していただいた共同通信の記事の配信が始まっているようです。
御存知の向きもあるかも知れませんが、通信社の記事というのは、主に地方の新聞社、マスコミ向けに配信されています。このため掲載紙によって、記事が載る時期がまちまちなのですね(担当記者の方から後日まとめて掲載紙が送られてきたりします)。
今回、いち早く掲載が判明した(笑)のは2月20日付の「河北新報」文化面です。
見出しに大きく「てのひら怪談 人気」とあってビックリ。右横の「幻想文学評論家・東さん創設の新文芸」というのは、小生が一人で始めたムーヴメントではないので恐縮の極みでありますが、左横の「一話800字 ネット投稿型に手応え」は、なるほど要点を突いているなと思いました。本文記事も非常に適確に本書の特色をまとめていただいておりまして、さらなる読者拡大に向けて弾みがつくのではないかと期待が膨らみます。
これから全国の色々な地方紙に掲載されるかと思いますので、もしもお目にとまったら報告よろしく(笑)。
ちなみに、今回の記事を目にとめて斉藤さんに通報してくださったのは、『八本脚の蝶』の著者・二階堂奥歯さんのお母さまだったそうです(深謝)。
思いがけない御縁の連なりを、とても嬉しく、ありがたく思いました。
投稿者 東 雅夫 : 2007年02月22日 14:19 | コメント (0) | トラックバック (0)
2007年02月21日
【速報】てのひら重版決定!たった今、ポプラ社の斉藤さんから連絡をいただきました。
『てのひら怪談』の重版が決定しました。
本書の関係者ならびに、お力添えを賜った総ての皆さまと、本書を御購入いただいた読者の皆さまに、衷心より御礼を申しあげます。
まずは、御報告まで。
ポプラ社 (2007.2)
通常24時間以内に発送します。
投稿者 東 雅夫 : 2007年02月21日 15:27 | コメント (0) | トラックバック (0)
2007年02月20日
てのひら通信(02/20) ポプラビーチの「週刊てのひら怪談」が更新されました。
君島慧是さんの「スコープの空」と、勝山海百合さんの「ななかまど」が登場です。
今回の繋がりは――御両人の作風に即してちょっと詩的に表現するならば(笑)――「帰ってきた娘、空と水とのあいだに」とでも申しましょうか。
両作品ともに、800字という小宇宙の中に、悠久の時と空間の拡がりを封じ込めた驚歎すべき作品ですが、同時に「怪談」としての一線をきっちり踏まえている点にも感心させられました。
さりげないディティールのひとつひとつを噛みしめることで滲み出す無気味な味わいをも、ぜひ堪能してください。
ちなみに「封じ込める」といえば、両篇は「封じられた娘」の物語でもありますが、「ななかまど」と関わりの深い「堰」という文字の成り立ちが――「安は、女性を押さえて家の中にとめるさま。晏は、太陽が上から下に落ちて暮れるさま。堰の右側の字は晏の略体に匸印(囲う)を加え、上から押さえ囲む意を示す。堰はそれを音符とし、土を加えた字で、土を押さえ固めてつくり、水流を押さえとめるせき」(学研版『漢字源』より)とされているのもまた、なんとも薄気味の悪い連想を掻きたてるではありませんか!
次回は、酒月茗さん(全作品レビュー、お疲れさまです!)の「ボトボト」と、樋口摩琴さんの「生兵法」をお送りする予定です。
ポプラ社 (2007.2)
通常24時間以内に発送します。
投稿者 東 雅夫 : 2007年02月20日 13:53 | コメント (0) | トラックバック (0)
2007年02月19日
クトゥルーといえば……『ハイパーホビー』3月号を眺めていたら、こんな記事が!
ううむ。これはネクロノミコン関連資料として入手しとかんといかんな(笑)。
ちなみに今月号にはもう一箇所、大爆笑させられたページがあった。
気になる方は同誌の80ページ中段あたりを御参照ください。
学研 (20070220)
近日発売 予約可
↑待望ひさしい『ルルイエ異本』が遂にベールを脱ぐ!
ただいま予約受付中。
特典もつくんじゃないかと思うんだが、
どうなんだろう、エソテリカの中の人?
投稿者 東 雅夫 : 2007年02月19日 16:02 | コメント (0) | トラックバック (0)
2007年02月18日
クトゥルー通信(02/18) すっかり御無沙汰してしまったクトゥルー通信でありますが、応募が少なくて閑古鳥が鳴いていたわけでは……まったくないのです(笑)。
むしろ、こちらの予想を上まわるペースでコンスタントに投稿が寄せられておりまして、前回お伝えして以降、新たに30篇近い応募作が到着。
その中には「てのひら」でおなじみの実力者や、アッと驚くエキスパートのお名前も。なんだか凄いことになってきました。
内容的にも、御近所クトゥルー話から、往年の海外作家が書いた断章を思わせるマニアックなものまで、多彩な拡がりを見せつつあります。
まだ締切まで1ヶ月余ありますので、ふるっての御応募をお待ち申しあげておりまする。
なお、一部の方から「投稿本数に制限はあるのか?」とのお問い合わせをいただきましたが、この募集には制限はありません。お一人さま何本でも御応募ください。
また、字数の上限についてですが、20字×40行のフォーマットにしたとき、文末の句読点は「ぶら下げ」でよいのか? との質問もいただきました。ぶら下げ(「、」や「。」やカギカッコが、文末の21字目にはみだしてしまう組み方)は許容します。
その他の応募規定は下記を御参照ください。
〈史上最小のクトゥルー神話賞〉公募のお知らせ
本年5月に学研から刊行予定の別冊エソテリカ『クトゥルー神話の本(仮)』の一企画として、「800字のクトゥルー神話小説」の一般公募をおこなうことになりました。
募集要項は下記のとおりです。
※広義のクトゥルー神話に属する、オリジナルの掌篇小説を募集します。
※応募資格は不問。
※応募作は商業出版社の本や雑誌で未発表のものに限ります。
※応募原稿の上限は800字(=1行20字×40行)以内。改行などの余白も字数に含まれます。必ず1行20字×40行のフォーマットに合わせて御執筆ください。
※応募原稿は下記のメールアドレス宛てに、DOSテキスト・ファイル形式(拡張子が「.txt」)に変換のうえ添付して、送信してください。また、文字化け対応のため、メールの本文にも必ず原稿を貼り付けてお送りください。
【応募宛先メアド】 gensou@bk1.co.jp
※メールの表題は「クトゥルー応募」としてください。本文の最初に必ず、作品タイトル・筆名と御本名・御住所・メールアドレスを明記してください。
※応募本数に制限はありません。
※応募締切は3月25日(25日の午後11時59分送信まで有効)。
※選考は、東雅夫とブックス・エソテリカ編集部がおこないます。
※優秀作品は、別冊エソテリカ『クトゥルー神話の本(仮)』(学研より本年5月刊行予定)に掲載し、規定の原稿料をお支払いします。
※最優秀賞受賞者には正賞として、記念品(詳細は後日発表します)を贈呈します。
※ふるっての御応募をお待ち申しあげております!
