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2010年01月30日

みちのく怪談

 唐突ですが、今年のメイン・テーマは、どうやら「みちのく怪談」になりそうな予感が、ひしひしと。
 まだ、各社でぼちぼち企画が動き始めた段階なので、具体的な話題は時期尚早なのですが、いろいろと面白い展開が期待できそうです。

 え、「みちのく怪談」って、「てのひら怪談」と何となく似ている!?
 うふふふふふふふふふふふ(謎)。

 それはともかく、ビーケーワンで「『遠野物語』発刊100周年」ブックフェアが始まりました。
 http://www.bk1.jp/contents/booklist/1001_tono100?partnerid=02a801

 この記念すべき百周年の幕開けにあたり、近代怪談文芸の一原点といっても過言ではない柳田國男『遠野物語』の奥深き世界を、更めて縦横に探訪していただきたいと思います。



▲遠野物語特集といえば、こちらもお忘れなく!

投稿者 東 雅夫 : 2010年01月30日 01:59 | コメント (0) | トラックバック (0)

幽twitter、始めました(笑)

 夜の隅田川を眺めながら『怪談実話系3』の最終ゲラをチェックしていたら、編集Rから「会社でツイッターを始めることになって、先ほど起ちあげましたー!」と報告が。

 個人的には、こういう気忙しいシステムはあまり好みではないのだが(このブログなんか平気で一週間前、二週間前の出来事を、今ごろ更新しているわけで……)、『幽』の広報活動とあれば話は別である。
 せいぜいこまめに独語したいと思うので、よろしく御追尾のほど、お願い申しあげます。

 幽twitter
 http://twitter.com/kwaidan_yoo



▲予約特典付きますよ!

投稿者 東 雅夫 : 2010年01月30日 01:16 | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年01月28日

『ユリイカ』2月号は藤田和日郎特集!

 『ユリイカ』2月号の見本誌が届きました。
 『うしおととら』や『からくりサーカス』で、伝奇怪奇好き読者を熱狂させてきた藤田和日郎氏の特集号です。
 小生は「艮!?――『うしおととら』トリビュート・アンソロジーを妄想する」と題する一文を寄稿しております。

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▲小泉八雲「大鐘の霊」の挿絵を載せてみました。

 他にも藤田氏のロング・インタビューや荒川弘氏との対談、諸星大二郎氏ほかの寄稿など満載。
 お化け勢では小生のほか、加門七海さんの「妖の力、母の力」、田辺青蛙さんの「『うしおととら』に導かれて」(ちょっと日本語が怪しいが……)に御注目を。
 担当編集者のS氏曰く――「月に届くくらいたくさん売れますように」とのことなので(笑)、どうか皆さまも協力よろしく! 月に届けましょう。



投稿者 東 雅夫 : 2010年01月28日 22:24 | コメント (0) | トラックバック (0)

雪の金沢に化物屋敷を訪ねて

 目覚めればそこは……一面の銀世界! 幸い雪は小康状態ゆえ、どういう状況になるかは定かならねど、ともかくも予定していた探訪に出発する。
 といっても、ホテルのすぐ近く、片町から長町にかけての一帯を歩きまわるのが、さしあたっての目的だったのだが。
 先日執筆した『別冊太陽/泉鏡花』(2月刊)の原稿で、鏡花の初期作品「妖怪年代記」と「怪談女の輪」に触れた。これらの作品の舞台は、鏡花が少年時代に出入りしていた私塾(現在の片町2丁目付近に所在)をモデルにしているとされ、小林輝冶氏の「『妖怪年代記』論」によれば、隣接する長町に伝わる怪異譚(『金沢古蹟志』所載)にも取材しているという。
 これは実地に探訪せねばなるまい! と決意した矢先の金沢行きなのだった。

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▲「妖怪年代記」ほかの舞台となった木倉町界隈

 というわけで雪を掻き分け、まずは鏡花も通った私塾があったという旧・木倉町界隈へ。ここは金沢きっての繁華街・香林坊に接する飲食店街で、小さな飲み屋が軒を連ねる……まあ、新宿ゴールデン街の縮小版みたいな処と思えばよろしい。
 見ればそこ此処で、雪掻きに追われる住民の姿が。いかにも手際よいけれど、これは大変な重労働であることよ、と初めて間近に作業を眺めて、実感させられた。

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▲長町の用水と武家屋敷の町並

 転倒しないよう足許に注意しながら、新雪を踏みしめるように長町方面へ進む。ここはかつて、上流・中流の藩士が屋敷を構えていた地域だそうで、今もその面影を留める土塀や風格ある日本家屋が点在している。
 実に風情ある(ありすぎる!?)雪景色を堪能しつつ、ちゃんと開館していた「長町武家屋敷跡」(千二百石取りの加賀藩士・野村家旧宅)の施設に入館。雪のため来館者も少なく、「妖怪年代記」や「怪談女の輪」で入念に描写されている、武家屋敷=古い日本家屋に特有の幽暗なたたずまいを、じっくり体感する。

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 と、その一隅に設けられた資料展示室「鬼川文庫」の説明書きに、ひどく気になる一節を発見。
 「時の開鑿奉行富永勘解由左衛門は、鬼を祭祀し、自らつくりあげた武家屋敷周辺の用水を“鬼川”と名づけた」。
 ……鬼を祭祀し、って、オイ!(笑)慌てて他の展示物を仔細に眺めるも、関連した言及は皆無。
 なんとも不穏なものを感じながら片町方向へ戻って、旧・古寺町にさしかかったところ、良い感じに古色を帯びた寺院と遭遇した。

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 「鬼川の聖天」の別称を有する潤光山養智院――鬼と歓喜天様ですかそうですか。
 誰か話を聞ける人がいないかと周囲をうろうろするうち、小康状態だった雪が盛大に降り始めたので、あきらめて表通りのアーケードに避難。このまま降られると帰路がおぼつかなくなるゆえ、次の目的地である室生犀星記念館へ急ぐことにする。

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 犀星が幸薄い幼少期を過ごした犀川畔の雨宝院に参拝した後、近くの犀星記念館へ。
 二階の企画展示室で開催中の「犀星写真館」が愉しかった。火鉢猫、癒されますのう。
 物販コーナーでは、小生編の『文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子』も販売中!
 館員さんにお許しをいただいて撮影させていただく(笑)。他にも地元ならではの珍しい出版物も揃っているので、来館の際はぜひチェックを。
 室生犀星記念館ホームページ
 http://www.city.kanazawa.ishikawa.jp/bunho/saisei/index.htm

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 犀星記念館を出ると、四面は横なぐりの雪。さすがにこれは呑気に散策している場合ではないと、タクシーに飛び乗り、もうひとつの目的地である徳田秋聲記念館へ急ぐ。
 お目当ては、秋聲記念館オリジナル編集の秋聲文庫である。

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▲左は大木志門さん入魂編集の短篇小説傑作集第1弾。霊岸島から汽船で横須賀沖を通過し房総へ到る船旅での出来事を描く「夜航船」ほか全9篇を収める。
 右は地元の印刷屋さん(能登印刷出版部)がシリーズで企画刊行している新書サイズの作品集。鏡花との確執を綴った「泉鏡花という男」ほか11篇を収録。

 徳田秋聲記念館ホームページ(通販コーナーもあります)
 http://www.city.kanazawa.ishikawa.jp/bunho/shusei/index.htm

