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幻妖ブックブログ座談会企画「2011年のおすすめBOOKS」2/3
★ビーケーワン怪談大賞を振り返る
辻■昨年のこの座談会で、これからは文学の地方分権が必要だと発言したんですが、まさに今年はそういう動きが顕在化したと思いますね。
東■あ、そういえばそうでしたね! たしかに「ふるさと怪談」など、その典型……なんだ、われわれは辻さんの掌中で踊らされていたわけか(笑)。
辻■また、読む人が書く、書く人も読むという双方向性が大事であるとも予測しました。第9回を迎えたビーケーワン怪談大賞には過去最高の投稿数が集まり、その予測を裏付けるかたちになりました。今年のビーケーワン怪談大賞はいかがでしたか?
東■なにしろ全体のレベルが上がっているので、選考するほうも気が抜けないですね。でも一方で、マンネリ気味な印象があるのもたしかで、選考委員も毎年同じようなことを選考会で言っているきらいがある。今はよくもわるくも安定期に入っているような気がしますね。ゲストのお二人は、ともに怪談大賞に投稿されてきたわけですが、最近の状況を、どのようにお考えですか?
門賀■初期の頃は、本に載るということは意識せずに書いていて、それがお祭り的で楽しかったのですが、最近は本に載るために投稿しているという感じがあって、ちょっと雰囲気が変わってきたような気がします。みなさん、傾向と対策を研究しているような。
東■動物を出せば加門(七海)さん、ヤクザを出せば福澤(徹三)さん、恐竜を出せばヒガシが(笑)それぞれ選ぶとかですか?
門賀■東さんはそうかもしれませんけど、ほかのお二人はそんなことはないでしょう(笑)。
東■いや、一番やりそうなのは七……急に話題を変えますが、平さんはビーケーワン怪談大賞で「書く」ことを始めてから深みにハマって、作家になってしまったわけですが、怪談大賞に応募したときはどんな感じで?
平■私は書くのが早かったんです。5分か10分でメールの送信欄に書いたものをパッと送信するだけで。
東■え、パソコンのメールフォームに直接お書きになっていたんですか!?
平■パソコンの使い方がよくわからなくて──いまでもよくわからないんですけど──私は友達のところにメールを送ることができなかったんです。練習のためにビーケーワンに怪談を送ると、しばらくしてブログに反映されるので「ああ、ちゃんと届いたんだ」と安心していたんです。
東■メールの練習台としてビーケーワン怪談大賞を使っていたとは……さすがです(笑)。
門賀■その気負いのなさがいい作品を生んだのだと思います。平さんの作品は怪談大賞に応募されていた「金魚屋」さんの頃から大好きでした。今は入賞せんかな、とがんばっている作品が多いなかで、さらっとしたものが出てくるとほっとします。
平■私が投稿したのは第四回だったと思いますけど、下手な人も多かったんですよ。私もそうでしたけど。いまは下手な人って送ることもできない雰囲気なんじゃないかって。
東■敷居が高くなっちゃったのかな。
平■パターンが出尽くしたような気もするんです。新しいことをやろうと思うならよっぽど違うところから来た人じゃないと。
門賀■印象に残る怪談が減っているような……。
辻■現実との接点がないと印象に残らないんですよ。怪談は空想の産物ではないんです。こうだと信じられている現実があって、それがひっくり返されるから「怖い」と思うわけで、まずは自分が触れている現実が書けなくてはいけない。空想だけをテクニックを駆使して書こうとするから似たような話になるんじゃないでしょうか。怪談はリアリズムの文学なんです。
投稿者 : 2012年01月06日 18:20
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