投稿者 東 雅夫 : 2007年02月18日 16:27 | コメント (0) | トラックバック (0)
今月の〈幻想と怪奇〉時評とか あちこちの校正ゲラ戻し等に追われつつ、『ダ・ヴィンチ』来月号の〈怪談之怪〉コーナーに掲載される水沫流人インタビューとか、月例の『小説推理』連載〈幻想と怪奇〉時評とかを執筆。
時評では『てのひら怪談』の話題をさりげな〜くマクラに振って(笑)、梅田正彦編訳『鼻のある男――イギリス女流怪奇小説選』と、岡部道男の幻想小説集『いいとこ床屋の縁の下』を採りあげた。
鳥影社 (2006.12)
通常2-3日以内に発送します。
ローダ・ブロートン、アメリア・B・エドワーズ、イーディス・ネズビットら怪奇小説黄金時代に活躍した女性作家たちの古風にして典雅な怪異譚8篇を収める『鼻のある男』は、前掲『黄昏という名の劇場』と続けて読むとナイスな一巻かも(笑)。日本刀にまつわる怪異を描いたD・K・ブロスター「超能力」なんて異色作も収められている。
なかでも、かつて平井呈一翁が「メイ女史のものはもう一、二編、とくに“The Intercessor”という、少々長いがひじょうに気味の悪い話などはぜひ訳してみたいと思っている」と予告しながら果たせなかったメイ・シンクレアの中篇「仲介者」は、読み応え満点のジェントル・ゴースト・ストーリー。しかも、たんなる泣かせる怪談ではなくて、無垢な少女の霊と対照的に描かれる大人たちのどろどろとした陰惨淫靡な愛憎地獄絵図がなんともおぞましく、沈鬱重厚な物語に、このうえない迫力をもたらしている。英国産怪談文芸の神髄に触れたい向きは、ぜひとも御一読を。
岡部道男氏……といっても、若い衆は御存知ないかも知れないが、1960年代末から70年代にかけて、前衛映画の旗手として注目を集めた存在である。しかも氏は、監督業やシナリオライターの仕事のかたわら、『黒の手帖』をはじめとする当時のアングラ雑誌やミニコミ等に、独特な味わいの怪奇幻想掌篇を寄稿されてもいた。
日本的な土俗世界へのノスタルジーと黒いユーモアにあふれた作品群の中には、かつて小生編のアンソロジー『屍鬼の血族』に採録した吸血鬼譚の佳品「ドラキュラ三話」をはじめとして、一読忘れがたい味わいの作品も少なくない。このほどようやくにして、旧作近作23篇を収録する初の作品集『いいとこ床屋の縁の下』が長崎出版から上梓されたことは、氏のファンのひとりとして、まこと欣快に堪えない。
昔話の残酷さと奇怪さが揺曳する「帰ってきた人」「鬼」「影絵」などを続けざまに読むと、あの三橋一夫の継承者ともいうべきファンタジストとしての一面が浮かびあがってくるような感慨にとらわれた。そっち系がお好きな方は要チェックだ!
投稿者 東 雅夫 : 2007年02月18日 04:03 | コメント (0) | トラックバック (0)
『黄昏という名の劇場』見本到着 巻末解説を寄稿した、太田忠司氏の連作短篇集『黄昏という名の劇場』講談社文庫の見本が、ようやく到着。
先日、担当編集者の方から「見本をお送りしたら転居先不明で返送されてきました」というメールが……(笑)。社内データベースの登録内容が旧住所(なんと5年近く前のもの!)のままになっていたらしいのだが、なぜなんだ講談社!?
太田氏といえば、人気の〈新宿少年探偵団〉シリーズの印象などが強いだろうが、実は筋金入りの怪奇幻想派でもあって、本書のほかにも呪物ホラー連作集『忌品』や、〈異形コレクション〉の先駆となったホラー競作集『悪夢が嗤う瞬間』編纂なども手がけておられる。
とりわけ本書には、怪奇小説の黄金時代であった英国ヴィクトリア朝を彷彿せしめる魅惑的な舞台設定のもと、まさに「黄昏の味」(鏡花の言葉だ)に心地よく浸された夢魔の世界が繰りひろげられてゆく。
フジワラ ヨウコウ画伯描く美麗な挿絵の数々も目を愉しませることだろう。
すでに店頭にも並んでいるので、未読の向きはぜひ!
