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2009年10月30日

平成の怪談研究会、旗揚げか!?(笑)

 去る休日、深閑としたメディアファクトリーの会議室で、怪しい座談会が開催された。
 御参集いただいたメンバーは、『幕末明治 百物語』の両編者である一柳廣孝氏と近藤瑞木氏、そして『怪談異譚』の著者・谷口基氏――『幽』次号の「スポットライトは焼酎火」特別版の企画である。

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▲近藤氏(左)が御持参くださった稀覯書を前に。右は一柳氏。

 怪談研究の最前線に位置する3人の国文学者に、不肖ワタクシ@『鏡花百物語集』も加わった4名により、それぞれの最新刊にまつわるお話や、怪談と国文学研究の現状をめぐり、とても意義深い意見交換がなされた(ような気がする)。

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▲谷口氏(左)には、かつて『幻想文学』にも御寄稿いただいたことがあるのだ。

 創作も実話も大事だけれど、やはりキホンとなる研究・批評の充実なくして、真の怪談文芸・怪談文化の興隆はありえない。
 その意味で一柳さんたちによる青弓社版〈ナイトメア叢書〉(このところ続刊が停滞して心配していたのだが、今回の席で一柳さんから再起動の確言が飛び出し、ホッと安堵)は、貴重きわまりないメディアである。
 今後は『幽』としても、より連携を深めて、怪談研究振興へ向けて、新たなアクションを起こせたらと思っている次第なので乞う御期待。








 収録が終わった帰りがけ、近藤氏から衝撃の告白(笑)が。
 ななな、なんと氏は学生時代、早稲田大学幻想文学会の会員だったそうなのだ!
 われわれ創立メンバーが卒業して会勢が次第に衰え、気息奄々の時代に入会されたため、小生とも面識はなく、今までまったく存じ上げずにいた。
 『百鬼繚乱――江戸怪談・妖怪絵本集成』や『初期江戸読本怪談集』をはじめ、近世文学の分野で怪談研究に優れた業績を挙げつつある気鋭の研究者が幻想文学会出身だったとは……いやはや、こんな嬉しいことはない。






投稿者 東 雅夫 : 2009年10月30日 13:35 | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年10月28日

これが噂の妖怪プリンだ!

 中野駅から線路沿いに徒歩5分のおしゃれな喫茶店「Gカフェ」で開催中の天野行雄+山下昇平「快遊展」に行ってきました。

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▲店内右手に設けられたメインの展示スペース。小さいモノ好きには堪りません!

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▲これが噂その1の「快遊ガチャ」、1回50円也。
ガチャポンマニアの黒史郎さん@祝二世誕生のコレクションだそうな。

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▲いきなり故障したガチャを直そうと奮闘中のアマノヤマシタ。

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▲2回トライして、妖怪自動車@天野製とヘンなヒトガタ@山下製をゲット。
どちらもラブリイで満足!

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▲壁面を占める天野さん制作の面妖なるお面の群れ。

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▲こちらは山下さんのホワイト・サイド、別名「白山下」(笑)の本領発揮の可憐な一枚。

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▲そして、噂その2の限定「人魚プリン」とついに御対面! 美味です。

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▲こちらは「ぬっぺっぽうプリン」。どちらもセットで飲み物が付きます。

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▲入口に掲げられた挨拶文に、気になる一節が。
また脱いだのか、Rよ…………。

 というわけで、開放的で落ち着いたスペースで、御両人の異なる個性が絶妙に融合されたアートワークを堪能することができます(たいていの作品は購入も可とのこと)。
 まだしばらく会期もありますので、ぜひお誘い合わせのうえ、お運びくださいますよう。

投稿者 東 雅夫 : 2009年10月28日 13:23 | コメント (0) | トラックバック (0)

今月の「幻想と怪奇」時評

 『小説推理』12月号が届きました。


 今月の「幻想と怪奇」時評は、モダンホラーと怪談文芸の瑞々しきハイブリッドともいうべき雀野日名子の快作『チャリオ』をメインに、中山可穗の短篇集『悲歌』、小池壮彦『怪談 FINAL EDITION』、平山三男『疲労凍死/天幕の話』というラインナップ。
 『チャリオ』は初長篇とは思えない堂に入った構成力で、これから本格着手していただく予定のメディアファクトリーでの新作書き下ろしにも、大いに期待が膨らむ出来映えでした。
 実話系怪談本の新たなスタイルを提起する『怪談 FINAL EDITION』と、山岳怪談に新風を吹き込む『疲労凍死/天幕の話』も、怪談実話ファンはお見逃しなく!












投稿者 東 雅夫 : 2009年10月28日 04:02 | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年10月26日

『本の旅人』でホラ大特集

 角川書店『本の旅人』11月号が届きました。

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 今号は巻頭が、綾辻行人の待望の本格学園ホラー長篇『Another』刊行記念ロング・インタビュー、そして「日本ホラー小説大賞」特集として、大賞作家の宮ノ川顕と選考委員の高橋克彦による対談に加えて、『化身』を大森望、『嘘神』を風間賢二、『今昔奇怪録』を小生が、それぞれレビューしております。
 しかしそうか、『嘘神』は「高校生版『蠅の王』」(風間賢二)だったのかー!

 まもなく店頭でも入手可能になると思いますので、ぜひ御高覧のうえ、受賞作群+Anotherをビーケーワンにて御購入のほど(笑)、よろしくお願い申しあげます。
 お、そうそう、飴村行の怪奇魂みなぎる好エッセイ「万置き」もお見逃しなく!









投稿者 東 雅夫 : 2009年10月26日 15:01 | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年10月23日

「東雅夫のイチオシ棚」更新

ビーケーワンの辻です。
「東雅夫のイチオシ棚」 更新しました。
まずは第16回日本ホラー小説大賞受賞作を。
大賞受賞の宮ノ川 顕『化身』、長編賞受賞の三田村 志郎『嘘神』、
短編賞受賞の朱雀門 出『今昔奇怪録』。
朱雀門さんはビーケーワン怪談大賞でもおなじみですね。受賞おめでとうございます!
七十五年振りに復刊された『蘆江怪談集』は東雅夫の解説つき。
岩井 志麻子が上田秋成に挑んだ『雨月物語』は奇抜なアイディアで度肝を抜かれます。
海外小説では、オーリアリス賞ホラー部門大賞を受賞した
A.L.マカン『黄昏の遊歩者』がオススメ。
変わったところでは、ロシアの楽聖の想像力の豊かさに驚かされる『プロコフィエフ短編集』もあります。
そして水木しげるのすばらしい新刊が2点。
怪奇幻想マンガの傑作『妖棋死人帳』と『妖鬼化 8 完全版 ヨーロッパ 1』です。


























投稿者 coolmint : 2009年10月23日 17:08 | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年10月20日

乱歩の秋がやってくる!