 同館学芸員の大木さんに挨拶して、雪の浅野川沿いに主計町経由で鏡花記念館に立ち寄り、知人から購入を頼まれていた(通販でも買えますよ!)『化鳥・夫人利生記』をゲットして、そそくさと往きと同じ東回りの鉄路で帰途についた。

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▲秋聲記念館二階のロビーから見晴らす雪の浅野川。絶景でした。

 ……のだが。
 富山付近では青空も覗いていたのに、上越地方にさしかかるにつれて、天地晦冥、物凄い降雪に。とうとう六日町の駅で、線路の除雪待ちとなり、えんえん三時間ちかく車内で足止めを喰らう事態となってしまった。
 まあ、こちらは本とノートパソコンと携帯電話さえあれば何処にいようと仕事ができる気楽な身の上だし、差し迫ったアポもなかったので、ひたひたと降りしきる窓外の雪を眺めながら、黙々と仕事に精を出していた次第。
 なんとか越後湯沢までたどりつき(JR東日本グッジョブ!)、臨時に用意された新幹線で夜遅く帰着したのであった。












投稿者 東 雅夫 : 2010年01月28日 19:27 | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年01月27日

幽霊と怪談の展覧会を観る

 そんなこんなで年明けから忙しない中を縫って、行ってきました金沢へ。

 泉鏡花記念館で開催中の「幽霊と怪談の展覧会 part2 湯宿の怪」取材が主目的だったのだが、どうせ行くなら、13日に開催される同館学芸員・穴倉玉日さんの講演「湯宿の怪――『湯女の魂』『眉かくしの霊』など」&「鷭狩」朗読会も拝聴したいものと、それに合わせて日程を組んだ。
 前日に上越新幹線と特急「はくたか」を乗り継いで金沢へ。さらに、ほくほく線で加賀温泉駅へ到着。そこからバスで、前から気になっていた那谷寺へ向かう。
 ここは奇岩怪石の上に寺院が建立されているかのような、素敵なロケーションのお寺さんなのであるよ。あいにく小雨まじりの天候で足場が危険らしく、岩山には登攀できなかったが、山水画を彷彿させる絶景を満喫することができた。

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▲那谷寺・遊仙郷の奇観!

 折しも北陸地方は大荒れの天気予報。筋金入りの晴れ男である小生とはいえ、今回はさすがに雨/雪を覚悟していたのだが、結局この日は一度も傘をさすことなく、山中温泉の渓流沿いの宿に到着。
 と、そのとたん、霙まじりの雨が降り出したではないの。宿で貸してくれた雨傘を手に、ミズチ退治の伝説が残る道明ヶ淵など、宵闇せまる鶴仙渓をひとしきり散策する。

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▲渓谷上に架かる「あやとり橋」で撮影した一枚。オーブが盛大に乱舞中(笑)。
某オカルト怪談作家女史の鑑定によれば、右サイドのもやもやがラブリー、とのこと。

 明けて翌日。雪は上がって青空ものぞく天気となったので安心して加賀温泉駅に着いたら、なんと強風のため電車が大幅遅れとのこと(汗)。日本海側は、これがあるからなー。
 それでも早めに出発していたので、ちょうど好いタイミングで金沢下新町の鏡花記念館に到着することができた。
 待ち時間に、まずは展示を拝見しようと会場へ向かうと、いきなりコレに遭遇!(感謝感激)

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▲〈文豪怪談傑作選〉の4冊そろい踏み!

 展示会場で何といっても真っ先に目を惹くのは、「怪談ブーム」と銘打たれて、幻の『怪談会』原本と『新小説』の「怪談百物語」特集号および「怪談会」掲載号がトリオで展示されている一角だろう。
 これはもう、お化け好きなら随喜の涙、確実!?

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 他にも、鏡花の怪談系初版本はもとより、鏡花作品ゆかりの温泉宿などに関する同時代資料・写真や雑誌が多数展示されていて、そっち系の愛好者・研究者は必見の内容かと。
 前期展「湯宿の怪」は、2月28日まで開催中。

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 さて、講演開始時間となり別室へ向かうと、平日にもかかわらず満座の聴衆が。金沢市民の文学意識の高さを更めて実感させられた。
 ここでさらなるサプライズ。配布された充実のレジュメに、どこかで見たような文章が並んでいるではないか! 拙著『怪談文芸ハンドブック』から、明治末の怪談ブームに関するくだりを引用紹介していただいているのだった。
 開始早々、穴倉さんから聴衆の皆さんに、同書や『百物語怪談会』の編著者として紹介されるひと幕もあり、気恥ずかしいやら緊張するやら。

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▲見よ、穴倉さんの手に『怪談文芸ハンドブック』が!(笑)

 講義では、鏡花と怪談との関わり、とりわけ作家として出発後ほどなく、「妖怪年代記」をはじめとする怪談ものを手がけるようになった伝記的背景をめぐり示唆に富む解説がなされた後、今回のメインテーマである「湯宿の怪」を代表する作品として、「湯女の魂」と「眉かくしの霊」が紹介された。
 その流れで怪談気分が盛り上がったところで、女優で「朗読小屋 浅野川倶楽部」講師の高輪眞知子さんによる「鷭狩」朗読に移行。深夜から払暁にかけての湯宿で繰りひろげられる男女の数奇なドラマが、情感たっぷりに演じられた。
 レクチャーからパフォーマンスへ――よく考えられた構成であると、いたく感心する。

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▲「鷭狩」は、鏡花記念館発行の文庫本『化鳥・夫人利生記』に収録されています。

 講演終了後、いったん宿泊先に荷物を置いて、穴倉さん(お名前の「玉日」は親鸞聖人の内室・玉日姫に由来)や徳田秋聲記念館学芸員の大木志門さん(お名前の「志門」は四谷シモンに由来)と、夕刻から金沢名物おでんの名店で一献かたむけることに。
 いろいろ貴重な情報交換をさせていただいたり、『鏡花嗜虐小説集』の話で何故か盛り上がったり(笑)と、とても愉しいひとときを過ごさせていただいたのだが、外へ出たら……物凄い雪、雪、また雪よ!

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 金沢でも近年珍しい降り方とのことだったが、そのわりに、さすが地元の方は平然としていらっしゃる。東京であんな降雪があれば、たちまち都市機能がストップして大混乱に陥っていたに違いない。狼狽しつつも、どこかワクワクしながらホテルに帰着。
 てなところで、翌日につづく――。






▲『怪談会』を完全復刻して収載!

投稿者 東 雅夫 : 2010年01月27日 02:09 | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年01月25日

幻妖ブックブログ鼎談企画「2009年のオススメBOOKS」その1



毎年恒例の年間総括企画。今年も2009年の話題作をピックアップ。1年間を振り返ります。ビーケーワン「幻妖ブックブログ」の東雅夫、スタッフの辻和人、タカザワケンジが語り合います。この機会に読み残している作品がないかをチェック!

構成・文=タカザワケンジ

★2009年は「怪談実話」元年!?

