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2009年04月30日
山田野理夫翁は、語る。『幽』次号の第一特集「怪談遠野物語」の取材で、編集Rとともに横浜青葉台におもむき、山田野理夫翁のお話をうかがう。
山田翁といえば、出身地でもある東北の人と風土と民俗をめぐる数々の著作で知られるが、とりわけ現在40代より上の世代にとっては、『日本怪談集――その愛と死と美』『日本妖怪集』『東北怪談の旅』等々、60年代後半から70年代にかけて精力的に書き継がれた怪談&妖怪文芸関連の著作でおなじみだろう。
その詩情あふれる独特な語り口を、懐かしく思い出される向きも多いに違いない。
かく申す小生もその一人で、『響き交わす鬼』編纂に際しては、翁の『東北怪談の旅』から6篇を「オトロシその他の怪」として再録させていただいた。

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とはいえ、実際にお目にかかるのは、今回が初めて。駅に程近い和風レストランで緊張しながら待つことしばし、息子さんの介添えで来店された山田翁は、齢87にして矍鑠たる御様子で、『柳田国男の光と影』ほかの著書で探究されている佐々木喜善と怪談の話を中心に、興味深いお話の数々を聞かせてくださった。

そればかりではない。
目下『幽』とほぼ同時進行で制作が進められている文庫競作集『怪談実話系2』に、なんと30余年ぶりに新作怪談を書き下ろしてくださることも、御快諾いただいたのである!
「老人ならではの怖い話」を御披露くださるとのことなので、こちらも鶴首して待ちたいと思う。

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▲山田翁と京極夏彦氏との対談を収録!
投稿者 東 雅夫 : 2009年04月30日 21:11 | コメント (0) | トラックバック (0)
『明治期怪異妖怪記事資料集成』の恩恵 5万円近いお値段の『明治期怪異妖怪記事資料集成』だが、怪談好きの方ならば、とりわけ「実話」方面に関心を抱く向きには、そこから得られる愉楽は限りない。
いや、愉楽ばかりでなく、ときには積年の疑問に光明をもたらすような恩恵にも与ることがあるのだ。
端的な一例を挙げると、明治42年(1909)の章にある『国民新聞』8月26日付の「吉原で怪談会」という記事。
「二十三日の夜より二十四日の朝に掛けて吉原仲の町水道尻の引手茶屋兵庫屋の二階座敷で」云々と始まる怪談会のリポートは、鏡花の名作百物語小説「吉原新話」の直接のモデルとなった歴史的怪談会の詳細を伝えるものであり、そこに掲げられた参会者の名前は、同年10月刊の『怪談会』(ちくま文庫版『文豪怪談傑作選・特別篇 百物語怪談会』所収)とも、ほぼ符合しているのである。

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これまで『怪談会』については、その前年に向島で開催されて詳細も判明していた「化物会」との関係のみが、もっぱら取沙汰されてきたわけだが、『国民新聞』の記事によれば、吉原での会は「第三回の怪談会」とあるので、どうやらこの時期、鏡花を中心とする共通したメンバーによる怪談会が連続して(!)開催されており、それらを基に『怪談会』がまとめられたと考えたほうが実態に近いようにも思われてくる。
いかがです。こういう目から鱗モノの発見が多々あることを思えば、税込47250円也も決して高くない……とは思いませんか!?

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投稿者 東 雅夫 : 2009年04月30日 20:05 | コメント (0) | トラックバック (0)
2009年04月29日
「東雅夫のイチオシ棚」更新ビーケーワンの辻です。
「東雅夫のイチオシ棚」 更新しました。
巨匠高橋克彦の待望の短編集『たまゆらり』 が遂に刊行。
「幽霊屋敷」の歴史を解き明かす加藤耕一著 『 「幽霊屋敷」の文化史 』はユニークな研究書。
中国怪奇物がお好きな方には、過偉原著『中国女神の宇宙』がオススメ。
絵巻・浮世絵からマンガまで、妖怪画の流れを解説する『図説妖怪画の系譜』 は眺めるだけで
楽しい本です。
京極夏彦著『厭な小説』 、ガブリエル・ヴィットコップ著 『ネクロフィリア』 、寮美千子著『夢見る水の王国1・2』、 菊地秀行著『 「根無し草」の伝説 ふしぎ文学館』他、予約アイテムも充実。
文庫では、平山夢明著『東京伝説 閉ざされた街の怖い話』 、ポプラ文庫の江戸川乱歩モノに
ご注目を。

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京極夏彦著『厭な小説』
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寮美千子著『夢見る水の王国1』
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寮美千子著『夢見る水の王国2』
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菊地秀行著『 「根無し草」の伝説 ふしぎ文学館 』
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投稿者 coolmint : 2009年04月29日 14:40 | コメント (0) | トラックバック (0)
湯本豪一さん取材 5周年記念となる『幽』第11号が、いよいよ本格始動。
最初の取材仕事となったのは、「スポットライトは焼酎火」の研究家インタビュー。
創作に較べて、ともすると脚光を浴びるチャンスの少ない硬派の怪談研究関連書とその著者に、専門誌ならではの青白いスポットライトを当てて、あわよくば怪異の実体験談まで聞きだそうとするシリーズ企画は、リニューアルの大波にもめげず健在である(笑)。

