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2008年07月31日
大きな大きな!?『幽』怪談ノ宴 さて、てのひらイベントの前日23日(土)に開催される『幽』怪談ノ宴のチケット発売が始まっています(チケット購入についてはWEB幽を御参照ください)。
……と思ったら、WEB幽で編集Rが、なにやら不穏な動きを画策中の模様。むむむむむ。一蓮托生という言葉を知っているのか編集Rよ(笑)。
それはさておき、今年から旧来の〈怪談之怪〉という枠組を一気に取り払い、『幽』の怪談文学圏全域へと拡大しておおくりする〈怪談ノ宴〉――これだけの作家たちが一堂に会する怪談イベントというのは、ちょっとした文学史的な事件ではないかと思います、ハイ。
第1部は「京都怪談」と銘打ちまして、開催地である太秦界隈を中心にした京の妖しい話、不思議な話について、ゆかりの皆さまと語り合いたいと思います。
京都生まれの京都育ちで、先ごろ幻想の京都地誌をベースとする連作集『深泥丘奇談』を上梓された綾辻行人さん、やはり京都の花街を舞台とする『お見世出し』でホラー大賞を受賞した森山東さん、名高き「幽霊マンション」をはじめ京都にまつわる怪談を数多く採訪されている中山市朗さんという最強のお三方に加えて、本誌8号の怪談巡礼団で京都探訪を御一緒した加門七海さんにも、怪しい京都にやたら詳しい東京人(!?)というスタンスで加わっていただきます。
ちなみに巡礼団といえば、上七軒で一行が遭遇しそこなった(8号53ページ参照)謎の座敷井戸について目下、森山さんが地元人脈を駆使して精力的に調査中とのこと。どんな驚くべき報告がもたらされるか、これは必聴必見ですぞ!
続く第2部は「怪談の鉄人」(ちょっと古いか!?)と銘打って、平山夢明さん、福澤徹三さん、木原浩勝さんという実話系怪談のトップに君臨するノッてる三人衆に、とっておきの新ネタを御披露いただく予定です。
さらに『旧怪談』に続く最新作『幽談』で、黒船来航さながら、フィクションの側から実話怪談サイドへ鋭く切り込んだ京極夏彦さんにも加わっていただき、WEB幽の投稿怪談から数篇を朗読いただくという魅惑のミニ・イベントも!
迫真の恐怖談の合間には、新耳コンビからソロ活動へ、とか、超怖「卒業」! とか、怪談実話の世界をめぐるホットな「ここだけの話」も飛び出すかも知れませんぞ!?
ん、いま書きながら気がついたのですが、小生だけ1部2部連続登板て……例年の倍、消耗しそうじゃないかよ! 京都、暑い盛りなのに!
が、がんばりますけどね体力の続く限り……。
てなわけで、ぜひとも1部2部連続での御参加を、お待ち申しあげております!
投稿者 東 雅夫 : 2008年07月31日 02:10 | コメント (0) | トラックバック (0)
2008年07月30日
小さな小さな怪談ノ宴 某所でも盛り上がっているようなので(笑)、経過報告をば。
京都太秦の映画村「妖怪まつり大祭」に便乗(?)して開催されます今年のてのひら怪談イベントは、「超短編」勢にも御協力いただいての「小さな小さな怪談ノ宴」と題して、下記の日時・場所でおこなわれることに決定しました。
【日時】8月24日(日)14:30―16:00(ただし16:00以降も有志により18:00頃まで継続予定)
【場所】映画村内「おもしろ学習館寺子屋」
【料金】映画村への入村料のみ(当日の妖怪会議チケットを購入される方は入村料も不要です)
メインゲストには、加門七海さんと福澤徹三さんの両てのひら選者に加えて、超短編勢から森山東さんとタカスギシンタロさんの参加を予定しております(そのほか昨年と同じく意外な飛び入りゲストも!?)。
また、文庫版『てのひら怪談』でお世話になった山下昇平画伯や、すでにコスプレでの参戦を表明している田辺青蛙さん、そして黒史郎さん、勝山海百合さんらプロとして活躍中のてのひら作家勢に登壇していただくコーナーも設けたいなと考えています。
『てのひら怪談 百怪繚乱篇』『超短編の世界』『未来妖怪』の連続刊行で上げ潮ムードにある「小さな小さな怪談掌篇」の魅力や展望を、存分に語らう集いにしたいと思いますので、ふるっての御参加をお願い申しあげます。
投稿者 東 雅夫 : 2008年07月30日 03:08 | コメント (2) | トラックバック (0)
青天の霹靂…… 「『週刊ブックレビュー』観ましたよー」と、あちこちから声をかけていただき、さすがに公共放送は違うのう、と感心しました。
それはよいのですが、「観ましたよー」の次に「でも、ボードの作品名が突然増えているのは何故ですかー?」とか「宮部さんの『楽園』、本は映ったのに話に出なかったのは何故?」等々、幾人かの方から突っ込まれたのには苦笑することしきりでありました。
そうなんです!
話した内容が全然、番組の尺に収まらなかったために、結局、番組内で流れたのは、全体の半分ほどの分量だったのですな。
宮部さんの『楽園』の他にも、スティーヴン・キングとか川端康成とかゴーチエとか、編集段階でサックリ落とされたために、ボードには作品名が上がっているのにコメントはなし、という不思議な映像になったのでした。
小生も、放送された番組を観て初めて知って、あいやあー! と絶叫した次第。
しかし『楽園』に関しては、江戸の仇を長崎で打ち損じてしまい、斬鬼に、じゃなくて慚愧に堪えませぬ。
こうなったら、長崎からさらに南下して、屋久島あたりで仇を討ってやるべく、目下画策中であります。
投稿者 東 雅夫 : 2008年07月30日 02:37 | コメント (0) | トラックバック (0)
2008年07月28日
落雷 WEB幽にも『幽』怪談文学賞短篇部門ファイナリスト決定の告知が出たので、当然もう通過者への連絡は終わったのだろうなと、担当の編集Yに確認したところ……まだ、だそうですorz
連絡を待つ応募者の身になって仕事をしろよ、と珍しく説教モードに。
結果連絡を心待ちにしている応募者の皆さま、大変に申しわけありません。
最終候補に残った方々には、今日明日中に必ず連絡をさしあげますので、今しばらくお待ちくださいませ。
投稿者 東 雅夫 : 2008年07月28日 13:41 | コメント (0) | トラックバック (0)
2008年07月26日
「東雅夫のイチオシ棚」更新ビーケーワンの辻です。
「東雅夫のイチオシ棚」 更新しました。
超常現象から幽霊話まで、不思議な話を集めた『日本猟奇史』。いよいよ「大正・昭和篇」です。
倉橋由美子の遺作『酔郷譚』は連作綺譚小説。含みのある文体が魅力的です。
長野まゆみのファンタジーは、いつにない官能的な雰囲気が目を惹きます。
文庫のイチオシは第13回日本ホラー小説大賞短編賞作・吉岡暁著 『サンマイ崩れ』。
『現代語で読む「江戸怪談」傑作選』は夏の読書にふさわしい、気軽に楽しめる江戸怪談入門です。
そして遂に予約開始! 好評の妖怪画集シリーズ最新刊『妖怪画本・狂歌百物語』。