辻■今日は2009年を振り返って、話題作やトピックスを取り上げていきたいと思います。まず、2009年最大のトピックは「怪談実話」が大きな盛り上がりを見せたことだと思います。僕たちビーケーワンも「怪談大賞」を主催して、怪談の普及を応援してきました。ここでいう「怪談実話」は、これまでポピュラーだったいわゆる怖い話とは一線を画した新しい文芸だと思います。
タカザワ■「怪談実話」という言葉そのものを新鮮に感じましたね。なおかつ、その言葉が現れたと同時に、次々に「怪談実話」の作品が現れて、大きなうねりになりました。
東■「怪談実話」か「実話怪談」かに妙にこだわる人も一部にいるみたいなんですが(笑)、ジャンルの名称としては「怪談実話」じゃないとおかしいわけですよ。「怪談漫画」とはいうけど「漫画怪談」とは言わないでしょう?『怪談文芸ハンドブック』でも書いたように、歴史的に見ても「怪談実話」のほうが古く、戦前から定着していましたしね。そういう経緯をよく分かってない出版社などが、コンビニで売ってるような怪談本を安直に「実話怪談」と呼び慣わしてきたんですね。で、あえて「怪談実話」を謳うことで、単に言葉を正すだけでなく、「実話」そのものを見直し、ひいては怪談ジャンルの文芸的なレベルアップをめざそうと考えた。ひるがえって鑑みるに、それはそもそも『幽』創刊当時からのコンセプトでもあったわけです。2009年は、「『幽』怪談実話コンテスト」を新たに起ちあげたことによって、その動きがいよいよ本格的に軌道に乗り始めたように思っています。
タカザワ■『幽』では先に「『幽』怪談文学賞」を起ちあげて、すでに4回目の受賞者が出ていますね。
東■まず文芸の本流である「小説」としての怪談から手を付けて、ようやく、実話方面にも本腰を入れる態勢が整ったのが、2009年でした。
タカザワ■2008年に1冊目が出た『怪談実話系』も、2009年に『2』が出て(『3』も2月発売予定。予約受付中)、順調ですね。
東■おかげさまで、よく売れましたね。それに較べると小説は、作家によって売れ行きのバラつきが大きいので、むしろそちらをどうコンスタントに盛り上げていくかのほうが、今後の課題かも知れません……。
タカザワ■怪談+小説は読者の関心が薄いんでしょうか……。
東■そんなことはないと思います。ちくま文庫の『文豪怪談傑作選』シリーズはあいかわらず好調ですし。それに較べると、新しい作家の作品に対する読者の反応が鈍いという感じがしますね。
タカザワ■定番ものにばかり目が向くというのは少し寂しいですね。
辻■そういう意味では、「怪談小説」よりも先に「怪談実話」を楽しんでもらって、そこから怪を語る語り口を楽しむという意味で「怪談小説」の世界に足を踏み入れていってほしいですね。
東■そうですね。幸い『幽』第12号は稲川淳二さん特集の効果なのか、売れ行き好調です。稲川さんのファンの中には小説に関心が薄い方も多いと思うので、この特集をきっかけに怪談文芸の面白さを知ってほしいですね。ま、簡単にはいかないと思いますけど……。
タカザワ■怪談専門誌の『幽』が創刊されたのが2004年ですから、それから5年たって、単行本や文庫も出て、賞もできて、2009年は東さんがお書きになった入門書『怪談文芸ハンドブック』も刊行されました。怪談を文芸、実話、両面から楽しむためのインフラが整ってきたなあ、と実感した年でもありました。
東■そうそう、私がやってるのは要するにインフラ整備なんですよ!(笑)やっと土台固めができてきた感じですね。
辻■ビーケーワンでも「怪談実話」はよく売れました。たとえば、ビーケーワン怪談大賞の選考委員を務められている福澤徹三さんの『黒い百物語』。無駄なことが省かれて、恐怖の奥の奥まで、ディテールを書き込んでいる。さすがでしたね。
東■福澤さんの実話の起点にあるのは『新耳袋』シリーズとの遭遇だろうと思うんですが、『新耳袋』の文体を参考にしつつも、いまでは福澤さんの文学的素養を生かした独自の「作品」になっている。戦後の「内向の世代」の作家たちを愛読してやまない福澤さんだからこそ成し得たことだと思います。「幽ブックス」では、『黒い百物語』と平山夢明さんの『顳【カミ】草紙』を同時発売して、両方一緒に増刷がかかった。平山さんの『顳【カミ】草紙』は『「超」怖い話』シリーズで確立した平山調とはひと味違っていて、『幽』という媒体を意識されてのことだと思いますが、より精妙な、文学寄りのアプローチをしている。幽霊でも殺人鬼でもない、あわいの領域の怖さを突いたところが出色ですね。
辻■季節ものに終わらない、通年でも読めるだけの完成度がありますね。大人にこそ読んでほしい。興味本位で読み捨てるのではなく、味わって楽しめる。通勤時間が充実すると思いますよ。
東■それと福澤さんの場合、同じネタを純然たる小説作品にもしたりしていて、実話から小説へという流れを両方読むことができるのは興味深いですね。
辻■福澤さんは『怖い話』というエッセイ集も出されて、こちらはこれまで知られていなかった、軽妙なタッチでユーモラスな一面を見せている。
 ほかに、女性作家では、立原透耶さんの『ひとり百物語』がありました。こちらもよく売れている商品です。読みやすくて、面白い。聞き書きではなくて、ご自身の体験を生々しく書いている。「視る」人ってこういう感覚なんだ、ということが初めてわかりました。
東■しかも、立原さんの場合は、たとえば加門七海さんや伊藤三巳華さんとは違って、典型的な「巻き込まれ型」というか(笑)、怪異に対して驚くほど無防備なんですね。たいていの「視る」人は、そのことに対する対処法を身につけているものなんですが、立原さんは暢気なのか天然なのか……非常にユニークなキャラクターだと思います。考えてみると、「視る」人たち、たとえば宜保愛子のような霊能者の方が語った怪談本というのはたくさんあるんですが、立原さんのように霊能者とは対極的なスタンスで、自分の体験だけを語っている人は珍しい。宗教がかってないしね、そこがとても好い!
タカザワ■キャラクターの面白さ、という点で、読んでいて引き込まれますね。
辻■しかも、プロの作家ですから、ちゃんと自分をキャラクタライズできている。
東■立原さんはヤング・アダルトの分野で活躍されたり、大人向けのホラー小説もお書きになる一方で、中国文学の研究者という別の顔もお持ちなんですね。それで『ひとり百物語』などでも汎アジア的な文化への関心がときおり顔を覗かせていて、非常に興味深いです。























投稿者 coolmint : 2010年01月25日 11:28 | コメント (0) | トラックバック (0)

幻妖ブックブログ鼎談企画「2009年のオススメBOOKS」その2



★実用性が光った『お祓い日和』

辻■怪談とは言えないかも知れませんが、加門七海さんの『お祓い日和』が非常によく売れました。四季折々のお祓いやお祈り、行事の意味を説いている本です。
東■怪談やオカルト、ホラーを求めている読者とは、また違った層の読者にアピールしている本だと思いますね。