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▲実は妖怪好きよりも怪談好きにこそ、
有益かつ存分に使い倒せる大冊だと思います。
ちょいと値は張りますが、入手して悔いなし!(笑)
今回は、その圧倒的存在感で俄然異彩を放つ『明治期怪異妖怪記事資料集成』(国書刊行会)について、企画・編纂者である湯本豪一さんにお話をうかがうことに。
湯本さんといえば、日本有数の妖怪資料コレクターとして、先刻御存知の方も多いだろう。『妖怪あつめ』や『明治妖怪新聞』をはじめとする多くの著書は、愉しさ無類である。

ライターの朝宮運河氏、編集Rとともに、川崎の市民ミュージアムにうかがい、貴重なコレクションを色々と拝見しつつ取材させていただいた。
資料の探求・蒐集にまつわる苦心談はもとより、とっておきの怪異体験談もしっかり拝聴させていただいたので、どうかお愉しみに!

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投稿者 東 雅夫 : 2009年04月29日 12:19 | コメント (0) | トラックバック (0)
2009年04月25日
『妖怪画談全集』の幻古書ネタ好評につき(笑)、もうひとつ。
昭和4年から翌年にかけて刊行された中央美術社版『妖怪画談全集』といえば、その「日本篇」(藤澤衛彦編)が、鳥山石燕『画図百鬼夜行』と水木しげる翁の縁結びとなったことで有名である。
京極夏彦さんの大労作『妖怪の理 妖怪の檻』でも詳述されていたのを、御記憶の向きも多かろう。

同シリーズは「日本篇(上下)」と「支那篇」「ロシア・ドイツ篇」の合計4冊が刊行されたとされるが、小生は長いこと、もっと大部のシリーズだと錯覚していた。
なぜかというと、まだ学生時代、神保町の古書店街を徘徊中に、とある店の最上段の棚に、同シリーズの揃いらしきモノが置かれているのを茫然と見上げた記憶があったからだ。
まあ、小生の記憶なんぞいいかげんなものだし、現に国会図書館の蔵書目録にも上記4冊しか登録がないし、その後、古書店で折々見かけるのもその4冊に限られていたので、記憶違いだったのだろうとは思っている。
で、つい先日、偶々こんなものを入手した。

『妖怪画談全集』発刊に際して作成された内容見本である。
いかにもモダニズム全盛期の妖しさ漂う、痺れるデザインではないか!
これによると、同シリーズは全10巻の陣容で、その内訳は下記のとおり――
1 日本篇・上(藤澤衛彦編)
2 日本篇・下(藤澤衛彦編)
3 支那篇(過耀艮編)
4 印度篇(タゴール翁人選中)
5 ロシヤ・ドイツ篇(アレキサンダー・ワノーフスキイ編)
6 イギリス篇(グラント編)
7 アメリカ篇(ラコック編)
8 フランス篇(ベルモンス・ボルネ編)
9 比較妖怪学(スバルビン博士/藤澤衛彦)
10 世界妖怪史(藤澤衛彦)
「タゴール翁人選中」とか「世界妖怪史」とか、もう小躍りしたくなるような萌えポイント(?)満載で、おそらくは藤澤衛彦の筆になると思われる長文の発刊の辞も、読みごたえあるなかなかの名文なのだ(機会があればどこかで復刻紹介したいと思うが、こりゃ『幽』よりは『怪』だよなー)。
かつて小生が目にした全巻揃いが、もしも記憶違いでなかったら……などと、妄想を掻きたてられることしきりであった。

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▲こちらもまた、ある意味で藤澤衛彦の流れを汲む研究者たちによる充実の論集。
ちなみに上記2冊と『怪談文芸ハンドブック』を併読されると、色々発見があると思います(笑)。
投稿者 東 雅夫 : 2009年04月25日 14:30 | コメント (0) | トラックバック (0)
映画『吸血』専用サイト コメント欄といえば、先日試写会にお邪魔した映画『吸血』の吉本直紀監督からも、御丁寧な書き込みを頂戴し、恐縮しております。
コメント中でも御紹介いただいたように、下記サイトにて、拙文を掲げていただいております。映画を拝見した直後にしたためたものですが(汗)、御高覧のほどを。
『吸血』公式サイト
http://kyuketu.is-mine.net/
それからスタヴロス・フィルムのurlが違っているそうなので、下記のとおり再掲しておきます。
stavrosfilm 公式サイト
http://stavrosfilm.web.fc2.com/index.htm

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▲故田中文雄氏プロデュースによる国産吸血鬼映画の先駆〈血を吸う〉シリーズ。
独特の和洋折衷感覚は『吸血』の世界にも遙かに影響を及ぼしている気がします。
投稿者 東 雅夫 : 2009年04月25日 11:56 | コメント (0) | トラックバック (0)
『蘆江怪談集』続報先ほど「海野十三の会」(小生も末席に加えていただいております)の小西昌幸さんからコメント欄に御教示いただいたのですが、ミュージシャンでアルケミーレコード社長のJOJO広重さんが、小生に先んじて「『蘆江怪談集』をウェッジ文庫に!」と叫んでいらしたようです。
広重さんとは面識がないのですが、Wikipediaのプロフィールを拝見したら、小生と1年違いの1959年生まれとのことで、妙に納得。
『蘆江怪談集』への思い入れは、徳島での紀田順一郎講演会を企画(そこから生まれたのが『幻想と怪奇の時代』でした)された小西さんも含めて、キダジュン刷り込み世代(!?)に特有のものかも知れませんな(笑)。
下記サイトの2009年04月06日の記事を御参照ください。
JOJO広重ブログ
http://noise.livedoor.biz/