投稿者 coolmint : 2008年07月26日 12:14 | コメント (0) | トラックバック (0)
海百合新刊はこんな顔!勝山海百合さんの待ちに待たれたデビュー作品集『竜岩石とただならぬ娘』のカバー装画が到着しました。

どうです。
妖しくも摩訶不思議な作品世界を見事に表現したヴィジュアルではないですか。
MF文庫ダ・ヴィンチより、本体価格590円で8月25日発売。
ぜひ、一家に一冊。アジアのファンタスティック・モンスーン、いよいよ見参です!
投稿者 東 雅夫 : 2008年07月26日 02:02 | コメント (0) | トラックバック (0)
2008年07月25日
第3回『幽』怪談文学賞短篇部門、二次選考会終了本日午後、渋谷のメディアファクトリー会議室にて、『幽』怪談文学賞短篇部門の二次選考会が開催され、最終候補作品10篇が選出されました。
今年も昨年に引き続き、ハイレベルな争いとなりました。
その結果、連続して最終に残った方あり、初のチャレンジで勝ち残った方あり、全体として非常にバラエティに富むファイナリストを揃えることができたように思います。
まもなく締切を迎える長篇部門にも、多数の御応募を期待したいところです。
めざましい活躍ぶりの第1回、第2回受賞作家たちに続いて、怪談文芸の最前線に名のりをあげる新たなる才能――それは今、ここをご覧の貴方かも知れません!
投稿者 東 雅夫 : 2008年07月25日 23:57 | コメント (0) | トラックバック (0)
2008年07月24日
週刊ブックレビューで、東西怖い本対決!えー唐突ですが小生、明後日の7月26日(土)に、NHKのBS2で放映されます「週刊ブックレビュー」に出演しております。
夏休み特集企画とのことで、「怖ーい本、古今東西」と題しまして、翻訳家&評論家としておなじみの風間賢二さんが洋物から、小生が和物から、この夏オススメの怪談・ホラー本をチョイスして紹介する……という趣向であります。
司会役は、作家の藤沢周さんとタレントの中江有里さんでした。
どんな作品が登場するかは見てのお愉しみですが、ひとつだけチラリと予告しておきますと、宮部みゆきさんに関しては、あえて意表を突いて『楽園』を取りあげてみました。
江戸の仇を長崎で……ってな感じですが(笑)、ここをご覧の大多数の方にはナンのことやら分からないと思います、スイマセン。えー、お分かりになる方は、恐縮ですが、その旨よろしくお願いいたします(謎)。
なお、放映日と時間は下記のとおりです。
放送日時 7月26日 8:30―9:24
再放送日時 7月28日 0:00―0:54
投稿者 東 雅夫 : 2008年07月24日 22:38 | コメント (1) | トラックバック (0)
てのひらのうらのうらてのひら怪談作家のおひとりとおぼしき「夏雨」さんが、今年のビーケーワン怪談大賞のまとめサイト「てのひらのうらのうら」を自主制作され、管理・運営なさっていらっしゃいます。
http://kaidande.ojaru.jp/index.html
とてもよく出来たサイトで、実をいうと小生も、募集期間中から便利に利用させていただいておりました(笑)。
今回は投稿数も多く、こまめな更新は本当に大変な作業だったろうと忖度します。
この場から御礼を申しあげます。夏雨さん、ありがとうございました!
「私のベスト5」選考に際しても有益なサイトだと思いますので、ぜひ御一見のほどを。
投稿者 東 雅夫 : 2008年07月24日 08:40
衝撃 昨日の朝10:00をもって締め切りました第6回ビーケーワン怪談大賞の応募総数が確定した旨、ビーケーワンの辻さんから連絡をいただきました。
今回は、応募総数725篇、参加人数は341名でした。
本当にたくさんの御応募をありがとうございました!
いやはや、よもや昨年の応募総数を超えて700篇台に達しようとは、予想外でした。
投稿数の上限を思い切って3作品までに絞らせていただいたこともあり、今年は500篇くらいで収まってくれるのではないかと思っていたのですが……甘かったようですね。
多忙な本業の合間を縫ってあらゆる運営実務をこなしてくださった、ビーケーワンの辻和人さんと、フリーのエディター&ライターでビーケーワン外部スタッフのタカザワケンジさんのお二人には、昨年に続いて大変な御苦労をおかけすることになりました。
これから小生とともに選考作業にあたっていただく、加門七海さんと福澤徹三さんにも、これまた昨年同様の地獄を見ていただくことになりそうな……(戦々恐々)。
とはいえ、参加人数が大幅にアップし、新たに800字怪談の世界に参入してくださる方たちが増えたことは、素直に、とても嬉しく思いますし、心強いかぎりです。
選考会は8月8日頃を予定しています。
まずは、取り急ぎ、御報告と御礼をば。
投稿者 東 雅夫 : 2008年07月24日 00:06 | コメント (0) | トラックバック (0)
2008年07月22日
『幽談』をめぐって/ミステリーチャンネル篇 さらに承前。
ビーケーワンの取材終了後、今度はまたもや隣室に移動し、休むまもなくミステリーチャンネルの収録が始まる。
話題の本の著者を迎えてお話をうかがう「ゲストルーム」で、京極さんの『幽談』が取りあげられることになり、小生が聞き手を務めたのであった。
ちなみに、このコーナーでは先に木原浩勝さんの『隣之怪 蔵の中』も、やはり小生が聞き手となって収録され、現在放映中である。
今回の収録は、いたってスムーズに終了。
京極さんには、同趣旨のインタビューに二度も三度もお応えいただくことになり、さぞかし疲弊されたことと思う。ごくろうさまでした!
もひとつちなみに、先に紹介した宮部みゆきさんの新作『おそろし』と、京極さんの『幽談』には、ともに「メタ怪談小説」であると同時に、卓抜な「怪談論」にもなっているという重要な共通点が認められる。
この夏、両傑作が相次ぎ登場することで、巷の怪談ブームと怪談文芸のムーヴメントが、さらに加速することは間違いあるまい……そんな手応えをひしひしと感じた午後であった。
投稿者 東 雅夫 : 2008年07月22日 04:45 | コメント (0) | トラックバック (0)
『幽談』をめぐって/ビーケーワン篇 承前。
キッシーたちと打ち合わせをしていたら、勝山海百合さんがにぎやかに到着。
その後でおこなわれる『ダ・ヴィンチ』怪談特集用のインタビューのためにお越しいただいたのだ。インタビュアーは朝宮運河さんである。
で、小生は、そそくさと隣室に移動。
こちらの部屋では、やはり『ダ・ヴィンチ』次号の『幽談』刊行記念特集用に、門賀美央子さんによる京極夏彦さんインタビューがおこなわれていたのだが、小生はその次におこなわれるビーケーワンの『幽談』インタビュー(インタビュアーはタカザワケンジさん。補佐役が辻和人さん)に立ち合うのであった。
なんか……ややこしくてスイマセン(笑)。
と、そこへ、まさに出来立てホヤホヤの『幽談』見本を抱えて、編集Rが到着。
居合わせた一同歓声をあげつつ、瀟洒な造本の『幽談』を手に取る。
いやー、良い本に仕上がったものよ、と感心する。でかした、R!