タカザワ■「恋のおまじない」的なものって、若い女性たちが好きですよね。占いとかと同じ感覚で。いま、ブームが来ているみたいですよ。この前、恋のカリスマの蝶々さんっていう女性にインタビューしたんですが、彼女の最新刊が『恋の神さまBOOK』で、恋愛相談本なんですけど、口絵が神社にお参りする蝶々さんの写真(笑)。ヒーリングスポットやパワースポットをさりげなく紹介しているんです。
東■最近は「hanako」で聖地巡礼特集をやってますからねー。神社と美味しいもののお店を一緒に紹介したりしていて面白いんだけど、加門さんの『お祓い日和』も、きちんとグッズを美麗な写真付きで紹介してあったりして、ブームの先取りをしていると思います。
タカザワ■しかも、ちゃんとした知識に基づいて書かれているから、ベーシックな入門書として評価されていると思いますね。
辻■民俗学、宗教学的な裏付けもきちんと書いてありますからね。
東■立原さんもそうですが、加門さんも小説家としてキャリアを積んできた方なので、文芸で培った実力が発揮されているんだと思います。
辻■2009年で特徴的だったのは、ほかに、現代の怪談のみならず、明治、大正、昭和の戦前期の怪談本の売れ行きが好調だったことです。平山蘆江著『蘆江怪談集』、一柳 廣孝編『幕末明治百物語』、東さん編集の『鏡花百物語集』、志村有弘編『戦前のこわい話 近代怪奇実話集』がとくに売れました。
東■やっとそこまで読者の関心が向いてきたのかな、という嬉しい実感はありますね。怪談も実話系だったら、古いものも読んでみよう、ということなんでしょうか……。
辻■古典のなかでも、読みやすいということで買われているような気もしましたね。次は海外ものかなって気もしますけど。
東■そうですね。そこはこれからの課題だと思います。いまだに、平井呈一翁編訳の名著『屍衣の花嫁 世界怪奇実話集』すら復刻されていないというお寒い状況ですから。ただ、ここまで来ると、海外ものも芽が出てきたかな、と。その突破口となりそうなのが、2010年1月に発売される恩田陸さんの『私の家では何も起こらない』。『幽』に連載していただいていた作品ですが、モロに英国伝統の幽霊屋敷小説なんです。日本人の作家が英国を舞台にした幽霊屋敷ものを書くというのは、かつてなかったことだと思います。恩田さん自身が海外の怪奇小説がお好きだということもあって実現した企画なんですが、そこから、英国の幽霊屋敷もの、そのほかのヨーロッパ、アジア方面まで広げていけたらいいなと思いますね。













投稿者 coolmint : 2010年01月25日 11:22 | コメント (0) | トラックバック (0)

幻妖ブックブログ鼎談企画「2009年のオススメBOOKS」その3



★ホラー小説が復活の兆し

辻■ここ数年、ホラー小説はダメだ、ダメだと言われていたわけですが、2009年にはいい作品が出てきたように思います。
東■最近の話題で言うと、『このミス』(『このミステリーがすごい!』)の第6位に飴村行の『粘膜蜥蜴』が入ったことは特筆すべきですね。日本ホラー小説大賞の受賞者が、これだけ話題になったのは久しぶりでしょう。飴村に限らず、同じ年に受賞した田辺青蛙、雀野日名子も活躍している。ホラーに対する風向きが変わりつつあるかな、と思いますね。

辻■2009年デビューの新人作家は豊作でしたね。『幽』怪談文学賞の大賞を受賞した岡部えつさんの『枯骨の恋』、飴村さんたちに続く09年度のホラー大賞受賞者である朱雀門出さんの『今昔奇怪録』なども収穫でしたね。
東■雀野日名子の『チャリオ』もよかったし、田辺青蛙の新刊も、書評を書くので一足早く読んだんですが、大健闘でホッとしました(笑)。
辻■勝山海百合さんの『十七歳の湯夫人』もよかったですね。洗練されていて、読みやすい。正統派だと思います。中国古典ものという印象だけでスルーしてしまう人にもぜひおすすめしたい。読めばきっと楽しめます。
 ベテラン作家の新刊も続々登場しましたね。綾辻行人の学園ホラー『Another』、有栖川有栖さんの鉄道ホラー『赤い月、廃駅の上に』。
東■『Another』はホラー・ファンはもちろん、一般の読者にも受け入れられる傑作ですね。事実、『このミス』でも上位にランクインして大いに売れているようです。快挙ですよ。恩田陸さんの『六番目の小夜子』以来、本当に久々に登場した「学校の怪談」ものの決定版でもある。2009年の作品では、辻村深月の『ふちなしのかがみ』も学校怪談の佳品でした。綾辻、辻村のようなミステリーから出発した作家が、怪談的なものに接近している傾向は面白いですね。
タカザワ■道尾秀介さんの『鬼の跫音』も怪談小説と言っていいと思います。
東■道尾さんも辻村さんも京極夏彦、綾辻行人からの影響が絶大なわけで、彼らが先駆者として、ミステリー、ホラーの垣根を越えて書いてきた姿勢は、若い作家たちにも受け継がれているんだな、と思いますね。京極さん、綾辻さんが影響を受けた作家に遡れば、江戸川乱歩という、やはりミステリーとホラーを共に愛し、共に書いた作家がいた。そういう系譜として見るのも面白いと思います。
辻■湊かなえの『告白』もミステリーでありながらホラーのテイストもありましたね。
タカザワ■サイコ・ホラー的な要素がありました。
辻■ほかにも高原英理『抒情的恐怖群』、高橋克彦『たまゆらり』がありましたし、競作集では『怪談列島ニッポン』が非常によく売れました。怪談に近いところにある小説は、売れ行きが好調でした。
東■いま、出版界全体で小説の売れ行きが芳しくなくて、一部の人気作家は売れるけれど、新人など、知名度の低い作家の作品は低調だという現実があります。そのなかでは、怪談やホラーは健闘していると思いますね。
辻■作家の方々のチャレンジ精神が旺盛なことも、このジャンルの小説が注目されている理由の一つだと思います。平山夢明さんは『ダイナー』で得意のホラー以外のジャンルに挑戦しましたし、京極夏彦さんは『厭な小説』で新境地を切り拓いています。

★ファンタジーの新潮流

辻■ファンタジーも人気でしたね。「銀のさじ」シリーズとか。
東■日本作家による新しい感覚のファンタジーが出てきましたね。田辺青蛙や勝山海百合なんかも、ある面ではその流れに近いような気がしますが。
辻■寮美千子さんはとくに印象的でしたね。『夢見る水の王国』(上・下)はビーケーワンでも特典をつけて販売しました。
東■寮さんの作品は、いま流行しているファンタジーとはちょっと異質で、より古典的・源流的なファンタジーに近い。そういう小説が「銀のさじ」シリーズの一冊として投入されたというのは、とても悦ばしいことだと思います。ファンタジーも怪談と同じで、幅広いものであってほしい。たとえば、『指輪物語』や『ナルニア国物語』のような有名作品以前にも、ファンタジーの歴史は連綿とあったわけで、寮さんの場合はドイツ・ロマン派的なものに接近しているところがある。今後の活躍を期待したいですね。







































投稿者 coolmint : 2010年01月25日 11:18 | コメント (0) | トラックバック (0)

幻妖ブックブログ鼎談企画「2009年のオススメBOOKS」その4



★7回を迎えたビーケーワン怪談大賞

辻■2009年でビーケーワン怪談大賞も7回目を迎えて、投稿数は落ち着きましたが、質的には、作品内容の怪談度がアップして、原点回帰となったのではないかと思います。
タカザワ■応募数は落ち着きましたけど、ちょうどいい数なんじゃないですか。常連さんに加え、新しい方たちもたくさん応募してくださって、入選者の顔ぶれもフレッシュになっています。怪談に親しんでもらうということでいえば、裾野が広がっている感じはしますね。