投稿者 東 雅夫 : 2007年02月18日 03:19 | コメント (0) | トラックバック (0)
てのひら新聞広告第1弾先にお知らせしましたように、本日付『毎日新聞』朝刊に、『てのひら怪談』の広告が掲載されました(明日、日曜日の『産経新聞』朝刊にも同じ広告が掲載されます)。
すでに現物をご覧になった方は、驚かれたのではないでしょうか。
そう、本書の帯にも掲載された穂村弘さんの推薦文(今回はテイク2を使用)と並んで、京極夏彦さんの推薦文が掲げられていたのですから!
以下に御両人の文章を謹んで引用させていただきます。
てごろ。でも、てごわい。
てつかずの、うぶもの怪を
てしおにかけて。
つい手にとっちゃいますね。
――京極夏彦
「最後の一行」で
何度も鳥肌がたちました。
しかも、いろいろな鳥肌。
――穂村弘
ご覧のように京極さんの推薦文は、先日お伝えした大沢オフィス公式サイト「大極宮」の日記に掲載された本書紹介の文章とは、まったくの別物であります。
厨子王日記の紹介文を読んで大感激した斉藤さん@ポプラ社が、大沢オフィスに一部引用掲載のお願いをしたところ、あれはウェブ日記として書いたものですから……とのことで、必要ならば新しく書きましょう、という望外のお返事をいただいたのでした。
関係者一同、欣喜雀躍したことは申すまでもありません。
しかも届けられた推薦文は、なんとも見事な「掌」尽くし。「うぶもの」は「初物」と同義で、これまで誰も手をつけていないもの、といった意味合いでしょう。そう、ここにもしっかり「掌」がひそんでいるわけですね!(笑)
穂村さんのウィットあふれる推薦文ともども、収録作家の皆さんに、なによりの贐(はなむけ)の言葉をいただいたと思っております。
関係者を代表して、京極さん穂村さんに心より御礼を申しあげます。
投稿者 東 雅夫 : 2007年02月18日 00:41 | コメント (1) | トラックバック (0)
2007年02月16日
『てのひら怪談』編集秘話ポプラ社の斉藤尚美さんと小生による対談「『てのひら怪談』ができるまで」が、ビーケーワンの本サイトにアップされております(上のリンクから、どうぞ!)。
斉藤さんと、こういう形で対談させていただくのは、二階堂奥歯『八本脚の蝶』の特集企画以来です。あのときは、小生は同書の一寄稿者だったわけですが、まさかそれからちょうど一年後に、こうして編者と編集者として対談をすることになろうとは、当時は夢にも思っていませんでした(笑)。
その意味で本書は小生にとって、アンソロジー/競作集としては『稲生モノノケ大全』に、ネットに由来する書籍としては『八本脚の蝶』に連なる「縁」から誕生した書物ということにもなります。
あらためて本と人との奇縁を思わざるをえません。
しかも本書には、3人の編者と66人の著者が関わっています。
今後、本書を新たな起点として、縁の糸は一気に拡がってゆくはずです。
さて、来年は、どんな対談をすることになるのやら!?(気が早すぎ……)
ポプラ社 (2007.2)
通常24時間以内に発送します。
↑こうして並べてみると、なんとなく
表紙のテイストが似ているような……。
投稿者 東 雅夫 : 2007年02月16日 21:36 | コメント (0) | トラックバック (0)
2007年02月14日
〈文豪怪談傑作選〉続刊計画スタート! 夕刻より菊川の珈琲館で、筑摩書房のKさんと〈文豪怪談傑作選〉続刊の打ち合わせ。そう、先にもお伝えしたように、ちくま文庫版〈文豪怪談傑作選〉は、良好な販売実績を上げることができたため、晴れて続刊が決定したのであった。
そして気がつけば、そろそろ今年度分の段取りを固めないといけない時期に。一年経つのが異様に早いんですけどー(笑)。
今回は一回目の打ち合わせということで、多様な腹案の中から、これぞというプランをいくつか提示して、検討をおこなった。基本姿勢こそ不変であるものの、巻立て、コンセプトその他、昨年とは大きく様変わりしそうなので、お愉しみに。
しかも、とっておきの隠し球投入も、ほぼ確定となったぞ。ふっふっふ。
↑川端が凝視しているのは
愛蔵するロダン作「女の手」!
……え〜雲をつかむような前フリのみでは申しわけないので、ひとつ耳よりな(!?)情報を。
現在発売中の『芸術新潮』2月号の特集「おそるべし! 川端康成コレクション」掲載のエッセイ「視力の強さと、もうひとつ」の中で、角田光代さんがまたもや〈文豪怪談傑作選〉に言及してくださっている。ありがたいことである。
ちなみに、川端家秘蔵の逸品が贅沢に開陳されたこの特集、いろいろ興味深いトリビア満載で、近代文学好きは必見かと。川端が戦前からコンタックスを愛用し、膨大なスナップを撮りまくっていたという記述など、たいそう面白い。なにしろ――「写真群はまだ整理が始まったばかりで、未公開カットの中には『眠れる美女』の執筆資料用に撮ったモデルのヌード写真も含まれているという」ことだそうな。
投稿者 東 雅夫 : 2007年02月14日 16:05 | コメント (0) | トラックバック (0)
またまた嬉しい速報!! 何度もお騒がせしてスミマセン。
いま凄いモノが斉藤さんのもとに届けられた模様です。
いや、バレンタインのチョコじゃなくて(笑)。
というか、てのひら作家の皆さんに、素晴らしいプレゼントというべきか。
それが何かは……下記の媒体に掲載されるポプラ社の出版広告(なんと全5段! とはいえ「てのひら」オンリーじゃないですがメインの扱いとか)に御注目あれ!