▲京極さんに取材中のビーケーワン・スタッフ。
右がタカザワさん、左が辻さん。
なお、ビーケーワンのインタビューは、ダイジェスト版として公開されるほか、完全版ロング・バージョンが、『幽談』購読特典として配信されることになっている。
非常に内容豊富なインタビューなので、ぜひ完全版でご覧いただきたく。
投稿者 東 雅夫 : 2008年07月22日 04:24 | コメント (0) | トラックバック (0)
『怪談文芸ハンドブック(仮)』書き下ろしに着手 ここらで時系列を少し溯って、すでに先々週のことになる某月某日、午後いっぱい渋谷のメディアファクトリー会議室に腰を据えて、入れ替わり立ち替わり、あれやこれやと仕事をする。
まずは、われらが吸血キッシーおよび、編集実務をお願いするDさん@ビーンズワークスと、〈幽ブックス〉から今秋刊行予定の書き下ろし単行本『怪談文芸ハンドブック(仮)』の打ち合わせをおこなう。
このところ過熱する一方の怪談シーンなれど、どうも基本的なところで、怪談というものに対する誤解や無理解が、まだまだそのままになっている気がしてならない。
一例をあげるなら、いわゆる「実話」と「創作」なるものは、実のところ明確に区別できるものではなく、世に流通する怪談作品の多くは、いわゆる「実話怪談」なるものも含めて、虚実皮膜のあわいにこそ成り立っているわけだが、相も変わらず実話と創作をアタマから別物と決めてかかる向きが、プロ・アマを問わず見受けられたりする。
まあ、そうした誤解や偏見について、実例に則し、あるいは歴史的にさかのぼりつつ、分かりやすく解説する「怪談入門」的な書物が、早急に必要とされているように感じたのが、本書執筆の動機である。
怪談系文学賞に応募する向きへの手引き、そして怪談という分野をさらに探究したり愉しみたいという向きへの読書案内といった役割も兼ね備えた、総合的なハンドブックを目指したいと思っているので、まずは乞う御期待、である。
投稿者 東 雅夫 : 2008年07月22日 03:49 | コメント (0) | トラックバック (0)
2008年07月21日
作品受付は明日火曜の朝10:00まで! いよいよ終盤の投稿ラッシュとなってきた第6回ビーケーワン怪談大賞ですが、ここへきて締切を勘違いしている方が見受けられるようなので、念のため。
今年の投稿締切は――
7月22日(火)午前10:00まで
つまり連休明けとなる明日、火曜日の朝の10:00まで、です。
夜の10:00ではありませんので(笑)、くれぐれも御注意ください!
そして、まだ十分に間に合います。
ふるっての御応募をお待ち申しあげております。
腕試しのつもりで、あるいは気分転換、暑気払いにも(笑)、お気軽にどうぞ。
投稿者 東 雅夫 : 2008年07月21日 14:56 | コメント (0) | トラックバック (0)
2008年07月20日
アジアの海百合、鶴見の黒!?このところ『ダ・ヴィンチ』来月号のもろもろに、MF文庫の海百合本解説、『小説推理』の時評に、双葉文庫の取材記事……と、夏本番に入ったにもかかわらず追いまくられる日々が続く。はひー。
『ダ・ヴィンチ』は巻頭の宮部みゆき特集のインタビュー(する側)と『おそろし』論、それに今夏の怪談文庫特集の巻頭言にインタビュー(される側)に漫画文庫コラムと、いろいろ書いたり語ったりしました。
そして皆さまお待ちかね、勝山海百合のデビュー作品集『竜岩石とただならぬ娘』(MF文庫ダ・ヴィンチ)は、なんと全20篇の書き下ろし短篇と掌篇から成る、素晴らしい仕上がりの一巻となりました。
タイトルロールにもなっている「竜岩石」と「ただならぬ娘」の両傑作は、いにしえの中国を舞台とする志怪小説風の作品ですが、一方で、作者の郷里である東北地方の現代怪談あり、台湾や朝鮮やインドの話あり……悠久の古代から現代にまで及ぶ、汎アジア規模の「物語」がさまざまに交錯する、前代未聞の「アジアン・テイスト」あふれる怪談文芸作品集なのです。
帯は京極さんの選評から、巻末解説は小生という布陣で臨みます。御期待あれ!

▲左からアジアの海百合、鶴見の黒、
京田辺の田辺に浪花の門賀の各氏。
『小説推理』の〈幻想と怪奇〉時評では、黒史郎の新作『100KBを追いかけろ』をメインに、水沫流人『マリオのUFO』、宇佐美まこと『虹色の童話』という第1回『幽』怪談文学賞トリオの新作を採りあげました。
この3作も、いずれ劣らぬ優れた出来映えで、しかも、それぞれに作風を広げ、新境地を拓き、筆力に磨きをかけた痕が歴然としている点に、読みながら不覚にも目頭が熱くなるほど感動した次第です。
100KBは「都市伝説青春小説」、UFOは「ブラジリアン綺譚」、童話は「御近所ホラー」と、それぞれにキイワードや外観はまったく異なりますが、じっくり一読すれば、そのいずれもが実は「怪談」というものの可能性を、さまざまに押し広げようとする果敢な試みであることが分かると思います。
文学賞というものは、主催・運営する出版社にとっても、選考委員をはじめとする関係者にとっても、いろいろと苦労の多いものではあるわけですが、こうした良質で意欲あふれる作品群が、そこから新たに生まれ出てゆくのを見ると、やっぱり「やっててよかった!」と思うのですよね、しみじみと。

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▲中村純司さん描く味のある装画と凝った造本が魅力的!
そして黒さんの描く鶴見の街も、これまた実に魅力的であると、
同じ神奈川県生まれの1人として断言しておきませう。

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▲表題作も凄いですが、併録の「リオ・ブランコ」も絶品ですぞ。
水沫流人おそるべし……。

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▲カバーは一見写真に見えますが、実はヒロミチイトさん描く装画なのです。
とても怖い絵だと思います……。