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投稿者 東 雅夫 : 2009年04月25日 11:36 | コメント (0) | トラックバック (0)
2009年04月24日
通販生活と怪談生活!? 『通販生活』2009年夏号の見本誌が届きました。
小生は「心に残る1冊」という本のページに、女優の中江有里さん(「週刊ブックレビュー」出演の際にもお世話になりました!)、数学者の秋山仁さんと共に登板しております。

今回のテーマは「私が震えあがった本」ということで、事前に3冊ほど候補を選んで、「他の方のチョイスとのバランスなども勘案して御指定ください」とお伝えしておいた結果、「では加門七海さんの『怪のはなし』で」……ということになりました(笑)。
まあ、『通販生活』のユーザーの方々に、恐ろしくも心愉しい「怪談生活」のススメをアピールするためには、最適のチョイスになったのではないかと思われます。

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▲文芸怪談実話のひとつの理想型といえるのではないか、と。
読みませう!
投稿者 東 雅夫 : 2009年04月24日 18:42 | コメント (0) | トラックバック (0)
定例会議で…… 茗荷谷の図書館流通センターで、月イチで開催されているビーケーワンの定例会議。
といってもレギュラー出席者は、ビーケーワン事業部の辻さんと、フリーのライター&エディターのタカザワさん、それに小生の3名だけなんですが(笑)。

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今回は開始早々、『リトル・リトル・クトゥルー』の特典配信の遅延について、辻さんからお叱りをうける。「特典まだかー!」とのお問い合わせが相次いでいるそうで……すいませんすいません! なにぶん小生が仕事の合間合間にテープ起こしをして少しずつまとめているもので、なかなか進んでいないのです。
今しばらく、お待ちくださいませ。

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さて、本日の中心議題は、今年も6月1日から開催されるビーケーワン怪談大賞について。といっても運営面については、すでに打ち合わせ済みなので(昨年までと大きな違いはない予定)、もっぱら開催期間中の売り上げ目標と、フェア展開の相談がメインでした。
前にも書いた記憶がありますが、ビーケーワンは「書店」ですので、その期間に本がどれだけ売れるかというのが重要な指標となるのですね、当たり前ですが。
どうか今年も、参加者の皆さまの御協力を、お願い申しあげます。
あ、ちなみに、6月7月期に怪談・ホラー・幻想文学方面の新刊発売を予定されている編集者の皆さま!
怪談大賞と連携したフェアや企画展開も可能ですので、どうかお気軽に、小生もしくはビーケーワン事業部の辻あてに、御相談ください。特に高価格本、大歓迎だそうです。
以上、業務連絡でした(笑)。

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▲諸般の事情で入荷が遅れていた『怪』リニューアル号がやっと入荷しました!
ある意味、原点回帰ともいうべきオーソドックスな造りで
『幽』や怪談方面の読者にも興味深い記事が満載ですぞ。
投稿者 東 雅夫 : 2009年04月24日 13:11 | コメント (0) | トラックバック (0)
『お岩』様のカバー公開 5月発売の幽クラシックス新刊『お岩――小山内薫怪談集』のカバーデザインが完成しました。
『飛騨の怪談』に続いて装幀をお願いしたデザイナーのchutteさんによる力作です。

今回は、何から何まで真っ暗、じゃなくて、真っ黒な本に! というのがデザイン・コンセプトでして、カバーも黒一色の中に、うねくる蛇のからまるタイトルが浮かび上がる……という、見るからに美しくも恐ろしげなものになりました。
従来の四谷怪談本のイメージを払拭したいという思惑もあったりして(笑)。
なお、ビーケーワンの書誌情報ページにも、特典の告知が掲げられましたので、御参照のうえ、ふるっての御予約をお願い申しあげます!

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投稿者 東 雅夫 : 2009年04月24日 12:50 | コメント (0) | トラックバック (0)
2009年04月23日
『蘆江怪談集』 それは先日、小生が51度目の誕生日を迎えた夜半のことであった。
ひとり心静かに、来し方行く末に思いを馳せながら、某ネット古書サイトで検索をかけていると(笑)……思わず我が目を疑うような一項が目に飛び込んできた。
『怪談集』平山蘆江著 岡倉書房 S9
こここ、これは間違いなく、岡倉書房版『蘆江怪談集』のことだろう。
もひとつ続けて、目の玉が飛び出るほど驚いたのが、その金額である。
なんとまあ、最近の『幽』1冊よりもちょいとお安いという、信じられないような価格だったのだ。仮にその十倍の価格でも、私ゃ迷わず注文していたね。