毎日新聞 2月17日(土)付け朝刊(ただし大阪と九州エリアは18日)
産経新聞 2月18日(日)付け朝刊(全国版)
投稿者 東 雅夫 : 2007年02月14日 13:15 | コメント (0) | トラックバック (0)
またもや嬉しい速報! ポプラ社の自社商品週間売上ランキング(2月6日〜12日分)で、『てのひら怪談』が、初登場第5位にランクインしたとのことです。
上位に君臨するのは『かいけつゾロリ』とか『セブンパワーズ』といった大ヒット作ばかり。なんとか肉迫してほしいものですな(笑)。
書店さんからの追加注文も好調らしいので、今後の展開が愉しみであります。
ポプラ社 (2007.2)
通常24時間以内に発送します。
投稿者 東 雅夫 : 2007年02月14日 12:15 | コメント (0) | トラックバック (0)
『國文學』の月光特集 『國文學』3月号が届きました。特集は「月光」――「月」ではなく「月光」としたところに、お堅い学術誌らしからぬセンスとこだわりが感じられるではないですか!
小生は「月に憑かれて」と題して、月と幻想文学をめぐるエッセイを寄稿しております。これは従来のこの種の拙文とはいささか趣を変えまして、いわば作品そのものを収録しないアンソロジーを編む感覚でしたためたものです。御高覧を賜れましたら幸いです。
ほかに、月光写真家として高名な石川賢治氏へのインタビュー、ツベタワ・クリステワ、川名淳子、坪内稔典、加倉井厚夫、林正雄ほかの各氏による論考など。個人的には吉田司雄「満月の夜、男は狼となる――狼男の映画誌のために」や森井マスミ「『月下の一群』について」が、拙文とともにおよそ『國文學』らしからぬたたずまいで、共感を覚えました(笑)。
↑左が最新号。十年前と較べて
ずいぶんとお洒落になったものよ!?
さるにても『國文學』――実は同誌に寄稿するのは、これが初めてではありません。ちょうど十年近く前の1996年8月号の「現代作家のキーワード」特集で、「リング=鈴木光司」と「理科系作家=瀬名秀明」の項を担当させていただいて以来となります。
国文科出身の小生にとって同誌は、学生時代からお世話になってきた思い出多い雑誌であり、また「幻想文学」(84.8)「幻想文学の手帖」(88.3臨増)「幻想文学の劇場」(89.12臨増)「江戸の怪奇・幻想空間」(92.8)「現代幻想小説の読み方101」(96.7臨増)等々の一連の特集が、幻想文学研究の啓発に果たした役割も大きかったと思っています。
国文科の学生時代から四半世紀近くを経て、よもや自分がアンソロジストの肩書きで、この雑誌に書かせていただく巡り合わせになるとは……と、しばし感慨に耽った次第。いやはや。
投稿者 東 雅夫 : 2007年02月14日 03:21 | コメント (0) | トラックバック (0)
2007年02月13日
てのひら通信(02/13) ビーケーワンでのランクインが、とうとう連続一週間となりました。
しかも、一週間目にして第3位に返り咲き! 空前の事態です。
売り上げ累計も、とうの昔に3ケタ台に突入して、依然順調に売れ続けている模様。
お買いあげくださいました皆さまに、あらためて御礼申しあげます。
さて、「週刊てのひら怪談」が更新されました。今週は、白ひびきさんの「星降る夜に」と雨川アメさんの「とり憑かれた」の競演。どちらも「憑依」がらみの物語ですが、何に取り憑かれたかが定かならぬところに、共通した妙味があるように思います。
次回は、君島慧是さんの「スコープの空」と勝山海百合さんの「ななかまど」が登場します。御期待ください。
ちなみに「週刊てのひら怪談」が連載されているポプラ社のウェブマガジン「ポプラビーチ」のトップ画面には、「本のある風景」と題された名物コーナーがあります。一冊の本と、その内容に微妙に関わりのある風景とが組み合わされた写真が週替わり(かな?)で掲載され、毎回、目を愉しませてくれます。
このコーナーに、本日から『てのひら怪談』が登場!
写真家の小林キユウさん撮影による、意表を突いたアイディアと妖艶なライティングが際立つ傑作です。ぜひ、御一見のほどを。
早速、斉藤さんに御礼かたがた問い合わせたところ、キユウさんは本書をいたく気に入っていらした(担当者談)とか。キユウさん、担当のカマダさん、ありがとうございました。
ポプラ社 (2006.6)
通常24時間以内に発送します。
↑キユウさんカマダさんコンビによる好著だ!
投稿者 東 雅夫 : 2007年02月13日 23:01 | コメント (0) | トラックバック (0)
2007年02月12日
てのひらカラーでコーディネイト↑大好評発売中の『てのひら怪談』
↑てのひらペン
↑てのひらマスコット(嘘)
本当は筆記具メーカーBicのマスコット・キャラです。
↑てのひらバッグ
『てのひら怪談』を3、40冊収納可能。
今日も担いで行商に出よう!