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▲『観音霊場めぐり 西国編 エソテリカ別冊』
門賀さん初の共著、只今予約受付中!
投稿者 東 雅夫 : 2008年07月20日 02:50 | コメント (0) | トラックバック (0)
2008年07月19日
サンボマスター「サンボマスターの中の人のブログで『文藝怪談実話』が紹介されてますよー」と、親切な方に教えていただく。
http://blog.excite.co.jp/samboblog/8645527/
うわー、ホントだよ。
唄とギターを担当されている山口隆さんのブログでした。
同書を「何気なく購入」されたそうなのですが、中でも淡谷のり子「私の幽霊ブルース」に惹かれたとのこと。やっぱりR&Bつながりか!?(笑)
しかも、その評言が実に素晴らしい。
勝手に引用していいものか分かりませんので、ぜひ上記ブログを直接参照していただきたいのですが、同篇の美点と特質が的確に指摘されていて、とても感心させられました。
今後はカラオケのレパートリーにサンボマスターを加えたいと思います。
投稿者 東 雅夫 : 2008年07月19日 03:14 | コメント (0) | トラックバック (0)
2008年07月18日
『江戸東京 怪談文学散歩』は、こんな顔!久々の書き下ろし単行本として、8月上旬に〈角川選書〉から刊行されます拙著『江戸東京 怪談文学散歩』のカバーと帯が完成しましたので、目次と併せてお披露目いたします。

『江戸東京 怪談文学散歩』目次
第一章 芥川龍之介『妖婆』と両国一つ目界隈(墨田区)
第二章 森鴎外『百物語』と向島百花園(墨田区)
第三章 泉鏡花ほか『怪談会』と向島有馬温泉(墨田区)
第四章 宮部みゆき『あかんべえ』と深川高橋界隈(江東区)
第五章 永井荷風『来訪者』と深川四谷怪談めぐり(江東区/中央区)
第六章 岡本綺堂『青蛙堂鬼談』と妖しい坂めぐり(文京区/港区)
第七章 三遊亭円朝『怪談乳房榎』と怪しい橋めぐり(新宿区/板橋区)
第八章 泉鏡花『恋女房』と幻の池めぐり(台東区)
巻末対談 宮部みゆき+東雅夫「深川あやし談義」
※江戸東京の地霊が作家たちに囁いた物語は、数多の名作怪談となって日本文学史に輝いている。それらの名作と、土地にまつわる伝説の数々を手がかりに、恐ろしくも懐かしい場所の記憶を掘り起こす文学探訪ガイド。巻末に、作家・宮部みゆきとの特別対談を収録!
ただいまビーケーワンでは、豪華三大特典付きで、予約受付中です。
夏から秋にかけて、都内散策のお伴にも恰好の一冊ですので、ふるっての御予約をお待ち申しあげておりまする。

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投稿者 東 雅夫 : 2008年07月18日 19:27 | コメント (0) | トラックバック (0)
たちまち増刷御礼! 先にちくま文庫より刊行しました今夏の〈文豪怪談傑作選〉シリーズ第1弾『文藝怪談実話』が、出足すこぶる好調につき増刷が決定した旨、担当のKさんから連絡がありました。
ちょうど本日はビーケーワンの定例会議があったのですが、当サイトからもたくさんお買いあげいただいているようで、本当に感謝に堪えません。
ここに更めまして、深く御礼申しあげます。
実は今年の刊行分でちょうど十巻となるため、それを記念したイベントや読者参加のプレゼント企画を、現在ひそかに計画中です(詳細は後日。お愉しみに!)。
本書に続く『小川未明集 幽霊船』『室生犀星集 童子』が同様に好成績をおさめられれば、さらなるビッグな可能性もひらけてくることでしょう。
どうか引き続きましての御愛顧のほど、何卒よろしくお願い申しあげます。

▲今夏の怪談アンソロ文庫トリオのうち、すでに2冊が増刷という嬉しい結果に!
残る『怪談実話系』の増刷も間近か?(初版部数が多かったからなー)
投稿者 東 雅夫 : 2008年07月18日 15:53 | コメント (0) | トラックバック (0)
2008年07月16日
到着お待ちかねの(!?)『小説すばる』8月号が到着しました。

……小生が驚いた理由、もうお分かりですね(笑)。
よもや「実話怪談」という括りで、そのトップに君臨するお三方に伍して、田辺青蛙さんが起用されるとは!(信頼すべき筋からの情報によると、誰かのピンチヒッターとしての起用などではなかったそうな)
まあ、ホラ大受賞効果なのかも知れませんが、これは画期的なことだと思います、ハイ。
新耳コンビのソロ活動に続き、平山夢明氏の超怖卒業と、大きなターニング・ポイントを迎えた「実話怪談」の世界に、これを一契機として新風が吹き込まれることを期待したいと思います。
もうひとつ。コレにもびっくり。

うーむ。なかなかナイスな企画だとは思いますが……だ、大丈夫なのか、小すば!?
投稿者 東 雅夫 : 2008年07月16日 12:22 | コメント (3) | トラックバック (0)
緊張 ちくま文庫の帯裏には、その月に刊行される文庫新刊の一覧が掲げられている。
今月は――

……という並び。ただの偶然とはいえ、あのタネムラ大人と、先年惜しくも急逝された伝説の書評家〈狐〉こと山村修氏に挟まれて自分の名前が載っているのは、汗顔の至りというほかない。
ちなみに『もっと、狐の書評』は、てのひら怪談関係者も必読の一巻である。
なぜなら同書に収められている書評の大半は夕刊新聞に掲載されたもので、「1冊につき800字以内」という厳格な縛りで書かれているからだ。
創作とレビューという違いはあれど、800字の小宇宙に思いのたけを傾注し、読む者に感銘を与えるという点にはいささかの相違もない。
たとえば本書所収の一篇「アンソロジーの多彩な楽しみ――『現代怪談集成』」は、いきなり次のように始まっている。
血なまぐさい恐怖劇「破約」を書く小泉八雲より、ニヒルな明るさをまぶした「幽タレ考」の半村良のほうが品がいい。あるいは、その怪異趣味において、森鴎外の「蛇」は大衆作家角田喜久雄の「沼垂の女」と比べると俗っぽい。
かくも勝手な判定ができるのも、並べて読めるアンソロジーなればこそ。(以下略)
思わず、なんだなんだ!? と引き込まれるではないか。
そんな〈狐〉の書評で、かつて『伝奇ノ匣』を採りあげていただいたときは、本当に小躍りするくらい嬉しかったことを懐かしく思い出す。