東■応募数が落ち着いたのは、怪談やホラーにはそんなに思い入れないけど、とりあえず出してみようか……みたいな人が減ってきたからかもしれないですね(笑)。そんなに簡単には入選できないぞ、ということがわかってきて。
辻■主催者側から言わせてもらうと、入選したかどうかにはあまりこだわらないでほしいんです。普通のコンテストなら、入選作品しか発表されませんが、ビーケーワン怪談大賞の場合は、応募作すべてを読んでいただけるわけですから。ほかの人が応募した作品も読んで、面白さを発見して欲しいですね。
東■常連の立花腑楽さんたちが企画編集して、てのひら作家の方たちも寄稿している『へんぐえ』(「一体の妖怪につき、一つの物語」をコンセプトとした1200文字以内の掌編競作集)のような動きが出てきたのは、とても好いことだと思います。怪談大賞は『幽』の賞などとは違って、作家養成のつもりでやっているわけではないのですから、商業ベースとは別に、こうした横のつながりができていくことのほうを、むしろ歓迎したいですね。
タカザワ■いろんな怪談があっていい。怪談の幅を広げるという意味で、アマチュアの、ふつうの人たちが地声で語るような怪談が増えていくといいなあ、と思います。読んでいても楽しいですし。
辻■稲川淳二さんが『てのひら怪談 己丑』の解説でお書きになったいたように、怪異体験を、生活のなかで出合った大事なこととして語っていくという気持ちを大事にしてほしい。
タカザワ■自分で怪談を書いてみる、という体験は大事だと思うんです。自分で書いてみることで、怪談の奥深さ、難しさもわかると思う。書くことを入り口に、怪談を味わうことを楽しむようになって欲しいですね。そのために、毎年、ブックリストを作って、ビーケーワンで買って読んでくださいってやってるわけですけど。それに、ネットで全作品レビューされている方がいますよね。ああいう方たちを応援してあげたい。読む楽しみの表明の仕方の一つだから。

投稿者 coolmint : 2010年01月25日 11:15 | コメント (0) | トラックバック (0)

幻妖ブックブログ鼎談企画「2009年のオススメBOOKS」その5



★東さんの仕事2009

辻■今年は大きな仕事がいくつも実を結びましたね。
東■たまたま重なった感じですが、もう後半はヘロヘロでした(笑)。

辻■『怪談文芸ハンドブック』に始まり、『日本幻想作家事典』という労作が完成しました。『文豪てのひら怪談』も新聞、雑誌で話題になりました。
タカザワ■今年も相当お忙しかったんじゃないですか?
東■おかげさまで、『幽』も入れると月刊を超えるペースでの刊行となりました。とはいえ私自身は、何冊出したからどうだ、とはまったく思っていないんですが。要は、仕事の量よりも質ですからね。
タカザワ■『怪談文芸ハンドブック』は怪談の基本図書として重要な本ですが、東さんご自身にとっても大きな仕事だったのではないでしょうか。
東■怪談文芸のキホンをひととおり押さえられるような、入門向けの本を書きたいとは前から思っていたので、実現できたのは嬉しかったです。
辻■怪談について語るうえで、ベーシックなものがなかったので、『怪談文芸ハンドブック』が出た意味は大きいと思います。
タカザワ■『日本幻想作家事典』もほかに類書がなく、ボリュームもたっぷりあって、資料として重要な本ですね。
東■『日本幻想作家事典』については、私は最終的に文章面での仕上げ作業をしたに等しい程度で、ほとんど石堂藍が長年コツコツ苦労して作り上げたものですね。
辻■ビーケーワンでは売れ行き好調で、隠れたベストセラーになっています。
東■文学事典の対象にはなかなかなりにくいライトノベルやBL、官能系の作家たちも含まれているので、そのあたりは貴重じゃないかと。付録の漫画や映画のパートも充実しています。こうした事典はアカデミックなつながりのなかから生まれることが多いのですが、今回の付録に関しては、ネット・ベースの連携によって広範な書き手が集まって作られている。そういう意味でも画期的だと思います。今後は紙媒体だけでなく、オンラインでの展開も考えていけるといいなと思いますね。
辻■ほかに、『リトル・リトル・クトゥルー』もありましたね。てのひら怪談のクトゥルー版です。
東■「てのひら怪談」と「クトゥルー神話」という二つの潮流が、こんなに面白く合体するとは、当事者としてもあまり予想していなかったので(笑)、編纂していてワクワクしました。あと「てのひら」系の本としては、『文豪てのひら怪談』を実現できたのが、私自身にとっては大きかったですね。北村薫さん、山田太一さんという、アンソロジストとしても優れた仕事をされている先達の方々に、とても好意的に取り上げていただいたことが、個人的にはいちばんのトピックスといってもいいと思います(笑)。やはりアンソロジストとしても、ルーティン・ワークに陥ることはイヤなので、毎回、何かしら新機軸を打ち出したいんですよ。『文豪てのひら怪談』の場合で言えば、『てのひら怪談』で培ってきたものと、『文豪怪談傑作選』シリーズで積み重ねてきたものがあったから、可能となった仕事だと思います。800字の怪談文芸というムーヴメントを、過去の作品にまで拡げることができましたしね。

★古典新訳が目立った海外作品

辻■海外作品では、スティーヴン・キングの『悪霊の島』が予想通り快調な売れ行きでした。それと、意義が大きかったのは、H.P.ラヴクラフトの『文学における超自然の恐怖』が邦訳されたことです。
東■名のみ高くて、実際に現物を読むのが難しくなっていた評論でしたからね。入門的な評論、古典的な評論は手にとりやすくあってほしい。大瀧啓裕さんは、ラヴクラフト作品の個人全訳をライフワークにしている方なので、『文学における超自然の恐怖』にも、随処にその情熱がうかがえます。
辻■加藤耕一さんの『「幽霊屋敷」の文化史』もユニークな切り口で読み応えがありましたね。
東■それこそ、先ほど言及した恩田陸さんの『私の家では何も起こらない』も出ますから、2010年の前半は幽霊屋敷ものが注目を浴びるのではないかと期待したいと思います。それと、光文社の古典新訳文庫も凄かったですね。私も『ジーキル博士とハイド氏』(村上博基訳)に解説を書かせていただきましたが、コッパードの短編集(『天来の美酒/消えちゃった』南條竹則訳 )や、マッケンの『白魔』(南條竹則訳)が出たのには狂喜乱舞しました。古典新訳文庫以外でも、フィッツ=ジェイムズ・オブライエンの『金剛石のレンズ』を大瀧(啓裕)さんが訳したのも2009年の収獲です。こうした作品は時を超越した、永遠に新しい輝きがありますね。コッパードの帯に「南條竹則幻想シリーズ」と銘打ってありましたけど、チェスタトン(『木曜日だった男 一つの悪夢』)、コッパード、マッケンと、実に燻し銀のセレクションが光る。古典新訳文庫の面白さは、従来の文学史にとらわれず、いまの読者に訴求力がある作品を出しているところですね。
辻■2010年も傑作、名作、話題作をたくさん紹介できるように、がんばっていきましょう!
