 この秋は江戸川乱歩関連のイベントが続々と開催される模様。
 まずは、神奈川近代文学館開館25周年を記念した「大乱歩展」から――。

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▲乱歩のアラクノフォビアをめぐる巻末解説を寄稿しました。

大乱歩展
【会期】2009年10月3日(土)―11月15日(日)※月曜休館(ただし10月12日は開館)
【開館時間】午前9時30分―午後5時(入館は午後4時30分まで)
【観覧料】一般600円 ※各種割引あり

 会期中に同館で開催される下記の講演会・朗読会も、要注目!

小林信彦「乱歩の二つの顔」10月3日(土)午後2時より
紀田順一郎「江戸川乱歩と少年探偵の夢」10月24日(土)午後2時より
寺田農「D坂の殺人事件」朗読 11月1日(日)午後2時より
 ※チケットは各回一般1000円で発売中

 いずれも詳細は、下記ホームページを御参照ください。
 神奈川近代文学館 http://www.kanabun.or.jp





 もうひとつ、こちらは演劇公演のお知らせを。
 ミステリ作品を中心に上演する劇団「LED」が10周年記念公演として、『青銅の魔人』をはじめとする乱歩怪奇スリラーの世界を、オリジナル舞台化します。

仮面舞盗会 Masquerade for Phantom
【原作】江戸川乱歩(『青銅の魔人』より)
【会場】恵比寿エコー劇場
 (東京都渋谷区東3-18-3 JR恵比寿駅西口/日比谷線恵比寿駅1、2番出口より徒歩5分)
【公演日】2009年10月15日(木)―18日(日) 全6回公演
【料金】3500円
【出演】麻生千稀/畑満美子/村雨令/高橋弘幸/迫水由季/福田大助/小林永幸/佐川生/菅原圭治/末永博志(円谷プロ キャスタッフ)/大曽根徹/野口百合子/橋本健(声の出演)/江上真悟(声の特別出演)
【脚本・演出】直塚和紀
【物語】とある事件の最中、爆炎に消えた明智小五郎と怪人二十面相。名探偵不在の帝都に跋扈する新たなる怪盗たち。『皇帝の夜行の時計』を狙い、黒蜥蜴、青銅の魔人らが激突する! 乱歩世界の怪盗たちが一堂に会する仮面舞盗会の幕が開く!

 詳しくは下記ホームページを御参照ください。
 http://led.bananawani.org/next.html



投稿者 東 雅夫 : 2009年10月20日 01:18 | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年10月18日

大魔神カノン

 なんの気なしに『特撮ニュータイプ』最新号をめくっていて仰天。
 『仮面ライダー響鬼』の高寺成紀あらため高寺重徳プロデューサーが、新天地で起ちあげた注目の新企画『大魔神カノン』の先行特集が、早くも組まれているではないの!


 旧大映特撮の名作『大魔神』シリーズの現代版ドラマ……のようなのですが、記事を読むかぎり、『仮面ライダー』第一作と『響鬼』くらいの大胆な飛躍がありそうで、今から愉しみでなりません。
 うーむむむ。しかし今度は「器怪」で、きましたか……器怪アンソロジーの企画書、今から準備しとこうかなー(笑)。
 放映開始は来春予定とのことですが、つつがなき完成を切に祈りたいと思います。

 「大魔神カノン」公式ホームページ http://www.dm-kanon.com/






投稿者 東 雅夫 : 2009年10月18日 09:35 | コメント (1) | トラックバック (0)

『山田野理夫 東北怪談全集』始動!

 昨日、荒蝦夷の土方氏から連絡をいただき、無事に情報解禁となりました。
 同社で現在、杉村顕道の怪談集成とともに企画進行中のもう1冊とは、そう、この夏『幽』11号と『怪談実話系2』で、久方ぶりに怪談シーンに復帰された山田野理夫翁の『東北怪談全集』なのです!
 『日本怪談集』『日本妖怪集』『東北怪談の旅』など、かつて山田翁が手がけられた名著の中から、東北を舞台とした話のみを一巻に集成するという、仙台を地盤に「東北文化」の振興に邁進する荒蝦夷さんならではの出版企画と申せましょう。
 そもそも、土方氏が『幽』の「怪談遠野物語」特集をご覧になって、山田翁にコンタクトを取りたいと小生あてに問い合わせをいただいたのが一契機となって生まれた企画というのも嬉しい限りです。

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 そんなこんなの御縁で、同書の解説を担当させていただくことになった次第。
 すでにこのブログでも何度か触れておりますように、このところ、どういうわけか東北方面から、しきりに呼ばれている感じがしている折でもあり、とてもやりがいのある愉しい仕事になりそうです。

 さるにても、山田翁といい杉村顕道といい、平山蘆江といい、今年の冬は、まさに「怪談温故知新」のシーズンとなりそうで、これまた胸のときめきを覚えずにはいられません。
 奇しくも上記の三作家は、いずれも実話と創作のあわいに独自の怪談文芸を確立された先覚者たちであります。こうした先人の営為と真摯に向き合うことなくして、真に「怪談」を会得したとは云えないでしょう。
 またその一方では、今月末に授賞式が予定されているホラー大賞の新鋭たちや、来月相次ぎ開催される『幽』怪談文学賞と『幽』怪談実話コンテストから飛び出す(であろう)新人たち(『幽』次号の第二特集でたっぷり取りあげます!)をはじめ、怪談文芸の未来を担う面々の新作も、これから目白押しです。
 過去の名作佳品と活きのよい最新作品群――両方がバランスよく受容されてゆくことが、怪談シーンのさらなる活性化には必須だろうと思います。
 いやはや本当に、面白い展開になってきましたねえ。



▲山田野理夫インタビューを掲載!