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投稿者 東 雅夫 : 2008年07月16日 11:00 | コメント (0) | トラックバック (0)
2008年07月15日
「東雅夫のイチオシ棚」更新ビーケーワンの辻です。
「東雅夫のイチオシ棚」 更新しました。
今回、いろいろ入ってます。
まずはこの夏の目玉の一つ、京極夏彦さんの怪談ならぬ『幽談』。
そして「ビーケーワン怪談大賞」審査員でもある福澤徹三さんの『いわくつき日本怪奇物件』。題名にそそられますね。角川ホラー文庫の『アンデッド』も予約受付中。
東雅夫編『文藝怪談実話 』は当ブログで編者から紹介されたばかりですが間違いなしの逸品です。
若手の希望の星、黒史郎さんの新刊『100KBを追いかけろ』も期待大。
ダーク・ファンタジー・コレクション最新刊の『シャンブロウ』は文芸全体のランキングでも上位に食い込んでいます。
変わったところでは、象徴派の作家メーテルリンクの“博物文学”『ガラス蜘蛛』 に要注目。ホラーではありませんが、メーテルリンクの繊細にしてユニークな感性が楽しめそうです。
評論では、古典中の古典『グリム兄弟メルヘン論集』がオススメ。
ブラティスラヴァ世界絵本原画展でグランプリをとった『まっくら、奇妙にしずか』は、幻妖ブックブログの読者ならきっとピンとくるフシギ絵本です。

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投稿者 coolmint : 2008年07月15日 17:49 | コメント (0) | トラックバック (0)
驚愕まもなく発売される『小説すばる』の実話怪談競作特集の顔ぶれを聞かされて、卒倒しそうになる。
いやあ、時代が動くときってのは、案外こういうものなのかも……。
投稿者 東 雅夫 : 2008年07月15日 03:23 | コメント (3) | トラックバック (0)
英才教育、続報 本日のキッシー情報によると、ジュニアが熱心に眺めていたのは、ななな、なんとまあ、よりにもよって田中河内介異聞の章だったのだそうな!
……末頼もしいどころか、末恐ろしいお坊ちゃまですなあ(感心)。
もっとも今は、もっぱら鬼太郎とウルトラマンにハマっているのだとか。どこかの大きなお友達の皆さんと一緒ですねえ。しかし、特にマックスがお気に入りというのはシブすぎるんじゃないでしょうか(笑)。
「今度おじちゃんとウルトラギャラクシー大怪獣バトルについて語り合おうぜー」と伝言を依頼する。

▲鵜の浜の人魚像背面図(森戸海岸のキッシーではありません!)。
ついでにキッシーが以前、『ダ・ヴィンチ』の取材企画で、『赤い蝋燭と人魚』がらみの新潟紀行をして、あちらに人脈もあることを教えられる。ちっ、事前にそれを知っていれば!
伝手もできたことだし、こうなったら『幽』で取材に行くか!? 特集は……「人魚怪談」とか?(笑)
投稿者 東 雅夫 : 2008年07月15日 03:16 | コメント (0) | トラックバック (0)
2008年07月14日
英才教育錦糸町で買い物していたら、思わず「おおッ!」と唸らされる画像が到着。

森戸海岸の海の家で、『文藝怪談実話』に読み耽るキッシージュニアであります。
どうです、この聡明そうな面ざし!
末頼もしいとは、このことですなあ(笑)。
これで20年後も『幽』は安泰だな。
投稿者 東 雅夫 : 2008年07月14日 00:02 | コメント (0) | トラックバック (0)
2008年07月13日
小川未明の故地を訪ねて 『文豪怪談傑作選 小川未明集 幽霊船』の解説を執筆中に、これはやはり、未明文学の故郷である新潟県上越市に探訪におもむかねば……との念が、沸々と湧きあがる。
特に、未明の父・小川澄晴のことが、どうにも気になったのである。
小川家は旧藩士だが、父は他から入婿した人。もと修験者だっただけに性格に異常なところがあり、熱烈な上杉謙信の崇拝者として春日山城址に上杉神社を創建すべく寝食を忘れて奔走。ついにこれをほとんど独力で県社にまで昇格させた。(講談社版『日本近代文学大事典』の「小川未明」の項より)
「修験者だっただけに性格に異常なところがあり」というのも凄まじい記述だが(笑)、初期の未明作品に顕著な「マレビト幻想」との関わりにおいても、澄晴の事績を詳しく調査する必要があるように思えてきたのである。
しかも未明は小学生時代、生家のある越後高田から春日山の神社建設地まで5キロを超える五智街道を単身歩いて往還し、その途上で目にした北国の幽暗な自然と風光に触発されて、作家的夢想を培ったとされている。
これは何としても、高田市街に残る小川未明生誕地碑を起点に春日山まで、未明少年と同じく旧五智街道を徒歩でたどり、春日山神社と、境内に設けられた未明記念館を訪れ、しかるのち「赤い蝋燭と人魚」ゆかりの鵜の浜温泉に宿をとって新鮮な海産物に舌鼓をうつ……という魅惑的な取材行程が、鮮やかに浮かび上がってきたのであった(笑)。
かくして、各社のマークが緩くなる土曜と日曜を使って、急遽、上越市各地をめぐってきた次第(もちろん経費は自腹だ!)。
東京駅から「たにがわ」と「はくたか」を乗り継いで直江津へ。そこからローカル線で高田の駅へ到着。まずは市立図書館に併設された小川未明文学館をチェックし、未明の通った大手町小学校などを廻ってから、未明の生誕地へ向かう。

▲未明文学館のオリジナルグッズ
「赤い蝋燭と人魚」の蝋燭セットをゲット。

▲生活感あふれる界隈に立つ未明生誕地の碑。
ここを起点に、五智街道(今は加賀街道と呼ぶのが一般的らしい。駅の観光案内所で道を訊ね、徒歩で廻るつもりと云ったら呆れられた)踏破へと、いざ出発。
昔ながらの雁木造(雪深い地方で町屋の軒から庇を張り出し通路とする建築様式)が残る商店街を往くと、気分はすでに未明童話の世界である(笑)。

▲雁木造の歩道が実にイイ感じな高田の商店街。
とはいえ、今は夏。それも折からの好天で……とにかく暑い。市街地を抜けて郊外に出ると、さえぎるものなき蒼天から降りそそぐ陽光に汗だくになりながら、ともかく延々と歩く歩く。小学生の未明が、毎日のようにこの行程を往還していたとは、にわかには信じがたい距離である。
それでも旧街道の名残をとどめる旧家のたたずまいや路傍の石仏に遭遇すると、思わず疲れを忘れてしまうのだから単純なものである。
そんなこんなで、ようやく春日山城址に到着。
売店や食堂がどこもかしこもGackt@謙信コスプレのポスターだらけなのは御愛嬌だが、神社自体は予想していたよりも遙かに立派な規模であった。越後一円を駆け回り、喜捨を募って、ほとんど独力でこれだけの施設を創建してしまった澄晴の情熱と行動力には、自然と頭が下がる。