思いかえせば35年近く前、1974年3月発行の『幻想と怪奇』第6号「幻妖コスモロジー/日本作家総特集」に掲載された平山蘆江「悪業地獄」の解説で、紀田順一郎先生が「ここにあげた作品は昭和十年(一九三五)岡倉書房刊の『蘆江怪談集』より採ったもので、十三編の佳品を収めた稀覯本である」と書かれているのを読み、いつの日か同書と巡り会うのを夢見ながら幾星霜……入手する機会を逸していた積年の探求書だったのだから。
怪談の神様、ありがとう! の心境であったことよ。

かくして、無事に落手した『蘆江怪談集』の、著者自装による小粋なたたずまい。
背文字は「怪談集」となっており、古書店の記載は、これに従ったものだろう。
表紙の火炎が、背をまわって裏表紙に到ると、雨夜の陰火に化するという趣向があったとは、正面からの書影だけ見ていたのでは分からないことだ。
同書は国会図書館にも収蔵されているため、内容はとうの昔に一読していたのだが、今回あらためて再読していて、さらに一驚を喫することと相成った。
巻末に収められている「怪異雑記」というエッセイを読み進めるうち、今まさに取り組んでいる『文豪怪談傑作選・特別篇 鏡花百物語集成(仮)』の解説を書くうえで気になっていた「ある推定」の重要な傍証となるだろう一節に出会したのである。
アンソロジーを編纂していると、こういう「向こうまかせ」の僥倖に、しばしば際会するという一例であります。
怪談の神様、ありがとう……。

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▲よくぞ、こんな地味な本を文庫に(笑)。
怪談エッセイも含まれているので、お見逃しなく。
次は『蘆江怪談集』どうでしょう、ウェッジ文庫さん!
投稿者 東 雅夫 : 2009年04月23日 10:15 | コメント (3) | トラックバック (0)
2009年04月22日
さらに仰天の! 今さっきサイトウさんから、いずれ朗報になるかも……しれない(笑)、あっと驚く速報が届きました。
いやー、はははははー。
しかし、これは…………!?
まあ、果報は寝て待て、と申しますしね(謎)。
いつの日か、嬉しい発表ができる日が来ることを、皆さんも共に祈ってくださいませ(これだけでは何が何やら全く分からないとは思いますが)。
今回の『てのひら怪談 己丑』のために書き下ろしていただいた、加門七海さんによる「己丑」(干支)の解説(力作ですぞ!)を、ゆくりなくも想起した次第です。
本当に、今年は春から色々あるなあ……。
投稿者 東 雅夫 : 2009年04月22日 18:03 | コメント (0) | トラックバック (0)
2009年04月21日
今度はイナジュンだ!ポプラ社のサイトウさんからも、朗報が!
6月上旬発売のポプラ文庫版『てのひら怪談 己丑』の巻末解説を、現代怪談語りの第一人者・稲川淳二さんにお引き受けいただけることになりました。
稲川さんは、すでに収録作品にも目を通してくださっているそうで、どのような感想を披瀝していただけるのか、とても愉しみですし、おおいに興味深いところです。

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また、第一集に引き続き、装画のキャラクター造形と撮影をお願いしている山下昇平画伯からも、工房で頻発する怪異現象(!?)にもめげず、キモカワの極みというべき注目の新キャラクターを起用した作品が到着中。
こちらも愉しみであります。

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投稿者 東 雅夫 : 2009年04月21日 19:12 | コメント (0) | トラックバック (0)
2009年04月20日
『柳田國男集』重版決定! ちくま文庫編集部のKさんから、またまた朗報が。
『文豪怪談傑作選 柳田國男集 幽冥談』の重版が決まったとのことです。
同書は2007年8月刊行でしたから、丸2年近くかかっての増刷となりました。
発売直後に重版! というのも無論のこと嬉しいわけですが(笑)、こうやって地道に売り上げを伸ばして版を重ねるのも悦ばしいことです。
柳田翁は「郷愁喚起装置(マシン)」を持っていたに違いない。
それは「学」を照射し、「怪」という仄暗き罔兩(かげ)をも生成する。
私たちはかつて「戦慄することを知っていたのだ」と、思い出させてくれるのである。
京極夏彦
同書刊行に際しては、特別に京極夏彦さんから上記の推薦帯文を頂戴するなど、本シリーズの中でも思い入れのある巻だけに、嬉しさもまた格別であります(京極さんにも更めて御礼申しあげます)。
これで今夏のラインナップに予定している姉妹篇『折口信夫集』にも弾みがつくというもの。
また、今週末から恒例の巡礼団取材に出立する『幽』次号の第一特集「怪談遠野物語」に向けても、幸先の良いスタートとなりました。
お買い上げくださいました読者の皆さまに、深く御礼申しあげます。
万一、未入手という方も、『幽』次号の予習にも最適な一巻ゆえ(笑)、この機会に購入を御検討くださいますよう、お願い申しあげます。

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投稿者 東 雅夫 : 2009年04月20日 18:06 | コメント (0) | トラックバック (0)
2009年04月19日
毎度のことですが……ハッと気がつけば、長短の原稿締切6本とゲラ校正2冊と編纂作業およそ(笑)3件と取材2件に探訪仕事1件が、ここ1週間ほどのうちに何故か集中してしまい、まったくもって息つくヒマもありませんでした。
それでもなんとか幽クラシックスの5月新刊『お岩――小山内薫怪談集』は、無事に間に合う模様(ホッ)。
今回はビーケーワン特典として、同書所収「お岩」の原典となった下記の講談落語本から「超怖いサワリ集」をお届けする予定です。
*春錦亭柳桜『四谷怪談』(一二三舘・1896年2月刊)
*桃川若燕「四谷怪談 お岩稲荷の由来」(国華堂書店版『実説 怪談恋物語』所収/1910年10月刊)
*秦々斎桃葉口演「四谷怪談」(博文館版『講談文庫 怪談集』所収/1911年10月刊)
ふるっての御予約をお待ち申しあげております!