投稿者 東 雅夫 : 2007年02月12日 12:24 | コメント (0) | トラックバック (0)
2007年02月11日
海外向けとか幽ブックスとかちょいと日付は前後するが、昼下がりから渋谷のメディアファクトリーに腰を据えて、打ち合わせ2件。
まずは、日本の怪談文化を海外向けに紹介するというかなり壮大なTVプログラムの制作準備を進めている某企画スタッフから取材を受ける。
取材中ずっとカメラを回して、資料として共有するのだとか。なるほど、最近はこういう方法もありなのね(笑)。日本的怪談文化の特質や、現在のJホラーに至る歴史など、問われるままにお答えする。いずれ具体的な形が見えてきたら、また経過報告したいと思う。
ちなみに目下、これとはまったく別口で、日本の怪奇小説を英語圏に翻訳紹介するためのアンソロジー編纂作業にも着手したところである。およそ国際派とは縁遠い小生だというのに(笑)、妙な偶然の一致もあったものだ。こちらももう少し具体化してから、正式に御紹介したいと思う次第。
久しぶりに人前で長時間しゃべりまくって虚脱状態に陥っているところへ容赦なく、吸血キッシー、デスメタル関口、編集Rがどやどやと襲来(笑)。今春、〈怪談双書〉をリニューアルして新創刊される〈幽ブックス〉に関する打ち合わせである。
すでに『ダ・ヴィンチ』3月号誌上でも発表されているとおり、〈幽ブックス〉では、『幽』怪談文学賞の受賞作――黒史郎『夜は一緒に散歩しよ』、水沫流人『七面坂心中』、宇佐美まこと短篇集『るんびにの子供(仮)』を皮切りに、木原浩勝氏と中山市朗氏それぞれの待望ひさしい新作や、『幽』連載作品の単行本化などを精力的に推進していく計画なのだ。
早くも「るんびに」の宇佐美さんからは、短篇集用の書き下ろし作品が相次ぎ到着。小生も早速、目を通したのだが、いずれも期待に違わぬ出来映えであった。
なお以前、ちらりと先触れした春の幽イベントは、会場その他の都合により、一般公開イベントではなく怪談文学賞の受賞セレモニーとして、5月の連休明けにおこなわれることになった。とはいえ、オフシーズンの怪談イベント開催を断念したわけではなく、検討課題として色々な可能性を探っていく所存ゆえ、今後の展開に御注目いただければ幸いである。
メディアファクトリー (200702上旬)
通常24時間以内に発送します。
↑まずは今号掲載の怪談文芸大特集で
受賞作家の意外な素顔を要チェックだ!
投稿者 東 雅夫 : 2007年02月11日 00:11 | コメント (0) | トラックバック (0)
2007年02月10日
さらに嬉しい速報! 昨日言及したビーケーワンのランキング、朝起きてみたらランク入りから4日目にして、5位から2位へとランクアップしておりました。
日替わりで変動の激しいこのランキングでは、異例のことです。
お買いあげくださいました皆さまに、心より御礼申しあげます。
さらに。いつもお世話になっている大沢オフィスさんの公式サイト「大極宮」の「週刊大極宮/厨子王の逆襲」コーナー(下記のurlを参照)にて、京極夏彦さんが『てのひら怪談』を御紹介くださいました。
http://www.osawa-office.co.jp/weekly/weekindex.html
一読、まことに犀利な分析が加えられ、当事者である小生も気づかないでいた(笑)本書の特質に関する洞察に満ちていて、感謝感激いたしました。
とりわけ「いろいろな意味で入り口になる、良い本だなあ」という結句は、編者のひとりとして嬉しいかぎり。京極さん、ありがとうございました。
ポプラ社 (2007.2)
通常24時間以内に発送します。
投稿者 東 雅夫 : 2007年02月10日 11:00 | コメント (0) | トラックバック (0)
へいたろー!……という妖しの掛け声とともに幕が開いた、糸あやつり人形芝居「平太郎化物日記」(ITOプロジェクト企画公演)を、胸はずむ驚きの念とともに、終始食い入るようにして鑑賞した。
場所は下北沢のザ・スズナリ。2月3日と4日のわずか2日間だけの公演だったが、噂のみ聞いていてこれまで実演に接するチャンスがなかったこともあり、イノモケ研究家の端くれとしては今度こそはと(笑)勇んで駆けつけた次第。
ITOプロジェクトとは、それぞれが一国一城(=人形劇団)の主である演じ手の面々によって結成された、特別ユニットとのこと。
そして今回、脚本・演出を担当されたのは、少年王者舘を主宰する天野天街氏。天野氏には以前、『幻想文学』第56号のクダン特集に御寄稿いただいたこともあり、クダン、シブサワ、タルホなど、小生とも何かと接点の多い、ユニークな演劇活動を続けていらっしゃる方である。
さて、舞台へと話を戻すが、物語は『稲生物怪録』というよりは巖谷小波の『平太郎化物日記』を直接の典拠としつつ、随処にアマノテンガイ色を滲ませて構成されている。
中心となるのは原典と同様、平太郎少年を「観客」として繰りひろげられるモノノケたちの奇絶怪絶パフォーマンスなのだが、これが「糸あやつり」という特性をフルに活かしたギミック満載のオリジナルな演出で、おおいに愉しませてくれた。
かつてタルホがイノモケ譚に接して夢想した「天然色映画」とは、あるいはこのような世界ではなかったか……ふと、そんなことを連想したり。
新鮮な驚きを味わいながら、本当に固唾をのんで、山本五郎左衛門が昇天し月球と化す(!?)大団円まで鑑賞したのだけれど、終演後に催されたアフタートークで、さらなる驚きが待っていた。
司会役の演劇評論家ウニタモミイチさんが、やおら取り出された分厚い書物は……おやまあ、『稲生モノノケ大全 陰之巻』ではないかいな(笑)。確かに同書には小波の「平太郎化物日記」が収録されている。なんと御親切なことよ、と客席で感激していたところ、いきなりウニタさんから公演の感想を求められ、驚いたのなんの。まったく突然の御指名だったので、あーびっくりした(笑)。
ちなみにアフタートークの途中では、公演時に糸がからまるなどのトラブルで失敗したシーンに再トライするという嬉しい趣向もあって、糸あやつりの難しさと至芸を、より如実に堪能させていただくことができた。
残念ながら当面、続演の予定はないようだが、今回の公演を撮影した映像が今夏、スカパー!で放映予定とか。出来ればDVD化も実現していただきたいものだ。
実はこのところ、あちこちでイノモケ絡みの話と遭遇する機会があり、小生の中でも次なる企画の萌芽が蠢動を始めていたところへ決定的な一撃を加えられた心境である。天野さん、ウニタさん、ITOの皆さん、ありがとうございました。
投稿者 東 雅夫 : 2007年02月10日 03:37 | コメント (1) | トラックバック (0)
2007年02月09日
嬉しい速報! 先ほどポプラ社の斉藤さんからメールをいただきまして、『てのひら怪談』が2月7日付けのポプラ社全出版物売り上げランキングで、第6位に初登場したとのことです!