売店に、謙信グッズの数々に混じって、現宮司である小川清隆氏の著作『伝説 春日山むかしばなし』『語り伝えておやしろ百年の物語』等が並んでいたので嬉々として購入。澄晴について知りたかったことが色々と書かれており貴重な収穫となった。詳しくは『文豪怪談傑作選 小川未明集』解説にて。

▲未明作品にちなんだ人魚の母子像。
背後に見えるのは澄晴一家が暮らした社務所。
春日山から直江津経由で日本海沿いに出て、信越本線の潟町駅で降り、夕闇迫るなか鵜の浜温泉をめざす。
宿の部屋から目と鼻の先の浜辺を眺めたら、未明童話にちなんで立てられた人魚の像が、こちらをじーっと見つめているではないか(笑)。

翌日、宿の女将さんが車で駅まで送ってくれたのだが、談たまたま地元の人魚伝説に水を向けたところ――「雁子浜の人魚塚もねー、今じゃ荒れ果てて誰も行かないようですよ……」。
これは聞き捨てならない情報である。詳しく場所を伺い、現地踏査に向かうことに。
農作業にいそしむおばちゃんや井戸端会議に余念のないばあさまたちに道を尋ねたずねて、ようやくたどりついたのは、周囲を畑地に囲まれた林の中。どう見てもただの草藪にしか見えないけれども、ええいままよ、と勇を鼓してガサゴソ分け入ると……あったあったよ、ありました! 暗い草場の蔭に埋もれるようにして、一基の古塚が残されているではないか。

▲どう見てもただの茂みなのだが……。

▲雑草に埋もれるようにして伝説の人魚塚が。
傍らには説明板の残骸が朽ち果てていた。
浜辺の人魚像とは、ずいぶんと扱いに落差があるではないの。せっかくオリジナルな伝承地と遺物があるのだから、せめて環境を整備して掲示板くらいは設けてもよいだろうと思うのだが。それとも……あえて放置せざるをえない事情でもあったのだろうか!?
このあと、直江津の親鸞聖人上陸地に程近い居多神社で、越後七不思議のひとつ「片葉の芦」を見物するなどして、そそくさと帰京。
慌ただしい行程ではあったが、なかなかに充実した探訪行と相なった。詳細はそのうち、どこかに書くかも知れません。
投稿者 東 雅夫 : 2008年07月13日 01:12 | コメント (1) | トラックバック (0)
2008年07月12日
『おそろし』に仰天 来月の『ダ・ヴィンチ』ではもう一件、巻頭の宮部みゆき大特集にも登板します。
現在ビーケーワンでも好評予約受付中の最新刊『おそろし』についてインタビュアーを務めたほか、同書に関して拙文を寄稿することに。

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で、この『おそろし』なんですが……掛け値なしに、凄い出来映えです。
『あやし』に続く怪奇時代小説集とうかがっていたのですが、今回は連作短篇であると同時に見事にひと連なりの長篇にもなっており、しかも、これから先の波瀾万丈な展開をも予感させる……史上最大最恐の「大河百物語小説」が、ここに誕生したのだと申しあげても過言ではないでしょう。
しかも、その構想がインスパイアされるにあたって、かの『新耳袋』とともに拙著『百物語の怪談史』もひと役かっていたのだそうで、これはもう、百物語研究家冥利に尽きると云わねばなりませんな。

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もうひとつ、とても嬉しかったのは、『てのひら怪談』について、宮部さんのほうから「とても面白かったですよー」と話題にのぼせてくださったこと。
「特にどの作品が印象的でしたか!?」と勢い込んでお訊ねしたところ、「山の中のレストラン」(白ひびき)と「怪段」(猫屋四季)の名前が挙がりましたぞ。

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ちなみに今週から来週にかけては、宮部さんに続いて、京極夏彦さんと浅田次郎さんに、連続してインタビュー取材することになっとります。
すべて別々の会社の仕事なんですが、名実ともに現代における文芸エンターテインメントの最高峰に位置する語り部たちのお話をゆっくり拝聴できるとあって、遠足前の小学生のようにワクワクしているところです(笑)。
投稿者 東 雅夫 : 2008年07月12日 13:48 | コメント (0) | トラックバック (0)
今月と来月の『ダ・ヴィンチ』は…… 『ダ・ヴィンチ』8月号が発売になりました。
今号では小生、なぜか怪談関連記事ではなくて、荻原規子さんとあさのあつこさんによるファンタジスト対談の司会役を、キッシー&編集P子コンビから仰せつかりまして、なぜか写真まで載せていただいております(笑)。まとめ役は今号も大活躍の門賀美央子さん。

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角川書店からこのほど発刊された〈銀のさじ〉という書き下ろしファンタジー・シリーズの第一弾として、荻原さんの巫女さん小説(!?)『RDG(レッドデータガール)』と、あさのさんの宇宙冒険小説『ヴィヴァーチェ』が刊行されたのにちなんだ企画。どちらも怪談やホラーまみれで荒みきった中年男の心に、少年の日の初々しい輝きを取り戻させてくれるような魂の躍動感に満ちた好篇でした。
あさのさんには『幽』の取材で、つい先日お目にかかったばかりですが、荻原さんとは初対面、とはいえ遠い昔に『幻想文学』誌に御登場いただいたことがあった(発行人の石堂藍がお話を聞きに行ったのだ)ので、その旨「たぶんお忘れでしょうが……」と切り出したところ、「いいえ、憶えていますよ」と笑顔で即答いただき恐縮するやら感激するやら。

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さて一方、来る9月号では、近ごろなにかと話題の多い「怪談文庫」の特集が組まれることになりました!
これまたキッシーの号令一下、小生が選書とコラムを担当し、『ダ・ヴィンチ』ではライター初仕事となる朝宮運河さんが、選ばれた本の解説紹介を執筆することに。
文庫だけで怪談の過去・現在・未来を展望できるようなブックリストを心がけてみたのですが、意外なほどタマが揃っていて、近年の文庫の充実ぶりを更めて実感。御期待あれ。
あ、それから、注目のデビュー作品集『竜岩石とただならぬ娘』がいよいよスタンバイ中の勝山海百合さん、『江戸東京 怪談文学散歩』を書き下ろし刊行する東雅夫さんというフレッシュな両雄のインタビューも載る模様です(笑)。
投稿者 東 雅夫 : 2008年07月12日 00:27 | コメント (0) | トラックバック (0)
2008年07月11日
『文藝怪談実話』発売です。 今夏のちくま文庫版〈文豪怪談傑作選〉第一弾となる『文豪怪談傑作選・特別篇 文藝怪談実話』が発売となりました!
ビーケーワンでは今なら24時間以内出荷で、すぐにお手元に届きます。