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▲『お岩』御予約は、こちらから!
投稿者 東 雅夫 : 2009年04月19日 13:35 | コメント (0) | トラックバック (0)
田中文雄氏の訃報に接して 去る4月12日、田中文雄氏が脳出血のため逝去されました。享年67。
突然の悲報に愕然といたしました。
田中氏は宇都宮生まれの東京育ち。最後のホラー長篇となった『鼠舞』は、おさない日に接した宇都宮の風土から生まれた作品であるとのことです。
早大政経学部を卒業後、東宝映画のプロデューサーとして、国産吸血鬼映画の先駆となった「血を吸う眼」ほかの〈血を吸う〉シリーズや小松左京原作の『エスパイ』、東宝怪獣映画後期の異色作『ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦!南海の大怪獣』や84年版『ゴジラ』ほかの怪奇・SF映画を製作。その後、74年に短篇「夏の旅人」がハヤカワSFコンテストに佳作入選、76年、瀧原満名義による短篇「さすらい」が「幻影城」新人賞に佳作入選したのを契機に、「幻影城」「奇想天外」などの雑誌に幻想味の濃いSF・ミステリー短篇を相次ぎ執筆。81年刊の『竜神戦士ハンニバル』に始まる〈大魔界〉シリーズで本格的な作家活動を開始し、86年に東宝を退社、専業作家となりました。
古代の地球を思わせる外宇宙の惑星を舞台に、英雄ハンニバルと妹の幻術師シリアを中心とする一族の人々が「剣と魔法」の大冒険を繰り広げる〈大魔界〉は、本格的な国産ヒロイック・ファンタジーの先駆となり、魔力によって生み出された妖美な異世界と、そこに跋扈する異形の怪物などの描写がとりわけ精彩を放ち、幻想文学読者の注目を集めたものです。
また、ヘンリー・ジェイムズやW・デ・ラ・メアら恐怖美の詩人をこよなく愛するという作者の一面は、妄執に憑かれた人々が生み出す幻影の世界を叙情的な筆致で描いて鮮烈な印象を与えた第一短篇集『夏の旅人』を皮切りに、『猫恐』『妖髪』『コガネムシの棲む町』『水底の顔』『怪談学園』等々に収められた怪奇幻想短篇群に最も純粋に発揮され、ホラー・SF・ミステリーの境界線上に独自の幻想世界を構築しました。近年は〈異形コレクション〉にも、折にふれ珠玉の短篇を寄稿されていたことは御記憶の方も多いでしょう。
その一方で、田中氏は80年代後半から長篇ホラーの執筆にも意欲的に取り組まれ、幽霊屋敷小説の力作『蔦に覆われた棺』や、猫にまつわる恐怖を描いた三部作『猫窓』『猫路』『猫橋』などのオーソドックスな作品から、昭和史の陰に咲く妖花アルラウネの伝説を描く『花神曼陀羅』をはじめとする〈怪奇人間〉シリーズや、愛と哀しみのモダン吸血鬼ロマン〈緋の墓標〉シリーズなどに代表されるホラーアクションまで、さまざまな試みを実践されていました。
小生は『幻想文学』8号(84年9月刊)の「ロストワールド文学館」特集に際して、「秘境と怪獣――回想の香山滋」という記事のインタビュー取材をさせていただいたのが、田中氏との初対面だったと記憶します。このときは、若き日の氏がインタビュアーとなって『宝石』誌に掲載された香山滋インタビュー「或る作家の周囲――ロマンと幻想の詩人」も再録掲載させていただきました。
その後、『幻視の文学1985』に短篇「鬼哭」を御寄稿いただいたり、学研ホラーノベルズ起ちあげに際しては、その第一弾となる長篇クトゥルー神話小説『邪神たちの2・26』を書き下ろしていただいたり、『文藝百物語』にもホラー作家陣の長老格として御参加いただき、懐旧の地・浅草での不思議な体験談を御披露くださるなど、思い出に残る仕事を御一緒させていただきました。
映画の世界と文芸の世界の双方で活躍された氏の業績の中でも、とりわけ戦後日本ホラーの黎明期というべき1980年代にあって、いちはやく本格ホラー作品の創造に取り組まれた先覚者としてのお仕事の数々は、幾久しく記憶されるべきものだと思います。
ここに謹んで、御冥福をお祈り申しあげます。