▲山田野理夫の書き下ろし新作を収録!

投稿者 東 雅夫 : 2009年10月18日 08:53 | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年10月17日

『日本幻想作家事典』まで(笑)見本出来

 さらに見本が続きます(笑)。
 くたびれきった某ア〇ゾンの使用済み箱がドサリと届いたので何かと思えば、礒崎編集長みずから梱包したらしい国書刊行会版『日本幻想作家事典』でした。早ッ!
 結局、正味1050ページになったため、なんかもうやたらと分厚いです。

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▲お手持ちの『酒井ゆうじコンセプトワークス GODZILLA 現』と較べていただくと、こんな感じ。

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▲それより『稲生モノノケ大全』と、ほぼ同じサイズ・厚さだと気がついた。
書架のスペースを圧迫する本ばかり作って、どーもスイマセン。

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▲記念すべき「あ」行のトップバッターは、角川ティーンズルビー文庫『オニは檻のそとにいる!?』でデビューした相坂きいろ(?― )。
その次が漢文体による越後奇談集『啜茗談柄』の儒学者・藍沢南城(1792―1860)。
とてもシュールです(笑)。

 思ったより装幀・造本がちゃんとしていて、ホッとしました。
 しかし……装画は安藤徳香(石堂藍の姉上であらせられる)と表記されているが、装幀者のクレジットがないな。誰がデザインしたんだろう……いろいろと謎の多い本であります。

 それはさておき、このボリュームで本体価格7600円は、お値打ちだと思います。
 すでにビーケーワンでは多くの御予約を頂戴しているようですが(感謝!)、さらなる御予約をお待ち申しあげておりまする。



投稿者 東 雅夫 : 2009年10月17日 17:37 | コメント (0) | トラックバック (0)

『今昔奇怪録』も見本出来

 見本が続きます。

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 こちらは「寅淡語怪録」(刊行にあたり「今昔奇怪録」に改題)で、第16回日本ホラー小説大賞短編賞を受賞した朱雀門出さんのデビュー短篇集『今昔奇怪録』の見本です。
 「新たな怪談の名手、ここに現る!」という帯の惹句が嬉しいですね。
 小生は『本の旅人』次号用に、本書のレビューを寄稿しただけなのですが、担当のO氏が気をきかせてお送り下さったようで感謝に堪えません。
 収録作は下記のとおり。

 今昔奇怪録
 疱瘡婆
 釋迦狂い
 きも
 狂覚(ポンドゥス・アニマエ)

 どうです、見るからに面白そうなタイトルでしょ?
 期待を裏切らない内容であることを保證いたします。

 今回は巻末に解説等はなく、選考委員三氏の選評と朱雀門さんの「受賞の言葉」のみ収録されていました。
 その受賞の言葉に曰く――「怪談は、ホラーの真部分集合と考えておりますし、このジャンルに私はこだわりを持っております」「怪談は文学の王道と申しますし、怪談そのものでなくとも怪談スピリットを核にして、読書時間を無駄にしたと思わせないような作品を作り上げるよう努力して参ります」等々、なんとも頼もしい限りです。
 おお、怪談スピリット!(笑)
 実はこの受賞の言葉にはもう一箇所、瞠目すべき一節があるのですが、それについてはまた改めて。

投稿者 東 雅夫 : 2009年10月17日 13:52 | コメント (0) | トラックバック (0)

『蘆江怪談集』見本出来!

 今月20日発売のウェッジ文庫版『蘆江怪談集』の見本が届きました。

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 「絶品の1ダース――。」と来れば、誰しも(でもないか)想起するのは、やはりコレでしょう(笑)。

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 翻訳界の重鎮にして、小生にとってはアンソロジストの大先輩でもある中田耕治さんの編纂された『恐怖の1ダース』(の講談社文庫版。同題異内容の出帆社版も、どこかにあるのだが発掘ならず……)。懐かしや。
 ちなみに『恐怖の1ダース』は実は全11篇収録で、「もう1篇、みなさんに選んでいただきたいのです」と編者が「あとがき」で呼びかけるという、洒落たというべきか呆然とさせられると称すべきか、やや判断に迷う趣向の本でしたが、平山蘆江版「恐怖の1ダース」は逆に、下記の小説作品全12篇に、オマケとして随筆「怪異雑記」が附いてくるという豪勢な造りであります(さらに今回の文庫版には、不肖小生の解説まで附きます。お徳用です!)。

 お岩伊右衛門
 空家さがし
 怪談青眉毛
 二十六夜待
 火焔つつじ
 鈴鹿峠の雨
 天井の怪
 悪業地蔵
 縛られ塚
 うら二階
 投げ丁半
 大島怪談
  *
 怪異雑記

 そればかりではありません……。

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 どうです、序にかえた蘆江自作の「妖怪七首」まで、巻頭に掲げられているのですな。
 著者が心から愉しんで、この怪談集を編纂刊行した様子が偲ばれるではないですか。
 ぜひ来週は、ようやく深まってきた秋の夜長を、しっくりと手になじむ装いのウェッジ文庫版『蘆江怪談集』で御堪能くださいませ。





▲同時発売のこちらも、一葉さんラブな近代文学オタクは必読必携だ!

投稿者 東 雅夫 : 2009年10月17日 05:25 | コメント (1) | トラックバック (0)

2009年10月15日

【速報】『幽』12号、ビッグに始動!

 唯一無二の怪談専門誌として新たなるステージに突入した『幽』12号の取材活動が、いよいよスタート。
 その記念すべき第1弾は……

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 都内某所というか、なぜか東京エフエムの真ん前の(笑)ホテルの一室にて、今号の主役・稲川淳二さんをお迎えして、京極夏彦さんとの対談が収録されました。
 もちろん、待望の初顔合わせです。

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 予想どおり、物凄く中身のみっしり詰まった、特濃の対談となりました。
 その他、いかなる特集となりますか、愉しみにお待ちください。









投稿者 東 雅夫 : 2009年10月15日 02:21 | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年10月12日

青森県立郷土館の「妖怪展」に驚嘆!