文豪たちはお化け好き!?――若き日の遠藤周作と三浦朱門が熱海の宿で体験した迫真の幽霊目撃談。泉鏡花ら大正昭和の文人墨客をふるえあがらせた田中河内介にまつわる霊威譚の連鎖。小泉八雲から小林秀雄まで、山下清から水木しげるまで、三遊亭円朝から淡谷のり子まで……古今の文豪を中心に、文化各界の多彩な名人上手が、達意の筆で描きだす怪談「実話」の傑作を一巻に蒐めたアンソロジー。
怪談への関心がかつてなく盛り上がっている手応えを感じる今年、実話としての怪談にこだわりを抱き、優れた作品を遺した偉大なる先達諸氏の業績をふりかえることは、大いに意義深いことではないかと考え、本書を編んでみた次第です。
ぜひとも御高覧のほど、お願い申しあげます。

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投稿者 東 雅夫 : 2008年07月11日 07:48 | コメント (2) | トラックバック (0)
2008年07月09日
「東雅夫のイチオシ棚」更新ビーケーワンの辻です。
「東雅夫のイチオシ棚」 更新しました。
ビーケーワン怪談大賞審査員の加門七海さんの注目の新刊『心霊づきあい』が予約開始となりました。
「自称・心霊が見える著名人」に加門七海が、何をどんなふうに「見る」のか徹底的に聞きまくった一冊です。
真夏ということで怪談本も続々刊行されています。
<しんみみぶくろ>シリーズ第5作『幽霊学級』。釣り人たちが遭遇したこわーい話を集めた『水辺の怪談最恐伝説』 。おなじみの『「超」怖い話Μ』&異形コレクション『未来妖怪』などなど。
そして100年の時を超えて蘇ったミステリーの古典、三津木春影『探偵奇譚呉田博士』にもご注目を!
加門七海『心霊づきあい』
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投稿者 coolmint : 2008年07月09日 15:41 | コメント (0) | トラックバック (0)
『文豪怪談傑作選 小川未明集』ラインナップ発表!今夏の〈文豪怪談傑作選〉第2弾として8月上旬に発売される『小川未明集 幽霊船』のカバー(金井田英津子・画/山田英春・デザイン)が完成しました。

いかがです!?
小生など一瞥するなり、ただただ感嘆の溜息ばかり……こんな素晴らしいカバーアートを身に纏って世に出る文豪怪談傑作選たちは幸福者だとしみじみ思います。
カバーに負けないように(笑)内容面でも張り切って選んでみました。
下記のラインナップです。
『文豪怪談傑作選 小川未明集 幽霊船』
過ぎた春の記憶
百合の花
稚児ヶ淵
嵐の夜
越後の冬
迷い路
不思議な鳥
黄色い晩
櫛
抜髪
老婆
点
凍える女
蝋人形
赤い蝋燭と人魚
黒い旗物語
黒い人と赤い橇
金の輪
白い門のある家
薔薇と巫女
幽霊船
暗い空
捕われ人
森の暗き夜
扉
悪魔
森の妖姫
僧
日没の幻影
北の冬
面影
夜の喜び
貸間を探がしたとき
え、こんなに!? と驚かれるかもしれません。
なんと今回は全33篇――未明の怪奇幻想小説とエッセイが、これだけ一巻に結集されるのは、史上空前の出来事だろうと思います。
もちろん、全集未収録の珍しい作品も多数収録……というか、編纂を進めていて更めて実感させられたのですが、驚くべき多作家だった未明の小説作品は、意外にもその過半が今なお全集未収録なのですな。
今回は思うところあって、「赤い蝋燭と人魚」から「白い門のある家」までの童話5篇以外は、すべて明治40年代に書かれた初期作品の中からセレクトしました。
北国の土俗的妖異と泰西世紀末芸術に触発された幻想が渾然一体となった未明怪異譚の全貌が、およそ一世紀近くを経て、ここに蘇る! 乞御期待。
投稿者 東 雅夫 : 2008年07月09日 11:33 | コメント (0) | トラックバック (0)
推理作家協会賞パーティと二次会 6月30日夕刻より新橋の第一ホテルで開かれた推理作家協会賞の授賞式に出席。
先にもお知らせしたように『幻想と怪奇の時代』で「評論その他の部門賞」を受賞された紀田順一郎先生からお招きに与ったのである。ありがたいことである。
受賞挨拶では、「本当は〈古本屋探偵〉で、この賞をいただきたかったところですが……」という一言に、会場のあちこちから笑いと喝采が起こる。常に機智と諧謔の精神を忘れない紀田先生ならではというべき余裕のパフォーマンスだった。
ちょっと急ぎのミッションを抱えていたので、先生と奥様に直接お祝いを申しあげた後、早めにパーティ会場を抜け出して、二次会会場近くのモスバーガーで一仕事してから二次会におもむく。

会場に入るなり、『幻想と怪奇の時代』の担当編集者であるK氏@松籟社に握手を求められ、歓びを分かち合う。帯文を寄せた本が賞に輝くのは(たぶん)初めての経験なので嬉しきこと限りなし。
会場には、慶應大学推理研とSRの会の重鎮諸氏が居並び、小生が若輩に見えるほどであった。日下三蔵氏や藤原義也氏@藤原編集室、それに徳島から駆けつけた小西昌幸氏らと隅のほうで歓談する。

↑これが日本初のホラー同人誌『THE HORROR』の題字原稿だ!
と、おもむろに、司会役の杉江松恋氏@『幽』でもお世話になってます、が紀田先生御持参の貴重な資料の紹介を始める。
あの伝説の「恐怖文学セミナー 発足宣言」の原稿や、アーカム・ハウス社のカタログなど、怪奇党感涙の貴重な現物を間近に拝見することが出来て眼福であった。
祝賀スピーチの中でも述べさせていただいたのだが、今回の受賞によって、戦後日本における怪奇幻想文学ジャンルの確立に携わった先人たちの業績が、より広範に知られることの意義は極めて大きいと思う。更めて心よりの祝意を表する次第である。
投稿者 東 雅夫 : 2008年07月09日 10:34 | コメント (0) | トラックバック (0)
2008年07月06日
てのひらイベント続報 すでに大極宮等でも告知が始まっていますが、今年の怪談イベントは、久しぶりに妖怪会議との合同開催となりました!
あの仮面ライダー響鬼vs桃太郎ショーでも(極私的に)思い出深い京都太秦の東映映画村を舞台に、8月23日(土)、24日(日)の両日おこなわれます。
『幽』のイベントは23日午後から夜にかけて二部制(それぞれ有料)でおこなわれますが(詳しくは明日発売の『ダ・ヴィンチ』およびWEB幽での正式発表をお待ちください)、てのひら関連イベントは翌24日午後に、映画村内のイベントスペースで開催予定です。こちらは参加費無料ですが、映画村自体の入場料は当然のことながら必要となります(笑)。
すでに加門七海さん、福澤徹三さん、山下昇平さんからゲスト参加の内諾をいただいておりまして、他にも都合の合う関係者にはどしどしお越しいただくつもりです。
今回は『幽』イベントのほうで森山東さんにゲスト出演していただきますし、てのひら文庫やてのひら百怪に続いて、『超短編の世界』や『異形コレクション・未来妖怪』など関連書籍も相次いでいるようですし、もしも可能であれば「小さな妖しい物語」サミットみたいなコーナーを盛り込むのも面白いんじゃないかなーなどと、あれこれ勘案・画策中。

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↑いっしょに読むともっと愉しい!
よく見ると表紙もどことなーく似たような!?
これぞまさしく姉妹篇?
投稿者 東 雅夫 : 2008年07月06日 18:47 | コメント (0) | トラックバック (0)
2008年07月05日
『文藝怪談実話』見本出来!今年の〈文豪怪談傑作選〉第一弾が無事に完成しました!