上位に君臨するのは〈えんぴつで〜〉シリーズとか『セブンパワーズ』(これも斉藤さんの担当書)とか『かいけつゾロリ』とか、化け物級のベストセラー本ばかりらしいので、非常に幸先の良いスタートを切れたと申せましょう。
小生としても、まずはホッと胸を撫でおろした次第。
ちなみにビーケーワンのランキングでも、『てのひら怪談』は発売以来3日連続してランクインを続ける健闘ぶりです。
今後とも粘り強く息長い普及活動に努めていきたいと思いますので、どうか関係各位のさらなる御協力をよろしくお願い申し上げます。
ポプラ社 (2007.2)
通常24時間以内に発送します。
投稿者 東 雅夫 : 2007年02月09日 15:22 | コメント (0) | トラックバック (0)
ゴス&ファンタジーの同人誌 青弓社さんから封書が届く。何かと思えば、同社気付で送られてきた、フリーペーパー『COMMUNIO(コムニオ)』第4号の献本だった(笑)。
添付されていたYさん@青弓社のお手紙に曰く――「東さんは『ナイトメア叢書』の編集もしている』と世間では思われているのでしょうか……。そういったイメージが東さんのご迷惑にならなければいいのですが」
いえいえ、迷惑だなんてとんでもない。光栄なことです。
ちなみに青弓社といえば、〈ナイトメア叢書〉の元締でもある一柳廣孝先生の編著『オカルトの帝国』の書評を先日、東京新聞に寄稿した。11日付読書面に掲載される予定とのことなので、関心のある向きは御高覧賜りたく。
で、その『コムニオ』だが、今号の特集は「廃墟」で、建石修志さんと高原英理さんの特別対談「ゴシックと廃墟の相互作用」が掲載されている。非常に読み応えのある内容で、中井英夫本の装画や『幻想文学』の表紙絵に関する言及なども。同誌の入手方法等の問い合わせは下記へ。
communio2005@yahoo.co.jp
さて、前後して、こちらも『幽』ほかでお世話になっている佐藤弓生さんから、ファンタジー系幻想文学同人誌『FANTAST』33号(編集発行人・高山直之)を頂戴する。
今号は第一特集が、小野塚力、佐藤弓生、高山直之ほかによる「戦後日本のファンタジー」、第二特集が、アンケート形式による「二十世紀の一冊」。
ん、なんで今頃「二十世紀の〜」? と思ったら「本来なら2001年に出さなければいけない号」(編集後記より)とのことで納得。こういう悠然たる時間感覚、いいですよね。目先に追われて何が文学か、と(笑)。
ちなみに第一特集の「戦後日本の児童文学系ファンタジー十選」には、石堂藍も寄稿しているのであった。
投稿者 東 雅夫 : 2007年02月09日 09:15 | コメント (1) | トラックバック (0)
2007年02月07日
【速報】特別プレゼントのお知らせ 「週刊てのひら」……じゃなかった(笑)「週刊ビーケーワン」を御存知でしょうか? 我らがビーケーワンが毎週発行している無料メールマガジンです。
本日発行の最新号では、巻頭で『てのひら怪談』が紹介されているのですが、そこに特別読者プレゼントのお知らせが!
本書をビーケーワンで購入された方の中から抽選で10名様に、穂村弘さんのインタビュー記事「『てのひら怪談』を読む」が掲載された『asta*』3月号をプレゼントします、とのこと。
詳しくは下記を御参照ください。
http://blog.bk1.co.jp/review/
ビーケーワンで購入されても、プレゼントの応募手続き(2月13日締切)をしないと当たりませんので(当たり前ですが)、御注意を!
なお、オリジナル購入特典のほうは、購入者全員に漏れなく配信されますので、くれぐれも混同されることのなきよう、お願いいたします。
↑こんなページも百物語の箸休め(?)にどうぞ。
本書には小さな写真集のような貌もあるのです。
投稿者 東 雅夫 : 2007年02月07日 16:09 | コメント (0) | トラックバック (0)
てのひら通信(02/06) いよいよ発売日……のはずなのですが、念のためにポプラ社さんに確認したところ、正確には発売ではなく配本日とのことでした。
配本日というのは、出版社から取次に新刊を搬入する日が6日ということ。で、取次から各書店に配本されるので、店頭に並ぶまでには一両日程度のタイムラグが生じます。
したがって『てのひら怪談』が書店にお目見えするのは、おそらく7日の午後から8日にかけて、ぐらいになると思われます。よろしくお願いいたします。
なお、ビーケーワンにはすでに入荷しておりますので、書店に行くヒマがないよという方、オリジナル特典が読みたいよという方は、すぐに注文ボタンをクリック!(笑)
さて、ポプラビーチの「週刊てのひら怪談」も更新されております。
今回は『てのひら』発売にちなんで、「腕」にまつわる玄妙なおかしみのある物語2篇をチョイスしてみました。『てのひら怪談』のカバー絵を思い浮かべながら(!?)お愉しみくださいませ。
次週は、白ひびきさんの「星降る夜に」と雨川アメさんの「とり憑かれた」をおおくりする予定です。
ポプラ社 (2007.2)
通常24時間以内に発送します。
投稿者 東 雅夫 : 2007年02月07日 11:01 | コメント (1) | トラックバック (0)
2007年02月06日
ある感慨 ポプラ社から『てのひら怪談――ビーケーワン怪談大賞傑作選』が発売になりました。
自分が世におくりだす本には、それぞれに感慨や思い入れがありますが、本書に寄せるそれは、また格別なものがあります。