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投稿者 東 雅夫 : 2009年04月19日 02:39 | コメント (0) | トラックバック (0)
2009年04月09日
「東雅夫のイチオシ棚」更新ビーケーワンの辻です。
「東雅夫のイチオシ棚」 更新しました。
怪異の世界をより深く知るための注目の2点が入庫。
東アジア恠異学会『怪異学の可能性』と 佐々木高弘『怪異の風景学』。
そして怪談を語るに欠かせない小泉八雲関連本が2点。
宇野邦一『ハーンと八雲』と西野影四郎編著 『小泉八雲と日本』。
予約開始したものでは、
梨木香歩のファンタジー『f植物園の巣穴』
タイトルも強烈な高原英理『抒情的恐怖群』
東雅夫が編んだ話題作『お岩 小山内薫怪談集』の3点がオススメです。

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梨木香歩著『f植物園の巣穴』
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高原英理著『抒情的恐怖群』
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東雅夫編『お岩 小山内薫怪談集』
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投稿者 coolmint : 2009年04月09日 20:06 | コメント (0) | トラックバック (0)
2009年04月08日
深謝あるのみ 幻妖ブックブログの月間売り上げランキングが、上記のとおり更新されました。
拙著『怪談文芸ハンドブック』が、忝なくも第1位となっております。
お買いあげくださいました皆さまに、心より御礼を申しあげます!

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いやー実は今回、ビーケーワンさんからは目の玉が飛び出るような部数の事前注文を頂戴しまして、内心「こんなに大量に在庫して、だ、だいじょうぶなのか……」と案じておったわけですが、非常に好調な売れ足のようで、ひとまずホッと胸なでおろしているところです。
とはいえ、まだまだ豊富に在庫しておりますので(笑)、引き続き御購入・御宣伝のほど、何卒よろしくお願い申しあげます。
ちなみに今週発売されました『ダ・ヴィンチ』5月号では、先にもお知らせしましたように(コメント欄へ御投稿くださった皆さま、ありがとうございました!)拙著の全面広告が掲載されておりまして、小生も一文を書き下ろしました。
自分の広告に寄稿したのは、生まれて初めての経験です(笑)。

他にも今号では、話題騒然の立原透耶『ひとり百物語』をめぐり、小生の司会で立原さんと加門七海さんの対談を掲載しております。
ぜひ御高覧のほどを!

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投稿者 東 雅夫 : 2009年04月08日 22:56 | コメント (0) | トラックバック (0)
『お岩』予約開始 5月刊行の〈幽クラシックス〉新刊『お岩――小山内薫怪談集』(東雅夫編)のビーケーワン予約が開始されました。

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近代演劇史に巨大な足跡を残した劇作家・小説家の小山内薫が、大正8年8月12日から翌年1月27日まで、日刊紙『万朝報』に連載した長篇時代小説「お岩」。日本の怪談を代表する名作『四谷怪談』の世界を、現代的視点で小説化した最初の試みであったが、なぜか新聞連載後、一度も単行本化されることなく『小山内薫全集』にも含まれていない、怪談ファン垂涎の幻の傑作とされてきた。過激な猟奇趣味と残酷描写は、洗練された歌舞伎の舞台からは失われた『四谷怪談』の古怪な姿をよく伝えているとされる一方、日本版ゴシック・ホラーの先駆、現代における怪奇バイオレンス小説の源流ともなっている。同篇の史上初復刻に加えて、大の怪談好きとしても知られた著者の怪談実話エッセイや『四谷怪談』関連の論考をも併録。
告知はまだですが、今回は一風変わった特典を考えていますので、お愉しみに!
やや高めの価格ですが、そのぶん造本に趣向が凝らされておりまして、「所有する悦び」を満喫していただける本になるかと思います。
とりあえず、本文組は、こんな感じ……。

なんだか……これだけでも怖そうでしょう?(笑)
いや、冗談でなく今回は、深夜に独りで本文校訂を進めていて、思わず総毛立つ感覚に襲われ、作業の手を止めること再々でした。
作品そのものというか、むしろ行間から、なんとも云えぬ悽愴な鬼気が伝わってくるのでありますな。
併録の「怪談実話集」所載の大ネタ「番町の怪と高輪の怪と」も含めて、本当に怖い怪談を堪能したい、という向きには必読必携の書となることでしょう。御期待ください!
投稿者 東 雅夫 : 2009年04月08日 20:40 | コメント (0) | トラックバック (0)
最新ヴァンパイア映画二題何から何まで好対照な(!?)吸血鬼映画の話題を。

まずは、すでに松竹系で全国ロードショー公開が始まっている、話題のイケメン吸血鬼映画『トワイライト』の劇場用パンフレットが、到着。
若い女性客がメインというだけあってキラキラした体裁なのですが、小生、「ヴァンパイアという見果てぬ夢」という一文およびコラムを寄稿しております。
美形ヴァンパイア&青春物語というのは、実のところ、かの『ポーの一族』やアン・ライスの〈ヴァンパイア・クロニクルズ〉をはじめとして、モダン吸血鬼譚の定番でもあるわけで、本篇もある意味で王道をゆく造りとなっているように思います。
機会があればぜひ劇場に足を運んで、ついでにパンフレットも御高覧を賜りたく。
続いては、映像作家の吉本直紀氏監督によるインディペンデント・ムービー『吸血』(企画制作スタヴロス・フィルム)が、このほど遂に完成。
原宿キネアティックで開かれた完成披露試写会にお招ばれしてきました。以下、会場で配布されたチラシから抜粋します――。
白昼夢シンドロームが社会に蔓延していた。オカルトマニアの青年と付き合う少女は、度重なる発作の中、自分が太古のヴァンパイアの血をひくことなど知らずのうちに、幻想の中、ヴァンパイアの館へと引き込まれる。
少女の来訪を待ち侘びている老吸血鬼と老鬼女。やがて少女の意識の奥底で、遠い昔の鬼の血が覚醒し始める。……