新耳コンビの原型ともいうべき(!?)遠藤周作&三浦朱門コンビによる迫真の幽霊遭遇実記や、史上最恐の大ネタとして怪談実話史上あまりにも有名な「田中河内介」をめぐる霊威譚集成から、ブルースの女王・淡谷のり子による加門さんもマッサオな見霊回想記まで……本物の「怪談実話」や「実話怪談」をお求めの向きは必読かと。
後半には、佐藤春夫や稲垣足穂、川端康成らの「実話怪談小説」(笑)も収載!
「実話語り」としての怪談文藝の豊饒な世界に触れていただけるアンソロジーを企図してみました。
来週後半には店頭に並ぶと思いますので、よろしくお願いいたします!
投稿者 東 雅夫 : 2008年07月05日 10:09 | コメント (0) | トラックバック (0)
2008年07月02日
昼下がりの百物語怪談会 さて、明けて28日は、向島百花園での百物語怪談会当日である。
午後1時に集合とのことだったが、少し早めに出て、まずは地元の頼もしき鎮守神・白髭神社に参拝。境内には大祓の茅の輪が設えられていて、思わずニッコリ。閉会後にくぐらせていただくことにする。
そのあと百花園へ。入園後、最初におもむいたのは、入口のすぐ左手にひっそりと鎮座する多賀神社の小祠である。

↑百花園に来園の際は必ずお詣りしませう。
本日の無事を深くふかーくお願いする。その慄然たる理由は……8月上旬発売の拙著『江戸東京 怪談文学散歩』(角川選書)の「森鴎外『百物語』と向島百花園」の章に詳述してありますので(笑)、ぜひとも御高覧たまわりたく。

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↑『江戸東京 怪談文学散歩』三大特典付きで予約受付中!
園内の広場に面した売店を覗くと、その多賀氏に関する研究書『寺島村ゆかりの旗本家 多賀氏を探る』ほかが販売されていたので即購入。店の御主人に、かつて園内に在ったらしい「喜多野家茶荘」について質問したところ、「喜多野家」とは園の創始者・佐原菊塢の別号のひとつであることを教えられる。
さて、会場の御成座敷に入ると、いきなり玄関先に牢名主のごとく陣取った門賀美央子さんから、会費徴収と引き替えに籤引きするよう促される。話す順番を決めるのだとか。なるほどそういう方式もありですか。
食事を供してくださる同施設の女将さんが佐原家の末裔であると門賀さんに教えられ、売店に続いて直撃取材を試みる(笑)。その結果、喜多野家茶荘は、現在は百花園に隣接する児童公園となっている辺りで開業していた料亭であったことが判明。収穫収穫。持参した喜多野家茶荘の絵葉書をお見せすると、「まあ、懐かしい!」と大変喜んでいただけた。

↑これが伝説の喜多野家茶荘だ!
会場にはすでに多くの参会者が詰めかけていた。妖怪系と怪談系と幻想系で、およそ三等分といった割合か!? 総勢20余名。
田辺青蛙@ホラ大短編賞、西崎憲@ファンタジーノベル大賞、高原英理@幻想文学新人賞、黒史郎@『幽』怪談文学賞……の各氏がズラリ勢ぞろいしたところは、よく考えると(笑)なかなかの壮観ではないか!
食事会に続いて、いよいよ開会。まずは門賀さんから本日の方式についての説明がある。
語り手は番号順に一座の前の座布団に座り、持ち時間3分程度で1話を物語る。そして手元の籠に入れられてある灯心代わりの発光体を手に取り、暗い廊下を通って、別室に至り、闇の中に据えられた収納箱に発光体を納め、鏡を覗き込んでから座敷に戻るのであった。
鏡の横には、山下昇平さんが突貫作業で造りあげたという(も、もしや俺のせいか!?)「クサユウレイ」の妹が妖しい光を放ち、いやが上にもムードを盛り上げていた……。

↑妖美な妹。お姉さまと較べてみませう。
小生は前口上として、百花園と百物語の因縁話を披露すれば、それでお役御免かと思っていたのだが、門賀さんから「参加せよ」とのキツイお達しを受けたので、一計を案じて、大正8年夏に『都新聞』に連載された「向島の怪談会」から泉鏡花ほかの怪談話を朗読することにした。90年を隔てた過去と現代の百花園百物語を交錯させようというアンソロジストならではの趣向である!(笑)
会場の都合で、夜8時までという時間限定のイベントであったため、70話を超えたところでお開きとなった。小生としても久方ぶりの百物語参加であったが、皆さん、なかなか話のツボを心得ていらして、心愉しい時間を共にすることができた。
体験談、見聞談だけでなく、門賀さんが『てのひら怪談』から峯野嵐さんの作品を追悼朗読されたり、西崎憲さんや歌人で翻訳家の佐藤弓生さんが欧米の怪奇小説アンソロジーから印象的な佳話を披露されたりといった変化球も交えて、充実した内容であったと思う。
企画・主催された門賀さんとパメラさん@妖怪連合、そして会場の調度・設営に尽力された山下昇平さんの御苦労を多としたい。
投稿者 東 雅夫 : 2008年07月02日 15:02 | コメント (1) | トラックバック (0)
2008年07月01日
お詫びと訂正 『幽』9号において、下記の誤りがありました。
すでにWEB幽で訂正記事が出ていますが、こちらでも告知しておきます。
「短歌百物語」四十三(217ページ)にて、
引用歌の作者名が抜けておりました。
引用歌は、伊津野重美様の作品です。
誠に申し訳ございません。
ここに謹んでお詫びし、訂正させていただきます。
印刷所にミスの経緯を糺したところ、校了時点までは正しく記載されていた作者名が、印刷所のオペレイターのミスで削除されてしまったとのことです。ううーむ……。
投稿者 東 雅夫 : 2008年07月01日 17:51 | コメント (0) | トラックバック (0)
