 やぁーぶぅーれぇー単衣にぃー、三味線ならぬ『幽』怪談文学賞長篇部門の一次通過原稿を抱えて、やってきました青森へ。
 事の起こりは山下昇平画伯からの留守電だった。
 「ちわース。いま舞台の仕事で青森なんスが、妖怪展に例の生首掛軸が出てますぜ、へっへっへ」(一部、表現に脚色を施しております)
 これがトドメの一撃となった。青森県立郷土館で開催中の「妖怪展」については、WEB幽にも告知を載せているように、非常に気になる催しではあったのだが、なにせ遠方、しかも夏場の繁忙期のため、二の足を踏んでいたのである。
 けれども、ふと仕事の現状を鑑みるに、直近で抱えているのは『幽』怪談文学賞長篇部門の一次通過作審査と、光文社古典文庫版『ジーキル博士とハイド氏』解説に、朱雀門出『今昔奇怪録』書評……どれもさしあたり、原稿やゲラや資料を読み込めばよい仕事ばかりではないか! これなら旅先でもゲラや資料を抱えていけば大丈夫だ(笑)。
 てなわけで連休の後半、そそくさとJRの青森・函館フリー切符を購入、新幹線と特急を乗り継いで、青森行きと相成った。

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▲由緒ある歴史的建造物を利用した郷土館

 青森駅に到着後、宿に荷物を預けて郷土館に直行。
 会場に一歩足を踏み入れるなり…………唖然呆然、三嘆これ久しうするとは、このことであった。何がかくも驚嘆に価するのか、以下にまとめてみよう。

【驚嘆その1】平尾魯仙えがく『稲生物怪録』装画
 『稲生物怪録』については、このブログをご覧の方には今さら説明の要はなかろう。小生も『稲生モノノケ大全』や『妖怪伝説奇聞』をはじめ何かと因縁深い書物であり、絵巻の類もあらかた目にしているが、今回はじめてその全容を顕わした弘前市立博物館所蔵の『稲生物怪録』(明治18年刊)の装画群には、本当に驚かされた。他の諸本に見られない絵柄が散見されるのもさることながら、絵画作品としてのレベルに格段の差があるのだ。

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▲『妖怪展』図録より魯仙による『稲生物怪録』装画。
こういう迫力ある五郎左衛門が観たかった!


 いったいこの絵師は何者? と、慌てて説明書きを一読して、さらに驚愕。近世奇談随筆の好著『谷の響』の作者として知られる弘前出身の平尾魯僊(魯仙は画号)ではないか! そういえば魯僊は画家でもあると、『日本庶民生活史料集成 奇談・紀聞』の解説にも書いてあったっけ……などと思い出しながら、次なる展示に足を進めた小生は、さらなる驚愕に襲われることとなるのだが、それはともかく、この魯仙版『稲生物怪録』、ぜひコンディションの良い複製版を世に広めたいものだ。これを核にしたイノモケ・アンソロジーの企画書でも作ろうかいな!?

【驚嘆その2】怪異蒐集家・平尾魯僊
 さて、続いて待ちかまえていたのは、その平尾魯僊が手がけた驚異博物誌の書『異物図会』(明治20年代)であり、さらに後半の展示では、平田篤胤による国学オカルティズムの伝統が東北の地に受け継がれていたことを紹介するコーナーの一環として、魯僊の主著『幽府新論』(慶応元年)や、『谷の響』と一対を成す自筆装画入りの怪談奇聞集『合浦奇談』などが、一望のもとに!
 平田国学の継承者であり、とりわけ先師のオカルト探究の情熱を受け継いで、後代における怪談実話蒐集の先覚者ともなった文人画家・平尾魯僊の知られざる業績が、このような形で顕彰されていようとは、望外の歓びとなった。
 ちなみに魯僊の足跡については、本展の図録『妖怪展――神・もののけ・祈り』所収の本田伸「異界探求と津軽の国学」に詳しい。

【驚嘆その3】幽霊都市・青森伝来の掛軸群
 魯僊ショックに欣喜雀躍しながら、なにやら妖しい気配の漂う一隅へ足を運ぶ。そこには……幽霊掛軸の一群が! そう、幽霊画マニアの間では周知の事実(でもないか)のように、津軽一帯には、幽霊掛軸を収蔵する寺院がやたらと多いのである。やはり恐山や川倉の地蔵堂など、降霊の聖地を各処に擁するゆえでもあろうか。
 以前『ムー』の「日本伝説紀行」でも取りあげようとして、担当編集者と小生とのタイミングが合わず延び延びになっているのだが、これはイチバン、実現を目指さねばなるまいと決意を新たにした次第。

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▲これも『妖怪展』図録より、生首掛軸と四谷怪談絵葉書のページ。

 展示作品の中でも特に注目なのは、かの名高き生首掛軸――弘前の正傳寺に伝わる渡邊金三郎斬首図である。かつてテレビの生放送中、瞑目状態の右目が開いたと評判になった曰くつきの一幅であり、映像からの複写が参考に掲げられているところに並々ならぬこだわりが感じられた。しかし……それ以来「開眼の軸」と呼ばれているとは知らなんだ。え、縁起物ですかこれは!?

【驚嘆その4】「お化けを守る会」縁起
 さて、思わぬ収穫の数々に、ほくほくしながらたどりついた最後のコーナーに、個人的には最大の驚きが待ち受けていた。「お化けを守る会」に関する一連の展示である。
 「お化けを守る会」といえば、平野威馬雄が発起人となり、水木しげる翁や若き日の南條竹則らも参加して話題を呼んだ同名の組織が有名だが、実は青森県にも、蘭繁之(代表発起人)、大條和雄、大高興、長谷川達温(正傳寺住職)ら地元在住の文化人をメンバーとする組織が1977年に結成され、会誌『妖しきめるへん』や各種刊行物を発刊したり、怪談会・展示会などを催すなど、活発な活動を展開していたのである。

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▲小生が架蔵する『妖しきめるへん』の一部。
全頁オフセット印刷で、造本にも意匠が凝らされている。
ある意味『幽』に先駆する怪談雑誌の試みでもあったのだ!