昨年開催の第4回怪談大賞に、驚くほどハイレベルな応募作が数多く寄せられていくのを、リアルタイムで目の当たりにしたことしかり。
幻妖ブログでの小生による「どこかで本にしたい!」宣言がきっかけで、あれよという間に出版が実現していった目眩く過程もしかり。
あるいは、そうした成り立ちの本ゆえ、出版に至る過程を逐一、このブログ上でこうして報告し、読者の皆さまと本づくりのプロセスを共有するという試みを、初めて実践してみたのも、またしかり。
しかしながら、何にもまして感慨深いのは、この本が小生とオンライン書店ビーケーワンさんとの長い付き合いの中で誕生した、書物の形をとった初の結実である、ということです。
思い起こせば7年前の2000年7月、ビーケーワンの創業と同時に、小生は「ホラーサイト」の編集長に着任しました。サイトオープンの当日、今は亡き安原顕さんや、小生をビーケーワンに誘ってくれたサイエンスライターの森山和道さん、今も心強いサポートを忝なくしているタカザワケンジさんらと祝杯を挙げたことが、つい昨日のことのように想い出されます。
あれから7年――当初の「ホラーサイト(HORROR*WEB)」は「怪奇幻想ブックストア」に衣替えし、さらに「幻妖ブックブログ」へ移行しましたが、幸運にもビーケーワンとの御縁は途切れることなく、今日に至っております。
これひとえに、現在の辻和人さんをはじめとする歴代「ヒガシ番」担当者諸賢の粘り強い奮闘努力の賜物にほかなりません。
当然のことながらビーケーワン怪談大賞もまた、こうした「縁」あって生まれ出た企画でした。詳しくは本書の特典となるスタッフ座談会に譲りますが、幻妖ブックブログを運営している総勢3名(辻、タカザワ、東)による読者サービス企画として、本当に気軽なノリで始まった公募だったのです。
ちなみに「縁」といえば、選考委員をお願いすることになった福澤徹三さんと加門七海さんとも、今にして思えば不思議な御縁がありました。
ビーケーワン「ホラーサイト」に掲載した最初のスペシャル企画は、「加門七海『呪の血脈』と神仏おどろホラーの世界」および「福澤徹三『幻日』と正調怪談小説の愉しみ」の2本立てだったのですから!
そしてまた、出版を申し出てくださったポプラ社の斉藤尚美さんとの御縁も、二階堂奥歯さんの遺著『八本脚の蝶』出版に際してビーケーワンでおこなったキャンペーン企画が、ひとつの大きな契機となりました。
人と書物が結びあう奇縁。
ここで、ビーケーワン創業当時に小生が掲げた「抱負」のコメントを(かなり赤面ものですが)再掲させていただきます。
「大学に入って真っ先にしたことは、地元の書店でのアルバイトだった。一冊の本にとって最もスリリングな瞬間であるはずの読者との出逢いの場に身をもって立ち会った経験は、その後の編集者人生、物書き人生の大いなる糧になったと思っている。とりわけあの返品伝票記帳作業――出逢いの幸運に恵まれなかった本たちを倉庫の暗がりへと送り返す儀式こそ、本との関わりの原点だったと今にして思う。書評、ブックガイド、インタビュー、そしてアンソロジー編纂と、私が生業としてきたエディトリアル・ワークの根底には、読者を求める書物たちの無言の叫びが、常にこだましつづけていたのだから。それゆえ、わがホラー・サイトのモットーは「リンク&ナビゲーション」に尽きる。一冊の本をWWWの大海にリンクさせることで、書物から書物への無限連鎖を喚起すること。その条筋(みちすじ)の良き水先案内たらんとすること。(以下略)」
ビーケーワンという素晴らしき「場」を起点に拡げられた「縁」のリンクが、多くの応募者の皆さまと読者の皆さまをも巻き込んで、今こうして幸運にも一冊の書物に結実したことに、満腔の謝意を表したいと思います。
願わくは本書が、新たなる人と書物の「縁」の起点となり、怪談を愛し物語を愛し書物を愛する人々のあいだに、静かにしかし着実に800字文芸の連鎖を拡げてゆきますように――。
ポプラ社 (2007.2)
通常24時間以内に発送します。
↑オリジナル特典付きで発売中!
メディアファクトリー (200702上旬)
通常24時間以内に発送します。
↑冬の怪談特集に「てのひら怪談」座談会も掲載!
合わせて買えば送料無料だ(笑)。
投稿者 東 雅夫 : 2007年02月06日 18:14 | コメント (0) | トラックバック (0)
2007年02月05日
地獄の(!?)面談3連チャンいよいよ明日に迫った『てのひら怪談』発売で、昨年後半から積み重ねてきたプロジェクトが一区切り……と思ったのも束の間(笑)、待ったなしの取材&打ち合わせ3連発で都内を駆けまわる。
まずは渋谷のメディアファクトリーにて、『公募ガイド』の取材を受ける。『幽』怪談文学賞について見開き2ページで取りあげてくださるという、ありがたいオファーである。
おりよく見本が編集部に到着した『ダ・ヴィンチ』3月号の新人怪談作家特集を目にするなり、担当ライターのIさんから「これは作家志望の方には魅力的ですね!」とのお墨付きをいただく。
来月号に掲載されるそうなので、御注目を。どさくさ紛れにビーケーワン怪談大賞とクトゥルー神話賞も、こっそりアピール(笑)。
続いて同じく渋谷某所のスタバで、K社のI氏と書き下ろし単行本の打ち合わせ。江戸東京怪談文学散歩といった趣の本になる予定だが、今回の打ち合わせで、ほぼ骨格が固まった感じ。
「後はひたすら書くだけですねーははははー」と席を立とうとしたら、「その前に『百物語の百怪』文庫版の改稿をお忘れなく」と釘を刺される。
そうなのだ、今夏に書き下ろし単行本と前後してK文庫から復刊される『百物語の百怪』改訂作業を粛々と進めなくては!