投稿者 coolmint : 2010年01月25日 11:09 | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年01月23日

「東雅夫のイチオシ棚」 更新

ビーケーワンの辻です。
「東雅夫のイチオシ棚」 更新しました。
遂に出ました! 京極夏彦の待望の新作『数えずの井戸』。。
ダ・ヴィンチ文学賞大賞受賞作『マタタビ潔子の猫魂』は痛快な妖怪ファンタジー。
人気シリーズ「想像力の文学 」「奇想コレクション」のそれぞれの新刊も読み逃せません。
予約アイテムでは『怪談実話系 3 』と恒川光太郎『南の子供が夜いくところ』が超オススメです。















恒川光太郎『南の子供が夜いくところ』


投稿者 coolmint : 2010年01月23日 16:10 | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年01月22日

ホラ大一次の箱、選考完了

 とはいえ原稿を書いてばかりもいられません。
 すっかり年末年始の風物詩と化した(!?)今年度のホラー大賞一次予選の箱を先週から本格的に開封し、せっせと読み進めて、先ほど選考を終えて返送したところです。

 今年の箱は、なかなかバラエティに富んでいて、総じてレベルも高く、選び甲斐がありました。
 予備選考会は、2月下旬に開催とのこと。
 他の予備選委員の箱から、どんな作品が上がってくるのか、今から愉しみです。






投稿者 東 雅夫 : 2010年01月22日 02:26 | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年01月21日

今月の「幻想と怪奇」時評は?

 もひとつ原稿を書いてましたな。年明け早々から、いったい何を立て続けに原稿書いてるんだ俺という感じですが(笑)、今年は物書きモードに注力する方針なので、これでいいのだ!

 というわけで、『小説推理』の「幻想と怪奇」時評。
 今月採りあげたのは、下記の3冊でした。








 今月は本当に粒ぞろい。どれも涙腺を心地よく刺戟する作品ばかりで、弱りました。
 まもなく発売される『小説推理』最新号に御注目ください。

投稿者 東 雅夫 : 2010年01月21日 05:49 | コメント (0) | トラックバック (0)

『怪談実話系3』もスタンバイ!

 こちらは巻末じゃなくて巻頭言「五年目の御祝儀――序にかえて」を寄稿した、『幽』編集部編『怪談実話系3』のカバーデザインが完成しました!

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 今回も chutte さんが、趣向を凝らしてくださいました。
 なんともありそうな、シチュエーションでしょ!?(写真のモデルは収録作家さんでも担当編集μでもありません、念のため)
 注目のラインナップは、下記のとおり。

伊藤三巳華「伊藤三巳華の憑かれない話―憑々草出張篇―」
立原透耶「するり、ずるり」
宇佐美まこと「でもそこにいる」
加門七海「誘蛾灯」
松村進吉「嘘談」
京極夏彦「先輩の話」
林譲治「可視・不可視」
水沫流人「御利益」
安曇潤平「霧幻魍魎」
岩井志麻子「実はこれ、すべて一人の女の話です。」

 ちなみに巻頭の4作品は、昨夏の「怪談ノ宴」終了後、房総半島の某海辺のホテルでおこなわれた打ち上げの夜に起きた怪異事件を、当事者である4人の作家が競作するという、怪談文芸史上初となる画期的試みであります! 乞う御期待!!



▲予約も始まっています!

投稿者 東 雅夫 : 2010年01月21日 05:24 | コメント (0) | トラックバック (0)

荒蝦夷の怪談本

 先の記事でもふれたように、荒蝦夷さんから2月に発売される『杉村顕道怪談全集 彩雨亭鬼談』の特典付き予約が、ビーケーワンで始まっております。


 著者の杉村顕道と怪談との関わりについては、前にこのブログでも紹介したことがありますので、ぜひ御参照のほどを。
 今回の復刊は「全集」と銘打たれておりますが、その名に恥じない網羅っぷりでして、本当に嬉しくなります、ハイ(笑)。

 ……と、ただ歓んでばかりいられないのは、同書に続く『山田野理夫 東北怪談全集』の巻末解説を書きあげなくてはならなかったからで(汗)。
 年末年始のドタバタで、なかなか思うに任せなかったのですが、このほどようやく擱筆。「詩情と旅情」をキイワードに、山田野理夫翁の怪談世界の特質について、じっくり書かせていただきました。
 こちらは3月発売とのことで、追ってビーケーワンでも特典付き(かな!?)予約が始まると思います。
 どうか2冊併せて、何卒よろしくお願い申しあげます!



▲遠野物語100周年にちなんで
赤坂憲雄の名著も増補復刊!

投稿者 東 雅夫 : 2010年01月21日 04:53 | コメント (0) | トラックバック (0)

幻の怪談名著に新たな光を!

 ……と題して、『ダ・ヴィンチ』来月号の「幽・怪談通信」の原稿を書きました。
 温故知新の精神で名著の復刊を推進するというのは、小生自身、かねてより〈伝奇ノ匣〉や〈文豪怪談傑作選〉や〈幽クラシックス〉で細々と(笑)実践してきたことなわけですが、それがここへ来て、ウェッジ文庫の『蘆江怪談集』や国書刊行会の『幕末明治 百物語』、さらにはいよいよビーケーワンでの予約受付も始まった荒蝦夷の『杉村顕道怪談全集 彩雨亭鬼談』と『山田野理夫 東北怪談全集』など、ムーヴメントとして拡大の様相を呈し始めているぞ、と。
 そういう趣旨の記事を書くため、年始の忙しいときで恐縮でしたが、ウェッジ文庫の服部滋さん、荒蝦夷の土方正志さんの両編集者に急遽、メールでインタビュー取材をさせていただきました。
 当意即妙な御回答をいただいたので、お楽しみに。てのひらーもビックリ、みたいな!?

 ちなみに、そのウェッジ文庫の新刊は下記の2冊です。





 特に薄田泣菫の『独楽園』は、その晩年、宿痾に総身を蝕まれながらも、懸命な口述筆記によって成った心境随筆の精華であり、庭先の小宇宙(ミクロコスモス)を綴って自在に時空を往還する想念の峻烈さと豊饒さに圧倒されること請け合いであります。
 泣菫随筆の良き理解者である高遠弘美さんの名解説から、末尾の部分を引用させていただきます。

「本来、読書とは実用とは無縁の、精神世界の自在な旅であつたことを、私たちは『独楽園』をはじめとする泣菫の随筆を読んで改めて痛感するはずである。近代文学にあつて、かほどに豊潤な随筆も珍しいのではなからうか。」

 読書とは実用とは無縁の、精神世界の自在な旅――然り、いくたびも、然り!