 小生は数年前に、ひょんなことから『妖しきめるへん』の全号揃いを入手して以来、この会にひそかに注目してきたのだが、よもや今回の「妖怪展」で、このような形で同会の顕彰がおこなわれていようとは、これまた予想外の驚きであり歓びであった。
 こうなると、同会をめぐるルポルタージュとアンソロジーを合体させた本を俄然、編纂・執筆したくなるではないか! どこか企画を引き受けてくれる酔狂な版元さんがあれば、すぐにでも動きますぞ(本気)。

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▲『妖しきめるへん』創刊号と、中に挟まっていた入会案内の葉書。

 ……というわけで今回の青森県立郷土館「妖怪展」は、類似の企画展が相次いでいる中にあって、郷土ゆかりの先人たちの顕彰を意欲的に盛り込むことによって、きわめて強烈な個性を打ち出すことに成功した出色の展覧会となっている(企画を担当されたのは同館学芸員の小山隆秀氏の由)。
 さいわい会期は10月12日(月)までなので、心ある怪談・妖怪ファンには、ぜひ万障繰り合わせての来館をお勧めしたいと思う。フルカラーの上、巻末に「弘前藩領における怪異発生年表」なる労作まで付された図録(なんと頒価500円!)も、必見必携である。

投稿者 東 雅夫 : 2009年10月12日 19:37 | コメント (2) | トラックバック (0)

『信州百物語』の著者は、杉村顕道だった!

 荒蝦夷の土方氏と狛江駅前で打ち合わせの後、杉村顕道の著作権継承者のお宅へ。現在、著作権を管理されているのは、顕道の次女・翠さんである。
 打ち合わせの席で、土方氏からドサリ、と2冊分のゲラを渡される。
 1冊は杉村顕道の怪談作品集成(!)、もう1冊は……まだちょっとナイショだ(笑)。
 実は小生が解説を担当するのはもう1冊のほうで、顕道怪談集の解説は、そのアンソロジー・ワークを通じて顕道怪談啓蒙の立役者となった紀田順一郎先生が書き下ろされる。

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▲今回復刻される杉村顕道怪談集3点セット!
詳しい刊行情報を、刮目して待たれよ!

 では何故に本日、小生が同行することになったのかというと、土方氏から顕道に関する新情報の数々を拝聴させていただいた折に(折しも『日本幻想作家事典』の校了3日前!)、驚くべき事実が判明したからだ。
 綺堂マニアなら御記憶かも知れない。学研M文庫版『伝奇ノ匣2 岡本綺堂 妖術伝奇集』の巻末に「蓮華温泉の怪話」という短い怪談が併録されている。
 これは綺堂の名作「木曾の旅人」の原話とおぼしき物語で、信濃郷土誌刊行会編『信州百物語 信濃怪奇伝説集』という小冊子に収録されていたものである。
 この小冊子、どこにも著者名の記載がなく、版元である信濃郷土誌刊行会自体も所在不明のため、やむなく著作権者不明のまま再録した。
 ところがである。なんとこの『信州百物語』、若き日の杉村顕道の著作だったことが、今回の企画が進められる過程で判明したのだった。
 同書は長野で教職に就いていた当時の顕道が、本名である杉村顕の名義で地元の新聞に連載した記事をまとめたもので、刊行予告には著者名も明記されていながら、なぜか著者名を掲げずに刊行されることになったのだという。詳しい理由は不明である。

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▲杉村顕『信州の口碑と伝説』巻末の近刊予告。
はっきり「杉村顕著」と記されているのだが……。

 ……というわけで、はなはだ遅ればせながら(すでに『妖術伝奇集』は品切なのよ、とほほ)、同書を持参して事情説明をさせていただくため同行することになった次第。
 幸運なことに、翠さんは『女性自身』の契約記者をはじめ長年フリーライター&エディターとして活躍された、いわば同業の先輩であり、出版に関する諸事情もよくお分かりのため、快く諒解していただくことができたので、まずは一安心。土方氏によるインタビュー(今回の本の巻末に収録予定とか)に、興味津々で横から耳をかたむけることができた。

 ちなみに杉村家は皆さん、顕道をはじめとして「視える」体質でいらしたそうで、今回復刻される『怪談十五夜』をめぐっても不思議な出来事があったという。
 実はこの本だけ、翠さんの手元になく、土方氏もあちこち手を尽くして探されたが入手できず、たまたま小生は所持していたのでコピー提供を申し出ていたのだが、つい先ごろ、土方氏から「見つかったそうです!」という連絡があった。
 なんと長女・栄さんのお宅の仏壇に、封筒に収められたまま安置されていたのが見つかったのだという。翠さん曰く「父の没後、著書の整理をしたら、この本だけが見つからなくて、あのとき仏壇も探したはずなのに、今このタイミングで出てくるなんて、父がどこかから見ているようで、ちょっとゾッとしました」とのこと。

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▲「栄に与ふ 父  昭和二十一年八月 栄時に七歳」と記された『怪談十五夜』。

 どうやら平山蘆江に続いて杉村顕道の怪談集も、みずからの意志で再臨を果たそうとしているようである(笑)。善哉善哉。

投稿者 東 雅夫 : 2009年10月12日 17:26 | コメント (0) | トラックバック (0)

「東雅夫のイチオシ棚」 更新

ビーケーワンの辻です。
「東雅夫のイチオシ棚」 更新しました。
読本、合巻、歌舞伎、浄瑠璃、マンガなど、様々なジャンルに登場する妖しくも魅力的な「妖術」をテーマとしたユニークな研究書、佐藤 至子著『妖術使いの物語』。
評論では他に、小松 和彦編『妖術使いの物語』、『アジア遊学 125 アジアの怪奇譚』もオススメです。
もう既に売れまくっている雀野 日名子著『チャリオ』。『あちん』『トンコ』に続く俊英の快作です。
SFやファンタジーがお好きな方は『時の娘 ロマンティック時間SF傑作選』をどうぞ。
そして何より楽しみなのが、
鬼才平山夢明の近刊2点。『ダイナー』と『或るろくでなしの死』です。


















平山夢明著『或るろくでなしの死』


投稿者 coolmint : 2009年10月12日 14:34 | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年10月11日