渋谷から五反田の学研に移動し、ムー編集部で獅子堂@祝新婚ほやほや、およびフリーエディターのDさんと面談。「ヴィジュアル版謎シリーズ」から4月に刊行される『日本の妖怪の謎と不思議(仮)』の寄稿打ち合わせである。妖怪初心者に向けた入門的ムックを企図しているとのことなので、歓んで協力させていただくことに。ま、小生は文学・伝説方面からしかアプローチできないけれど、頼もしいスペシャル・ゲストも登板を勘案されているらしいので、きっと大丈夫であろう!
これで話は終わりかなーと思ったら、ここでも「ちょっと待ったア!」の声が(笑)。
しばらく御無沙汰していた『ムー』の超不定期連載「日本伝説紀行」だが、獅子堂も晴れて所帯を持ったことだし(笑)そろそろ再開したいとの御相談であった。とりあえず第1弾は「鵺」伝説を追いかけることに。こちらも御期待ください。
投稿者 東 雅夫 : 2007年02月05日 20:16 | コメント (0) | トラックバック (0)
2007年02月04日
クトゥルー通信(02/03) 前回、「もっと本格神話作品も!」と呼びかけたところ早速、複数の方から、そちら系の応募作品計3篇が到着。ほほー、と感心させられるアイディアの作品もありました。
応募数に制限はありませんので、心ゆくまで専念してください、Uさん(笑)。
昨夕は久々に小岩の揚州飯店で、南條竹則さんたちと中華三昧だったのですが、同席した特に名を秘す某編集長氏によりますと、『クトゥルー神話事典・第三版』は出足すこぶる快調とのことでした。皆さまの御愛顧に深く深く……イハ=ントレイかゲル=ホーの如く深く感謝申し上げます。
投稿者 東 雅夫 : 2007年02月04日 12:24 | コメント (0) | トラックバック (0)
2007年02月03日
てのひら通信(02/02)ビーケーワンのオフィスに斉藤尚美さん@ポプラ社をお招きして、『てのひら怪談』発売記念スタッフ座談会を収録。
↑左から辻さん、斉藤さん、タカザワさんの掌トリオ
前半は小生と斉藤さんによる編纂制作秘話で、この模様は追ってビーケーワンの本サイトにて公開されます。
そして後半は、上記2名に加えて、怪談大賞の生みの親であるビーケーワンの辻和人さん、ブログ管理をひとりで担当いただいたフリーエディター兼ライターのタカザワケンジさん、それにビーケーワンの広報を担当いただいている湯原清香さんにも加わっていただき、『てのひら怪談』刊行までに至るあれこれを、スタッフがしみじみとふりかえる(笑)マル秘放談会を収録。
こちらは『てのひら怪談』のビーケーワン購入特典に追加されることになりました。
どちらも御注目ください!
投稿者 東 雅夫 : 2007年02月03日 00:38 | コメント (0) | トラックバック (0)
2007年02月02日
クトゥルー通信(02/01) その後、本夕までに、なんと新たに9篇もの御応募が!
いやー皆さん、気が早いというか何というか(笑)、ありがたいことです。
応募者の中には『てのひら怪談』作家のお名前も、チラホラと。
ベースが怪談系の方が多いせいなのか、はたまた800字という器ゆえなのか……菊地秀行御大命名するところの「御近所クトゥルー神話」路線の作品が、特に目につくのは面白い傾向だと思います。現代日本のなにげない日常の真っ只中に奔出する異次元の妖異を暗示的に描くタイプの作品ですね。
もっとも、学研サイドの担当者の1人は、「もっとコテコテの本格神話作品も読みたいぞー!」と咆哮しておりましたが(笑)。
まだまだ時間がありますので、いろいろなタイプの作品を試みていただきたいと思います。
東京創元社 (1984.3)
通常2-3日以内に発送します。
青心社 (1988.12)
通常2-3日以内に発送します。
↑クトゥルー神話入門には
まずはこの3冊を読破せよ!
投稿者 東 雅夫 : 2007年02月02日 00:35 | コメント (0) | トラックバック (0)
2007年02月01日
ホラ大二次とか怪奇伝説研究家襲名(笑)とか ホラー大賞の二次選考ボックスが到着。
候補作リストを眺めて……いろいろと一驚を喫する(笑)。
予備選は今月末開催予定とのこと。
スカパー!のミステリチャンネルで4月から放映予定の「ムー不思議リポート/東雅夫の妖怪探訪記」(本当にこんなタイトルになるのかは神のみぞ知る)の企画書が届く。よく調べて作成されているのだが唯一、小生の肩書きが「妖怪研究家」になっていて、かなーり焦る。
いやまあ確かに『妖怪伝説奇聞』とか『妖怪文藝』とか『稲生モノノケ大全』とか出しているからなー、広義の妖怪研究家を名のっても間違いじゃないんだろうが、多田克巳氏や村上健司氏など筋金入りの方々と間近に接していると、とてもじゃないが、おこがましくて名のる気にはなれない。
かといってアンソロジストとか文芸評論家では企画趣旨といまいちミスマッチなのも分かるし、ムー不思議リポートで「幽」編集長はまずいだろうし……ということで一計を案じ、「怪奇伝説研究家」で手を打つことに(笑)。今月着手する書き下ろしも伝説探訪物のバリエーションだし、まあいいかな、と。
投稿者 東 雅夫 : 2007年02月01日 18:02 | コメント (0) | トラックバック (0)





