投稿者 東 雅夫 : 2010年01月21日 04:27 | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年01月19日

お化け屋敷、最後の日

 浅草「花やしき」のお化け屋敷が、今年1月11日をもって老朽化のため閉鎖されることは、ネット・ニュースなどでも取りあげられたので御存知の方も多かろう。
 恥ずかしながら小生、これまで一度も同園のお化け屋敷には入ったことがなかったので、これでは怪談専門誌編集長の名がすたる(笑)……と、最終日に駆けつけた。
 ま、浅草は通い慣れたトレーニング・コースのひとつでもあるしね。

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 すでに6時を過ぎていたのでメイン・ゲートは閉まっていたが、横手の通用門に「お化け屋敷」観覧者専用の出入口が。飲食券500円を購入すれば入園可能……ということは実質無料ってことですな。よ、ふとっぱら!
 入ると物凄い行列でたじろいだものの、これはお化け屋敷そのものではなく、飲食券引換所の行列だった。
 古色蒼然として実に好い味わいのお化け屋敷を堪能。本日は施設内の撮影オッケーということで、写真を撮りまくるも、後で見たらピンボケの連続であった。
 屋外に出ると、そこには「立飲み処 おばけや」が(笑)。

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 見れば、怪談/妖怪/てのひら関係者が三々五々、寒風のなかコップ酒を煽る姿に……鬼気迫るものを感じたのであった(笑)。
 徒歩で帰るため隅田川を渡ると、大きな金色の人魂が、ビルの屋上に消えてゆくのが見えた。

bake3.jpg






※ただいまビーケーワンで開催中の「本で旅する幽霊屋敷」フェアも要チェック!
(このページ上段のリンクから、どうぞ!)

投稿者 東 雅夫 : 2010年01月19日 01:08 | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年01月18日

書き初め

 今年の原稿の書き初めは『ユリイカ』次号の藤田和日郎特集。
 「艮!?――『うしおととら』トリビュート・アンソロジーを妄想する」と題して、アンソロジストならでは(笑)の論考を草してみました。
 といっても、アッという間に上限の20枚に達してしまい、構想しているプランの半分弱しかお披露目できなかったのですが。

 何を隠そう小生、『うしおととら』は『少年サンデー』での連載開始から完結まで、ほぼ一話も欠かさずリアルタイムで毎週愛読していたのです。その後で始まった『からくりサーカス』も、勝少年が宇宙へ飛び出すあたりまでは、連載のほうで読んでましたな。
 年末年始、ひさびさに藤田ワールドにどっぷり浸れて、嬉しうございました。

 ちなみに今号の特集の「妖怪」パートは、加門七海さん、田辺青蛙さん、そして小生という執筆陣だそうで……(笑)。



投稿者 東 雅夫 : 2010年01月18日 20:39 | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年01月15日

正解と抽選結果発表

 お待たせいたしました。
 先に実施しました『Kaiki: Uncanny Tales from Japan Vol.1』刊行記念クイズの正解は、下記のとおりです。

(A)上田秋成「菊花の約」
(B)稲垣足穂「稲生家=化物コンクール」
(C)幸田露伴「幻談」

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▲抽選方法は、正解者に番号を割り振った後、響鬼カードを裏返して引いて、
最初に「港区のウワン」が出た番号の方を当選としました。

 厳正なる抽選の結果、朱雀門出さんが当選となりました!
 おめでとうございます。
 追って同書を謹呈させていただきますので、愉しみにお待ちください。

投稿者 東 雅夫 : 2010年01月15日 18:15 | コメント (1) | トラックバック (0)

2010年01月07日

辻占?

 先ほど近所の定食屋のカウンターで刺身定食(この店の刺身のボリュームは半端じゃないのよ)を食べていたら、小生と同年配か少し下くらいとおぼしき隣席の男性ふたりが――

 「〇〇さんが仮面ライダーのDVDを貸してくれて……」
 「一緒に大魔神のDVDも……」
 「いま巷で話題なんだって……」

 などという会話が漏れ聞こえてきて、思わずニヤリ。
 このDVDは、かなりの確率で『仮面ライダー響鬼』であろうと推測いたします、ハイ!(え、『クウガ』かも!?)

 「物語は新生する」――『大魔神カノン』特報 http://www.youtube.com/watch?v=Y6IDxKLp85o





 響鬼といえば、久方ぶりに『響き交わす鬼』ほか小学館文庫版〈妖怪文藝〉を引っ張り出して、あれこれと。
 某誌来月号の藤田和日郎特集に寄稿するための仕込みの一環である。
 そのため、この年末年始は『うしおととら』をはじめとする藤田作品を一挙再読。
 燃えたぜ。






投稿者 東 雅夫 : 2010年01月07日 15:36 | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年01月06日

幽ブックス、新春第1弾!

 2010年の〈幽ブックス〉第1弾となる、恩田陸さんの長篇『私の家では何も起こらない』の見本が届きました。

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 タイトルとは裏腹に(!?)丘の上の古屋敷で起こりまくる怪異と猟奇の数々が、どこか奇妙で不穏な視点による連作形式で綴られてゆくことは、『幽』の愛読者ならば先刻御承知でしょう。
 しかも舞台となるのは、ゴースト・ストーリーの王国たるイギリスとおぼしき田園地帯――これだけでもう、正調怪奇小説の読者ならば耳目をそばだてるに違いありません。
 さらに! 単行本化にあたって新たに書き下ろされた巻末の一篇が、これまた凄い。作品全体の解釈を根底から一新させるというか、おおー、この手できたかーッ! と、うんうん唸らされました(笑)。

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▲著者直筆のメッセージ。さあ、入りましょう!(笑)

 『幽』連載陣の中でも異色の「洋もの」ということで、編集長である小生自身、毎号、お原稿が到着するのを愉しみにしていましたが、本当に期待にたがわぬ、清新にして奇趣横溢する作品に結実したことを、心から嬉しく思います。
 超多忙なスケジュールのなか連載を続けてくださいました恩田さんに、衷心より御礼申しあげます。


 さて、本書のもうひとつの魅力が、そのエレガントにして幽かにデカダンの薫りも漂うブックデザインです。

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▲この麗しき見返しを観よ!

 かくも秀抜なるデザインを御担当いただいたのは、小生も『怪談文芸ハンドブック』でお世話になった名久井直子さん。
 本日発売の『ダ・ヴィンチ』では、その名久井さんと著者の恩田さんによる対談や、恩田さん自身のセレクトと解説による幽霊屋敷小説ガイド、さらには南條竹則氏による英国幽霊屋敷案内などを掲載した、本書の担当編集者である吸血キッシー入魂の特集が組まれております。
 ぜひ合わせて御購入・御高覧のほど、お願い申しあげます。



投稿者 東 雅夫 : 2010年01月06日 15:21 | コメント (0) | トラックバック (0)

鏡花の新春、美の競演

 このところ何故かやたらと鏡花づいている(笑)当サイトですが、折しも年末年始にかけて全国各地の美術館で、鰭崎英朋、小村雪岱、鏑木清方という鏡花ゆかりの絵師たちの展覧会が開催中です(詳細については各美術館のホームページを御参照ください)。
 また、すでに紹介しましたとおり、金沢の泉鏡花記念館では「幽霊と怪談の展覧会――湯宿の怪」も開催中。
 年の始めに、鏡花世界の美と妖気を具現したアーティストたちの精華を堪能できるとは、こいつは春から縁起が良いわいなぁ!

鰭崎英朋展(弥生美術館)
2010年1月3日→3月28日
http://www.yayoi-yumeji-museum.jp/
※生誕130年を記念して開かれる初の本格的な回顧展。とりわけ初公開となる絶品「幽霊」は怪談好き必見!