盛会御礼

 まさに台風一過の清々しい晴天のもと、明治大学和泉キャンパスにて、高遠弘美教授プロデュースによる小生の講演会が開催されました。
 台風は午前中に通過したとはいうものの、交通機関の混乱は続いていて、参加予定だった方から「地元で電車がまだ動かず行けそうもありません……」という連絡をいただいたり、聞けば明大も全学休講とのことで、これはさだめし閑散とした中で寛いでお話しできそうだ……などと気楽にかまえていたのですが(笑)、いざ会場に着いてみれば、すでに多くの方々が着座されていて、急遽、大きめの教室に移動する事態に。
 学生さんに混じって、てのひらイベントその他で見慣れたお顔もあちらこちらに拝見され、感激いたしました。
 ちなみに、そのお一人である勝山海百合さんが、御自身のブログ「桑田碧海録」にレポートを上げてくださっていますので、感謝とともに御紹介を。
 http://d.hatena.ne.jp/umiyuri/

 講演は、高遠先生からの御質問を受けて小生がお答えする形で進めたのですが、設問の的確さに大いに助けられました。お忙しいなか、過分の御高配を賜った高遠先生に深く御礼を申しあげます。また、台風への対応その他、もろもろお手数をかけた事務局担当者の皆さまにも篤く御礼申しあげます。
 講演会終了後は、高遠先生やゼミの新旧教え子の皆さんと、大学近くで一献傾けることに。礼儀正しく感受性豊かな教え子の皆さんの様子に、日頃の御指導ぶりが窺われました。中にお一人、「視える」学生さんがいて、クラスメートの旧家にまつわる迫真の見霊談を、美味しく拝聴したり(笑)。愉しい一夜でした。






投稿者 東 雅夫 : 2009年10月11日 14:33 | コメント (1) | トラックバック (0)

2009年10月07日

怪談実話コンテスト、最終候補作決定!

 本日昼過ぎからメディアファクトリー会議室にて、第1回『幽』怪談実話コンテストの予備選考会が開催されました。
 既報のとおり、非常に充実した応募作が寄せられたため、おのずから選考にも熱が入ると同時に、小説賞とはまた違った、審査の難しさと面白さを感じました。

 当初は10篇程度を最終に残すつもりでいたのですが、応募作の枚数が予想したよりも短めのものが多かった関係もあり、また甲乙つけがたい作品が多かったこともあり、15作品を最終候補に選定いたしました。

 最終に残った皆さんには、追って編集部より、確認事項に関するメールをお送りしますので、しばらくお待ちください。選考結果は後日、WEB幽と『ダ・ヴィンチ』来月号にて発表いたします。



投稿者 東 雅夫 : 2009年10月07日 21:54 | コメント (0) | トラックバック (0)

最近の書評あれこれ

 『小説推理』11月号が発売中です。


 今月の「幻想と怪奇」時評では、飴村行の注目の受賞第一長篇となる嬉しいくらいの怪作『粘膜蜥蜴』を中心に、大瀧啓裕がクラーク・アシュトン・スミスの〈ゾティーク〉物連作を集成・編訳した『ゾティーク幻妖怪異譚』、石神茉莉の〈玩具館綺譚〉シリーズ第二作となる長篇『謝肉祭の王』を取りあげております。
 『謝肉祭の王』は、現代版イノモケ小説としても秀逸ですので、お見逃しなきよう。
 しかし角川書店によるホラ大作家の新作時間差攻撃、恐るべし(笑)。来月号の時評は、雀野日名子の見事な初長篇『チャリオ』をはじめ、角川ホラー一色に染められそうな予感が……。








 それから(やや旧聞に属しますが……)共同通信の依頼で、〈想像力の文学〉の一冊として刊行された佐藤哲也の新作長篇『下りの船』の書評も書きました。
 すでに各地の地方新聞の読書面に配信されているのではないかと思います。
 暗澹たる植民惑星を舞台とする陰鬱な彷徨物語で、SFに思い入れの薄い読者が読んでも十分に愉しめるのではないでしょうか。


 角川書店の『本の旅人』来月号のホラ大特集のために、朱雀門出のデビュー短篇集『今昔奇怪録』の書評を寄稿しています。
 受賞で化けるかなー、と期待して読み始めたら、見事に大化けしていて(笑)悦ばしき限り。
 なにより、作者なりの怪談文芸のスタイルを一挙に確立しているのが、素晴らしい。
 どういうスタイルかは……今月発売の『本の旅人』掲載の拙文をお読みください!

投稿者 東 雅夫 : 2009年10月07日 04:50 | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年10月06日

幻視の屋久島展へ

 銀座の青木画廊で開催中の「OZIBISM 幻視―屋久島」展初日へ駈けつける。
 会場へ入ったとたん、片隅で「あらゆることが不安でもう朽ちていくだけだから」という顔つきをした石堂藍に遭遇し、思わず引き返そうかと思ったのだが、(待て待て、ヤマケイの勝峰さんと仕事の話もあるんだから……)と、辛うじて踏みとどまる。
 リアル石堂と対面するのは、思えば『響鬼探究』以来であるな。
 しかしいきなり『日本幻想作家事典』のパンフの束をドサッと手渡して「配っておくように」って……とっくに礒崎編集長から腐るほど送っていただいてるんですが(笑)。

 建石修志さんと久方ぶりに歓談。
 聞けば屋久島のみならず、幻想画家四人衆で、富士山とか白山とか各地の山嶺を踏破されているそうな。
 屋久島に関しては、小生やカモ鬼ハガ鬼が経巡ったルートと、ほぼ同じような行程だったようで、懐かしい太鼓岩からの眺望や、山小屋と鹿の情景などが、あの建石さんのタッチで夢幻的に作品化されており、陶然となる。

 そうこうするうち、勝峰さんも会場に到着。
 来年へ向けて、愉しみな企画の打診をいただき、快諾する。
 ちなみに勝峰さんが先ごろ手がけられた平山三男氏の単行本『疲労凍死/天幕の話』所収の「天幕の話」は、本格的な「山の怪談実話系」小説で、とても読み応えある好篇であった。
 安曇潤平ファンは、要チェック!


