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みちのく怪談プロジェクトについて

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 『杉村顕道怪談全集』が早くも各処で(まだ地味ながら)話題になっているようで嬉しいかぎり。今朝の河北新報でも大きく報じられたようです。
 それもあってか、「みちのく怪談プロジェクト」って何よ? という質問を、ここ数日、連続していただいたので、いま書ける範囲のことを書いてみます。

 そもそも、どうして小生が「みちのく怪談」という言葉を発案したのかと云いますと、このブログをご覧いただいている皆さまは御承知のように、ここ数年、なぜか東北方面と縁のある怪談系の仕事やら所用やらが連続していたからなのですな。『幽』の巡礼団でも宮城県沖の通称・猫島(第5号)や、遠野(第11号)におもむきましたし。

 特に昨秋、青森県立美術館の「妖怪展」に出かけたついでに、〈文豪怪談傑作選〉でも取りあげた太宰治の故郷・五所川原から平尾魯僊ゆかりの浅虫温泉、さらに石川さゆりゆかりの龍飛岬まで、かなりの強行軍でしたが足を伸ばして、単身じっくり、みちのくの風土を体感してきたのが決定打となりました。
 http://blog.bk1.jp/genyo/archives/2009/10/post_1711.php
 http://blog.bk1.jp/genyo/archives/2009/09/post_1712.php

 それと前後して、『百物語の怪談史』や『江戸東京 怪談文学散歩』でお世話になっている角川学芸出版さんから、遠野怪談がらみの選書書き下ろしのお話をいただき、目下書き進めているところでもあります。
 そしてトドメの一撃となったのが昨年暮れ、荒蝦夷の土方正志さんから、杉村顕道と山田野理夫の怪談集復刊の相談をいただいたことです。
 まさに「みちのくは招くよ」状態なのですが(笑)、思いかえせば2008年、これまた荒蝦夷が編集業務を請け負っている東北芸術工科大学東北文化研究センター発行の『舞台評論』第4号で、「怪奇幻想文学の源流」と題するインタビュー取材(増補改稿のうえ『山田野理夫 東北怪談全集』のビーケーワン特典として配信予定)を受けたことが、小生が「みちのく/東北」の幻想と怪奇について本格的に考え始める大きな契機となったのでした。
 http://blog.bk1.jp/genyo/archives/2008/03/post_1263.php

 古くは江戸期の只野真葛や平田篤胤、平尾魯僊らに始まり、佐々木喜善や宮沢賢治、太宰治や石上玄一郎、寺山修司や高橋克彦、そして杉村顕道や山田野理夫といった怪奇幻想文学の英才異才を輩出し、また恐山に代表される心霊的風土が、柳田國男や新田次郎や西村寿行や篠田節子や恩田陸や……多くの作家たちに霊感をもたらしてもきた「みちのく/東北」。それは日本的な幻想と怪奇、ホラー・ジャパネスクの大いなる源流と称して過言ではありません。
 おりしも2010年は、近代怪談文芸の出発点と呼ぶにふさわしい、柳田國男の名著『遠野物語』刊行100周年にあたります。『遠野物語』そのものの偉大さを再確認すると同時に、その母胎となった「みちのく」の豊饒なる伝承風土、そこに育み培われた怪談奇談幻談の文学的伝統に広く思いを馳せることも、意義深いことであると考えます。

 ……とまあ、以上のような「みちのく怪談プロジェクト」趣意書とともに、小生編のアンソロジー『みちのく怪談名作選(仮)』の企画書を荒蝦夷の土方さん宛てに、おずおずと差し出したところ(企画のプレゼンとか自分からはめったにしないので緊張するのよ)、たちどころに御快諾をいただいたのでした。
 さしあたり現時点で確定している企画としては――

 『杉村顕道怪談全集 彩雨亭鬼談』と『山田野理夫 東北怪談全集』の連続刊行(荒蝦夷)
 東雅夫編『みちのく怪談名作選(仮)』刊行(荒蝦夷)
 「800字みちのく怪談」の公募(開催時期など詳細未定)
 「みちのく怪談ブックフェア」の開催

 といったところですが、他にも幾つか、別の版元さんなども巻き込んだ企みが深く密かに進行中です(もしも連携できそうな企画を温め/推進中の向きは、是非お声がけください!)。
 怪談文芸好きな皆さまの御支援・御賛同・御協力を賜りますよう、何卒よろしくお願い申しあげます。











投稿者 東 雅夫 : 2010年12月15日 19:03

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