▲国書刊行会から初の画集も同時出版。また『百物語怪談会』にも英朋えがく艶冶な挿絵の数々が復刻収録されています。

小村雪岱とその時代(埼玉県立近代美術館)
2009年12月15日→2010年2月14日
http://www.momas.jp/3.htm
※鏡花に殉じたといっても過言ではない繊細優美な「昭和の春信」雪岱の精髄を一堂に。小生自身、一、二をあらそうくらい大好きな画家です。






▲雪岱の文業を収めた『日本橋檜物町』は不朽の名著。また『鏡花百物語集』所収の「幽霊と怪談の座談会」では、雪岱による鬼気せまる挿絵を史上初復刻!

清方ノスタルジア(サントリー美術館)
2009年11月18日→2010年1月11日
http://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/09vol06/index.html
※珍しい人魚図の逸品「妖魚」や「三遊亭圓朝像」などの名品を「ノスタルジア」をキイワードに展示。

清方の正月(鏑木清方記念美術館)
2009年12月22日→2010年1月24日
http://www.kamakura-arts.or.jp/kaburaki/exhibition/index.html
※清方作品に取材した押絵羽子板や初春にちなんだ作品を展示。鎌倉小町通り裏の閑静な住宅地にひっそりとたたずむ同館自体が、実によい雰囲気ですぞ。


幽霊と怪談の展覧会2(泉鏡花記念館)
前期「湯宿の怪」2009年12月12日→2010年2月28日
後期「金沢奇譚」2010年3月3日→5月30日
http://www.city.kanazawa.ishikawa.jp/bunho/ikkinen/kikaku/index.htm
※滅多に現物にお目にかかる機会のない、あの『怪談会』原本(鰭崎英朋装幀)も展示されています。



▲鏡花の温泉怪談といえば、まずは「眉かくしの霊」から。

投稿者 東 雅夫 : 2010年01月06日 01:56 | コメント (1)

2010年01月05日

『Kaiki: Uncanny Tales from Japan Vol.1』見本到着

【この企画は応募を締め切りました。御協力ありがとうございました。正解と抽選結果は追ってお知らせします】
※こちらのアンケート企画は、新年1月5日午後11時59分で締め切らせていただきます。まだの方はお正月休みに、ぜひ!(笑)※

 はるばる太平洋を越えて(!)、小生編の英訳アンソロジー『Kaiki: Uncanny Tales from Japan』第1巻が到着しました。
 版元の黒田藩プレスは、その名のとおり九州に拠点を置く出版/翻訳エージェントですが、刊行物の印刷製本はアメリカ本国で行なっているのだそうな。

kaiki1a.jpg

 今回のアンソロジーは、創元推理文庫版『日本怪奇小説傑作集』をベースに置きつつも、海外向けということを考慮して新しいコンセプトで臨みました。
 もっともだからといって「欧米の読者にも分かりやすい作品、口当たりの良い作品を……」というようなことに配慮したわけでは、全くありません(笑)。
 逆に、日本ならではの民俗風土文化歴史を如実に感じさせるハードコアな作品を意識的にチョイスしたつもりです。

 そもそも翻訳文学に接する醍醐味のひとつは、異文化に触れることの驚きや歓びであるわけで、本書を契機に、日本の怪談や怪奇小説、さらにはそれらを生み出した日本の文化や風土に関心を抱く若い方々が海外で増加してくれれば何よりと思います。
 現に、本書で稲垣足穂「稲生家=化物コンクール」の翻訳を担当しているジェフリー・アングルスさんは、翻訳作業を通じて「稲生物怪録」の面白さに驚嘆し、現在なんと日本に短期留学中であります。

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▲杉浦日向子さんの名作『百物語』の1篇も
英字表記に変わると何とも不思議な印象に。

 さて、ここでちょっとしたクイズを。
 下記はいずれも本書の一節ですが、それぞれ誰の何という作品の一節か、お分かりになりますでしょうか?
 全問正解者の中から抽選で1名様に、本書をプレゼントしたいと思います(コメント欄に解答を記入のうえ送信ボタンを押してください)。

(A)The light of the moon sank behind the edge of the mountain and it grew dark. Samon decided that was enough for that day, and as he closed the gate and went to go back into the house, he glanced and saw a person approaching from the misty dark shadows as though he was being blown by the wind.

(B)You're quite the tough man, aren't you? But it's because you're so courageous that you've encountered these hardships. This year, you were destined to enter a time in your life of many hardships. That's not just because you're sixteen.

(C)The pole was of course where they had left it. Nevertheless, the customer now took it and, praying Namu Amida butsu, Namu Amida butsu, he restored it to the sea.

 なお、第1巻の詳しい内容等については、下記サイトを御参照ください。
 http://www.kurodahan.com/mt/e/catalog/jp0007cate.html

投稿者 東 雅夫 : 2010年01月05日 11:32 | コメント (4) | トラックバック (0)

2010年01月01日

恭賀新年

 謹んで初春の言祝ぎを申しあげます。
 本年も何卒よろしく、お願い申しあげます。

 大晦日は例によって、紅白歌合戦を観ながら部屋の片づけ(おこがましくて大掃除とは銘打てないレベル)をしているうちに、新しい年を迎えておりました。
 今年の紅白は……ギガントマニア的には、やはりメガ幸子に尽きるかと(笑)。来年はメカゴジラならぬメカサチコ、お願いしまーす。

 さて、昨年は、下記のとおり月刊を上まわるペースで、著書や編纂書を世に出すことができました。
 読者の皆さま、そして各社の担当編集者をはじめとする関係者の皆さまのお力添えに、心から御礼を申しあげます。
 今年もさらにパワーアップして、アンソロジストとして、文芸評論家として、『幽』編集長としての仕事に取り組んでまいる所存です。

 とはいえ、申すまでもないことですが、刊行点数はあくまで結果であって、大切なのは仕事の量ではなく質――怪談やホラーや幻想文学の分野において、いま真に必要とされる企画を、望ましい形に具体化してゆくことだと思っています。
 その意味では今年、『怪談文芸ハンドブック』や『文豪てのひら怪談』や『Kaiki: Uncanny Tales from Japan』をはじめとして、これまで誰も手がけたことのない書物を実現できたことには、大いに手応えを感じた次第です。
 どうか今年も倍旧の御支援・御鞭撻を賜りますよう、お願い申しあげます。

東雅夫の仕事2009

【1月】



リトル・リトル・クトゥルー/学習研究社

【2月】



怪談列島ニッポン 諸国奇談競作集/メディアファクトリー

【3月】



怪談文芸ハンドブック/メディアファクトリー

【5月】



お岩 小山内薫怪談集/メディアファクトリー

【6月】



てのひら怪談 己丑/ポプラ社



怪談実話系2/メディアファクトリー

【7月】



文豪怪談傑作選・特別篇 鏡花百物語集/筑摩書房



幽 第11号 怪談遠野物語/メディアファクトリー

【8月】



文豪怪談傑作選 太宰治集 哀蚊/筑摩書房



文豪てのひら怪談/ポプラ社

【9月】



文豪怪談傑作選 折口信夫集 神の嫁/筑摩書房

【10月】



日本幻想作家事典/国書刊行会

【11月】
kaikishoei.jpg
Kaiki: Uncanny Tales from Japan Volume1―Tales of Old Edo/黒田藩プレス

【12月】



幽 第12号 稲川淳二スペシャル/メディアファクトリー

投稿者 東 雅夫 : 2010年01月01日 19:45 | コメント (0) | トラックバック (0)