 帰路はトレーニングがてら、銀座から拙宅のある墨田区まで、新大橋通りを徒歩で戻る。
 雲間に見え隠れする名月を、たっぷりと満喫しつつ。



▲秋の夜長におすすめの月をめぐる古今東西幻想文学アンソロジー。

投稿者 東 雅夫 : 2009年10月06日 14:17 | コメント (0) | トラックバック (0)

怪談実話コンテスト応募作

 7日に開催される予定の『幽』怪談実話コンテスト予備選考会を前に、せっせと応募作を読み進めている。
 『幽』の編集スタッフには、全応募作を半分ずつ、手分けして読んでもらっているが、小生はもちろん、全作品を拝読することにしている。

 まだ半分ほどしか読み了えていないのだけれど、率直にいって、予想を上まわる面白さに、驚かされるやら嬉しいやら(笑)。
 『幽』怪談文学賞やてのひら怪談、投稿怪談の常連さんも目につくのだが、いつもとは違った魅力を感じさせる応募作が多い。
 新耳、超怖の影響を感じさせる作品はむしろ少数派で、従来の怪談実話のイメージを踏み越えるような作品が多い点も、非常に興味深い。

 これは思いがけない鉱脈を掘り当てたかな、という手応えを感じている。
 それが何に起因するのか、まだはっきりと把握できてはいないのだが、そのあたりは予備選、本選でも話題になることだろう。
 結果次第では、優秀作品をまとめた作品集の刊行も十二分に視野に入ってくることと思われる。
 来年に向けて、愉しみな宿題がまたひとつ、増えたようである。



投稿者 東 雅夫 : 2009年10月06日 12:43 | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年10月05日

妙な依頼

 先日、創刊してまもないという某雑誌から電話で連絡をいただいた。初めて聞く誌名である。なんでも妖怪方面の特集を予定していて、小生に監修役と寄稿を頼みたいという唐突なオファーだった。
 確かに小生も、拙著『妖怪伝説奇聞』やアンソロジー『妖怪文藝』シリーズなどを手がけており、妖怪には並々ならぬ思い入れもあることを表明しているのだから、それ自体はさほど妙でもないが、おや、と思ったのは、それに続けて「監修者としてお名前をクレジットさせていただきますので……」と、わざわざ付言されたこと。ありがたいお申し出ではあるが、しかし監修するなら名前を出すのは当然ではないのか!?(笑)
 さらに不可解なのは、約一ヶ月後の原稿締切ですでに企画を進めているという点。寄稿依頼ならこのタイミングでも分かるが、監修するからには、企画の初期段階から関与するのでなければ、何の意味もなかろうに……。
 そこまで話を聞いて、ハタと気がついた。要するにこれは「名前貸し」の依頼なのかいな、と。
 小生なんぞの名前を冠してどうなるものでもないとは思うのだが(笑)、それはさておき、企画の全体に目配りし責任を負うことができないのでは、とても監修役などお引き受けするわけにはいかないので、謹んでお断りを申しあげた。

 実際、先年監修させていただいた『クトゥルー神話の謎と真実』のときなどは、執筆陣の人選から原稿のチェック、図版類の選択まで、細かく御相談をいただいたし、こちらも出来る限りのアドバイスとサポートをさせていただいたつもりである。
 妖怪にせよクトゥルーにせよ、あるいは怪談文芸にせよ、自分が思い入れのある分野に関しては特に、きちんと納得のゆく仕事だけをしていきたいものだし、また、そうした真っ当な依頼をくださる心ある出版社・編集者の皆さんに、これまで数多く恵まれてきたことを、こよなき幸せだと感じ入っている次第である。

 ちなみに、小生あてに直接、あるいは共通の知人を介して、作品の感想や指導を求められるケースも最近は多いのだが、申しわけないとは思いつつ、すべてお断りして、『幽』怪談文学賞やビーケーワン怪談大賞、日本ホラー小説大賞などへの応募をお勧めしている。
 これは単純に、物書きおよびアンソロジストとしての仕事だけで、目下のところ手一杯という事情もあるが、同時に、各種文学賞の選考に関与している身として、李下に冠を正さず、の姿勢を鮮明にしておきたいという思いもあるためだ。御諒解を得られれば幸いである。





投稿者 東 雅夫 : 2009年10月05日 17:50 | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年10月04日

ビッグな特集

 一方、『幽』12号も、深く静かに本格始動中。
 とりあえず第一特集は、ビッグな特集になることが、ほぼ決定しました!

 創刊から5年を経て、『幽』が新たなステージへと突入するにあたり、前々から個人的に構想を練っていたシリーズ特集の第一弾です。
 まもなくWEB幽にて詳細を公開できると思いますので、御期待ください。

 また第二特集では、『幽』怪談文学賞と『幽』怪談実話コンテストという二大怪談賞の選考会の模様をダブルで特集する予定です。
 これまた、怪談文芸シーンの現在を知るうえで、必読の内容となることは必至。
 こちらも御期待ください!



投稿者 東 雅夫 : 2009年10月04日 17:33 | コメント (0) | トラックバック (0)

『てのひら怪談 庚寅』

 そんなこんなでポプラ社編集部の斉藤尚美さんから、色々と嬉しい連絡が。

 今夏刊行した『てのひら怪談 己丑』と『文豪てのひら怪談』が共に売れ行き好調につき、文庫版『てのひら怪談』の続刊に、いよいよゴーサインが出ました!
 来年の十干十二支は「庚寅」(かのえとら/こういん)なので、『てのひら怪談 庚寅』となりますね。

 なにせ単行本から文庫へと刊行形態がシフトした関係で、2年分が溜まっておりますので、どういうセレクトの方針で臨むかなどについては、これから共編者である加門七海さん、福澤徹三さんの御意見も伺いながら固めていきたいと思っています。

 怪談ブームの手応えを感じる昨今なればこそ、じっくり良いものを吟味して形にしてゆく姿勢が、今後ますます必要とされるのではないでしょうか。
 過去へ未来へさらなる次元(!?)へと拡がりつづける「てのひら怪談」の展開に、御注目ください!


