『ぼくと新しい神さま』/国木映雪
昨日はうわばき。今日は体そう着。明日は教科書の番だろうか。ぼくの持ち物は次々にかくされる。毎日、たすけてくださいって神さまにおねがいしてたのに。ようやく神さまが役に立たずって気がついて、ぼくはかわりに上野くんにおねがいをした。上野くんはぼくと同じ科学部員で、ぼくとちがってすごく頭がいい。
放課後、ぼくたちは使われていない百葉箱のところへいった。中のさびた機械は捨てた。上野くんはたのしそうに、ぼくのために新しく神さまを作る計画を話してくれた。材料には消しゴム5こ、DSのタッチペン、飼育小屋で集めたニワトリの羽根などを使った。ぜんぶつなぎあわせて完成だ。スイッチを入れると、なまぐさいけむりが吹きだして神さまが起動した。
次の日からクラスの子がかわるがわる休むようになったけど、ぼくへのいやがらせは終わらなかった。上野くんがちょっと考えてメールを打つと、夕方、他の学校の生徒たちが五丁目のローソン裏に集まってきた。上野くんのじゅくでの知りあいらしい。みんなカバンから大事そうになにかを取り出した。それぞれの神さまだ。神さまたちははげしく戦った。でも、ぼくの神さまが一番強い。上野くんが作ったんだから当然だ。ぼくの神さまは他の神さまを吸収合体してパワーアップした。他校の人たちは5年生にもなって大声で泣きわめいて、鼻をすすりながら帰った。ちょっとかわいそうだったかな。
ぼくはそれから毎朝ガシャポンのケースに水を入れ、百葉箱に供えている。新しい神さまのゴリヤクはすごい。昨日は目黒さん。今日は大塚くん。明日はだれの番だろうか。ぼくの級友は次々にかくされる。
投稿者:takazawa 2009年07月21日 5時59分
このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.bk1.jp/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/9826