少女を演じる新進舞台女優・柿澤亜友美の陰翳ゆたかな表情と、老吸血鬼役の舞踏家・室伏鴻の怪演、そして『カリガリ博士』をはじめとするサイレント映画を髣髴させる吉本監督の映像美学によって形づくられた、新たなヴァンパイア・ジャパネスク世界は、怪奇幻想好きの諸賢には一見の価値があると思います。
今秋には一般上映が予定されているとのことですので、御注目のほどを。
【スタヴロス・フィルム/公式サイト】
http://www.stavrosfilm.com

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▲耽美的吸血鬼譚といえば……
このアンソロジーもお忘れなく!
投稿者 東 雅夫 : 2009年04月08日 04:52 | コメント (1) | トラックバック (0)
2009年04月03日
『てのひら怪談 己丑』収録作家発表! 6月5日発売予定のポプラ文庫版『てのひら怪談 己丑』(通称「てのひらかいだん・うっしー」)の収録作品が、このほど確定いたしました。
収録作家全81名のお名前を、下記のとおり公開させていただきます(五十音順、敬称略)。
青木美土里/我妻俊樹/秋山真琴/阿丸まり/有井聡/有坂十緒子/粟根のりこ/五十嵐彪太/石居椎/一双/井上優/岩里藁人/宇藤蛍子/うどうかおる/梅原公彦/江崎来人/大河原ちさと/小栗四海
貝原/加楽幽明/勝山海百合/金子みづは/神森繁/亀ヶ岡重明/烏本拓/狩野いくみ/君島慧是/クジラマク/崩木十弐/暮木椎哉/黒史郎/黒田広一郎/行一震/駒沢直
再生モスマン+水棲モスマン/沙木とも子/沢井良太/椎名春介/島村ゆに/斜斤/呪淋陀/白ひびき/新熊昇/朱雀門出/添田健一
平金魚/平平之信/高橋史絵/武田若千/立花腑楽/田辺青蛙/都田万葉/杜地都/飛雄
仲町六絵/仁木一青/西村風池/貫井輝/乃木ばにら/野暮粋平
花房一景/林不木/日野光里/ヒモロギヒロシ/不狼児/保志成晴/堀井紗由美
牧ゆうじ/間倉巳堂/松音戸子/松本楽志/圓真美/峯野嵐/室津圭
幽星/夢乃鳥子/由田匣/吉田悠軌/吉野あや/米川京
六條靖子
収録予定作家の皆さまには、追ってサイトウさん@ポプラ社から連絡をさしあげますので、よろしくお願いいたします。
なお最近、御住所やメールアドレスに変更のあった方(例/立花腑楽氏)は、至急、サイトウさん宛てに御連絡ください!
投稿者 東 雅夫 : 2009年04月03日 17:24 | コメント (0) | トラックバック (0)
夏への序曲 筑摩書房から『文豪怪談傑作選・特別篇 鏡花百物語集成(仮)』の素ゲラ(校正が入る前の状態のゲラ刷)が、ポプラ社からは『てのひら怪談 己丑』のプリントアウトが、同時に到着。
いよいよ夏本番へ向けて、否応なく拍車がかかってまいりました(笑)。

『鏡花百物語集成(仮)』については、例によって例のごとく(!?)調子に乗ってあれも入れたいこれも史上初復刻だー! とばかり詰め込みすぎてページ数を超過してしまったので、どれを落とすかを勘案するために、早めにゲラを頂戴したもの。
やはりゲラにして通読してみないと、なかなか「エイヤッ!」と思い切れないものなのよ。とほほほほ。これからしばし苦渋の選択に没入します……。
一方の『てのひら怪談 己丑』は、収録作品が最終確定したのを受けて、作品の配列を勘案するためのもの。
なお後ほど、収録作家一覧を公開いたしますので、しばしお待ちを。
投稿者 東 雅夫 : 2009年04月03日 15:25 | コメント (0) | トラックバック (0)
500円の怪談文庫! ……と云っても、残念ながら洋書の話なんですけどね。
『怪談文芸ハンドブック』の執筆中、海外の怪談作家や作品について立ち入った調べ物をする必要があって、久しぶりに本気出して(笑)洋書をリサーチしていたら、次から次へと関連書が芋づる式に引っかかってきて驚愕したペーパーバック・シリーズがありました。
英国の Wordsworth Editions から刊行されている〈Tales of Mystery & the Supernatural〉です。

ページ数に関係なく1冊500円前後という(ま、円高の影響もあるんでしょうが)破格の値段もさることながら、さらに呆然とさせられるのが、そのラインナップ。
M・R・ジェイムズやレ・ファニュ、コナン・ドイル、キップリングあたりは序の口で、アメリア・B・エドワーズ、エリザベス・ギャスケル、メイ・シンクレア、J・H・リデル、イーディス・ネズビット、M・ボウエン、さらにはA・C&R・H・ベンスン兄弟、A・カルデコット、R・マレイ・ギルクリスト、H・D・エヴァレットといったマイナーどころまで、ヴィクトリア朝からエドワード朝にかけて――即ち英国怪談文芸の黄金時代を彩った作家たちの怪奇猟奇小説群が、いずれも一本立ちの作品集として刊行されているのであります。
昔、Arno なんかのリプリント本を1冊ウン千円も払って購入していた頃から思えば、天国のようです……。