 ちなみに、ようやく刊行目前まで漕ぎ着けている、小生編の英訳怪奇小説アンソロジー『Kaiki: Uncanny Tales from Japan』(黒田藩プレス)中の紹介文では、「てのひら怪談」は「Palm-of-the-hand kaidan」と訳されていて、なるほどなーと思いました(笑)。

 尊敬するアンソロジストの一人であるロバート・ワインバーグ氏から御寄稿いただいた同書の序文は、下記サイトにて本体よりも一足先に(笑)読むことができます。
 いろいろと欧米の方ならではの興味深いリアクション満載ですので(露伴「幻談」に関するくだりとか。貢太郎怪談や京極怪談への反応も面白し!)、ぜひ御一読のほどを。

 http://www.kurodahan.com/mt/e/articles/jp0007art1.html

投稿者 東 雅夫 : 2009年10月04日 17:02 | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年10月03日

『文豪てのひら怪談』あれこれ

 小生の編著としてはちょいと不思議な売れ方を続けている『文豪てのひら怪談』ですが、先ごろ『西日本新聞』9月25日付紙面の「デスク日記」というコーナーにて、思いがけず御紹介をいただきました。本書を読まれたのがきっかけで、かつて愛読した詩人の著作と再会されたという素敵な記事でした。
 ちなみにこの「デスク日記」、連載4コマ漫画(「ちびまる子ちゃん」だよ!)の真下という、とても美味しい(笑)ポジションのコーナーでして、ありがたい限りです。

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 『文豪てのひら怪談』に関してはもうひとつ、ポプラ社の児童書編集部の方から、斉藤さん経由で嬉しい報告をいただいております。
 同書の収録作家のお一人であり、児童文学者としてのみならず怪談・民話フィールドワークの大先達でもある松谷みよ子先生が、定期的に開いていらっしゃる勉強会(150名近い大人数だとか)の席で『文豪てのひら怪談』を好意的に御紹介くださり、さらには収録作の一篇である押川春浪「米国の鉄道怪談」について、日本の現代民話にも狸が汽車に化ける話があることなどと対比しつつ、お取りあげくださったそうなのです。
 しかも、興味がある生徒さんには著者割引価格での頒布の労までお取りいただき、すでに何十冊も『文豪てのひら怪談』をお買いあげくださっているのだとか(感涙)。
 本当にありがたく、また、光栄なことであります。編者冥利に尽きるとは、このことです。幾重にも御礼を申しあげます。



投稿者 東 雅夫 : 2009年10月03日 22:51 | コメント (0) | トラックバック (0)

『お岩』様の特典完成

 お待たせしておりました『お岩 小山内薫怪談集』のビーケーワン特典の準備が、ようやく調いまして、辻さんに送信しました。

 当初は、小山内が下敷きにしたド・ベンネヴィルの『四谷怪談 もしくはお岩稲荷』の典拠とされた(ややこしいな……)明治期講談本のサワリ集にしようかと思ったのですが、部分的に取り出すよりも、一席まるごと御紹介したほうがよいだろう、どうせ完全復刻するなら、国会図書館にも収蔵されていない稀覯本『講談文庫 怪談集』所収の「四谷怪談」(蓁々斎桃葉・口演)しかあるまい! ということで、御購入くださった読者の皆さまへ感謝の念を込めつつ、秋の夜長にせっせと全篇の打ち込み作業をおこないました(笑)。
 明治の寄席で演じられていた四谷怪談が、いかなるものであったのか(歌舞伎版とは驚くほど異質です)、またそれらをド・ベンネヴィルと小山内薫が、どのように自家薬籠中のものとしているのか、じっくりお愉しみいただきたいと思います。

 さあ、次は『幽』11号の特典メルマガ作りだ!


【追記】
 先に御紹介した「お化けを守る会」の機関誌『妖しきめるへん』には、なんと小山内薫の「ド・ベンネヴィルの『四谷怪談』について」が再録掲載されています。先日の記事を書くために参照していて気がついたのですが、なにがなし奇縁を感じて嬉しくなりました。

投稿者 東 雅夫 : 2009年10月03日 15:37 | コメント (0) | トラックバック (0)

東京FMでアヤしげな新番組が!?

 ただいま絶好調の平山〈ダイナー〉夢明さんがパーソナリティを務める、TOKYO FMの新番組「バッカみたい、聴いてランナイ!」(しかしなんちゅータイトル……)が、下記の日程で開始されます。

『バッカみたい、聴いてランナイ!』概要
【放送日時】2009年10月5日(月) スタート、毎週月曜 21:30―21:55
【放送局】TOKYO FM(東京ローカル)
【出演】平山夢明(メインパーソナリティ)、京極夏彦(レギュラーゲスト)
【放送内容】時事ネタを元にした、どこからどこまでが真面目なのか不真面目なのか全く予測のつかないフリートークのほか、「チュパゾノチエコ先生の人生相談」コーナー、「観ていないけど、この映画のココがすごい!」のコーナーなど、可笑し過ぎて「聴いてランナイ!」企画満載でお届けします。
【番組URL】http://www.tfm.co.jp/bk(10月2日現在、ケータイサイトのみ)

 なんたって合方が京極さんですからね……怪談ノ宴での、あの能天気なノリをふたたび!(笑)
 怪談そのものとはあまり関係なさそうなんですが、これは『幽』読者は必聴ですな。



▲注目作『ダイナー』も予約開始だ!



投稿者 東 雅夫 : 2009年10月03日 12:57 | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年10月01日

『蘆江怪談集』カバー完成

 いよいよ10月を迎えましたが、今月20日の発売が予定されているウェッジ文庫版『蘆江怪談集』の表紙画が完成しました。

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 ミステリ・ファンにはおなじみの和田誠氏による、小粋で妖しい雰囲気の装いとなりました。

 実は和田氏と平山蘆江との間には、ちょいとした因縁があるのですな。
 ホラー映画好きな方なら御存知の向きも多いでしょうが、和田氏は1994年に『怖がる人々』というオムニバス映画を企画・監督されています。
 筒井康隆の「乗越駅の刑罰」や日影丈吉「吉備津の釜」など、マニアライクなセレクションの5作品を原作に、芸達者な俳優陣が好演している、怪奇小説ファンには堪えられない良作でした。
 その中の一本が、他でもない、蘆江の「火焔つつじ」なのです。
 小林薫と黒木瞳のコンビにより、原作のしっとりした持ち味を忠実に活かした映像になっていたことを記憶しています(というか、今回の巻末解説でも、そのへんのことに触れております)。
 『怖がる人々』は残念ながらDVD未発売のようですが、ぜひ本書の発刊を機に(!?)再発売されることを期待したいと思います。



投稿者 東 雅夫 : 2009年10月01日 20:45 | コメント (3) | トラックバック (0)