▲どんなに分厚くても薄くても
なぜか価格は一緒!(笑)
わが小泉八雲による『Oriental Ghost Stories』、ローズマリー・グレイ編の大冊『Scottish Ghost Stories』、R・コリングス編『Classic Victrian & Edwardian Ghost Stories』、D・S・サットン編『Children of the Night―Classic Vampire Stories』等々、アンソロジー関係も充実しております。
泰西怪奇党の諸賢には先刻御承知の向きも多いとは思いますが、たとえば『怪談文芸ハンドブック』をお読みになって、欧米作品の原典に興味を持たれた方などには、恰好の叢書だと思います。
すでに読み慣れた作品でも、原文で再読すると意外な発見があるものですし、英語が苦手な方は、邦訳をかたわらに置いて参照しつつちびちびと読むのも、なかなか乙なものです。
是非おためしあれ!

▲まずは、この定番4冊から如何でしょう?
少しの投資で大きな満足!(笑)
しかし、日本でもこういう叢書、実現できないものですかねえ……。
それこそ岩波文庫あたりで、どうでしょうか。もしもやっていただけるなら、手弁当でも協力するんだがなー。
投稿者 東 雅夫 : 2009年04月03日 13:44 | コメント (0) | トラックバック (0)
2009年04月01日
著者冥利 拙著『怪談文芸ハンドブック』に対する御高評を、早くもネット上でチラホラ見かけるようになりました。本当にありがたいことです。
とりわけ藤原編集室さんの「今日のあぶく」コーナー(http://www.green.dti.ne.jp/ed-fuji/today.html)に本日(31日)掲げられた紹介文は、小生が執筆中、心がけていたあれやこれやをズバリ言い当ててくださっていて、過分なお褒めの言葉ともども、著者冥利に尽きるものでした。
ぜひ御高覧のほどを……と申しあげたいところなのですが、同コーナーは連日更新で、しかもタイトルのごとく過去ログを残さないことをポリシーとされておりますゆえ、以下にその一部を引用紹介させていただきます(転載を御快諾くださいました藤原さんに、重ねて御礼申しあげます)。
この手の 「ハンドブック」 はどうしても作家名や書名の羅列になりがちなものですが、この本が素晴らしいのは、あれもあるこれもあるといった風に、いたずらにデータの集積に走るのではなく、「怪談」 というものに対する著者のとらえ方、歴史的なパースペクティヴがきちんとあって、その上で個々の作家なり作品なりがとりあげられているところです。
本書の中心をしめる第二部でも、網羅的であることより、「怪談とは何か」 「怪異を描くとはどういうことか」 という根本的な問題を押さえつつ、古代から現代へ至る怪談文芸の豊かな水脈を、具体的な作品に即してたどることに意が払われています。豊富な引用はあたかも小アンソロジーの様相を呈し、ときに 「怪談」 の勘所を適切な実例によって教えてくれます。
(中略)
幻妖ブックブログの記事をみると、短期間に一気呵成に書き上げられたもののようですが、それを可能にしたのは 《幻想文学》 《幽》 をはじめとする専門誌の編集、『文豪怪談傑作選』 『伝奇ノ匣』 『日本怪奇小説傑作集』 などのアンソロジー編纂、長年にわたるホラー時評や作家インタビュー、ガイドブックの執筆、また 「ホラー・ジャパネスク」 や 「てのひら怪談」 などの仕掛け人としての仕事など、30年近くにわたる著者の出版活動の蓄積でしょう (やはりおそろしく仕事が速かったという柴田宵曲のことを思い出しました)。どの頁を開いても著者がこれまで手がけてきた仕事につながっている、そういう広がりを持った本でした。
ええと、ひとつだけ補足しておきますと、確かに起稿から刊行までは短期間でしたが、助走期間と申しますか、構想が固まって資料を揃えてエンジンかかるまでがおっそろしく長かった、そのため担当の吸血キッシーやデザイナーの名久井直子さんには多大な御迷惑をおかけしたことだけは、ここに慚愧の念とともに言明しておきたいと思います……(汗)。
なお、水棲モスマンさんや酒月茗こと門賀美央子さんをはじめとする、てのひら怪談関係者によるレビューも、大変ありがたく拝読させていただいております(某さんの御指摘も、まことに忝なく!)。
今後の企画の参考にもさせていただきたいと思いますので、御自身のサイトや当ブログのコメント欄などで御意見・御感想をお聞かせいただけたら幸甚に存じます。

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▲藤原編集室プロデュースによる怪談系書籍の代表作といえば、こちら。
なお『妖異博物館』正続はちくま学芸文庫ではなく、ちくま文庫刊でした。
拙著で誤記していたので、まずは、ここでお詫びし訂正しておきます。

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投稿者 東 雅夫 : 2009年04月01日 00:51 | コメント (0) | トラックバック (0)

